A smile of a goddess   作:御沢

2 / 95
01

「わぁ、神威大門だぁ・・・すっごい」

 

「ミク、特待生だって?」

 

お兄ちゃんと手紙を読んで、最初のリアクション。

 

もう、嬉しいとか、どうとか、考えられなかった。―――私が、特待生!?

 

「ミク・・・行くの?」

 

お兄ちゃんに聞かれて、思わず考え込んでしまう。

 

 

―――地元の中学校だって、LBXには協力的。友達だって、たくさんいる。

 

―――でも、神威大門統合学園は、“憧れ”・・・。

 

 

「よしっ、決めた!私、神威大門に行く。そこで、大好きなLBX、たくさん学びたいの」

 

立ち上がって、お兄ちゃんに宣言。

 

お兄ちゃんは、クスクス笑ってる。

 

「ん?何ー?」

 

「ううん、ミクももう、13歳なんだよなぁ・・・って思って」

 

「それがなに―――あっ」

 

 

―――13歳。

 

お兄ちゃんにとっては、私の10歳と同じくらい・・・いや、もっと大きくて、大切な年だった。

 

只今お兄ちゃんは、15歳。今年で16歳。

 

お兄ちゃんも、高校進学の年です。

 

 

「お兄ちゃん、やっぱり決めた。私は、神威大門で学ぶ。大切な中学校だからこそ・・・学びたいって、心からそう思うんだ」

 

「ミク・・・」

 

「・・・さ、さーて、準備しないとっ!お兄ちゃん、お母さんに伝えてきて!」

 

決めたら決めたで、意外と悲しくなっちゃうものなんだよね。

 

でも、前へ進まなきゃ―――・・・。

 

自分の決めた―――“道”を―――・・・。

 

 

中学校に行くため、イメチャン。

 

前髪を左右に分けて、後ろに流した。(イナイレの夏未ちゃんみたいな)

 

後ろ髪は、低めの位置でサイドテールにする。ウェーブが揺れる。

 

もちろん、控えめなピンク色のリボンは、健在だったり。

 

トランクに荷物を詰め、相棒を手に取る。

 

「向こうでも、使えるのかなぁ?」

 

 

―――私の相棒、アキレスS7は、お兄ちゃんのアキレスD9の改良版。そして、ちょっと女の子テイスト。

 

しかも、オーディーンの要素も入ってる。

 

作成者はもちろん、バンさんのお父さん、山野博士。

 

ちなみにS7とは、“シャイニング7”の略。

 

輝く7つの光―――虹を、表しているとか。

 

「うーん・・・ま、よろしくね」

 

心強い相棒。この子と、何度の優勝を経験したことか。

 

 

港には、たくさんの人が見送りに来てくれた。お兄ちゃんやお母さんはもちろん、バンさんやランちゃんも。

 

「ミク、頑張ってね!」

 

「ランちゃん・・・ありがと!うん、頑張ってくる♪」

 

元気よく船に乗り込み、目指すは神威島―――・・・。

 

 

・・・―――で、到着したはいいけど・・・

 

「此処、昔見たいっていうか・・・」

 

目の前に広がるのは、昭和の日本。純喫茶とか、見たことないようなものばっかり。

 

同じくきょろきょろしてた、ジャケットを着た子に尋ねてみる。

 

「えっと・・・神威大門統合学園に入学する・・・?」

 

「あ、はい」

 

緊張している彼―――出雲ハルキとの出会いだった。

 

「あの、私も新入生で・・・あ、出雲君とは違うかもだけど・・・でも、同じかなぁ。それでさぁ・・・一緒に行こうよ?」

 

すると彼は、微笑した。緊張が残ってたけど、それはこっちも同じだし。

 

「はい」

 

「あ、タメ口でいいよ。私は、大空ミク。えっと・・・」

 

「出雲ハルキ」

 

「そうそう、ハルキ。よろしくね」

 

「よ、よろしく・・・」

 

―――彼は、今思えば、このころが一番、幸せだったのだろう。

 

 

入学式。

 

ハルキも私も、1-5組だった。

 

此処は、やっぱり世界関係の学校だった。

 

―――やっぱり、っていうのも、私を“特待生”扱いするのは、やっぱり“例の事件”が、関連していると思ったから。

 

そして案の定、関係していた。―――ウォータイムっていう。

 

この学校を、いくつかの仮想国(私たちはジェノック)にわけ、LBXで戦争の勝敗予測、みたいなのをするらしい。

 

まぁ、私は、先生とともに、指令を出すだけだけど。

 

時たま、一緒に戦ったりするらしいけど・・・今のところはなし。

 

 

「・・・ま、面白そうね」

 

黄色いリボンをいじりつつ、ヒールの高いローファーを鳴らす。ちなみに靴下は、ニーハイだ。

 

「ミク、何か見えたかしら?」

 

「先生・・・はい、今日は面白そうなミッションですよね。遂行は、難しそうですけど」

 

ウォータイムの行われている“セカンドワールド”を眺めながら、私は先生に告げた。

 

 

―――これが、私の日常。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。