「フォーメーションアタックはね、プレーヤーが出来れば、大方出来るものだよ」
昼休憩の後、私はお兄ちゃん達の言葉を思い出した。
ランちゃんが、自慢げに教えてくれたの!
あの3人、ずーっと仲良しだからなぁ。
木の陰から、カイトとゲンドウが見てる。
知ってるけど、無視無視、笑。
「各機、位置を確認!」
「ブルーグリフォン、発進!」
何度かの練習の末、なんとかできた。
名前は、“デルタクロス”。
完成したけど、何度もやって、制度をあげて行くみたい。
CCMを見ると、あと十数分でウォータイム開始。
でも、私は今日は・・・。
「じゃ、頑張ってね」
笑顔でそう言い残す。後ろから、ユノの声がする。
「ミク?」
「生徒会っ!」
顔を見ず、手を振る。
木の陰のゲンドウに、こっそり耳打ちをする。
「ピンチになったら、よろしくね。あの子たち、優秀なんだけど、熱くなりすぎるところがあるから」
ゲンドウは、少しうなずいた・・・様に見えた。
「・・・何なの、話って」
校舎の裏の、人の少ないところに、彼はいた。
「ミクは、ジェノックなんかでいいのか?俺にも勝てる。ロシウスのような、規模の大きな仮想国のトップのほうがいいんじゃないのk―――」
「ジェノックがいいんだって、私は。そんなこと、知ってるでしょ、ムラク?」
「・・・そうだな」
ムラクって笑わないけど、こういうときは“内面”は笑ってそう。
バネッサとかもふくめて、第6小隊ってクールが多いもんなぁ・・・。
あ、でも、一部違うか、笑。
「話ってそれだけ?もうすぐウォータイムでしょ?」
「・・・そうだな」
「じゃーね、また」
ムラクに背を向けて、ジェノックの部屋まで向かう。
・・・ムラクって、やっぱり意味がわかんない。
「フォーメーションアタック、大丈夫かな?」
「先生・・・どうです?あと、猿田教官、何でいるんです?」
「いやー、第1小隊は面白い!」
部屋にいた猿田教官、話をそらす。
とぼけるとか、教師としてあるまじき!
・・・まぁ、なれたんだけど。
ふと床の画面を見ると、3人が出て行っていた。
「今からですね。面白くなりそう」
カイトは、散々言ったのに、フォローしてるし、笑。
ハルキは、そんなカイトをかばう。
フォーメーションアタック、どうするの!?
・・・って時に、ゲンドウやってくる。
あ・・・もしかして、話、覚えててくれたのかな?
見事フォーメーションアタックは成功。
デスワルズブラザーズは、LOST。
退学申請に、あとで3人がやってくると思うと・・・ちょっぴり胸が痛む。
「ねぇ、美都先生」
「何、ミク」
家に帰って、一緒にご飯を取っている真っ最中。
先生、料理はやっぱりうまい。
まぁ、シチューなのがちょっと・・・笑。
「私が、もし退学になったら、会長はどうなるんです?」
「・・・法条ムラクがするでしょう。あの人は、副会長でしょう?」
「・・・そうですね」
・・・誰かがLOSTしちゃった日の夕ご飯って、いっつもこう。
まぁ、しょうがないっちゃ、しょうがないけどさぁ。
仲間が減るんだもんね・・・。
「明日、見送りに行きます」
「・・・頼むわね」
そのあとは、なんとか普通に戻った。
翌日、早朝。
アラタ達は、きっと朝食の最中。
私の目の前には、あのデスワルズブラザーズ。
「お疲れ様。・・・元気でね」
「会長・・・ミクさん・・・ありがとうございます」
「ちょっと、やめて・・・。うん、じゃあ」
そういって、3人が船に乗ろうとした時、アラタがやってきた。
3人って、いさぎいい。
悪い人ばっかりじゃないの。
戦った相手はほめたたえるし、アドバイスもする。
―――最後に、かっこいい言葉なんか残して、3人は船に乗った。
「アラタ・・・」
「俺、頑張るよ。あいつらの分も・・・」
上りきった太陽が、キラキラ光っていた。