その日の夜―――
ジェノックのブリーフィングルームに、私はいた。
一緒にいたのは、美都先生と、ジンさん。
「ジェノック、結構出来てますよね。ロシウス相手に、ここまでできるなんて思ってなかったですよ」
「よくやっているといえますね」
ジンさんが、美都先生に言う。私は、笑う。
―――ウォータイムって、実は生徒会が決めることが多い。
だから、ジェノックの力を見るためだけに、ロシウスと戦わせることが多くなっていた。
まさか、アラタとヒカルが、ここまでなんて、思ってなかったのが本音。
「次は、拠点が必要かな」
「そうね」
「なら、ここしかない。―――“エルダーシティ”」
ジンさんが見つめる先に、ロシウス屈指の拠点があった。
―――なるほど、次はここか。
翌日、さっそく授業。
まぁ、おもに活躍できるのはメカニックかな?結構難しい授業だし。
現にアラタなんて、目が点。
理解の二文字、なさそう、笑。
しかもメカニック、なんか討論始めてる。
わかるっちゃあわかるけど、難しい。
結局討論は、カーボンを使うことで収まったらしい。
メカニック同士の話には、プレイヤーはついていけないよね、笑。
「アラタ、どうだった?」
こっそり聞くと、アラタの顔は、やばかった。
うん、ついていけなかったのね。
放課後になる。
今日は、昨晩先生とジンさんとで考えた、あのミッションを実行する下準備。
「ブリーフィングを始めるね。ジェノックとしての将来を考えると、補給整備のできる拠点が必要だってわかるよね?だから、今回はエルダーシティを攻略しようと思う。
でも、エルダーシティは今まで、数々の優秀なチームが挑んでは、返り討ちになった街。
だから、今日は下準備としての偵察」
アラタとサクヤが、何かを話してるけど、気にせず続ける。
「今、エルダーシティを見張っているのが、2小隊のみなの」
「今がチャンスってことね!」
キャサリンの言葉に、うなずく。
ユノは、怪訝な顔。
「なんで?重要なんでしょ?」
私は、一拍間をおく。
「LBXの代わりに、兵器が投入されたみたい。コードネームは、エルドバンド」
「エルドバンド・・・」
「今日はそいつの実態を探って、次の攻略ミッションの役に立てるの。速やかに情報入手、速やかに撤退だからね。
敵の警戒網なんかを考えて、このミッションは1つの小隊のみでいきます。・・・第1小隊、よろしく」
とたんに、アラタの顔が輝く。
―――そうそう、こういう人たちだから、出来ると思うんだよね。
ウォータイムが始まる。
相手LBXを確認して、皆は降下開始。
あっという間にザコを排除。さすが、第1小隊。ドットフェイサー達の力は、伊達じゃないね。
・・・さぁ、ムラクはこのバトル、どう見る?
私としては、早めに目的に移りたいから、エルドバンド出してくれるのがありがたいけど。
3人は次の行動へ。
街を徘徊して、エルドバンドの正体を暴こうというつもり。
暴くまでいかなくても、情報収集かな。
3人が合流して、ハルキが町の中心へ行く指示を出す。
すると・・・
「あ・・・もう、勝手だなぁ」
画面に向かってうなだれる私を、先生が苦笑気味にみる。
―――毎度のごとく、アラタの単独行動開始、苦笑。
きっと、フラッグへ向かったんだろうなぁ。
まぁ、一発でとれるようなフラッグじゃないけど。
サクヤに話しかけながら、アラタがフラッグへ。
秘密兵器とか言ってるけど、気にしないでいいや。そのうちわかるし。
結局ハルキとヒカルも向かう羽目に。
「お疲れです」苦笑
画面に向かって、そう呟いた。
・・・その時だった。
上空に何かの気配。もしかしたら・・・
皆も気づいたようで、動揺している。
着地したとたん、強烈な攻撃。やばいな、このままだと・・・。
「まさか、要塞戦車だったとは・・・」
先生の顔は、みるみる苦いものになる。さすが最大規模仮想国、ロシウス連合。
セカンドワールドでも、戦いは苦しい。
そして、エルドバンドが変形する・・・。