あの後、生徒会の仕事があった。
ちゃんとムラクには謝ったけど・・・
ヒカルの様子、気になるなぁ・・・。
今日は、簡単な仕事しかやってないけど、手が進まない・・・。
2時間かかって、まだちょっと。
本当に、気になるなぁ・・・。
先陣を切る、なんて言い出したのも。
妙にアラタに突っかかるのも。
なんか、“らしく”ないよな・・・。
「ミク」
「へ?なーに、ムラク」
作業している手を止めると、ムラクは心配そうな顔。
「あいつが気になるか?」
「・・・うん。らしくなかったっていうか、焦ってるみたいで」
私がそういうと、ムラクはたちあがる。
「今日は終わりだ」
「え?待って、それは会長が決めるんだよ?」
「会長がそれでは、仕事ができないだろ」
ムラクにそう言われて、はっと気づく。
・・・そうだよね。
「ごめんね、そうだね。じゃあ、終わりっ!」
私はそういうと、鞄を取りに2年5組へ向かう。
「大空ミク」
後ろから呼ばれ、はっとする。
聞いたことのある声だったな・・・確か、この声は・・・。
「伊丹・・・さん・・・?」
呼びかけると、後ろから伊丹さんが出てきた。
身元不明で、学年はおろか、所属国さえも分からない。謎が多い人だなぁ。
「今日は活躍していたな」
「そうですか?でも、なんであなたが知ってるのか、私はそっちが気になるけどね」
「そうか」
私の中では、最初の言葉を聞いた時点で、仮説が浮かび上がってた。
「・・・バンデットでしょ?伊丹さん」
「よくわかったな、さすがだ。俺の名前は、伊丹キョウジだ」
「そう。じゃあ、キョウジ。いいえ、バンデット!あなたたちの思い通りには、私がさせないから!」
「そうか。面白い会長だ」
そう言い残すと、キョウジはその場を去った。
そのあと、急いで鞄を持って、ダック荘へと向かった。
やっぱり、ヒカルが気になった。
ドアを開け、食堂へと向かう。
今は、食事の時間だったし。
すると、中からどなり声。
「―――僕とハルキがいつもフォローしてるってことを、忘れるなッ!」
この声・・・ヒカルだ。
足音が、こっちに近づいてくる。
食堂のドアに隠れる。
でも、見つかってしまった。
「ミク・・・」
「ヒカル。来てよ、一緒に。聞きたいこと、山ほどあるから」
私はヒカルの返事も聞かずに、手を引いて、ドアを開けた。
やってきたのは、神威大門。
夜の神威大門は、先生たちが会議をしたりしているだけで、静か。
時刻はまだ、7時半。
遅ければ、9時くらいまで仕事をしている私にとって、夜の神威大門は、慣れたものだったりする。
「ねぇ、ヒカル」
私はヒカルと2人、ベンチに腰掛ける。