翌日。
私は神威大門の門の前にいた。
なんか、転入生が来るとか。
「はじめまして、西村ユウジ君、大山タカオ君。私は、中等部の生徒会長の、大空ミク。それでね、2人のクラスメイト。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「こちらこそ。2人は、ジェノック第3小隊に配属されるからね」
「はい、わかりました」
なんか、アラタとヒカルを思い出すなぁ・・・
「固いのはナシで!よろしく、ユウジ、タカオ」
「よろしく、ミクさん」
なんか、やっぱり固いなぁ・・・。
ホームルームで紹介すると、キャサリンが反論。
確かに、リクヤの小隊に入るのは・・・。
でも、リクヤの事情、知らないんだからしょうがないかぁ。
昼休憩、アラタ、ヒカル、ユノは学園紹介。
私は珍しくコウタと話し中。
―――リクヤのことだけどね。
屋上で、ユウジとタカオ発見。
3人で、リクヤのことさんざん言ってるなぁ・・・。
「やっほー。メカニックさんがお呼びだよー?」
「わかりました、じゃあ」
「また」
「第3小隊のやり方に、口出しはするな」
コウタは無表情で言い放つと、3人で屋上を出て行っちゃった。
「ばいばーい」
手を振ると、アラタが腹だたしそうに言う。
「ミク、いいのかよ?」
「うん。同じ小隊なんだから、色々あるでしょ?」
「でも・・・LOSTしたところに、こんなに急に・・・!」
「アラタ」
私はアラタの顔を見つめる。
「確かにアキトもシンも、同じ仮想国だったから、特別だったのは確かだよ?でもね、私は会長なんだ」
空を見つめながら、そういう。
3人は黙りこくっちゃった。
「・・・会長だからね、毎日毎日私のところには、LOSTした人のリストが来るの。来ない日なんて、1日もないよ」
「そんな・・・」
「私にとっては、神威大門皆が仲間なんだよ。だから、最初はいつも苦しかった。それこそ、自分がLOSTしてしまいたいくらいにね。もちろん今でも、苦しいのは変わらない。
LOSTしたLBXは、私がLBX塚に持っていくし、ジェノックが関係してLOSTした人たちは、大体見送りに行く。
そんな日々を続ければ、感覚って麻痺するんだよね。―――LOSTすることに、ものすごくショックを受けていたのに、今はあんまり受けなくなっちゃった。
いちいち受けてたら、体が持たないしね。ロシウスからすれば、毎日何人かはLOSTするんだよ。見てて、本当に・・・。
・・・冷徹な奴だって、見下したっていいよ。でも、それが今の自分。大空ミクって人だから」
「ミク・・・ごめん、何も知らずに・・・」
アラタが謝ってくる。
私は無理やり笑顔を作る。
・・・笑いたい気分じゃないけど。
「いいんだよ。私は、もう慣れちゃった。・・・あと、リクヤのこと、許せないのは痛いほどわかるけど・・・リクヤには、彼なりの事情があるの。そのことは、わかっておいてあげて」
「・・・君は、生徒の事情を把握していると言っていたな」
ヒカルの言葉にうなずく。
アラタが、せかすように言う。
「教えてくれよ!」
「うーん・・・個人情報だし、無理。ごめんね。でも、頭の片隅に置いておいてくれると嬉しいかも。じゃ、今から生徒会の会議だから、ばいばーい」
手を振りながら、階段を駆け降りる。
―――私にだって、色々あるんだもん。
「ミクさん、大丈夫ですか?」
「ナナミ・・・ありがと」
生徒会室の前には、ナナミがいた。
ナナミは、生徒会執行委員。会議に参加するんだよね。
「あーっ、やっぱり会長って辛いねー!色々、1年生の時に感じてたこととか、感じられなくなっちゃってさ」
「ミクさん・・・私もですわ。ほら、私って結構強引な戦い方するでしょう?だから、完全破壊しちゃうことも多かったんですの。
そしたら、LOSTなんて全然何にも感じなくなっちゃってまして」
ナナミも苦笑気味で言ってた。
―――私たちは似た者同士。
それゆえに、苦しむことだってたくさんあるわけで。