「ハーネスかぁ・・・我ながら、良い考えかも?」
ムラクと別れて、1人で家まで帰ってる最中。
独り言をつぶやく。
うん、やっぱ良い考えだ。
でもなぁ・・・
悩むなぁ・・・。
「司令官が、かなり優秀なんだもん・・・」
―――ハーネスの司令官、海道ジンさん。
5年前は、LBXの方が操縦についていけなくなるほど、優秀だったり。
それは、今でも健在。
4年前から、私の尊敬する人。
「・・・勝てないかもなぁ」
うーん・・・
わたしもそりゃ、ジンさんたちと一緒にいたし、一応特待生なんだけど・・・。
私の作戦、通用するかな?
ジンさんの方が、何枚も上手だもん・・・。
でも、悩んでても始まらない!
「よしっ!くよくよしてても始まらないっ!」
空に向かって叫ぶと、また神威大門へ。
―――ジンさんにあって、話をしてみよう。
でも、その前に。
「玲奈さーん」
職員室に向かって叫ぶと、玲奈さん登場。
「ミク、まだ帰っていなかったの?」
「ジンさんと話がしたくって」
「本当に好きね、ハーネスの司令官さんが」
呆れ気味でいう玲奈さん。
・・・しょうがないよ、本当に好きだもん。
そうそう、目的目的。
「今日はありがとうございました」
ぺこりと頭を下げる。
「ムラクもそうだったけど、私も私情を持ち込んじゃいました。
どの小隊にも属していない中立の立場なんだから、どこかを贔屓しちゃいけなんですよね。
これからは、気をつけます。第3小隊だけじゃなく、第1、4小隊のこともです。あの2つは、仲が良くって、つい・・・」
苦笑すると、玲奈さんも苦笑。
「本当ミクは、すごく子供だと思うのに、こういうところしっかりしていて、大人よね。
昼はキュートで子供なのに、夜はクールで大人。不思議な子だわ」
「あはは・・・それは、皆には教えられないこととか、悟られちゃいけないことが、沢山あるからですよ。
学園の秘密は、何としても隠し通さないと、ですもんね。
・・・まぁ、近いうちにばれるかもですが」
最後は、ちょっと小さめに。
玲奈さんにも、聞こえなかったみたい。
そして、ハーネスのブリーフィングルーム前。
ジンさんは、きっとここにいると思うし。
ドアが開いて、ジンさんはちょっとびっくりしたけど、すぐに笑ってくれた。
さすがだなぁ・・・。
「何か用か?」
「私、ジンさんにどれくらい通用する?」
「なんだ、急に・・・。ジェノックとハーネスを、戦わせる気か?」
やっぱり鋭いなぁ。
「うん・・・でも、私、ジンさんには勝てる気しなくって。クロスキー教官とか、ジョーダン教官には勝てるんだけど・・・ジンさんは、勝てなさそう」
「やけに弱気だな」
微笑みながら、私に言う。
しょうがないよ・・・一緒にいた分、きっとジンさんには、私の戦い方くらい、読めてるはずだもん。
でも、私は読めなくって。
私の頭をなでて、ジンさんはまた微笑む。
「セカンドワールドでは、確かに敵だ。でも、ミクは仲間じゃないか。かけてはならない存在だ。
ハーネスの子たちも、確かに大切だ。でも、それ以上にミクの方が大切だ」
「ジンさん・・・ありがとう。私、やっぱりがんばるよ。そして、負けない!」
「そうか。でも、こっちには天才メカニックがいるぞ?アスカの弟のタケルが」
う・・・そうきたか。
「知ってるよ・・・そこも、問題なんだよねー。
でも、まぁ、メカニックさんはあんまり戦いにはかかわらないじゃん?だから、警戒するけど、あんまりね・・・」
「ミクの読みは、適切だな。まぁ、明日楽しみにしているといいよ」
「うん!じゃあね、おやすみ」
私は手を振って、部屋から出る。
―――私、やっぱりがんばってみよう。
私自身のため―――仲間のため、美都先生のため、ジンさんのため。