LBXの戦いに、2人は息をのむ。
「ミク、どうして・・・?」
星原くんが聞いてきた。この意味は、きっと“こっち”だろう。
「なぜ、巨大な地球そっくりのオブジェクトで、戦いをするのか、ということだよね、星原くん?」
「・・・ヒカルでいい」
―――なんか、変なタイミングだなぁ。
「了解。質問に答えるとね・・・これが、世界戦争のシュミレーションだから、かな。LBXによる、疑似戦争」
さらに私は続ける。
「同盟関係とか、そういうのも全部反映される」
「世界行政とかの、予想に役立つ?」
「ヒカル、頭いいね。大正解。でも、ほかにもあるの」
2人が不思議そうな顔をする。
「―――世界平和の維持」
さらに怪訝な顔になる2人。
「世界には、緊張状態にある国が、たくさんあるじゃん?戦争になった時、もし、結果を知れてたら、防げる可能性もあるでしょ?」
「確かに・・・」
私は、2人のほうを向く。
「ERPってプロジェクトなの」
「ERP・・・?」
あ、そうか。わかんないよね。
「ERPって言うのは・・・エクスペリメント・リアリズム・プロジェクトっていう、国連統合推進のプロジェクト」
2人は納得したらしい。けど、ヒカルはやっぱり不思議な顔。
「でも、何でコンピューターシュミレーションじゃ、ダメなんだ?」
「近年、わかってきたことがあった。それは・・・人の感情。コンピューターじゃ、わかんないでしょ?」
「だから、優秀なプレイヤーを・・・」
一通り、この学校のスタイルを説明する。
そして、飛行物体を着陸させ、さらに地下へ。
着いたのは・・・
「此処は、コントロールポットルーム。ウォータイムの際は、此処で操縦するの」
そして、空いている4機のコントロールポットを指差す。
「今から、私と一緒にセカンドワールドへ行くよ」
アラタは、本当に好きなんだろうね。わくわくしてるよ。
私にとっては・・・恐怖のほうが大きいのに。
「ミク、準備できたぞ」
「あ、ありがと、ハルキ」
そこにやってきたのは、2人の所属するジェノック第1小隊隊長の、出雲ハルキだった。
2人分のLBXを持ってきて、皆でいっせいにコントロールポットへ乗り込む。
此処からは、私の特権。―――私の顔を承認すると、途中からでもウォータイムに参加できる。
あと、やっぱ気分。
ってことで、私は顔認証をして、叫ぶ。
「ウォータイム、開始ッ!!!」
「サクヤ、準備オッケー?4機だけど、大丈夫?」
「全然」
メカニックの細野サクヤと連絡を取り合い、セカンドワールドへ。
「頼んだよ、2人とも」
「おう!」
「わかった」
「ハルキ、フォローするから、指示よろしく!・・・恐れないでね」
「了解。初ウォータイムだな」
「うん」
ぱっと目の前に広がる、上からしか見たことのない世界。
「指示を聞くんだ」
「俺たちは、兵士だ」
ハルキ、ヒカルは状況を理解してるみたい。アラタは、遊び感覚が抜けていない。
「3人とも、準備万端?3、2、1、降下開始!」
4人で降下。そして―――・・・
初めてのウォータイム、開始―――!
・・・なんて、甘ぬるいものじゃなかった。
2人とも、ハルキの指示は聞かないし、戦闘用じゃないのに、戦闘したり・・・。
サクヤの仕事が、増えちゃう。
ぐちゃぐちゃだ。
しかも、アラタなんて、別の小隊の区域にまでやってきて、もう大変。
LOST寸前で、ウォータイムが終了した。
―――ふぅ、なんとかセーフだったけど・・・
「やっぱ、大変そう・・・」
「そうだな・・・」
ハルキと2人、ため息をついちゃった。