「ジェノックが、動き出したよ」
「そうか」
―――ビリヤード場にて。
ドルドキンスこと、海道ジンさんと、お話し中。
狙いを定めて、キューを引いて・・・
「あーっ!もう、なんでぇ!?」
「ミクは、本当に惜しいところで外すな」
笑いながら、ジンさんが頭をなでる。
只今、ビリヤードをやってるんだけど・・・
いっつもおしいところで外す私・・・
なんでかなぁ・・・。
その時、CCMが鳴った。
「はい?」
『俺だよ、アラタ!』
電話の主がアラタで、思わずびっくり。
ジンさんに手で、制止のポーズを出す。
「ど、どうしたの、アラタ」
わざと名前を呼んで、ジンさんに相手を意識させる。
『いや、ちょっと・・・日暮先生、見てないかと思って』
あぁ、極秘任務のことか。
「ううん、見てない。でも、どうして?」
『うーんと、色々あって・・・でも、見てないんならいいや!ごめんな!』
―――アラタ、ごめんね。
私、全部知ってるの。
皆が来れたら、私を見てどうおもうんだろう・・・。
「ううん、いいよ。
・・・何やってるかは知らないけどさ・・・オープニングブレイク、健闘を祈ってるね!」
『え・・・あぁ!』
アラタが電話を切って、ちょっとため息。
「なんだったんだ?」
「えーっとね、日暮先生探してるみたい。さっき言った“極秘任務”のことね」
「そうか・・・でも、先生なら・・・」
ジンさんが言いかけた時、ドアが開いた。
「ミク、来ていたのね」
「大空も知っているのか」
―――美都先生と日暮先生登場。
正確に言えば、日暮先生は一部を知らないかも。
「お邪魔してまーす。ねぇ先生、ビリヤードできますか?」
「・・・成程、またうまくいかなかったようね」
ラシャの上を見て、納得した2人の先生。
うーん・・・どうしただろう?
暇つぶしにビリヤードを教えてもらって、結構時間がたったけど・・・
「遅いな・・・」
「そうですねー・・・」
第1小隊は、未だに来ない感じ。
わざとビリヤードの音、紛れ込ませたのに・・・。
さらに時間がたって・・・夕方。
タイムリミット、迫ってるなぁ。
美都先生なんか、キレそうだし、汗。
「あきらめます・・・?」
「・・・いえ、日が落ちていない以上、まだ夕方よ。タイムリミットは、まだ来ていないわ」
「そうですね・・・でも」
外が、ちょっと騒がしいんだけど・・・。
もしかして・・・
「来たかもですね」
ドアが開いて、第1小隊登場。
第4小隊は、きっと外で分かれたみたい。・・・ばれてるけどね。
「遅い!」
・・・美都先生、ご立腹です、汗。
日暮先生は、ここでいったん退場みたいで、ここから去って行っちゃった。
そして―――
「ミク・・・どうして・・・あと、その格好・・・」
やっぱり、そっちに来るよね。
今の私の格好は、ジェノックカラーの男子の制服みたいな感じ。
ネクタイも緩く締めてある。
でも左側の袖は、ブレザーの裾とつながってる。ボタンも3つ。
ちゃんと神威大門の校章も入ってる。
スカートは美都先生のようなタイトスカートで、下はパンプス。
「この格好は、まぁ・・・気にしないでね。あと、ごめんね・・・隠してたわけじゃないんだけど・・・信じてもらえないかな」
「いや、なんというか・・・」
「いいんだよ、結果隠してたっぽいしね。でも、今は私よりも・・・」
ビリヤード台の陰から、ジンさん登場。
第1小隊に対する評価を述べながらだったけど。
さすがって感じの観察眼。
「ハーネスの司令官で、2年3組の副担任の海道ジンさんだよ」
するとヒカルは、目が輝いてるけど・・・
やっぱり、驚きが隠せないみたいで、呆然としてる。
それはもちろん、ほかの3人も一緒。
ジンさんは、有名だもんね。
「ジンさんは、半年前からここにいたんだけどね。ジェノックとは、陰でつながってたの。
つまりハーネスとジェノックは、陰ですでにつながってたって事」
「そして」
美都先生が、4人に向かって言い放つ。
「我々は明日、この密約を公にし、正式にジェノックとハーネスの同盟を宣言します」
ジェノックだけじゃない。
―――ハーネスも、学園も変わっていく・・・。