「つまり、デスフォレスト攻略が、初めての合同ミッションになるわけ。
これは、絶対に成功させなきゃいけないミッションだからね」
そういってから、こんどは先生に笑いかける。
「タイムリミット、守れたみたいですね。ってことは、教えてあげないと・・・ですね」
「そうね、わかったわ」
すると美都先生は、冷静な口調で淡々と語る。
―――セカンドワールドの戦争は、世界平和のためなんかじゃない。
代理戦争である、と・・・。
私が俯いていると、ジンさんが頭に手をのせる。
「ジンさん・・・」
「大丈夫だ、今は秘密にする必要はない。1人で抱え込むな」
「・・・うん、ありがとう」
私も、軽く微笑む。
私はジンさんの説明が終わると、息を大きく吸う。
「じゃあ、次は私だね」
皆の視線が、私に集まるのがわかる。
なんか、緊張するなぁ・・・。
「改めて、1からの自己紹介ね。
私は大空ミク。神威大門統合学園の中等部2年。
それでいて、中等部の生徒会長をやってる。
仮想国は、ジェノック所属。でも、小隊には属していない。
・・・司令官の資格を持っていて、ジェノックの影の司令官。
また、ウォータイムを運営する側の人間でもある。
―――4年前の、パラダイス事件でジンさんとは知り合った。
多分・・・ムラクと比べたって、一般生徒よりは、学園の秘密を知ってる。
それでいて、一応プロのLBXプレイヤー。
今思い突く、皆に秘密にしていたことは、これくらいかな」
自己紹介を改めてすると、皆は黙りこくっちゃう。
まぁ、しょうがないかも・・・。
「あ、アラタは知ってたかな?」
苦笑しながら、アラタに言う。
「あ、あぁ・・・」
アラタはうなずいて、やっぱり黙りこむ。
「オープニングブレイクっていった時点で、気付くべきだったんだよな・・・」
アラタが、ぽつりと言う。
「ハルキ達からさっき聞いたんだ。オープニングブレイクって言葉が、ビリヤードの用語だって事」
「まぁ、そうだね。私なりの、最大のヒントだったかな」
「・・・ミクは、全部、知ってたんだよな。でも、“俺たちを守るため”に、言わなかった・・・」
「ッ!」
その言葉は、初めて聞いたもので。
―――“皆を守るため”かぁ・・・。
そっか・・・そういう考え方も、できるんだ・・・。
「ふふっ、ありがとう。そんな言葉、初めてだよ。
今までずっと、なんだかんだいって、自分の利益のために働いてた気がしてたんだよね・・・」
「そんなことはないさ」
そういってくれたのは、ジンさんだった。
「4年前だって、ミゼルトラウザーが爆発した時、ミクはなんで残った?」
「それは・・・足手まといになると思ったから・・・かな」
「それはつまり、バン君たちを助けようとした、ということだろう。自分の命を、捨てようとしてまで」
4年前の出来事なのに、今でもそんなことを言ってくれるなんて・・・ジンさん、ずるいよ。
「そんなつもりじゃなかったんだよ・・・でも、ありがとう」
ジンさんに笑いかけて、今度は第1小隊に向き合う。
私の大切な“仲間”・・・。
私は確かに、皆を守りたかった。
―――皆の“笑顔”を守りたかった・・・。
輝く笑顔で、LBXを楽しんでほしいと願っていた・・・。
それはもうセカンドワールドでは無理だと思うけど・・・いつか、また笑いあえたらな。
「皆にも、辛い思いさせちゃうかもしれない。
それでも・・・お願いだから、一緒に戦って。これ以上、私は守れそうにないから・・・」
俯いて言うと、アラタが笑った。
「確かに今は、何が何だかわかんないけどさ・・・ミクだって、大事な仲間だろ?」
「僕たちは、ミクとともに戦うさ」
「当然だ。仲間である限りな」
「だからさ、僕たちをもっと頼ってよ?」
笑いかけてくれる第1小隊が、本当に温かくて。
―――私は、ここにいていいんだよね・・・。
私は笑って、何度目になるかわからない言葉を言う。
「―――ありがとうっ!」