タイミング悪い、と思ったけど・・・2人とも、深刻な顔。
「・・・どうしたの?」
まじめなトーンで聞いてみると、ヒカルが答える。
「アラタが倒れた」
「えっ・・・どういうこと?」
やばい・・・動揺するよ・・・。
「俺たちにもわからないんだ。今、保健室で寝ている」
「とりあえず、荷物とかを置きに帰ってきたんだ」
「そっか・・・じゃあ、2人とも戻るんだよね?」
「あぁ」
「じゃあ、私も付いて行くから!」
手に持っていた荷物をすべてその場に置く。
2人はまた駆けだしたけど、私は思いだす。
―――このこと、アリスに伝えたほうがいいんじゃないの・・・?
「ミク?」
振り返った2人に、
「ごめん、すぐ行くから!」
そう言い残して、部屋に戻る。
「アリスッ!」
「ミク?どうしたんだ?」
4人が、びっくりした顔でこちらを向く。
「アリス・・・アラタが倒れたって」
「ッ!」
アリスは、はげしく揺してる。
当り前だよね・・・。
「今から学校に行くから、一緒に来る?」
「当り前だ。早く行くぞ」
「待って!あたしたちもついて行くよ!」
「アリスちゃんのお兄ちゃん、心配だもん!」
「そういうことよ」
アリスだけじゃなく、3人も立ち上がった。
保健室に着いたら、ヒカルの声。
「一体、君に何があった?」
それと同時に、アリスのか細い声。
「・・・兄貴は、昔から馬鹿だから、風邪なんかひかなかった。倒れるなんて、もってのほかだ。
それなのに・・・何があったんだよ・・・ッ」
「アリス・・・大丈夫だよ、アラタは目、覚めたみたいだし」
会話の内容からして、そうだよね。
その時、向かいからジンさん発見。
「ミク・・・それに、誰だ?」
「えっと・・・あとで紹介するから、とりあえず入ろ。4人とも、ちょっとここで待ってて」
4人に言い残して、2人で入っていく。
「アラタ・・・ッ、大丈夫?」
「あぁ・・・でも、まだ全然体のだるさが抜けなくて」
そんなアラタに、ジンさんがいう。
「見ていたよ。おそらく極限的な状況に対する君の本能が、脳に眠る力を目覚めさせたようだ」
その台詞・・・まさか・・・
「ジンさん・・・アラタって、まさか・・・?」
「あぁ・・・瀬名アラタ、君はオーバーロードを使ったんだ」
やっぱり・・・。
「オーバーロード・・・アラタも・・・?」
ジンさんに尋ねると、ハルキから質問。
「ミクは知ってるのか?」
「・・・うん。この際だし、教えとく。
そのオーバーロードってやつ、私も使えるの。ちゃんと訓練してるんだけど。
オーバーロードって言うのはね、人間の脳が極限まで活性化した状態のこと。すべての事象がスローモーションに見えたりするの。つまり、動きも速くなるの。
簡単に言うと、LBXと一体化した感じ。だから、超高速での戦闘が出来たりするの」
アラタは、やっぱり困惑するよね・・・
急にこんなこと言われたって・・・
・・・わかるよ、私だってそうだったから。
日暮先生が、疲労回復用のチョコレートをアラタに渡す。
・・・オーバーロードって、本当に疲れるから、使用した後は糖分を取ったほうがいいの。
だから私も、キャンディとかチョコレートとか、ポーチに入れてる。
「アラタもさ、甘いもの持ってるといいよ。私も持ってるから」
「今日の出来事は、重大な意味を持っている。オーバーロードを体得することが出来たら、重要な武器になるからな」
「オーバーロードは、訓練すればだれでも使えるようになるものなんですか?」
「・・・理論上は可能だといわれているが・・・」
するとアラタは、はっきりといい張った。
「俺、いりません!頭は痛くなるし、すっげぇ疲れるし、こんな力、いりません」
「とにかく今日は、ゆっくり休むといい」
ちょっと空気が重いけど・・・せっかくだもんね。
紹介しなきゃ。
「日暮先生、実は4人が今、ここにきてるんですけど・・・」
「・・・そうか。それなら、紹介すればいい」
「ありがとうございますっ!」
軽く頭を下げて、4人を呼ぶ。
・・・お兄ちゃんたちの瞳が、みるみる開かれていきます、笑。
「兄貴ッ!・・・大丈夫か?」
「アリスッ!え、ちょ、えぇ!?」
「ヒカル、アリスの兄ちゃん大丈夫なの!?」
「ミヤビ!?どうしてここに・・・ッ!?」
「ハル君・・・アリスちゃんのお兄ちゃん、大丈夫なの?」
「ヒナ・・・!どうしてここに?」
そして、一斉に私のほうを見られる。
「紹介するね。
明日からハーネス第5小隊として2年3組に入る、瀬名アリス、星原ミヤビ、出雲ヒナタ、法条サナだよ」
するとサクヤは、ちょっと冷静に、
「つまり、ジェノック第1小隊のプレイヤーと、法条ムラクは、双子って事?」
「うん、そういうこと」
ニコッと笑うと、皆驚いてる。
「・・・まさか、4人が双子なんて・・・」
「私も驚いたんだから!」
サクヤと話してる間にも、各兄妹は久々の再会を喜んでいた。
・・・オーバーロード、か・・・。
私もお兄ちゃんに会いたいな・・・。