今日は、2人の初ミッション。
「アラタ、ヒカル、初ミッションだよ。がんばってね」
そういうと、サクヤから預かっていたLBXを渡した。
「おう!ありがとう!」
アラタだけは、ニコッと笑った。ヒカルはクールだからなぁ・・・。
渡してすぐ、私は皆の前に歩み出る。
「今日は、補給物資を無事、目的地まで送り届けることがミッションです!輸送列車の護衛は、第一小隊、よろしくね」
第一小隊がうなずく。
「第二、第五小隊は、仕様ポイントの警備!」
そのあとも、いろいろとポジションを告げて行く。
「・・・先生、何か変更は?」
私は、先生に尋ねる。
―――このポジションは、私が考えたもの。毎回そうだ。
皆に告げた後、先生に確認を取る。大方先生は、OKをくれるけど。
今回も、先生は無言でうなずく。
コントロールポットに乗り込むのをみて、私は指令室へ歩みを進める。
先生は、また会議らしい。
「今回は、難しいなぁ・・・あの2人、大丈夫だろ?」
各メカニックのいるルームを見つつ、セカンドワールドも見る。
「今回は、第一小隊を中心に、かな」
サクヤのいる部屋と、第一小隊のメンバーの顔をちょっと大きくして、別の画面でセカンドワールドを見る。
マイクに向けて、私は叫ぶ。
「第一小隊小隊長!恐れないで、ミッション開始!」
―――まぁ、初めてのミッションが、そう簡単にうまくいくわけもなくって・・・
最初のほうはよかったんだけど・・・。
第一小隊は、行動がチグハグ。どうしようもない。
しかも、アラタは恐れているのが丸わかり。焦点が定まっていない。
「アラタ、恐れないで!」
「あ、あぁ!」
返事にだって、力がこもっていない。
そして、アラタのLBXは、相手LBXに囲まれた。
やばい・・・LOSTする・・・っ!
セカンドワールドマップを見てみると、一縷の光が。
マイクに向かって、無我夢中で叫んだ。―――第四小隊にむかって。
「ユノ!前方にアラタがいる!敵LBXに囲まれていて、LOST寸前っ!助けて頂戴!」
すぐに、ユノの元気な声が聞こえる。
「オッケー!」
セカンドワールドを見てみると、アラタは無事だった。
ほっと胸をなでおろす。
でも、此処で甘やかすのは、生徒会長としてダメ。
皆が帰ってきて、私は厳しいまなざしを向ける。
「LOSTしなくてよかった。でも・・・電車の護衛が、最優先だったはず。離れるのはいただけないっていうか。以後、気をつけてね」
私はそういうと、先生に頭を下げる。
「ミクが言った通りよ。優先順位を間違えないことね」
先生はそういうと、部屋から去った。
アラタはそのあと、しばらく黙りこんだ。ちょっと、きつく言いすぎたかな?
「アラタ・・・その・・・」
「ミクの言うとおりだ」
前から聞こえたのは、あの面倒くさい先生の声。
「猿田教官・・・此処はまだ、ジェノックの部屋ですよ?なぜいらっしゃるんです?」
ツンとした態度で、あしらう。
「いいじゃないか。・・・それより、ビビったことだ。腰が抜けたのか?ビビるものは、死ぬだけだ。覚えておけ」
私たちは、立ち去る猿田先生を、ただ見つめ、そして深刻な顔になった。
深刻な顔をするアラタ。
―――只今、下校中。ちょっと、言いすぎた気がするような・・・。
すると、後ろから元気な声。
「ミク~、皆~っ!」
「ユノっ!」
アラタも、驚いた顔をしている。
「冴えない顔してるなぁ・・・ミクの言葉、響いた?」
アラタは、顔をしかめる。
「放っといてくれよ」
するとユノは、いたずらっ子みたいな顔をする。
「恩人にそんな口、聞いていいの~?」
「恩人?」
第一小隊が不審な顔になる中、ユノは得意げな顔になって、スマートなLBXを取り出す。
「じゃーんっ、私の相棒セイレーン!」
そのLBXは、ユノの相棒のセイレーン。すごくかっこいいの。
「このLBX・・・」
「たしかアラタを助けた・・・」
ユノは、ちょっと舌を出す。
「ま、ミクからの指示だけど。あの時のミク、とっても必死だったんだから!」
「ちょっと、ユノ!」
あぁ・・・ちょっと恥ずかしいなぁ・・・
ユノは、アラタに対して、ニコッと笑う。
「御礼なら、順喫茶スワローのチョコレートパフェでいいわよっ!」
あ、やっぱりそう来たかぁ・・・。
「アラタ、頑張ってね」
アラタの肩を叩いて、私はバス停へと歩みを進める。
「ついでだ、俺たちも行く」
「というか、一緒にいたらめんどくさそうだしな。ユノは」
「同感だよ」
後ろからハルキとヒカルとサクヤもやってきたけど。
私は、3人に向かって笑う。
「確か部屋に、ガトーショコラがあったはず!一緒に食べよっか!」