「キョウジ、まってって!」
「ん・・・?なんだ、ミクか」
「なんだ、じゃないよ!何か知ってるの?」
しばらく追いかけて、ようやく振り返ったキョウジ。
絶対に、何か知ってる・・・!
ここで勝手に怒っても、思うつぼ。
冷静に問いたださなきゃ。
「・・・どういうこと?
あれは、キョウジがやったの?セレディの命令?」
キョウジは、また馬鹿にしたように笑う。
「俺がやったんじゃねぇよ。
でも、あいつの命令だ」
セレディ・・・なんで・・・ッ。
「どうして・・・ヒカルを・・・?」
「瀬名アラタを仲間にしたいんだと。
守るべき仲間がいない方が、奴もエゼルダームに来やすいだろ?」
「何それ・・・なんて理由・・・!」
怒りが抑えられないよ・・・ヒカルは、何も悪くないのに・・・。
「意味わかんない!自己中にもほどがある!」
「・・・あいつに言えよ。
俺は知ってただけで、装置を取り付けたわけじゃねぇんだから」
「でも、知ってたんでしょ!?ひどいよ・・・」
あの様子じゃヒカル、入院しちゃうかも・・・。
そしたら、しばらくは戦えないし・・・。
「・・・セレディと、話がしたい」
「あいつは、エゼルダームのブリーフィングルームにいる」
「そう・・・」
キョウジに背を向けて、走り出そうとする。
・・・そして思い出す。
「・・・ねぇ、今回は装置を付けて、コントロールポットを操縦不能にした・・・」
「ん?あぁ、そうだけど?」
「・・・プレイヤーにまで被害が出たけど・・・」
「だからなんだよ?」
キョウジの瞳をしっかり見据えて、訴える。
「・・・私のコントロールポットが、前に熱暴走したのって・・・まさか・・・?」
「あぁ、そんなこともあったな。
奴が来る前だったけど、あいつからそんな装置が送られてきたんだよ。
それで、お前のコントロールポットにつけてみたら、そうなったってだけの話」
・・・何それ。
ひどいにもほどがあるよ・・・!
「もういい。帰ったら?」
「あぁ、そうさせてもらうぜ」
また笑って、キョウジは去っていく。
・・・ヤダ、泣いちゃいそうだよ・・・ッ。
セレディのところにも、行く気なくなっちゃった・・・。
「・・・帰ろ・・・」
すると、前の方から足音。
はっとして顔を上げると、そこには・・・
「ハーネス第5小隊・・・?」
そうだ・・・ミヤビにヒカルのこと、言わないと・・・!
「ミヤビ、あのね!」
「ミク、ヒカルに何かあったんでしょ!?」
「え・・・」
なんでわかるの・・・?
「・・・あたしたち、珍しい一卵性の双子なんだよね・・・」
「・・・でも、それって・・・?」
「・・・両方にも異常がないんだよ。だから、珍しいの」
なるほど、だからお互いのことが・・・。
「あのね、ヒカルが―――」
ミヤビに全部話して、一緒に病院に向かう。
でも、私の頭の中は、セレディのことばっかり。
―――友達になれたんじゃなかったの?
セレディ・・・折角、仲よくなれたと思ったのに・・・
―――私だけだったのかな・・・?
結局行ったときは、ヒカルもまだ寝てたから、ミヤビだけ残して帰ってきた。
久々に、直接美都先生の家に帰るなぁ・・・。
「・・・ただいま」
・・・なんて、誰もいないけど。
鞄を置いて、制服を脱いで、部屋着に着替える。
「・・・なんで・・・ッ」
ベットに顔をうずめてると、だんだん眠くなってきて・・・
・・・―――いつのまにか寝ちゃってた。