―――その時。
『うわぁ!?』
「ミハイル君!?どうかしたの!?」
『LBXが、切られてしまった。
LOSTはしていないが・・・ワタルが・・・っ!』
どうしよう・・・!
ワタル君を1人にするほど、危険なことはないのに・・・っ!
ワタルはといえば、レインさんらしき機体と戦ってる。
そして、絶体絶命。
ムラクから借りていた剣が、奪われちゃったみたい。
そして、レインさんがLOSTさせようとした時。
―――ファントムが登場。
・・・そっか。あそこで聞いたんだ。
―――運営側に行った時、聞いたんだった。
“―――そうそう、大空さん”
“なんですか?”
早く家に帰りたくて、適当に聞き流しちゃったんだ・・・。
“謎のLBXって、気にならない?”
“オカルトですか?”
“いやいや、誰かが陰で操ってるって噂。姿が消せるんだって”
ミゼルじゃあるまいし、なんて思ってたけど・・・
そのLBXが、ファントムか・・・。
“まだあってね、”
“なんですか?”
“操ってるのは、何と子供だって噂だよ”
“へーそうなんですかー”
―――子供。つまり、セレディってこと。
「本当・・・セレディって最低な先生だよね・・・っ!」
許せない・・・!
意味わかんない・・・っ!
でも、そうしている短時間に、ファントムはコピーを終えたみたいで・・・。
―――ワタル君のLBXはLOSTしてしまった。
むなしい爆発音が、響いてる・・・。
ローズシティのあちこちから、黒い煙が上がってて、戦いのすさまじさがわかる。
おわって、ジェノックが到着。
そして、例のアナウンスが響く。
『―――拠点制圧完了。
ローズシティの所有権は、ロシウスよりエゼルダームに移ります。
戦闘をただちに終了し、ロシウスの登録機体はローズシティの敷地ないより退去してください』
セレディは、ばれるのも承知でこの作戦に出た。
―――バンデットが、エゼルダームだって。
きっとみんな、動揺してるに違いない。
私は・・・どうしたらいいんだろう・・・?
言わなかったこと、責められるのかな・・・?
―――脳裏に浮かぶのは、セレディの得意げな笑み。
「ッ!」
ガンッ―――音を立てて、私はコントロールポットを殴る。
手がいたい、とかどうでもいい。
悔しい・・・こんなに悔しいの、久しぶりすぎる・・・っ。
沢山の生徒が、毎日LOSTしていく。
もう慣れた、って思ってた。・・・思い込んでた。
でも、違ったんだ。
―――心の底にあったそんな気持ちが、爆発しちゃった。
「もうヤダ!なんで!・・・なんで、こうなるのっ!?」
コントロールポットの中にしばらくこもる。
「・・・ミク、大丈夫か?」
不意に、外からそんな声。
「・・・ムラク」
「・・・今までため込み過ぎていたんだ。それが爆発したんだろう?」
ムラクの方が、仲間が沢山LOSTしたんだもん・・・
辛いはずなのに・・・必死にこらえて、がんばって。
私より、ずっと会長の器・・・。
コントロールポットを開けて、外に出る。
私も目も赤くはれていたけれど、ムラクの目もかすかに赤くなっていた。
「ごめん。ムラクの方が、ずっと大人だね」
「いや・・・ミクの方が、ずっとかっこいい。
本気で笑って、泣いて、怒って、楽しんで・・・かっこいい」
―――ムラクのほうが、ずっとかっこいい。
でも、それは今言っても、あまり効果がなさそう。
「・・・ありがとう。また、あとでスワン荘に行くね」
「・・・あぁ」
ムラクとはいったん別れて、職員室に向かう。
職員室の空気は、乱れていた。
・・・まぁ、しょうがないよね。