私がはいってきたのにも気づいてないのかな?
・・・ってくらいの剣幕で、クロスキー司令官が怒ってる。
他の先生も、それを見つめてる。
「こんなことが認められるのですか!?答えてください、学園長!」
学園長は、黙りこくってる。
・・・でも、視線を私に合わせてるのはわかってる。
『い っ て も い い の で す か ?』
口パクで聞くと、静かにうなずく。
―――まぁ、私が言うべきことかも。一応、運営側だし。
「クロスキー司令官、そのことについては私g―――」
「何の騒ぎです?」
私は言おうとして、入ってきたのはセレディ。
皆一斉にそっちを向いて、あり得ないって顔をする。
「廊下までどなり声が響いていましたよ?」
クロスキー司令官は、怒りも収まらないまま、セレディのところへ向かう。
「やめてください、司令官!」
「どけ、大空!貴様には関係なくても、私には―――」
「関係あります!!」
びっくり。自分でも、こんなに大声が出るなんて。
「・・・話しなさい、ミク」
学園長に時間をもらって、話しだす。
「・・・はい。
私は、バンデットがエゼルダームだと知っていて、黙っていました。
理由としては、確たる証拠がなかったからです。
しかし、クライスラー先生とも何度も接触し、その予想は確信に近いものでした。
それと、ローズシティが責めまれる事を知っていたのも、昨日聞いたからです。
・・・もっとも、これはエゼルダームのブリーフィングルームの前で、聞いたことですが」
「盗み聞きとは、悪い趣味だね、ミク。
全員帰ったと思って、あの時間に話したのに」
まだ笑顔を保つセレディが怖い。
「・・・確かに私たちはバンデットです。
でも、これは本当の国家の存亡をかけた疑似戦争。
テロ集団なんかもあって当然だと思いますけれどね?」
―――セレディの頭の良さには、本当に鳥肌が立つ。
「セレディ・・・これが、セカンドワールドのシステムを壊しているんだってわかってる?
それは、運営側の人間としてはいただけない」
そして、学園長が続くように言う。
「セレディ・クライスラー。学園長として、貴方に退職を勧告します」
でも、セレディは笑う。
さっきよりも、もっと笑う。本当怖い。
「セレディの考えてることは、わかってる。
―――疑似戦争のシステムを、世界に公表するつもりでしょ?
まだ中学生の子供たちが、何も知らずに国家の存亡にかかわってる。
・・・この事実を知れば、この学園もこの島も、全部が危ないってことでしょ?」
「さすが、特待生。ご名答。
ミクが特待生として迎えいれられたのも、そういうことですよね?」
「・・・すべてがそうというわけじゃないわ」
学園長は、もうつらそう。
そりゃあ、辛いよね・・・。
職員室の雰囲気は、重いものになる。
セレディ・・・本性を現したね。
あとで声明をだすだなんて、そんなことしなくったって・・・っ!
そんなとき、CCMにメール。
内容は、絶望するようなものだった。
「みなさん、こんなときにすいません」
「どうしたの、ミク」
椅子に座って、ため息をつく学園長。
「運営側のトップからの通達です。
―――ローズシティの所有国は、エゼルダームだそうです」
クロスキー司令官は怒りをあらわにする。
セレディは、また得意げ。
「・・・っ以上です。
美都先生、私は先に戻って、伝えておきます」
「・・・頼んだわ」
無責任だけど、もうここにいたくない。
足早に退出して、ジェノックのブリーフィングルームに向かった。