ラブダブル!〜女神と運命のガイアメモリ〜   作:壱肆陸

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ミニコーナー

穂乃果「結果発表~!」

アラシ「ん?どうした穂乃果」

穂乃果「知ってた?実はちょっと前から人気投票やってたんだよ!」

アラシ「へぇ、永斗は知ってたか?」

永斗「知ってるわけないじゃん。この間までの僕の状況考えてよ」

穂乃果「今回は主役2人の人気投票なんだ!票数はなんと…44票!」

永斗「ホント、アンケート機能様様だね」

アラシ「投票してくださった読者さんに感謝だろうが。本当に投票ありがとうございました!」

穂乃果「それでは結果発表!勝者は…
アラシ君38票、永斗君6票!アラシ君の圧勝です!」

アラシ「っしゃあ!!」

永斗「……納得いかない。少なくとも最序盤では僕の方が人気あったはず」

アラシ「負け惜しみはよくないぞ?」

永斗「そんなんじゃないし。ていうか、僕一年半くらいロクに出番無かったし。その間にアラシはバンバン活躍するし、僕メインの章なのに…それに僕の過去編だって最終回ほったらかしだし」

穂乃果「まぁまぁ。今回はこんな結果だったけど、これから挽回できるよ!」

永斗「このままじゃ終わらない…絶対リベンジしてやる。やられたらやり返す…倍返s」

アラシ「その辺にしとけよ」

穂乃果「あともう一つ!なんと、この作品のUAが30000を突破しました!」

永斗「これも、応援してくださった皆さんのおかげです…ってこんな感じ?」

アラシ「そんなんだから人気出ねぇんだぞ。それはそうと、ここまで応援していただいて、本当にありがとうございました。これからもこの作品を…」

一同「よろしくお願いします!」



ミニコーナーにお付き合いいただきありがとうございました。146です。
言った通り、前回の更新を持ちましてUAが30000を突破しました!

評価してくださった24人の方々、感想も184件!そして、お気に入り登録してくださった…

月光閃火さん ユウタさん 嗣雪さん アーセルさん msterさん 銀の鐘さん namcoさん ぱ~るるさん 虎鉄さん 彗龍さん クラウンブレイドさん カグラZさん 福鬼さん 月光丸彡さん シュバルツ レインさん 彷徨さん ゴモラたかみさん イマジンさん 鳴神さん 仮面戦士十年記さん  一方通行(笑)さん √Mr.Nさん ミカエラさん 希ーさん バリスタさん 茨木翡翠さん 犬士さん クロの助さん おかぴーですねさん 仙石千歳さん SHIELD9さん 龍蛇の水銀さん グラハルト・ミルズさん ケモミミ愛好家さん 椎音さん  ぷよRさん トム氏さん 三毛猫クロスケさん 絶狼ゼロさん 天津風/小倉病患者さん 炎龍 剣心さん 天ヶ瀬奈月さん フユニャンさん サラシナ ガイさん ポポイさん スターゲイルさん ハクリさん しょーくんさん サガークさん x1さん キン肉ドライバーさん マスツリさん クロムスさん 白銀るるさん ナツ・ドラグニルさん MrKINGDAMさん 咲麻さん 寝起きイグアナさん アジアの大提督さん 連次さん スケリオンさん ニックネームは忍者さん リメイルさん にわかラブライバーさん ギャラルホルンさん 影我龍王さん daxyhn13さん 新生仮面ライダーさん カチューシャさん hirotaniさん ナンジュさん チキン革命さん RRⅢさん kkakakakaさん 揚げ饅頭さん ざんきさん メカ好きさん 黒っぽい猫さん フェリアルーチェさん 名もなきAさん カニの爪さん ラララさん 夘月さん ピスケス23さん Fe_Philosopherさん 和人さん gootyさん UNICORNさん オー村さん 徹夜3612さん ネゴトさん おみや1921さん Goeさん tyexさん 髭アンパンさん 烈火舞さん るどらさん ゼッパンさん 黒い阿修羅さん [キョンシー]さん dyrgaさん 邪龍王さん  ハイパームテキさん 鳳凰院龍牙さん 風峰 虹晴さん 灯油@まゆPさん ポテト大王さん 散りわさびさん ズミさん 島知真さん 花蕾さん 筋肉野郎さん ミサエルさん higurasi1117さん ブラッドマスカレイドさん 檮原さん マジカルポンポンさん ミツナさん テテフガチ恋民さん デルタスキーさん 夏夜月怪像さん 四宮子音さん シェフ猫々さん
あと14名の非公開登録者さん、本当にありがとうございます!!!

それではどうぞ!
 


第42話 不思議なB/イッツ・アン・アキバワールド

「おかえりなさいませ、ご主人様♪」

 

「おかえりなさいませ!ご主人様!!」

 

「お…おかえりなさいませ…ご主人様……」

 

 

メイド喫茶にて、3人がメイド服を着て並び立った。

ことりは安定感のあるクオリティ。穂乃果はなんか強そうな感じがする。海未は恥ずかしさのあまり、ろくに顔を上げれていない。

 

そしてもう一人。

 

 

「なんで俺まで…」

 

 

アラシもそこに並んでいた。もちろんメイド服ではなく、執事服で。

 

 

「2人ともかわいい~♪アラシ君も着ればよかったのに♪」

 

「そうだよ!」

 

「お前ら、ナチュラルにエグいこと言うな!」

 

「まぁ、一応着せてみたのですが…その…見るに堪えなかったので」

 

「当たり前だろ!どこの世界に需要があるんだ!!」

 

 

ライブの歌詞作りに難航することり、そんな中、穂乃果の提案はみんなでメイド喫茶で働いてみようとのことだった。ことりと同じように秋葉原で働けば、何かを掴めるかもしれない。

 

 

「にゃ!遊びに来たよ!!」

 

「えへへ…」

 

 

ドアの開く音がして、凛と花陽が入ってきた。それに続いて永斗も入ってくる。

 

 

「うわ、なにこれ可愛すぎるんですが」

 

「……」

 

 

目に入ってきた光景に思わず漏れる率直な感想。それを聞いた凛は少し不機嫌そうに、永斗の手をつねった。

 

 

「痛った!何よ凛ちゃん」

 

「別にぃー」

 

 

そんなやり取りをしていると、そこに絵里、希、真姫が入ってきた。

話によると、穂乃果が呼んだらしい。瞬樹は他のスクールアイドルショップに花陽グッズを漁りに行ったらしく、今日はいない。

 

 

「それより、早く接客して頂戴」

 

 

いつの間にか来ていたにこが、いつの間にか偉そうに座っている。

当然接客の心得は無いため困惑する海未と穂乃果。若干キレそうなアラシ。しかし、ことりは違った。その瞬間、スイッチが入ったように、落ち着いた口調で接客を始めた。

 

 

「いらっしゃいませ、お客様。2名様でよろしいでしょうか?」

 

 

そう言ってことりは、凛と花陽を席まで案内。メニューを渡し、お冷を運ぶ。一挙一動が礼儀に溢れ、無駄がなく、美しい。お客へのスマイルも忘れない。まるでお手本のような完璧な接客。思わず魅入ってしまう。

 

 

「さすが伝説のメイド…」

 

「ミナリンスキー…」

 

 

感心する凛と花陽。初めて数か月とは思えない技術。嫌でも天性の才能と努力を感じさせる、そんな接客だった。

 

一方、真姫とにこ、希を接客しているアラシ。

最初はことりと同じように、完璧な手順で接客していく。愛想がないのが玉に瑕だが。

 

 

「へぇ、意外とうまくやるやん。もっとこう…ガーッってなっちゃうと思っとったけど」

 

「処世術ってやつだ。最低限の礼儀くらいは身に着けてるよ」

 

 

少し意外そうな希。もっと荒々しい感じを想定していた希は、アラシへの認識を改めた。

 

 

「ちょっと~!このお冷、氷が入ってないんですけど~!」

 

 

勿論、アラシが相手なら容赦はしないにこ。一瞬で怒りの臨界点を超えたアラシは、手づかみの氷をにこのグラスにぶん投げた。一応はきれいに入った。

 

 

「何よその態度!」

 

「テメェに払う礼儀なんてミリもないんだよ。さっさとお帰り下さいませ、ご主人様!」

 

 

希が改めた認識が、一瞬で元に戻った。

一方で、心ここにあらずの真姫。

 

 

(執事のアラシ先輩……)

 

 

思わずアラシに見惚れる真姫。素行が悪いのは気にしていないどころか、いくら積めば西木野家で雇えるのかまで考えている。

 

そんな中、絵里がアラシに質問する。

 

 

「それにしても、即日バイトなんてね。許可は取ってあるの?」

 

「あぁ、店長にな。ただし、一つ条件付きだが…」

 

 

 

それは数時間前。

 

 

 

「行方不明?」

 

「そう。ここ最近、店のお客やバイトちゃんが突然いなくなっちゃうんだよ。おかげで人食いハウスだとか言われちゃうし、いなくなった人たちも心配でさ」

 

 

バイト許可を取りに、なぜか俺が店長に話を付けることになった。

そこでこのメイド喫茶の店長、木村一郎さんと話をしているところだ。話が逸れて俺が探偵だと知ると、この行方不明事件の話を持ち出してきた。

 

 

「監視カメラは付けたんですか?」

 

「もちろん。でも、知らないうちに全部消えてて…映像を確認しても、急に消えてるもんだから、もう訳が分かんなくて…

だからさ、この事件を調べてくれない?バイトは許すからさ!」

 

 

話を聞く限りでは、ドーパント事件に間違いない。ことりのバイト先での事件だ、見過ごすわけにもいくまい。それに、久しぶりの依頼と来た。嫌でもやる気が出る。

 

 

「分かりました。その依頼、切風探偵事務所が引き受けます」

 

 

 

 

という訳で今に至る。

 

 

「それで、僕を呼んだのはそういう事?」

 

「そうだ。そしたら、何か色々付いてきたみたいだが。特にあのチビは何で連れてきた」

 

「そこのデカい執事~。お腹空いたんだけど、オムライス持ってきてくれない?あーでも、待つの嫌だから10分以内ね」

 

「上等だクソチビ!黙って10分待ってろ、デカい口叩けねぇようにしてやる!!」

 

 

そう言って、アラシは息を荒くしながら厨房に向かっていった。

 

 

「本当に仲良いよね、あの2人」

 

「そうかしら…?」

 

 

永斗の言葉に苦笑いする絵里。

 

 

「さてと…」

 

 

穂乃果たちが尻目に、永斗は男子トイレの個室に入り、鍵をかける。

持ってきた大きめの鞄から白い本を取り出し、両手を広げて目を閉じた。そう、検索だ。

 

 

永斗の意識が地球の本棚に飛ばされる。

 

 

「メモリが分かってれば手っ取り早いんだけどな…

キーワードは、“行方不明”、“秋葉原”、“メイド喫茶”」

 

 

本棚が動き、数が減る。しかし案の定、絞り込むには至らない。

 

 

「だよね。そう簡単には行かないか」

 

 

早々に諦めて検索を閉じる永斗。今回の一件だけではキーワードが足りなさすぎる。

アラシの調べによると、似たような事件が過去にも何件か起こっているらしい。そっちについても調べる必要がありそうだ。

 

 

「監視カメラが消えてたってのも気になるね。犯人のメモリが分からないから何ともだけど、何にせよ監視カメラの位置を把握していたってことだ。となると、内部犯の可能性が高いか…」

 

 

 

思考を巡らせ、永斗はある事を決め、トイレから出た。

すると、そこには待っていたかのように凛の姿が。

 

 

「あれ?凛ちゃん」

 

「にゃ!?永斗くん…?あの…ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」

 

「何?」

 

 

凛はしばらくモジモジし、言い出すのを躊躇っていたが、意を決して小声で聞いた。

 

 

「永斗くんが眠ってた時の事って…覚えてたりする……?」

 

「あぁ…凛ちゃんが起こしてくれたのは覚えてるよ。でもゴメン。それ以外はあんまし」

 

「あ!うん。それならいいいの!」

 

「え…あ、そう。そうだ、ほのちゃんと海未ちゃん呼んできてくれない?あとアラシも」

 

 

 

永斗はそれだけ言って、足早に去っていってしまった。

胸をなで下ろす凛。でも、どこか複雑な心境のようだ。覚えてなくてホッとする半面、覚えておいて欲しかったという気持ちがあったのも事実。

 

 

「何の話してたん?」

 

「にゃぁあぁぁ!?」

 

 

気配もなく背後から聞こえた声。振り返ると、希がいつの間にか立っていた。

 

 

「の…希先輩。いや、別に…」

 

「もしかして、この間の診療所でのアレの事?」

 

 

希の一言に、汗が噴き出す凛。希の表情を再度確認。めちゃくちゃニヤニヤしてる。確実に知っている顔だ。

 

 

「アカンよ?アイドルたる者、あぁいう時はちゃんと警戒しないと。隠しカメラの1つや2つ、あるかも分らんし。

ほな、後で話は聞かせてもらうよ~?」

 

 

 

満足げに立ち去る希と、たちつくす凛。

永斗とことりの関係に続き、μ’s内で新たに恐怖が生まれた瞬間だった。

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

「んで、何だよ呼び出して」

 

「簡単な話だよ。どうもこの店に犯人が潜んでいる可能性が高い。だからバイトついでに調査をしてほしいんだ」

 

「なるほど…しかし、ここでも事件とは…流石に笑えませんね」

 

 

凛は言われたように一同を収集。店の裏に連れ出し、永斗は話を進める。

すると、穂乃果がある事に気づく。

 

 

「あれ、ことりちゃんは?」

 

「ことり先輩には作詞に集中してほしいからね。不安にさせたくもないし、今回は外れてもらうことにしたよ。さてと、まずは調査するにあたっての人員整理だけど…取り敢えずアラシはクビね」

 

「あぁ、うん…ってオイ!!」

 

 

聞き流す所だったが、すかさずアラシがツッコミを入れる。

 

 

「何で俺がクビなんだよ!?」

 

「何でって…アラシはにこ先輩との小競り合いで、既に皿何枚かダメにしてるでしょ。これ以上は僕が出禁になるからね。黙って帰って過去の事件の事でも調べてて」

 

「くっ…事実だから言い返せねぇ…!」

 

「で、アラシの代わりに僕が。あとはことり先輩の代わりに…凛ちゃんお願い」

 

 

成り行きでそこにいた凛。希の一件で動揺している中での思わぬ指名に驚く。

 

 

「え、凛!?なんで!?」

 

「いや、できれば一年組が良かったのと、かよちゃんと真姫ちゃんだと、もれなく付属品の追っかけが付いてくるから。それに…」

 

「それに?」

 

「えっと…なんとなく凛ちゃんのメイド服が見たかったから…」

 

 

永斗が自分の口から出てきた言葉に驚く一方、凛は顔を一気に赤くする。

 

 

「あ、ゴメン。気を悪くしたなら別に…」

 

「い、いや!やる!やらせてください!

よーし、はりきっていっくにゃー!!」

 

 

テンションが上がったのかピョンピョン跳ねる凛。アラシと永斗はその姿を見て、少し安心する。

 

 

「なんか久しぶりだな、凛のあんな感じ」

 

「だね。最近は色々元気が無かったけど、やっぱり凛ちゃんは元気いっぱいが一番可愛いよ」

 

 

 

その後、店長に話を付け、凛と永斗のバイトが許可された。

ちなみに永斗はナチュラルにメイド服を着ていたが、アラシによって執事服に替えられたのだった。

 

 

 

 

________________

 

 

 

調査開始。

 

凛の場合。

 

 

「よし、がんばるにゃ!!」

 

 

永斗の言葉もあって、かなり張り切る凛。

客から注文を受け、それを伝える。ここまでは慣れないながらも何とかこなしていた。

 

アキバの中でも割と人気なメイド喫茶で、伝説のメイドがいるだけあって人は多い。凛は大急ぎでお冷をお盆に乗せ、運ぼうとする。だが…

 

 

「にゃっ!?」

 

 

足をつまずかせ、お盆が凜の手から離れてしまう。お盆はそのまま水平方向に運動し……

 

 

「よっと」

 

 

メイド服の女性の手に見事収まった。

凜は慌ててその女性に駆け寄り、礼を言う。

 

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「いや、いいって。貴方、さっき採用されたばっかの子でしょ?習うより慣れよはいいんだけど、あの店長はもう少し新人教育とかした方がいいと思うけどなぁ。あ、私は北田(きただ)(みどり)。よろしくね」

 

 

身長は高めで、少し長い薄い黒のストレートヘアー。何より足が長く、美人だ。

そういえば、彼女の事は永斗から聞いていた。北田慧、20歳の大学二年生。去年からバイトをしており、高校時代は陸上部だったとか。事件が起こったと思しき日にアリバイはない。調べの結果、犯人である可能性が高い店員の一人だったはず。

 

 

「どうしたの?なんか身構えちゃって」

 

「え!?あ…何でもないです」

 

 

思わず警戒を露にしてしまう凛。探偵あるもの、常に冷静に。そして、永斗の足を引っ張るわけにはいかない。そう暗示をかけ、凜は北田に事件の事を聞く。

 

 

「えっと…最近、なんか人がいなくなるとかって聞いたんですけど、それって本当なんですか?」

 

「あぁ…本当だよ。私の友達もいなくなっちゃって、心配してるんだけど…

消えた人たちに共通点が無くてさ、本当になんで消えちゃったのか……」

 

 

そう言う北田は、酷く悲しそうな表情を浮かべる。

凜は素直だ。アラシや永斗なら演技を疑ってかかる所を、彼女は何のためらいも無く信じた。

 

 

「大丈夫です!その友達も、絶対に凜たちが見つけますから!」

 

「え…?それってどういう…」

 

「あ…いやその…凛ちょっと水運んできまーす」

 

 

「水、私が持ってるんだけど…」

 

 

うっかり口を滑らせた凛。危うく潜入調査が水泡に帰すところだった。いや、もう手遅れかもしれないが。

ちなみに、凜はもう一回足を滑らせ、今度は盛大に水をまき散らした。

 

 

 

_______________

 

 

穂乃果の場合。

 

 

 

「じーっ……」

 

 

物陰に隠れ、ある人物を見つめる穂乃果。

彼女は白府(しらふ)リズ。永斗から聞かされた容疑者の一人で、彼女にもアリバイはなかった。

どういうわけか服装は一人だけゴスロリ。19歳で素性に関しては特筆すべきことは無いらしい。3週間ほど前にバイトを始め、その華憐さで人気を博しているとか。

 

穂乃果は調査のために観察を続けている。が、見て何かわかるという訳でもないし、視線が強烈であるため、既に周囲にも白府にも気付かれている。

 

 

「あの…(わたくし)に何か御用でしょうか?」

 

「ってアレ?バレてる!」

 

 

気付かれていることに気付いていなかった穂乃果、振り向かれ、声を掛けられたことに激しく驚く。

 

 

「えーっと…あ、そうだ!私、高坂穂乃果っていいます!」

 

「存じておりますわ。ことりさんから話は伺っております」

 

 

お嬢様言葉だ~、と関心する穂乃果。だが、当然凄く怪しまれている。

こうなったら、ストレートに聞き出すしかない!

 

 

「リズさん!最近の行方不明事件の犯人って、誰だと思います!?」

 

 

アラシか永斗が見たら頭を抱えるような光景だろう。潜入捜査とは一体何なのだろうか。

 

 

「まぁ、面白いことをおっしゃりますわね。犯人捜しをしておられるのですか?」

 

「いや……犯人探しっていうか…その…」

 

「まぁ、興味が出るのも分かりますわ。人が消えているのは純然たる事実。しかし、監視カメラは消え、痕跡は何一つ残らない。もしかすると、これは人の仕業じゃないのかもしれませんわね」

 

 

そう言って口を隠しながら笑う白府。ドーパントを知っているような口ぶりに穂乃果は一瞬だけ疑うが、状況からこう考えるのは無理はないし、そもそもドーパント自体が周知になりつつある。よく考えれば特に不思議はない。むしろ、怪物の事を知らないようにふるまう方が、逆に不自然にも思えてくる。

 

 

「メイドの戯言ですわ、お気になさらず。(わたくし)を疑っているようであれば、好きなだけ観察してもらってもよろしくてよ?」

 

「疑ってるなんて、そんな!

それより、そのしゃべり方とか服とか…もしかして本物のメイドさんですか!?」

 

「いえ、口調は親のしつけで。あと、この服は私服ですわ」

 

 

へぇそっか、私服かー。と納得する穂乃果だったが、白府と別れた後に気づく。ゴスロリが私服って何!?

 

 

その後、穂乃果は仕事に戻る。

すると、聞きなじみのある声とドアが開く音が聞こえる。

 

 

「おかえりなさいませ、ご主人様…って雪穂!?」

 

「あ、お姉ちゃんホントに働いてる」

 

「お…おじゃまします」

 

 

店に来たのは穂乃果の妹の雪穂。そして、その後ろには絵里の妹である亜里沙もいる。

 

 

「永斗さんからお姉ちゃんたちがメイドやってるって聞いたから、来てみたんだ。亜里沙も海未さんに会いたいっていうし」

 

「もー、永斗君ってば、雪穂にバラすことないじゃん!」

 

「まぁまぁ、今は私が“ご主人様”なんでしょ?とりあえずジュース持ってきてよ、オレンジのやつ」

 

 

そう言って席に座る雪穂。ここぞとばかりに優位に立てる分、すごく楽しそうだ。亜里沙は店内にいる絵里を見つけ、そっちに行った。

穂乃果は若干納得いかなさそうだが、仕事は仕事。しぶしぶ厨房へ向かう。

 

その背中姿を見ながら、ひとりで席に座っている雪穂。穂乃果を見るその目は、どこか不安げだ。

 

仕事ぶりが心配というのもあるが、それだけではない。

最近というもの、穂乃果が朝にヘトヘトになって帰ってきたり、何かに凄く悩んで苦しそうだったり、上の空になることが増えたりと、様子がおかしい。何より、何かを隠している。そんな感じがする。

 

 

「お姉ちゃん…」

 

 

 

______________

 

 

 

永斗の場合。

 

 

 

「なるほどね…」

 

 

永斗は店長の木村に再び話を聞いていた。

すると、色々な事実が分かった。まず、行方不明になったのは、急に消えたという訳ではない。ある日突然いなくなったという感じだ。監視カメラの位置は店員は知っているらしい。後は、店長にもアリバイはないということだ。

 

 

「これだけじゃ検索にもヒットしなかったし…どうしようか」

 

 

とりあえず接客することにした永斗。しぶしぶだが働き始める。

すると、席には雪穂と亜里沙、あともう一人見覚えのある顔があった。

 

 

「お久しぶりですな、士門氏」

 

「どうも、相変わらずアキバに入り浸ってるようだね」

 

 

永斗に声を掛けたのは、少し太った眼鏡の男性。世間一般のオタクのイメージを集約させたような人物だ。永斗とは秋葉原でしょっちゅう会う間柄だ。

彼の名前はカニキング。本名不詳。その気になれば永斗なら調べられるが、特に興味もない。

 

 

「それにしても驚きましたぞ。まさか士門氏がメイド喫茶で働くとは。

しかもあのμ’sのマネージャーをされているとは…羨ましい限りですな」

 

「まぁね。そうだ、君にも聞きたいことがあるんだけど」

 

「む?なんですかな?」

 

 

この人は見た目はアレだけど、信用はできる…と思う。彼はアキバについてかなり詳しいし、何か有益な情報が手に入るかもしれない。全てとはいかないが、ある程度の情報を与えて意見を聞く価値はある。

 

というわけで、永斗はカニキングに状況を大雑把に話した。

 

 

「ほぅ…探偵をしているとは聞いていましたが、中々そそる状況ですな」

 

「遊んでるんじゃないんだけど」

 

「分かってますとも。それで、犯人は監視カメラの場所を知っている人物であると…

そんな情報なら手に入れる方法はいくらでもありそうですが…知っているとしたら、やはり“アキバ四天王”でしょう」

 

 

飛び出てきたワードに、ゲームの話してたっけと思う永斗。しかし、カニキングの方はいたって真剣だ。

 

 

「まずは拙者、全てのアイドルを知り尽くし、追い続ける“狂信のカニキング”」

 

「あ、君も入ってるのね」

 

「拙者は四天王の中でも最弱。その上の三人は別格でござる。

秋葉原に存在するお宝グッズを圧倒的な財力でかき集める、“宝物帝 マックス”。そして、完璧な知識量と想像力で同人界隈のトップに立つ、“創造主 浦島”」

 

「本当、何その痛い集団」

 

「最後に、あらゆるゲームで百戦錬磨、常勝圧勝、完全無欠の最強ゲーマー“遊戯王 永斗”」

 

「なんで僕も入ってるのかな!?」

 

「この4人なら、秋葉原の全てを知っている。監視カメラについても然りでござる」

 

「あれ?これ、僕も容疑者!?」

 

 

話を聞いた結果、容疑者が増えただけだった。

まぁ、どうせ全員オタクなんだからアリバイはないだろうし、条件には合致する。実際、永斗は監視カメラのことを知っていたので言い返せないのだが。

 

 

「後は、アラシの頑張り次第かな…」

 

 

 

______________

 

 

 

アラシの場合。

 

 

 

バイトをクビにされ、事務所に戻ったアラシ。関連があると思われる事件が過去に数件あったらしい。それを調べる必要があるのだが…

 

 

「上等だ。永斗がいなくたって、調べごとの一つや二つくらい…」

 

 

アラシは意を決して事務所のパソコンを立ち上げた。

確か使い方は…ここを押して…とやっているうちに、なんとか検索のページを開くことに成功する。そして、そこの空白に検索ワードを入力。アラシとてローマ字は覚えている。

 

 

「んだよ、簡単じゃねぇか」

 

 

入力が終わり、検索をしようとするが、どこを押せばいいのか分からない。適当に押してるとなんか動かなくなった。アラシは動かないテレビを叩いて直すタイプ。パソコンも同様に色々叩いていると、変な音がして画面が暗くなってしまった。

 

それからは、何を押しても返答無し。

 

 

「よし、新聞漁るか」

 

 

 

数時間後。

 

事務所にため込んであった新聞とかで事件の情報を収集。

事件は関連性が疑われるものだった。今回と同様に、ある日突然人が消える事件が、狭い範囲で起こっている。

 

ある女性は職場に呼び出されたのを最後に消息不明、ある男性は彼女の家に遊びに行くと言って消えている。他にも自宅で消えた者もいる。話題になってないだけで、他にも起こっているのかもしれない。

 

何より不可解なの事が一つ。これらが同一犯であるという仮定の下であるが、これだけの事件を起こしておいて証拠がなさすぎる。それに、事件に関する情報も少なすぎる。そう、まるで隠されているように。

 

 

「隠すって言っても、誰が……?そんなことができるのは…」

 

「はかどってます?」

 

 

気配もなく後ろから現れる声。アラシは少し驚くが、すぐに誰かは分かった。

 

 

「烈か。心臓に悪いから、一言何か言ってから入ってくれ」

 

「それは失敬。それにしてもクビになったというのは本当だったんですね」

 

「ほっとけ。お前は何しに来たんだよ」

 

「いえ、瞬樹がいないので珍しく羽を伸ばせるのですが、あいにくすることがなくて。例のメイド喫茶にも行こうと思いましたが、クビになった人の方が面白そうだったもので」

 

「いい性格してるよ、お前…」

 

 

烈は表情を変えずにアラシの手元にある新聞に目を落とす。

 

 

「それは?」

 

「今調査してる事件の記事だよ。そうだ、お前も事件調査担当だったんだよな?この事件について、お前の意見を聞きたいんだが」

 

 

アラシは事件の分かっている情報を烈に説明する。

烈は相変わらず表情を変えないまま話を聞き、口を開いた。

 

 

「分かりませんね。情報が少なすぎます。犯人は相当に手練れの犯罪者であることが伺えますね」

 

「そうか。やっぱそうだよな…」

 

「ですが、一つだけ言えることがあります。犯罪者として生きる者には、何かしらの“こだわり”がある場合が多いです」

 

「こだわり?」

 

「はい。コンプレックスや趣向から生まれる、犯行の核となる物の事です。それは犯罪者としてレベルが高い程顕著になる、いわば自信、驕りのようなものです。それは同時に、付け入る隙となる。まぁ、この犯人がそうだというわけではないんですけど。

それでは、そろそろ瞬樹が帰ってくるのでボクはここで」

 

 

そう言って、烈は静かに去っていった。

残されたアラシは、再び新聞に目を通す。

 

 

「こだわり…か」

 

 

 

__________

 

 

 

海未の場合。

 

 

穂乃果、凛、永斗が調査(?)を続ける中、海未は一人、厨房で皿洗いを続けていた。

永斗の言ったように、調査をしなければいけないのは分かっている。普通ならまだいいのだ、ただ…この格好で人前に出るのは正直キツいものがある。女装までしようとしていた永斗の意味が分からない。

 

 

「海未ちゃーん、どこー?あ、いた!海未ちゃん!!」

 

「ずっと皿洗いしてるし…」

 

 

穂乃果と永斗が厨房まで来てしまった。咄嗟に皿で顔を隠す海未だったが、まぁ意味はない。

 

 

「さっきから海未ちゃんずっと洗い物ばっかり!亜里沙ちゃんも来てるんだし、ちゃんとお客さんとお話ししなよ!」

 

「し…仕事はしています。そもそも、本来のメイドはこういった仕事がメインのはずです」

 

「何言ってんの、そのメイドとこのメイドは別物だから。屁理屈なんて言ってないで。妙に人が多くて手が足りてないんだからさ」

 

 

返す言葉がなくなりつつも、海未は必死に抵抗する。そんな中、凄まじい量の客を一人で半分近く捌いたことりが、大量の皿を持ってやって来た。

 

 

「ダメだよ海未ちゃん。ここにいる時は笑顔を忘れちゃダメ♪」

 

「しかし…」

 

「お客さんの前じゃなくても、そういう心構えが大事なの♪」

 

「そーそー。だから行くよー」

 

「ちょ…永斗!」

 

 

海未は永斗に腕を引っ張られ、強引に背客に回されるのだった。

残された穂乃果とことりは、海未が残した皿を洗う。

 

 

「ことりちゃん、やっぱりここにいると、ちょっと違うね」

 

「え?そうかな…」

 

「別人みたい!いつも以上に生き生きしてるよ!」

 

「…うん。なんかね、この服を着てると…できるっていうか。この街にいると、不思議と勇気がもらえるの。もし、思い切って自分を変えようとしたら、この街はきっと受け入れてくれる気がする。そんな気持ちにさせてくれるんだ…だから好きっ!」

 

 

ことりの正直な気持ちに、微笑む穂乃果。

すると、穂乃果の頭に電流が走ったように閃きが舞い降りた。

 

 

「ことりちゃん!今のだよ!!」

 

「えっ…?」

 

「今ことりちゃんが言ったことを、そのまま歌詞にすればいいんだよ!

この街を見て、友達を見て、いろんなものを見て…ことりちゃんが感じたこと、思ったことを…

そのまま…ただそのまま…歌に乗せればいいんだよ!」

 

 

それを聞いた瞬間、ことりの中で何かがハマった。空いた場所にストンと何かが落ちて埋まるような感覚。そうだ、きっとこれが答えなんだ。

 

 

「うん、私、やってみるっ!」

 

 

ことりは洗い物と接客を他の店員に任せ、店の奥に。着替えもせず歌詞ノートを開き、筆を動かした。

 

穂乃果たちの知らないこの街を、自分しか知りえないこの愛を…そのまま言葉に!

 

 

そのやりとりを陰から見ていた永斗。

歌詞を書くことりを見て、聞こえないようにつぶやく。

 

 

「変わった自分も、受け入れてくれる…か」

 

 

永斗はそのまま接客に戻る。

だが、誰も気付いていなかった。そこにもう一つ、ことりを見る一つの人影があったことに……

 

 

 

__________

 

 

 

その日の夜。

 

 

事務所に帰った永斗。アラシと2人で情報交換を終えた。

 

 

「何にもわかんねぇな」

「何にもわからないね」

 

 

メイド喫茶組は穂乃果、凛の潜入捜査っぷりがアレだったのと、海未が使い物にならなかったせいで、大分滞った。希にすればよかったと後悔する永斗。

 

一方アラシは、壊滅的機械音痴のせいでインターネットが使えない以上、主な手段は新聞のみ。凄まじく効率が悪い。

 

適材不適所が顕著になったところで今日の調査は終了。あまり成果は芳しくないと言える。

 

 

「こりゃまた明日か…あんまり時間使ってる場合じゃないんだけどな」

 

「その分、僕たちが頑張らないとね」

 

 

すると、永斗はある事に気付く。

 

 

「あれ?人形がない」

 

「人形…あぁ、凛が作ってくれたアレか」

 

「メイド喫茶に忘れてきたのかな…ちょっと取ってくる」

 

「え!?今からか?」

 

 

有無を言わず、永斗は事務所から飛び出す。

普通なら明日まで待つところだろうが、よっぽどあの人形が大事なのだろう。

 

 

 

数十分後。

 

 

 

「すいません、ことり先輩。鍵が無くて…」

 

「気にしないで。私も携帯電話を置いてきたみたいだから」

 

 

鍵が閉まった店には入れないので、ことりを呼んだ永斗。それにしても、ことりが忘れ物をするとは…少し永斗は疑問に思う。

 

 

ことりは店の鍵を開け、中に入る。そして、それぞれ更衣室に向かう。落とすとしたらそこだろう。

 

 

「あ、ことり先輩。ありました?」

 

「うん♪」

 

「こっちもありました。それじゃあ…」

 

 

更衣室に落ちていた目的のものを回収。すぐに帰ろうとする二人だったが…

 

 

 

《ボックス!》

 

 

 

「ッ…!」

 

「どうしたの永斗君?」

 

「いや…ことり先輩、今の聞こえました?」

 

「今のって?」

 

 

どうやらことりは感じなかったようだが、永斗は確かに感じ取った。この近くでの、ガイアメモリの起動を。

“F”と融合した影響だろうか、メモリに対する感覚が鋭くなっている気がする。

 

 

「気を付けて。早くここから…」

 

 

真っ直ぐ扉に向かおうとする2人。しかし…

 

 

扉の前にドーパントが降りてきた。

肩、腕、体、足、至る所に箱がついている、というより箱で体を構成しているようだ。

頭も箱をかぶっているようで、一つ空いた穴からは大きな目が。口元は覆われておらず、歯茎と鋭い牙が露出している。

 

文字通り箱の怪物。ボックス・ドーパントだ。

 

 

ボックスは手元に2本の大型カッターを生成。両手にカッターを構え、襲い掛かる。

 

永斗はことりの前に出て、攻撃から庇う。

カッターは永斗の胸を斜めに切り裂いた。服が破れ、鮮血が飛び散る。

 

 

「永斗君!!」

 

 

倒れる永斗。ボックスはカッターを構え、ことりににじり寄る。

逃げようとするが、店の角に追い詰められてしまった。逃げ場は…ない。

 

 

「させない」

 

 

が、ボックスの体が蹴り飛ばされる。

そこに現れたのは、さっき倒れたはずの永斗だった。見ると、服は破れたままだが傷は跡形もなくなっている。

 

オリジンメモリと同化した永斗は、不変の存在となった。

傷はすぐに治り、身体的成長はしない。つまり、不死と同義。

 

 

がしかし、永斗では力不足。変身しようにも、アラシに連絡する隙が無い。

 

 

「ファング!」

 

 

襲い掛かるボックスを、永斗を守りに来たファングメモリが迎撃。ゴールドメモリのドーパントを怯ませた攻撃力で、ボックスを食い止める。

 

その隙に永斗は一旦逃げるを選択。ことりを連れ、出口に向かうが…

 

 

 

「なっ…!」

 

「きゃっ!」

 

 

その寸前、永斗たちの前に一枚の板が現れた。

いや、一枚ではない。横、下、後ろ、合計6枚の板が2人を囲んでいる。

 

ボックス・ドーパント、“箱の記憶”。その能力は…

 

 

 

“対象を箱に閉じ込める”。

 

 

 

 

6枚の板は組み合わされ、立方体を形成。2人を閉じ込め、そのまま圧縮。

手のひらサイズの緑の箱になってしまった。

 

 

ボックスはファングを跳ね飛ばし、箱を回収。変身を解除。

 

 

その人物は暗闇に包まれた店内で、静かに笑うのだった。

 

 

 

 

____________

 

 

 

翌日。

 

 

 

永斗、そしてことりが帰ってないという事で、メイド喫茶に急行する一同。

店は内側から鍵がかかっていた。とは言っても、外側から開けることはできる。ただ鍵をかけたのかが内側か外側かを区別しているだけだ。

 

その中に永斗とことりの姿はなかった。

 

代わりに、永斗が探しに行った人形。そして、破れた服の切れ端。特徴的な柄だ。永斗の来ていたものに間違いない。つまり、永斗とことりはここに間違いなく来ていたということ。

 

 

「待てよ、これって…」

 

 

アラシが状況を確認しながら、あることに気付く。

 

昨晩、2人は確実にここに居た。そして、鍵は内側からかかっていた。他に鍵が開いている場所はなかった。

つまり、これは今調査している行方不明事件と同じ。そして…

 

 

「これって…密室じゃねぇか」

 

 

 

そう。永斗とことりは、密室の中で消滅した。

ダブルドライバーを装着し、永斗と意識が繋がるかを確認。しかし、全くつながらない。携帯電話等も同様だ。

 

そしてアラシ達は敵のメモリを把握できていない。変身も検索も封じられた。

 

メイド喫茶の密室消失事件。

それは、“2人で1人の探偵”にとって、最大の危機であった。

 

 

 




今回登場したのはMrKINGDAMさん考案の「ボックス・ドーパント」です!お待たせしました!
思ったより時間がかかりました。大学生活がヒマなうちに執筆していきたいと思います!
今回の犯人は、犯罪者としてはかなりレベル高いです。いままで戦闘のエキスパートだったので、今回からはこんな感じの敵になります。

感想、評価、アドバイス、オリジナルドーパント案などございましたら、よろしくお願いします!

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