ラブダブル!〜女神と運命のガイアメモリ〜   作:壱肆陸

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ちょっと遅れました146です。
遂に始まります、仮面ライダーソニックとのコラボ編!今回から本当の始まりです。これ読む前に、あっちで投稿されているコラボ編1話を読むといいかもです。

https://syosetu.org/novel/91797/
↑このURLで仮面ライダーソニックを読みに行ってください!


今回も「ここすき」よろしくお願いします!


コラボ編 第1話 青い仮面ライダーはどこから来たのか

 

 

『憤怒』『色欲』『傲慢』『嫉妬』『強欲』『暴食』『怠惰』

人が背負いし七つの大罪。ガイアメモリで世界を掌握する組織の大幹部は、それぞれその罪の名を冠する。

 

しかし、キリスト教に伝わる七つの大罪には原型が存在する。それが『八つの枢要罪』。七つの大罪が定まるにあたり、その中から二つの大罪が除名された。

 

『憂鬱』『虚飾』

うち、憂鬱の名を冠する幹部はかつて組織に存在した。それは組織の中で最も優れた才能を持った者だったという。

 

 

3年前、憂鬱に狂った彼は組織を敵に回した。

そして幹部の一人、『傲慢』の朱月王我ことゲート・ドーパントが、その始末に駆り出された。

 

 

「…あぁ、笑えないなぁ」

 

 

ゲートとの激戦の最中、憂鬱は不意に呟いた。

 

 

「組織では俺の感情を晴らせない。悪と悪のぶつかり合いほど、心が躍らないものは無い。実に笑えない……退屈で、憂鬱で、死んでしまいそうだ」

 

 

ゲートは並行世界に続く扉を作り出すことが出来る。

しかしその中は、物理法則も何もあったものではない地獄の積乱雲。端的に言って入れば即死。その先にある景色を拝むことは不可能だ。

 

だからその扉は、ゲートの一撃必殺として使われた。

()()()()()()()憂鬱にとって、その扉を斬ることは容易かったはずだ。しかし、憂鬱は―――

 

 

自らその扉の中に、身を投げた。

 

 

 

「…やっぱ生きてたか憂鬱くん。このオレを前に退屈だなんて、ホンットに傲慢だよねぇ。その憂鬱の矜持……今度はグッチャグチャになるまで遊んでやるよ」

 

 

あの時のやり取りを思い出し、朱月は皿の上にナイフを放り出した。

 

秋葉原のメイドカフェの一角。

暴食が去った後に残された朱月は、席を立って店を後にしようとする。

 

 

「お待ちください旦那様!お代を払っていただかないと…」

 

「んー?何、ご主人様から金取るの?傲慢だねぇ」

 

 

朱月の人差し指が、代金を請求しに来たメイドの腹部を指す。

その途端、体の内から逆流するような怖気を感じたメイドは、死を悟ったように瞳孔を開いて膝を地につけてしまった。

 

声も出せず座り込んだメイド。朱月は愉快そうな様子で指を下ろすと。彼女の脚に札束を投げ渡した。

 

 

「また来るよ」

 

 

笑って手を振った朱月は、再び笑った。

何もかもが楽しみだ。憂鬱の断末魔を聞くのも、世界が崩れ行くのも、その全てが。

 

 

「キミたちは…どれだけオレを楽しませてくれる?」

 

 

メイドカフェにすれ違いで入った、2人の少年。

彼らには聞こえなかった呟きが、朱月の心を震わせた。

 

 

 

_________

 

 

 

金縛り窃盗事件の犯人は、複数のメモリを使う機械怪人だった。犯人は逃がしてしまったが、盗品は見事に回収。アラシは依頼人のお婆さんに盗まれた玩具を返し、残りを交番に届けて依頼を完遂させた。

 

 

「ったく…ドーパントだけで手一杯だっての。何なんだよアレは。あんなのまで面倒見切れるか」

 

 

アラシは文句を言いながらも、表情はそこまで不機嫌そうでは無かった。というのも、盗難被害にあった秋葉原の洋菓子店から焼き上がりの連絡が来て、お待ちかねの特製シュークリームが手に入ったからだ。

 

口を大きく開けて、一口でシュークリームを頬張る。

 

 

「疲れた体に甘味が染みるな…やっぱ仕事の後はスイーツに限る」

 

 

これはアラシの勘だが、多分まだ事件は起こるだろう。

いや、それだけじゃない。それだけでは済まないと、妙な胸騒ぎが止まらない。

 

そんな自分の勘に、アラシは大きくため息を吐いた。嫌な予感とかの類はよく当たるものだ。

 

 

「学園祭…できるといいけどな。ラブライブ出場のためにも、あと一押し欲しい。それに…アイツらにはちゃんと頑張らせてやりてぇ」

 

 

これまで必要以上に危険を味わって来たμ's。彼女たちがどう言おうと、巻き込んだことに対するアラシの責任が消えることは無い。せめて、彼女たちの本分を全うさせてやりたいものだ。

 

なんて思いにふけって秋葉原を歩いていると、アイドルショップから見覚えのある姿が駆け足で出てきた。その姿は気付かずのうち、アラシの方に走って来る。

 

 

「…何やってんだ穂乃果」

 

 

てっきり学校に戻ったと思っていた穂乃果が、何かを買ったと思しき袋を持ってアラシにぶつかった。

 

 

「ごめん…ってアラシ君!?あ、サネ子さんのおもちゃ見つかった?」

 

「さっき届けてきたよ。誕生会にも間に合いそうで、めでたしめでたしだ」

 

「そっかぁ…よかったー!」

 

「よかったじゃねぇんだよ。お前は何してんだ。学校で準備してんじゃなかったのか?」

 

「いやー、それが……」

 

 

 

少し時は遡る。

音ノ木坂にて、布を取りに行った穂乃果を見送った後。今度はにこが重大な事に気付いたようだ。

 

 

「花陽…あんた、今日が何の日か覚えてるわよね…?」

 

 

引きつった顔で見られた花陽は最初キョトンとしていたが、日付を確認すると、衝撃の余りトンカチを床に落としてしまう。

 

 

「あーっ!大変だよ!そういえば今日だったよね…忘れてたぁ…!」

 

「やっぱり!どーすんのよ今から行ったって間に合わないわよ!」

 

「どうしたのですか騒々しい!ちゃんと説明をしてください!」

 

 

一方で時間が無くて気が立っている海未。しかし、今回ばかりは二人がそれに競る剣幕で視線を返してくるので、海未も思わず息をのむ。

 

 

「今日は……スクールアイドル特集雑誌、マガジンSIFTの特別号発売日なのよ!」

 

 

にこの告白に対し、花陽以外の全員が「解散解散」と言わんばかりに作業に戻った。が、花陽は戻ろうとする海未を無理やり捕まえて話を続ける。

 

 

「今回はラブライブ開催直前の特別号!トップランカーのスクールアイドルを一挙特集した豪華ボリュームで、ここでしか手に入らない限定プロマイドやグラビアも付いてるんだよ!」

 

「し・か・も!滅多に取材に応じないことで有名なスクールアイドルランク現在17位の福岡アイドル『Dream』のインタビューが載ってるのよ!絶対に逃せない超激レア雑誌!」

 

「そ…そうですか。予約すればよかったのでは…?」

 

「「できなかったの!!」」

 

「は…はい…」

 

 

海未の勢いが完全に呑まれてしまった。

にこと花陽は、連日の事件続きもあって予約を逃した。つまり、手に入れるには店頭で手に入れるしかないが…もうすぐ開店時間。今から秋葉原に行っては間に合わない。

 

そこで、外出していた穂乃果に白羽の矢が立ったというわけだ。

 

 

「アイツら…それで、その雑誌ってのは」

 

「普通に残ってたよ!夕方に行っても買えたんじゃないかなぁ。

でも私たちちょっと有名だったみたいで、色んな子に声かけられちゃった…」

 

「それでまだ秋葉原に居たのか……有名人に片足突っ込んでるって、いつも言ってんだろ?にこじゃねぇけど、サングラスくらいはしとけな」

 

「そうだね…あ、でもでも!そこでさっきこんな話を聞いたよ!確か…あっちの方で『男の子が二人、空から落ちてきた』って」

 

「空から…?またドーパントかよふざけんな。

分かった。今度はちゃんと学校に戻れよ。俺はそれを調べに行く」

 

 

簡単に別れを済ませると、アラシは穂乃果が言っていた方向に駆け出した。

 

 

 

__________

 

 

 

『ロイミュード』それがあの怪人の名前。

地球の本棚にダイブした永斗は、あのロイミュードの本を見てから検索に没頭していた。

 

 

「キーワード変更…『並行世界』『ロイミュード』……」

 

 

ロイミュードという単語を入れたのに絞り切れない。少なくとも、あれに近いテクノロジーはこの世界に存在するということなのだろうか。

 

だが、あの本は確実に違った。

地球の本棚に生じた一種のバグ。少なくとも、あんな異質な本はこれまで存在しなかったと断言できる。

 

つまり、あの本は最近になって本棚に()()()()()()本ということ。それがもし、ロイミュードの本だけでないとするなら……

 

 

「キーワードを追加…『加速』。そして……『仮面ライダー』」

 

 

化け物が存在する異世界。もしそれがこの世界と繋がってしまったとして、()()()()()()()()()をしているのなら、

 

 

「それに立ち向かう力が必ず存在する……当たりだ」

 

 

残った本は、あの本と同じで異質な本が4冊。

タイトルは人名と、戦士の名前。

 

 

『KAMENRIDER SONIC』『TENJO HAYATO』

『KAMENRIDER SLAYER』『KARIYA REN』

 

 

__________

 

 

 

穂乃果の話を頼りに「空から落ちてきた少年」の情報を集めるアラシ。話を聞くと確かに事実らしいのだが、詳しい話を聞くと皆口々にこう答えた。

 

 

「普通に起き上がってどっか行った…ねぇ。丈夫で結構なこった」

 

 

飛び降り自殺というわけでもなく、空に『孔』が開いていたという目撃情報もあった。それだけ聞くとドーパント事件を疑わざるを得ない。

 

取り合えずアラシは新たな情報を求め、道行く女子高生に聞き込みを再開する。

 

 

「えー!一日に2回も聞き込みに会うとかヤバ過ぎ!しかもどっちもイケメンだしマジモテ期到来!?」

 

「は、2回?」

 

「最初英語喋ってたし、外人さん?てか帰国子女的な?なんか事件の話気になるってゆーから、ウチらの中で超話題になってた、夜に騒ぐDQNを襲うヤバい怪物の話したげたんだけどさー」

 

 

夜の怪物、と聞いて心当たりはある。春頃に起きたダークネス・ドーパントの事件。あまりいい思い出ではない事件だ。

 

しかし、どうもその聞き込みをしていた奴が気になる。そう思って話を続けたのだが、いかんせん会話が続くたびに難解な単語が増えて行くので、アラシは早々に諦めた。

 

 

「女子高生って皆あんなんなのか!?穂乃果たちがマトモなだけか?いや、アレはそんなにマトモじゃねぇか……」

 

 

会話だけで疲れてしまい、またも甘味が欲しくなった。

通りがかったのはメイドカフェ。ここのチョコバナナパンケーキは美味いが、以前メイド喫茶での密室事件を担当してから、どうにもメイドカフェには抵抗がある。

 

というか、主にメイド喫茶で働く羽目になった時。海未にメイド服着せられたり、にこと喧嘩して皿割ったりだとか、色々と大失敗した時の記憶が悪いのだが。

 

少しだけ気が立ってきた所で、アラシはスタッグフォンを出した。とにかく永斗に報告しなければ。

 

 

「永斗か。残念な話だがまた事件だ。秋葉原に出現した空の穴から二人、男が降ってきたらしい。それ以外に被害は無しみたいだが、大事になる前に片付けっぞ」

 

『何それラピュタ?てか空の穴って、並行世界……二人の少年…テンジョウハヤトとカリヤレン…?』

 

「あ?今なんか言ったか?」

 

『ん、いや…ちょっとね。さっき検索してて、変わった本が―――』

 

 

永斗が何かを伝えかけた時、遠方から悲鳴が聞こえてきた。

思わず白目を剥きそうになるアラシ。永斗もそれを察したように話を切った。

 

 

『もしかして臨時残念な話だったりする?』

 

「……いい加減にしろよマジで。あぁもうクソ!」

 

 

電話を切って、ヤケクソ気味に現場へ直行。騒ぎの中心にあったのは、無駄に荒らされた宝石店だった。

 

既にイライラが頂点に達しそうだったアラシだったが、頑張って冷静になると、逃げる市民を捕まえて事情を聴きだす。

 

 

「…ちょっと話聞かせてくれ。これ何があった?」

 

「怪物が店をあちこち襲ってるんだよ!見ればわかるだろ!」

 

「っ…はぁ。拾ったメモリで強盗かよ…頭に何詰まってたらそんなアホな考えになるんだよマジで。世紀末じゃねぇんだぞ」

 

「今は仮面ライダーが怪物と戦ってるらしいけど…あんたも早く逃げろよ!」

 

 

男はアラシの腕を振り払って逃げて行った。

事情を把握したアラシはドライバーを装着し、永斗と意識を繋げる。

 

 

「アホの強盗事件だ。想像の五億倍しょーもなかった。仮面ライダーが行ったって話だから、もう瞬樹が対処に行ってると思うがどうする?」

 

(仮面ライダーが…?というかアラシ、なんかキレてない?)

 

「別にテクノロジー拾ってはしゃぐ脳みそ猿人類のアホ共に振り回されて怒ってるわけじゃねぇ。俺は全然冷静……」

 

 

手掛かりを探しに、現場に立ち入っていたアラシ。

イライラと通話で意識が散漫していたのか足元に気付かず、床に落ちていた粘性のある液体に足を奪われ……

 

派手にすっ転んだ。

 

 

「………ふー」

 

(アラシ…?)

 

 

不自然に切れた会話から、永斗もなんとなく状況を察していた。

 

 

「よし永斗、この犯人とっ捕まえてビルの屋上から吊るして公衆の面前でボッコボコにすんぞ。それでも暴れるようなゴミは……二度と口聞けねぇ体にしてやる」

 

(ストップアラシ。発想が完全に独裁者だから。正義の味方が恐怖政治は流石にマズいって)

 

「うるせぇ!何が正義だ知るかボケ!ただでさえ無償労働で腹立ってる中で仕事増やすような小悪党に一切の人権はねぇ!!労働者舐めんじゃねぇぞゴラァ!!」

 

《ジョーカー!》

 

 

過去一で激しくキレるアラシは、ドライバーを壊す勢いでジョーカーメモリを叩き込む。永斗も流石に空気を読んですぐにサイクロンメモリを転送。

 

 

「変身ッ!」

 

《サイクロンジョーカー!!》

 

「逃げられると思うなよクソがぁ!!」

 

 

変身して即座に全力ダッシュ。犯人が逃げたと思わしき方向を半分野生の勘で探り当て、とにかく走る。

 

荒ぶっているアラシとは反対に、永斗は物静かに考えていた。というのも、気になるのはドーパントと戦っているという仮面ライダーだ。

 

普通に考えれば瞬樹だ。その場合は最悪、瞬樹もろともドーパントが吹っ飛ばされるくらいで済みそうなのだが、永斗が気になっているのは検索に出てきた二人の未知の仮面ライダー。

 

 

『仮面ライダーソニック』と『仮面ライダースレイヤー』

 

 

並行世界の仮面ライダー。彼らがこの世界に来ていて、今戦っているなら……といった旨をアラシに伝えたいが、どう考えても面倒くさかったので黙っておいた。

 

 

野生の勘というのは凄まじく、ダブルの視界の奥にドーパントの姿を捉えた。その姿は茶色くくすんでおり、翅や触覚から間違いなく昆虫と言える。いや、というかあの姿は紛れもなく―――

 

 

『うっわ、ゴキブリ…コックローチか』

 

「ゴキブリぃ!?虫が強盗してんじゃねぇ冷蔵庫裏で勝手にホイホイされてくたばってやがれ!もう許さねぇ絶対ぶっ殺す!!」

 

《ジョーカー!マキシマムドライブ!!》

 

『ちょ…初手必殺は反則じゃない!?……まぁいいや面倒くさい』

 

 

様子見とか躊躇とかの全てが頭から抜け落ちたアラシ。最速で必殺技の行使を決断する。

 

曲がり角にいるコックローチはこちらを見ずに、曲がった先を見ている。つまりまだダブルには気づいておらず、その隙にダブルは大きく跳び上がって風を纏う。

 

 

「『ジョーカーエクストリーム!!』」

 

 

ダブルの体は二つに分かれ、真っ直ぐ且つ超高速でコックローチに突撃。アラシの怒りも相まって、この威力を受けて無事な一般ドーパントは存在しないだろう。

 

しかし、サイクロンサイドを司る永斗はソレに気付いた。

 

 

「ストリーム・ソニック!!」

 

 

そんな叫びが聞こえた。そして、曲がり角の先から感じる『風』。その途轍もなく強い風は、徐々に近づき

 

 

「「『あっ』」」

 

 

出会った。

 

 

「ギャアアア!?half&half monster(半分半分の怪物)!?」

 

「なんだと!?」

 

 

コックローチにキックを決めようとしていたのは、取り合えず「仮面ライダー」と形容できる姿の人型。エンカウント自体は予測していた永斗だったが、まさかこんな最悪のタイミングになるとは。

 

 

『あー……そのパターンは思いつかなかったなぁ……

ってか待って。なんか風が……』

 

 

流石にアラシも気付いた。ダブルが纏っていた風が、新たに現れた仮面ライダーのマフラーに()()()()()()()。サイクロンにも風を吸収する力はあるが、それを圧倒的に上回る出力だ。

 

なんて冷静に考えている暇なんて無く。驚きの展開で忘れていたが、両者必殺技の最中なワケで。そんな中、ダブルの風は吸収されてしまったワケで……

 

 

「うおおおお!?」

 

「おいこれちょっと待て!?」

『…やっべ』

 

 

勢いを増した謎の仮面ライダーの一撃が、コックローチを粉砕。

ついでにダブルも吹っ飛ばした。

 

 

「・・・」

 

 

謎の仮面ライダーが発する「やっちまった」感。

オロオロとダブルの様子を気にしているようだったが、何やら独り言で誤魔化したみたいで、そそくさとその場を去ろうとする。

 

 

「ちょっと待てゴラ」

 

 

それをダブルは見逃さないが。

 

初めて目が合った、その謎の仮面ライダー。

ダブルに比べると随分と機械的な姿で、複眼は緑。青い装甲に白いマフラーを巻いた姿は、まさしく正統派ヒーローの姿。永斗的にはダブルよりこっちの方が断然好みだ。

 

 

「ぎゃああああ!生きてるぅぅぅ!?」

 

「生きてるに決まってんだろこの野郎!テメェ俺らごとドーパントぶっ飛ばしやがって!そもそもお前何者だ!新手のドーパントか!?」

 

 

早速アラシが喧嘩を始めた。怒りの発散を邪魔されたのだから気持ちは分かるが、これには永斗も頭を抱える。

 

 

「ドーパントならこの俺がさっき倒してやっただろうが!それに…お前みる目ねえな!この!どっからどう見ても!正義のヒーローな見た目したこの俺が!怪物な訳ねえだろうが!!お前こそ同じガイアメモリ使ってやがる!お前こそドーパントなんじゃねえのか!?」

 

「んだと一緒にすんな!?まぁ俺もセンスはアレだと思うが…あんな化け物ならいざ知らずこの見た目の何処が……!」

 

『まーまーお二人共、その辺にして』

 

 

とにかく落ち着かせないと話が進まない。

それに、これで確定した。彼は並行世界の仮面ライダー。今、二つの世界が繋がろうとしている。

 

 

『それでさアラシ、僕の勘が正しければだけど……この不審者(仮)さん、恐らくあの怪物のことを知ってる人物だと思う』

 

「本当か?」

 

「誰が不審者だ!」

 

『あ、それと今回の事故だけど過失はどっちも同じくらいだから一先ず水に流してもらって…その人連れて帰ってきてもらってもいい?』

 

「…お前がそう言うなら……わーったよ永斗」

 

 

アラシもそろそろ冷静になったようで、永斗も安心した。

ダブルは変身を解き、彼の前に素顔を見せる。

 

 

「人間!?」

 

「当たり前だ。俺をどんな化け物だと思ってたんだ!」

 

 

よく分からないところで驚いた仮面ライダー。彼もまたベルトから小さなバイクを引き抜き、変身を解除した。

 

 

《オツカーレ!》

 

「ベルトがお疲れって……なんだそりゃ」

 

 

現れたのは少年の姿。歳は多分、アラシと同じくらいで間違いない。仮面ライダーはどいつもこいつも若いのだろうか。

 

容姿はあのJKが言うようなイケメンの部類なのだろうか。アラシには判断しかねるが、一番強く抱いた印象は別の所にあった。

 

 

(小せぇな……)

 

 

身長は雑に160㎝くらいだろうか。永斗より低い気がする。

アラシとは15㎝以上の身長差があり、完全に見下ろしている形になっている。

 

 

「とりあえず、お前何者だ。名を名乗れ」

 

「人に名前を聞くときはまず自分から、だろ?what's your name?半分こさん?」

 

「半分こさんじゃねぇ!」

 

 

会話に英語を織り交ぜる少年。これもまたさっき聞いた特徴だ。

仕方がないと、アラシは自分から名乗った。

 

 

「俺は切風アラシ……探偵だ」

 

 

_________

 

 

 

変身を解除し、事務所の体に意識を戻した永斗は、すぐにさっきの仮面ライダーに対する考察を始める。

 

 

「アレは多分『仮面ライダーソニック』の方…で、変身者はテンジョウハヤト……あともう一人いるし、なんでこの世界に……」

 

 

考えれば考えるほど、何かの始まりを感じざるを得ない。

こんな壮大な世界観が広がっているのに、ただの泥棒騒ぎで終わるわけが無いのだ。

 

 

「面倒くさい事になってきた……」

 

 

 




まぁそこまで出番は無かったですけど、仮面ライダーソニック/天城隼斗の登場です!次回からは一緒に行動するので、更にコラボコラボしてくると思います。

今回のコラボは「同じ話を別視点で書く」という手法を取らせていただきます。両方読むと色々と楽しめる仕掛けに……なればいいなと思ってます。頑張ります。

感想、高評価、アドバイス、オリジナルドーパント案ありましたらお願いします!
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