ラブダブル!〜女神と運命のガイアメモリ〜   作:壱肆陸

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お久しぶりですっっっ146でございますっっっ!!!
大変遅くなって申し訳ありません。マスツリさんはすごい進めてくださったんですが、僕の方がバイトやらなにやらで…コラボ編もラストスパートでございます。遅くなるかもですがお願いします。

エルバに負け、仮面ライダーは散り散りに。ソニックは単身突入…ですが、その様子はソニックサイドの方で詳しく。
https://syosetu.org/novel/91797/

今回も「ここすき」よろしくお願いします!


コラボ編 第7話 なぜ仮面ライダーは存在するのか

異世界から来たライダーたちと手を組み、アラシたちは『憂鬱』の刺客を全て撃破。その計画も無事に阻止され、異世界への扉は閉ざされたように思われた。

 

しかし、厳密に言えばそれは間違いだった。異世界への扉は依然として存在しているが、開いていない状態なのだ。

 

 

「うぇ~終わんないよぉ~…」

 

「隼斗が手伝ってくれたおかげでかなり進んだんです。あと少しだから文句言わずに動いてください!」

 

「そのあと少しが長いんだよぉ…あー、みんな早く帰って来ないかな…」

 

 

文化祭のステージ準備を引き続き行っているμ'sだが、終わりが見えた作業でも穂乃果が弱音を吐き始めた。そのうち「私も別の世界行きたかったー!」とか言いそうだ。

 

そんな音ノ木坂の屋上に、明らかに場違いな姿がどこからか降り立った。

 

 

「海未、ちょっと外出るけどついでに飲み物でも……きゃああっ!?」

 

 

様子を見に来た真姫が声を上げて腰を抜かした。

そこにいたのは黒い剣士の怪人、スラッシュ・ドーパント。

 

 

「ドーパント!? どーすんのよ瞬樹もアラシも永斗もいないのに……

あのドーパント……ファングの時の!?」

 

「あのメチャクチャ強かったやつやね…」

 

 

にこと希、他の皆も警戒するが今襲われたらどうしようもないのは明白。

 

ファング事件の際、スラッシュがファング・ドーパントと戦っていたのをμ'sは見ていた。その時の激しい戦いからスラッシュが普通のドーパントじゃないのも分かっている。

 

 

「声を出すな。安心しろ、貴様たちに用があって来たわけじゃない」

 

 

スラッシュは必要最低限、短くそう言うと、μ'sに背を向けて刀に手をかけた。焦点を定めるのは時空のゲートが存在する場所。

 

閉じたゲートの正確な位置に高速で一定の衝撃が加わる事で、ゲートは一瞬だけ再び開かれる。しかし、それは偶然では決して起こらないような難易度。

 

 

「……ここだな」

 

 

スラッシュが刀を目視できない速度で振り切り、閉じたはずのゲートが開いた。

ゲートを開く難易度は極めて高く、ましてや刀でそれを行うなんて正に大気を斬り分けるような神業。

 

そんな神業を容易く成し遂げ、スラッシュはソニックの世界へと飛び込んだ。

 

 

_______________

 

 

 

前回までのあらすじ。

ソニックの世界に来たダブル一向。しかし早々に『憂鬱』エルバとエンカウントし、派手にやられてそれぞれ離散してしまう。

 

目覚めた場所でAqoursの高海千歌と出会ったアラシ。アジトに逃走した憐と永斗。松浦果南が攫われたと知って単身エルバに挑みに行った隼斗。そして、行方不明なもう一人、瞬樹はというと───

 

 

「フッ…空を駆け、竜騎士は迷える子羊に…! ここどこだ…へぶちっ!」

 

 

あの爆発でダブル同様に海に放り出されたエデン。

それなら海流に従ってアラシと似た場所に漂着するはずなのだが、持ち前の不運で何故か全然知らない場所にずぶ濡れで打ち上げられてしまった。

 

いやでも、世界は違えどここは瞬樹の地元。迷ったうちに入らないと思っていた。よくよく考えれば瞬樹の実家は沼津で、この辺はあまり来たことが無いので普通に遭難したことに気付いたのだが。

 

 

「なるほど、これが異世界の洗礼…か」

 

「確保ですわ!」

「うゆ!」

「ん……?」

 

 

無意味に風を感じながら海岸を歩いていた竜騎士を襲う、陸上漁業。2人の声と突然飛んできた網が瞬樹を捕まえた。

 

 

訳の分からないまま瞬樹は連れ去られ、気付けば瞬樹は畳の部屋で正座させられているのだった。何故か黒髪ぱっつんの美女に薙刀を突きつけられながら。

 

 

「さぁお答えなさい! あなたは何者なんですの!? なぜ槍を持って海岸に!?」

 

「フッ…我が名は竜騎士シュバルツ。異界より降り立ち、空の旅と海の旅の末にこの地に辿り着いた……説明したのでソレ下ろして欲しいです」

 

「お姉ちゃん…この人、何言ってるかわかんない…?」

「ダメですわルビィ! この方は危ない方です近づいてはいけません!」

 

 

完全に頭がアレな人と思われたらしいが、瞬樹はめげない。

どうやら物騒な方の後ろで怯えている少女が、彼女の妹でルビィというらしい。悪い人ではなさそうで瞬樹も安心する。

 

一方で物騒な方、黒澤ダイヤも瞬樹から危険というものを感じ取れていなかった。というより、この独特の一人だけ世界が違うような雰囲気に、すごく見覚えがあった。

 

 

「…そうですわね、突然申し訳ありません。わたくし達はあの辺りで魚を獲っていまして、そこであなたを発見したのです。この状況下放置しておくわけにもいかず、しかし武器を持っているようだったのでこのような事に…」

 

「なるほど…この竜騎士、全てを理解した!」

 

 

そんな危ないヤツを網で捕まえて家まで持ってくるかとか、薙刀どっから出してきたとか、何故魚獲ってたのかとか色々と疑問がほんのりと後からやって来るが、瞬樹はそれを言語化できないため全てを理解したと思う事にした。

 

 

「先ほども言ったが、俺は竜騎士シュバルツ。恥ずかしながら戦いに敗北し、海の流れに導かれここへ流れ着いた。俺は今すぐ仲間のもとへ急がねばならん」

 

「だめ! 今出て行くのは…ちょっと危ないと思います」

 

「ルビィの言う通りですわ。今、この辺りはロイミュードと呼ばれる怪物が支配しています。通信も切られていて助けも呼べません」

 

「隼斗さんや憐くんもまだ帰ってこないし…」

 

 

不安からルビィが漏らした言葉に、瞬樹の耳が動く。

 

 

「隼斗と憐だと? 我が盟友、蒼騎士と黒騎士を知っているのか!?」

 

「あお…きし…?」

 

「それはもしやソニックとスレイヤーの事では!? つまりあなたは…あの異世界から来た異世界人! そうですわね!?」

 

「最初からそう言っている。俺は異界の騎士……と。そして、なるほど……フッ、感じるぞこれは運命に違いない!」

 

 

あのテンションで異世界人と言われて誰が信じるかと言いたいが、瞬樹の謎テンションにスイッチが入って空気を奪われてしまった。

 

 

「この部屋の作り、そしてその薙刀! 間違いない、この家は侍の家だな!!」

 

「えっ…そうなの、お姉ちゃん?」

 

「違います。黒澤家は網元の家ですわ」

 

 

網元とは漁船や漁網を所有し漁業を経営する者の事。武家ではない。しかし瞬樹が網元なんて単語を知るわけもなく。その謎の単語はバカの脳内で自動変換され……

 

 

「…つまり、この一帯を牛耳るヤクザ…闇の一家というわけか」

 

「お姉ちゃん、ルビィたちってヤクザなの!?」

 

「変なこと言わないでいただけます!? だからわたくしたちの家は…」

 

「皆まで言わずとも解っている。影の中で街を守る、さながら正義たる闇! これもまた縁だ。この竜騎士、この街を取り戻すため力を貸そう」

 

「あーダメですわ。話まったく聞いて……なんですって?」

 

「ロイミュードに支配されて困っているのだろう? ならば俺が倒してみせようじゃないか! 俺には心に決めた主君がいるが、今だけは貴女の剣…いや、ドスになろう! さぁ俺に続くのだ親分とお嬢!」

 

 

瞬樹のテンションが最高潮。困惑するダイヤとルビィを振り回すだけ振り回し、ロイミュード撃破のために勝手に飛び出してしまった。

 

この辺りを支配しているのはロイミュード090。かつてシェフと融合し、究極の味覚を目指したロイミュードだ。それを更に追及すべく、住人たちに食材の調達や労働を強いているらしい。ダイヤたちは魚を担当させられていたとのこと。

 

当然、瞬樹がそんな話ろくに聞くはずもない。ダイヤとルビィがその力について説明し、瞬樹を止めようとしたのを凄まじい勢いで無視し、

 

 

「お控えなすって! 生まれは異世界、奇妙な運命に翻弄されここに流れ着いた流浪人! その名も…フッ、黒澤一家の用心棒! 竜騎士シュバルツと申しやす!」

 

「な…なんだ貴様! 侵入者か!?」

 

「悪しきロイミュードを成敗致す! 覚悟おおおお!!」

 

 

仮面ライダーエデンに変身。重加速を使われたりもしたが、

 

なんだかんだロイミュード090を撃破したのだった。

 

 

「どうだ親分! お嬢! これが我が力、竜騎士の力だ!」

 

 

もう滅茶苦茶だ。何を言っているのか分からない少年が仮面ライダーに変身したかと思うと、重加速を無理矢理攻略して勢いでロイミュードを倒してしまった。

 

余りの急展開と情報量に、ルビィは言葉を出すこともできない。が、しかしダイヤの方はというと、その光景に体を震わせていた。

 

 

「…素晴らしいですわシュバルツさん! 異世界からやって来た仮面ライダー…その力があれば、必ずロイミュードたちから内浦を救い出せます!」

 

 

感動に体を震わせていた。ダイヤもどちらかと言えばテンションに乗せられる方で、中二病はそういう人がいると一気に増長する。

 

 

「フッ…やはりわかるか親分。無論だ、我々がこの息苦しい世界を打ち壊し、愛する街を取り戻す! 戦いの準備をしろ、親分! お嬢! 一世一代の聖戦……いや、抗争だ!」

 

「当然ですわ! まずは囚われた果南さんたちを、あのエルバという男から救出するのです! 行きますわよシュバルツさん! ルビィ!」

 

「ル…ルビィも…!?」

 

 

ロイミュード撃破で盛り上がった熱で、竜騎士同盟『黒澤一家』が結成されてしまったのだった。

 

 

_____________

 

 

 

ロイミュード050をジョーカーメモリで撃破したアラシ。しかしダブルドライバーは紛失したままであり、千歌を連れてエルバ配下のロイミュードの支配から逃走していた。

 

 

「ドライバー探してぇが、流石に海潜ってる時にロイミュードに見つかったら死ぬからな…」

 

「じゃあ連れて行かれた皆を助けに行こう!」

 

「馬鹿かドライバー無いって言ってんだろ。あったとしてもさっき負けたばっかだっつーの」

 

「それなら他のAqoursの皆が無事なのか…それだけでも! ロイミュードもいるかもだけど、さっきのパンチでいけるでしょ!」

 

「いけりゃいいな。いけなきゃ死ぬけどな。…あぁもう、あれこれ考えて立ち止まんのは性に合わねぇ。分かった行きゃいいんだろ、折角だしそいつら全員集めて隼斗たちと合流だ」

 

「よっし! それじゃまずは……」

 

 

ロイミュードに見つからないよう、慎重に2人が向かったのはAqoursのメンバーである黒澤ダイヤ&黒澤ルビィ姉妹の家だ。

 

 

「どーなってんだ、いねぇじゃねえか」

 

「もしかして…連れて行かれたのかも…!? やっぱり早くみんなを助けに行こう!」

 

「そうとも限らねぇだろ落ち着け。いねぇなら後回しだ」

 

 

部屋は綺麗なままだったため、少なくとも家にいる時に襲われたわけではなさそうだ。靴も無かったし外出している時に攫われたか、今外に出ているかのどちらかだろう。

 

ロイミュードの気配を全く感じなかったが、一応警戒しつつ黒澤姉妹を探すも、やはり見つからず。「まだ探す」と言う千歌を引っ張って次の場所へ。

 

 

「さっきの三下実験ロイミュードが追って来るかもしれねぇ、遠回りでも不規則に動くぞ。パッと思いつくメンバー言え」

 

「うーん…よし、決めた! 善子ちゃんと花丸ちゃんで! あの2人は一緒にいるらしいし」

 

「善子……あぁ、瞬樹の…」

 

「善子ちゃんは知ってるの?」

 

「…いや、知らねぇ。千歌には関係ない話だ、行くぞ」

 

 

そうして一年生の国木田花丸の家の近くに来たのだが、ここもさっきと同じ。十千万の辺りでは感じた『支配されている雰囲気』を全く感じない。

 

千歌が「ここだ」と言う神社に来ると、いた。少女の姿がふたつ。

 

 

「よかったぁ…! 花丸ちゃんと善子ちゃん、ちゃんといた!」

 

「千歌!? なんでここに…って怖い顔の男の人ぉ!?」

「初対面さんに失礼ずらよ、善子ちゃん」

「ヨハネよ!」

 

 

どうやらこの2人が「国木田花丸」と「津島善子」らしい。どっちがどっちなのかは確認するまでもなかった。

 

 

「お前が津島善子か」

 

「…千歌の知り合い…? なら……

クックック…それは世を忍ぶ仮初の名。私の真名は、そう! 堕天使ヨハネ! あなたも我がリトルデーモンになる気はない?」

 

 

この雰囲気にこの台詞を吐かれると、確かに瞬樹の血族だ。全体的に見て瞬樹とにこを足し合わせたような感じ。アラシからすれば頭痛がしてくる組み合わせだった。

 

 

「…バカのごった煮だな。で、状況説明終わったか千歌」

 

「うん! 善子ちゃんにも…この人はアラシくんで、別世界から来た仮面ライダーで隼斗くんたちの友達なんだって!」

 

「異界の仮面騎士…!?」

 

「えっと、マルは国木田花丸ず…じゃなくて、です…」

 

「聞いてるよ。それより聞きてぇことがある。ここにロイミュードはいねぇのか? お前らの顔から感じる緊張感が薄いのが気になる」

 

「そっか、そういえば高校生探偵って! もしかして推理始まる!?」

 

「始まらん。分かんねぇから聞いてんだろが」

 

 

千歌の不用意な一言にソワソワしたアニメ好き善子と小説好き花丸。アラシがキッパリ期待を断ち切り、3人のテンションが少し下がった。しかし善子が事情を説明してくれるようだ。

 

 

「さっきよ。さっきこの辺りに来た剣士?が、ロイミュードを倒したの」

 

 

 

ここを支配していたのはロイミュード007。エルバの配下の中で最も数字が若く、危険かつ強大なロイミュードだった。

 

007の支配は実にシンプルな恐怖統制。事態を聞きつけてやって来た警官を斬り、逆らう者や命令を聞かない者も容赦なく斬ってこの区域を恐怖に染め上げたのだ。

 

 

「お前だなァ、津島善子と国木田花丸は! やっと見つけたぞ!」

 

 

バット型ロイミュード007、首元が金色の特別なシングルナンバーの個体。隠れていた2人を見つけると、彼はエキセントリックな口調で喜びを発露させる。

 

 

「…っ、ずら丸逃げて!」

 

「善子ちゃん!」

 

「おおッとぉ? 逃がすわけないだろッ!!」

 

 

007の右腕が刃に変化。その鋭い斬撃が善子の頬を撫で、髪先を斬り落とした。動いたら即座に殺されるという事実が、心臓から体温を奪っていく。

 

 

「エルバから聞いている。お前達は仮面ライダーの仲間なんだってなァ? 大概のロイミュードがそうだろうが、俺は仮面ライダーが大嫌いさ! 特に死神のヤツだが…まぁいい! お前達を目の前で斬れば、正義の仮面ライダーはどんな顔するんだろうなァ!」

 

「隼斗くんも憐くんも…今はいないずら!」

 

「そうよ! それに、帰ってきたらアンタなんかあっという間に…!」

 

「おいおい俺が喋ってるだろ、黙って震えてろよ」

 

 

007はかつて「警官殺し」と呼ばれた男と融合し、進化した。進化に必要な感情を挙げるとするなら「理由の無い殺意」。好きなように虐げ、好きなように殺すことが007の望み。

 

右腕の刃を伝う怯えた呼吸と、強がっていても震える唇が嗜虐心を刺激する。今すぐにでも殺してしまいたい、

 

そんな昂る感情は一つの金属音で霧散した。

 

 

「ッぁあっ…!? なんッッだァ!? 誰だ!」

 

 

007の背中を襲ったのは斬撃。一瞬で007の感情が怒りへと塗り替わり、殺意の照準が背後に向けられた。しかし、振り返った瞬間に襲い掛かる斬撃の暴風。あっという間に制圧され、善子と花丸から距離を取らされてしまった。

 

 

「無事か」

 

 

短くそう尋ねる人物に他の者は言葉を失う。助けに入ったその姿は明らかに怪人だったからだ。だが、その背中から敵意は感じず、正面からは殺意を解き放っている。

 

007、花丸、善子、誰も知る由も無い。彼が別世界のドーパント、スラッシュであることを。

 

 

「ロイミュードじゃあないな! 雑魚がッ! 切り刻んでやるよ!」

 

「力を測る眼も持たないか。滑稽だな異世界のロボット」

 

「黙れェっ!!」

 

 

刃を向けて突撃する007に対し、スラッシュは新たに一本の剣を握る。殺意に満ちた荒々しい007の太刀筋を全て見切り、スラッシュはその波打つような刀身で007の鋼鉄の肉体を斬り付けた。

 

 

「あ゛アァ…がァっ!? なんだその剣は!」

 

「炎の剣、フランベルジュ。付けた切り傷は燃えるように痛むと言われた、極めて殺傷能力の高い剣だ。俺が使えば鉄だろうが抉り斬れる。そしてこれが…」

 

 

ヤケクソで反撃する007の剣に、スラッシュの新たな剣が「引っかかった」。そして気付いた時には刃が折れ、007は戦う武器をも失っていた。

 

 

「ソードブレイカー。名の通り剣を壊す剣。電子回路にでも刻み付けておけ」

 

 

圧倒的強者を前に打つ手が消失。フランベルジュの連撃で007の全身が削り取られ、ソードブレイカーが胴体ごと大地を貫く。大爆発をも一瞬で切り裂き、スラッシュは007に完勝したのだった。

 

 

 

「……てな感じで。まさに魔剣士、あれは間違いなく天界の存在よ!」

 

「黒い剣士にその能力、ファーストだ! アイツがこっちの世界に来てやがったのか!?」

 

「アラシさんの知り合いずらか? それなら今度お礼を…」

 

「悪いがそんな間柄じゃねぇな。運よく会えたらその時言え」

 

 

世界間ゲートは閉じたはずなのだが、今はファーストが来ているという事実を素直に受け止めるべきだ。考えるべきは目的だが、アラシ達の障害になる可能性も高い。警戒の必要がある。

 

 

「とにかくこれで2人拾えたな。次だ千歌、急ぐぞ。行った先で隼斗か憐と会えればいいんだが…」

 

「隼斗さん帰ってきてるずらか?」

 

「それなら話は早いわね! いざ堕天、反逆の時!」

 

「その話なんだけど、さっきみんな一緒に負けちゃったらしい!」

 

「「うっそぉ…」」

 

 

千歌のカミングアウトに落ち込む2人。これまで隼斗たちの帰還を心のよりどころにしていたのだから無理もない。

 

 

「次は勝ってやるから安心しろ。それで、隼斗が行くとすりゃどのメンバーのとこだ?」

 

「絶対に果南ちゃんずらね」

「果南以外ありえないわ」

「果南ちゃんなんだけど、それがさっきのダイビングショップの子で…」

 

「果南…通信に出てたヤツか、確かにな。で、そいつは攫われてると。ん…待てよ、隼斗がそいつの家行って攫われてることに気付いたら……」

 

「隼斗さんのことだから、ひとりで敵のボスのとこに行ったり……?」

 

 

花丸がそこまで言ったところで、全員が「まさかー」と笑い話として終わらせた。誰もこれ以上状況が悪くなる想像をしたくなかったのだ。

 

これでAqoursのメンバーは3人。攫われている3人を合わせると、6人の所在が明らかになった。最後のメンバーは小原鞠莉だ。

 

鞠莉のところを訪ね、その後に霧香博士のラボに戻るというルートに決定。しかし、出発からしばらくして問題が発生してしまった。

 

 

「もう……無理…ずら…」

 

 

体力が少ない花丸が早々にダウン。あまり目立たないよう道を選んでいたため、遠回りになってしまっているのも向かい風で、千歌と善子も疲れているようだ。

 

仕方がないのでダメ元でAqoursの学校、浦の星女学院に向かうことにした。そちらの方がまだ近い。

 

 

「…いやがるな。ロイミュードだけじゃねぇ、明らかに『管理する側の顔』してる人間がチラホラいやがる」

 

「あれが敵なら街中進めないよ…」

 

「それなら天から! 不死鳥の如く!

……ツッコミなさいよずら丸!」

 

「ずらぁ……」

 

 

花丸の限界が近い。最悪アラシがおぶって進めばいいが、目立つので避けたいところ。

 

 

「これはもう…堕天使の力に頼るしかないわね! 見てなさい、この堕天使ヨハネの指が導く方角に…救いの光が現れるのです!」

 

「千歌、善子ってもしかして運悪いか」

 

「すごい悪い。じゃんけんで勝ったの見たことない」

 

「だと思ったよ」

 

 

兄と同じ不幸体質に一切の期待を持たずスルーするが、善子は構わず当てずっぽうに腕をとある方向に向けた。恐る恐る目を開け、その方角には……

 

 

「……ん?」

 

「マジか堕天使」

 

 

まさに偶然。もしくは奇跡。

Aqoursのメンバーである桜内梨子と渡辺曜、そしてその2人に肩を貸りた満身創痍の隼斗とばったり直面した。

 

 

「梨子ちゃーん! 曜ちゃーん!!」

 

「この声……え!? 曜ちゃん、アレ!!」

 

「…アレって! …千歌ちゃん! よかった、無事だったのね!」

 

「梨子ちゃんたちこそ…怪我は無い!?」

 

「うん、私たちは隼斗に助けられて…」

 

「そっか! 隼斗くんが……隼斗くん!?」

 

 

奇跡的な合流から少しして、千歌がやっと隼斗の現状に気付いた。自分の足で歩けないくらいにボロボロ。かろうじて目が開けられているような有様だ。

 

 

「隼斗さーん!」

 

「隼斗!! おいどうした!しっかりしろ!!」

 

「ぁ……アラシ……?」

 

「そうだ、俺だ! 一体何があった?…まあ聞かなくても大方予想はついてるが…」

 

 

そこにアラシと善子と花丸も追いついた。ようやく再会したというのに隼斗は意識もハッキリしない様子。ここまで来ると、さっきの予想が確定的なのは避けられないようだ。

 

 

「貴方のことだから、愛する者を助ける為、単身敵の居城へと侵攻した…でしょ?」

 

「…その言葉…善子か…なんだかいつも通りなのに妙に懐かしいな。数日離れてただけなのに…」

 

「ヨハネよ!!」

 

「…だろうな。否定しねぇってことはやっぱそうか。お前、相当な無茶しただろう。見りゃわかる」

 

 

普段ならデカい溜息で罵倒の一つでもするところだが、ここまでの道でAqoursと触れ合って、彼らの関係はアラシ達とμ'sの関係に限りなく近いことは分かった。実際にアラシも海未が攫われた時は即報復の姿勢だったし、アラシが文句を言えた話じゃない。

 

 

「ちょっと…張り切りすぎただけだ…心配いらねぇよ…」

 

「ったくお前ってやつは…どこの世界も仮面ライダーはバカしかいねぇ。お前ら変われ。俺がコイツおぶっていく」

 

 

アラシが隼斗を背負い、千歌と花丸が軽くここまでの状況の説明をしてくれた。スラッシュの話をした時、隼斗が少し反応した気がしたが、深く聞き返す気力もないようだ。

 

 

「で…お前ら…これから、どうする気だ?」

 

「学校も近いし、まず先生のところね。今はあのラボの方が家よりは安全だと思うし」

 

「…了解。んじゃ行くか…降ろせアラシ」

 

「お前は休んでろ、そんな状態でマトモに歩けるわけがねぇ。何があったかは知らねえが…ったく後先考えずに突っ走りやがって…」

 

「んな事になって…止まってる方がどうかしてる…俺にとって姉ちゃんは……っぐぅ…!」

 

「本当に何があったんだよ…つか寝てろ。もう喋んな」

 

 

何か重要そうな話を抱えているようだが、それは全員が揃ってからにした。残りはこれから向かう小原鞠莉と、所在不明の黒澤姉妹、永斗と憐に……一番不安な瞬樹だ。

 

隼斗は行動が読みやすいからまだ良かった。ただ、瞬樹は本当に何をしでかすか分からないタイプのバカ野郎なのだ。

 

 

_________________

 

 

アラシの不安をよそに、瞬樹と黒澤姉妹の「黒澤一家」はエルバのアジトまで到達してしまった。追手や手下を全部勢いで無視して。

 

 

「ここですわシュバルツさん!」

 

「ビビってるやついねぇよなぁ!! 征くぞ黒澤一家ァ!!」

 

「ル…ルビィはやめたほうがいいと思う…な…」

「変身!!」

 

 

全く聞いてない。エデンに変身した瞬樹は、エデンドライバーを無意味に振り回したかと思うと……

 

 

《ドラゴン!マキシマムドライブ!!》

 

「さぁ今こそ“反撃”の“瞬間(とき)”ですわ!!」

「“覚悟”を“キメろ”よ“憂鬱”! 二度と“シャバ”の空気“吸”えなくしてやるからよォ!」

 

「おねえちゃん…シュバルツさん…!?」

 

竜騎士特攻弾(ドラゴニック・ブッコミボンバー)!」

 

 

テンションがヤクザから暴走族になってきたところで、エデンが速攻必殺技を発動。四の五の言わせないテンポで槍を構えてダッシュして建物に激突。

 

エルバのアジトの前側が半壊した。

 

 

「歯向かう者を全員やっておしまいなさい! 果南さんたちを見つけるまで、止まらず突き進むのです! そう暴走バイクのように!」

 

「合点承知!」

 

 

暴走竜騎士、エルバのアジトを荒らしまくる。

しかし妙に敵がいないため、ただただ妙なテンションの2人が爆走し、戸惑いながらルビィがそれを追いかけるという絵面になってしまっている。

 

それもそのはず、ここはさっき隼斗が突入したばかりで、その際にエルバが集めた部下候補もほとんど逃げてしまっていた。つまり、ここは既にお開きになった後というわけで……

 

 

「“見”つけたぞ“憂鬱”ゥ! この“竜騎士”が“粛清”して……」

 

 

!?

 

 

エデンとダイヤがやっとエルバがいる部屋に到達。

しかし、そこには真顔のエルバと、とても微妙な表情をした果南がいた。

 

 

「あ、ダイヤ…と誰?」

 

「果南さん! 無事だったんですわね…ってなぜそんなに冷静なんですの? それに梨子さんと曜さんは…」

 

「さっき天城隼斗が連れて帰ったよ。忘れ物でもしたのかな?」

 

「ん…蒼騎士が来た…? いや、構わん! なら俺が彼女を救い出して…」

「そうですわシュバルツさん! やっておしまいなさい!」

 

「なんだ彼から聞いていないのか。同じ話を二度するのは、格好が悪くて笑えないなぁ」

 

「あー……ダイヤと…そこの仮面ライダーさん、その話なんだけど…私、ここに残ることにして…そのあれこれもさっきやったばっかというか…」

 

 

全部終わった後に全く無意味の突入。戦う気の無いエルバと逃げる気のない果南でテンションに天地の差があり、果南もさっきの覚悟を決めたやり取りを繰り返せと言われると、流石に抵抗がある。空気がとてつもなく気まずい。

 

ダイヤと瞬樹も場違いなことに気付いて、段々恥ずかしくなってきた。

 

 

「フッ…“不運(ハードラック)”と“(ダンス)”っちまったってことか………すいませんでしたすぐ帰ります…」

 

「えーと…ダイヤ、こっちは大丈夫だから。事情は隼斗から聞いて。あと隼斗に無茶しないようにって」

 

「え…あ…そう、ですわね。果南さんもお気をつけて……?」

 

 

そそくさと2人は退場。なんともいえない感情を抱えたまま、アジトから撤退したのだった。

 

ちなみにワケの分からないまま突撃し、ワケの分からないまま撤退させられたルビィは、それ以降考えるのをやめたという。

 

 

_______________

 

 

負傷した隼斗を寝かせ、目的地の浦の星女学院に。ここに霧香博士のラボがあるらしい。Aqoursの部室に行くと、どかされたダンボール群の近くで音がして、地下へと続くスライダーが現れた。

 

 

「なんだこの少年の夢満載ギミックは。これが入口か?」

 

「そう! いいよねー、これぞ秘密基地だよ!」

 

「永斗が好きそうと思ったけど千歌もか。ここにある程度いてくれりゃ助かるんだが…」

 

 

そう思ってスライダーに飛び込み、いざキリカラボへ。

その先で待っていたのは想像していたよりも多い人数だった。

 

 

「おっ、皆にアラシサンにハーさん…あー、こっぴどくやられたカ…」

 

「遅いよアラシ。遅すぎて暇だったからマリーちゃんと意気投合しちゃった」

 

「Hello! アナタがエイトのbuddyね? 私は小原鞠莉、マリーって呼んで」

 

「長い旅路ご苦労だったね。おかえり、そしてようこそ私のキリカラボへ! ん? 切風くんはテンションが低いね。士門くんは私のラボに喜んでくれたのに」

 

「ほぼ全員集合じゃねぇか」

 

 

憐に永斗霧香博士、後で迎えに行くつもりだった鞠莉までいた。アラシは思わず突っ込んだがこれは幸運だ。一気に体制が整った。

 

 

「悪ぃが再会のアレコレやってるほど暇じゃねぇぞ。あといねぇのは瞬樹と黒澤姉妹、あとは松浦果南だったか」

 

「そうだよ果南ちゃん! 果南ちゃんはどうしたの!?」

 

「ホントだ。攫われたっていう3人のうち果南サンだけいない…肝心のハーさんはグッタリだしナ…」

 

「そのことなんだけど…実は果南ちゃんはあの人との取引で……」

 

 

曜の口から語られた、隼斗突入の詳細。エルバに敗れた隼斗と他の人質を見逃す代わりに、果南が1人エルバの所に残ったという。

 

 

「それで、エルバは計画実行までに猶予があるって言ってた。確か…」

「24時間と半日…だったと思う」

 

「36時間かぁ…いやーどう思う霧香博士? 僕はキッツいと思うんだけど」

 

「厳しいだろうね。これを見る限り、このバカ者はオーバーブレイクを使ったようだ。ったく生きているだけ奇跡というべきか…それでもこのやられようという事は…どの仮面ライダーもエルバには遠く及ばないという事になる」

 

「それに加えて配下のロイミュードもいやがる。36時間で戦力差は埋まらねぇぞ」

 

「しかもアラシくんはベルト失くして変身できないし…」

 

 

最後の千歌の一言が全員を絶望に叩き落とした。永斗は薄々感づいていたようだが、瞬樹がいない状況では実質異世界から足手まといが増えただけになってしまう。

 

 

「なにやってんだよアラシサン…」

 

「うるせぇ俺が一番凹んでんだよ」

 

「それならあの黒き剣聖を召喚…いてっ」

「あのファーストさん?に力を貸してもらえれば…」

 

「え、ファースト来てんの? マ?」

 

「だから友達じゃねぇって言ってんだろ。それより瞬樹と黒澤姉妹が優先だろうが」

 

「ん? それならもう見つけてるけど」

 

 

今度は永斗の言葉で全員が驚きに跳ね上がった。窮地だからか皆感情の起伏が激しくなっているようだ。永斗は「あ、言ってなかった」と呑気気味だが。

 

 

「どーいうことだよエイくん? エイくんずっとここにいたヨナ?」

 

「ファングメモリ…って言ってもわかんないね。僕の分身みたいなのがいて、そいつに瞬樹を探させてたんだ。それでさっき、めちゃくちゃ落ち込んでた瞬樹と、その黒澤ダイヤさんとルビィちゃんを見つけたんだ」

 

「アイツら一緒にいたのか。ならまぁある程度安心だな」

 

「んでファング見つけた瞬樹から色々聞いてるよ。なんかエルバのとこ勝手に突撃したけど無意味に終わったとか」

 

「ワーオDynamic…」

「流石は竜騎士シュバルツ、破天荒ダナ…」

 

「竜騎士シュバルツ…? 何よそれ、堕天使ヨハネのパクリよパクリ!」

 

「あぁ…うん、そだね。偶然だよ偶然。

あと瞬樹曰く、これから黒澤姉妹と一緒に解放軍を結成して各地のロイミュードを倒して回るって」

 

「ファングに『ざけんなアホ帰って来い』って手紙運ばせろ。帰って来ねぇならもうアイツは知らん」

 

 

とにかくこれで全員の所在が明らかになった。ただ、残された時間はたったの1.5日。敵の能力や戦力、目的の詳細が不明で、もはや何から手を付けたらいいのか分からない。

 

「勝てる気がしない」。ここまでそう感じたのはアラシや永斗にとっては初めてだった。

 

 

________________

 

 

 

そのまま夜がやって来た。朝が来れば残る時間は一日を切る。かといって、今更アラシに出来る事なんて何も無く、でもじっとしていることはできず、なんとなく夜の浦の星女学院を徘徊していた。

 

 

「なんか雰囲気は音ノ木坂に似てんだな…つっても、こっちは廃校か」

 

 

この学校も音ノ木坂と同じく廃校の危機にあり、それを覆すためにAqoursは活動し続けたらしい。ラブライブの決勝大会進出まで辿り着いたが、やはり立地や人口の限界があったのだろう。つい先日、正式に統廃合が決定してしまったという。

 

 

「報われねぇもんだな。これじゃ何の為に戦ってきたのか分かったもんじゃねぇ。でも…アイツらAqoursは立ち上がって、まだ戦おうとしてやがる」

 

 

それは隼斗も憐も同じだった。何度負けても守りたい者のために戦いを挑み、決して折れない。失っても取り返す。前を向いて進み続ける。その心が少しだけ理解できるようで、理解できない気もした。

 

アラシは何かを守って生きるような繊細な生き方で育たなかった。自分の命以外の全てをおざなりにして生きてきたから、何かを守ることが肌に染み付かない。

 

だから肝心な時に取りこぼす。コーヌスの時も、ファングの時も、ボックスの時も、サイレンスの時も。大事なモノに手が届かず失ってしまい、それを取り返すのに必死になるしかできない。その気持ちは隼斗と似ているのだろう。

 

 

「でもこの学校はもう戻って来ねぇだろうが。なんで前に進める。俺はまだ…()()()()()の影を追う事しか出来ないのに」

 

 

ふと過ぎる喪った父親の姿。その余韻がやって来る前に、屋上の方で気配が動いているのを感じた。誰なのかは確かめるまでもなく分かる。

 

 

「バカも休み休みやれって…」

 

 

_______________

 

 

「っ! はっ! っあッ!! …まだだ、こんなもんじゃ…この程度じゃアイツ(エルバ)には勝てねぇ…!」

 

 

屋上に行くと、やはりそこで刀を振っていたのは隼斗だった。

大きくため息をついても気付かれない程に集中している。声を掛けようとしたが、アラシはそれよりも先に走り出していた。

 

 

「どうせ寝れねぇなら…俺が相手してやるよ」

 

 

じっとしていられないのはアラシもだ。こちらに気付かない隼斗に対し、蹴りで不意打ちをぶちかまし、その体を地に転がした。

 

 

「っ! の野郎!!」

 

「っぶね! お前、ちょっ!!」

 

 

まだアラシと判別できていないらしく、刀を振り回す隼斗。相手をするとは言ったが、流石に凶器で襲われるのは話が違う。

 

闇雲に見えて確実に獲りに来る動きだ。アラシはなんとかそれらの斬撃を捌き切り、最後の斬りあげもバク転で回避。

 

 

「だったらッ!!」

 

「っ…バカ野郎! 殺す気か!」

 

 

全力の一撃と言わんばかりに刀を振り上げる隼斗。

アラシは懐に入り込んで隼斗の手を抑え、その一撃を未然に防いだ。割と紙一重で本当に焦ったが、隼斗もようやくアラシに気付いたようだ。

 

 

「ったく……寝てねぇ悪ガキ連れ戻しに来たんだが…何やってんだテメェ」

 

「んだよ…脅かしやがって」

 

「こっちの台詞だ! 死ぬかと思ったわ! お前が俺らの中で一番重症だってのに無駄に体力使ってんじゃねぇよ」

 

「動いてる方がいいんだよ。コアドライビアのエネルギーのお陰で自然治癒力が活性化してる、これならほとんど休まなくても傷は治るし反動も問題ねえ」

 

「そういう問題じゃねぇ。言いたかねぇけど…お前が今いる中じゃ最高戦力なんだ、あの野郎倒す切り札みたいなもんなのに下手に体力使うと───」

 

「分かってんだよ!!!」

 

 

隼斗が大声を上げ、やるせない感情を大気に吐き出した。

何も馬鹿だからエルバに挑んだわけじゃない。他の全てを棚に上げても守らなければいけなかっただけなのだ。それが出来ず無様に敗れたのに、寝ていられるわけがない。

 

 

「っ……分かってる。分かってるけど…落ち着かねえんだよ…」

 

「……お前も大概だな」

 

「え?」

 

「仲間想いのお人好し、どっかの馬鹿とそっくりだ」

 

 

なんでそうなってしまったのか、多分それは「隼斗は自分と同じ」と思ってしまったことが始まりだろう。だから気になってしまった、Aqoursの事も、隼斗の事も。

 

 

「落ち着かねぇのはこっちも同じだ。デカい山が片付いてようやく文化祭の準備に取り掛かれると思った矢先にこの事件、最初は本当に面倒で仕方なかったし、今もアイツらがしっかりやれてるか気が気で仕方ねぇよ」

 

「…そうだな。本当にすまな…」

 

「でもな」

 

「え…?」

 

「まあ、アイツらなら大丈夫だろって思ってる。半分くらいだけどな? まぁ元から思ってたんだよ。μ'sは俺ら抜きでもキッチリやるだろってな…だからお前もなんでもかんでも1人で背負い込むんじゃねぇよ。お前の仲間を、俺たちを……果南って奴を信じろ」

 

「信じる………」

 

「もっと肩の力抜け。信じて、そんで危なくなったら助け合う。そんなもんだろ」

 

「助け合う………」

 

 

一人じゃ満足に息もできない。それが人間だとアラシも教えられた。

誰だって誰かに空気を貰っている。体を動かしてもらっている。それを忘れた時が人の死ぬ時だ。それを忘れないように、そして自分も誰かを助けられるようになるためにいるのが、相棒や仲間なのだろう。

 

 

 

「……って、あークソ! 説教なんて柄でもねぇ事しちまった。俺は寝るぞ、お前もさっさと───」

 

「アラシ!」

 

「んだよ?」

 

「…ありがとな」

 

 

ついこの間までいがみ合ってた仲だからか、それ抜きにしても素直に感謝されるとなんだか調子が狂う。こういう感情に率直なところも、仲間に好かれる隼斗の人柄というやつか。

 

 

「別に。見てられなかっただけだ」

 

「面倒見いいんだな」

 

「普段からあのクソニートとμ'sの連中と一緒にいるんだ、そりゃ嫌でもなるさ。それに…それを言うなら、もっと昔から………」

 

「……昔?なんだそりゃ」

 

 

つい言葉が零れ出てしまった。ついさっき彼の事を思い出してしまったからだろうか。

 

特に振り返りたくもないし、昔の話なんて自分からした覚えは無い。でも、どうせどう転んでももうじき別れる関係なのだ。たまには口に出してみるのもいいかと、その時のアラシは思っていた。

 

 

「…聞いても面白くはねぇぞ」

 

「気になるんだから聞かせてくれよ。ちっとはよく眠れるかもしれねえ」

 

「俺の昔話は絵本じゃねぇんだよ」

 

「んな扱いするもんか。これはそう…あれだ!海未さんから聞いたよ、コーヌスって奴の事件。それを聞いて思ったんだ、俺もお前も…なんのために戦うのかとか、何処か似てるってな。だから知りてえんだ」

 

 

アラシと隼斗はその場に寝っ転がり空を見上げる。田舎だからか、東京で見るよりも澄んだ綺麗な空だ。

 

 

「…もう、だいぶ昔の話だ。それはそれは手のかかるダメ親父がいてな───」

 

 

美しい夜空で酔いでも回ったことにしておこうと、アラシは自身の親代わり───切風空助の話を始めた。かつて組織の研究所に悪戯感覚で忍び込み、組織の幹部だった永斗に接触した上にジョーカーメモリまで奪った話は、その無茶苦茶ぶりに隼斗も驚いていた。

 

 

「そんで、その空助さんが今も探偵事務所の所長やってんのか? いなかったけど…」

 

「いや、空助はもういねぇ」

 

「いねぇって…」

 

「ドーパント事件を追ってる最中に敵にやられた。そっからは永斗と2人での探偵だ」

 

 

忘れもしない。あれは永斗とコンビを結成し、仮面ライダーとして一人の強敵を倒した直後のことだった。仮面ライダーの力を過信してたアラシは、なんでもない事件だと思って油断していた。

 

そこに現れた『白い怪物』と『黒い怪物』。その『白い怪物』の方にダブルは一方的に叩きのめされ、『黒い怪物』が空助の命を奪っていった。

 

アラシは未だ、その過去を乗り越えることができない。

 

 

「………そうか…悪い」

 

「勝手に話したのは俺だ、別に謝ることじゃねぇよ。ま、色々あったが…今の俺があるのはμ'sや永斗だけじゃねえ。少なからず…空助の存在もあるんだよ」

 

「…いい親父さんなんだな」

 

「まぁな。自慢できるもんでもねぇけど……んじゃ、次お前な」

 

「はぁ!? 俺!?」

 

「当たり前だろ。こっちも慣れねぇことしたんだから割に合わせろ。なんか面白い昔話でも吐けや」

 

 

「………スゥ」

 

 

「寝たふりすんなや起きろコラ!!」

 

 

容赦なく隼斗の腹部に拳の鉄槌。昔話なんて滅多にしないものだから、アラシも相当恥ずかしかったのだろう。隼斗にとってはとばっちりもいい所だが。

 

 

「殺す気か! つーかお前寝ろっつったり寝るなつったりどっちなんだよ!!」

 

「あー殺す気だよ。お前の話聞くまで死んでも放さねぇ。あと5秒で話さねぇと次は顔面だ」

 

「怖えよ。つーか、聞いても面白くねぇぞ?」

 

「俺がそれ言っても聞いたろうがお前は。具体的に言えば…アレだ。普通の学生やってたお前がどういう経緯で仮面ライダーになったとか、そういうのだよ」

 

「あーそれな。つっても、本当にどうって事ねえ理由だぜ?」

 

「それを聞かせろっつってんだよ。何回も言わせんな殴るぞ」

 

 

瞬樹がどうなのかは聞いたことが無いが、アラシも永斗も最初から普通じゃなかった。少なくとも今のダブルより強い隼斗がどうして仮面ライダーになったのか、興味があるとまで言わなくても、少し聞いてみたい。

 

隼斗も根負けしたようで、仕方が無さそうに話し始めた。

 

 

「…かつて、世界の全てが止まりとある悪の機械生命体『ロイミュード』によって支配されようとしていた。だが…仮面ライダードライブ、マッハ、チェイサー。彼ら3人を始めとした人達によりこの世界は救われた。

 

んでその後、それらの技術は戦いの後に凍結され……彼らの戦いは終わりを告げた。

 

で、そんなヒーロー達に憧れた1人の少年がいた。その男の名は天城隼斗、彼はアメリカでその仮面ライダー達の協力者である科学者と出会い、紆余曲折あって助手として研究を手伝い始めた」

 

 

物語口調で語られる隼斗の過去。かつて別の仮面ライダーがいたという話も気になるが、今は隼斗の話だ。

 

 

「お前が助手に? それに科学者ってことはあの一時博士が作ったのか?」

 

「いや、別の人だ。ハーレー博士っていう人でな…ソニックのデザインやら基本やらは俺が作った。仕上げとか細けえ所はその博士がやったんだ」

 

「はー、お前そう見えて永斗タイプなのかよ」

 

「で、いよいよ高1の終わり頃にソニックを完成させて、たまたま実戦でのテストもできて…それを持って高2の春に日本に帰ってきたら…倒されたはずのロイミュードが何故か復活。戦う事になった…って訳だ」

 

「なるほどな……なんとなーくだけど、そこまでは分かった。んで、もう一つ気になるのは……」

 

「これ以上何聞くってんだよ……」

 

「人質として残ってるっていう松浦果南だ。お前が必死になる程惚れ込んでる…っていうのは分かる。顔しか見たことねぇけど、どんな奴なんだ?」

 

「…優しい人だよ。昔、よく助けられてな。これでも幼い頃は強い人間じゃなくってな…姉ちゃんにはいつも助けられてた。頼りになるし、一緒にいると安心できて…俺にとっちゃ、果南姉ちゃんはもう1人の家族みたいなもんなんだ」

 

「なるほど…『愛してる』なんて言うくらいだもんな。そりゃ大事か」

 

「まあな!……おい待て、誰から聞いたその話」

 

「憐が言ってた」

 

「…んのヤロウ………」

 

 

隼斗の怒りが憐に向けられ、眠っている憐がラボでくしゃみを飛ばした。

 

 

「愛してるってんなら、死んでも助けろ。んでお前も死ぬな」

 

「死んでも助けろなのに死ぬなって…」

 

「死んでなきゃどうとでもなる。死んだら負け、それだけだ。でも()()の存在価値は多分そんなに簡単じゃねぇ…なぁ隼斗、感情論抜きで考えた時、アイツらにとって俺達は何のために存在してると思う?」

 

 

また、らしくない疑問を投げかけた。

前のアラシなら「命があればいい」という考えだった。間違ってもエルバに戦いを挑むなんてせず、自分や助けられる仲間だけを連れて逃げていた。それが賢い選択だと今でも思う。

 

でも、それじゃ駄目だと思ってしまう。エルバを倒し何も無かったように、また彼女たちがスクールアイドルを続けられるようにしないと意味が無い。いつからか、そう思うようになってしまった。

 

 

「分かんねえ…なんだよそれ」

 

「いや、なんでもねぇ。ただの比喩だ忘れろ。要するに、周りのもんを誰も死なせんなってことだ。おら、無駄に感傷に浸ってるぐらいなら戻って休め。明日も早ぇぞ」

 

「あぁ、分かってる」

 

 

隼斗より一足先に立ちあがり、屋上を後にするアラシ。

Aqoursもμ'sと同じだというなら守らなきゃいけない。この世界を守れないようなら、この先μ'sを守る資格なんてありはしない。

 

 

「また後手に回るのは御免だ。俺はもう…失わない」

 

 

失ったものを乗り越える強さなんてアラシには無い。大切なモノの全てが体の一部で、きっとどれか欠けると息ができなくなる。死んでしまう。だから失うのが怖い。

 

千歌と出会って、Aqoursと関わって、少しでも大切だと思ったのなら、命を懸けて戦うだけだ。

 

 

 

_______________

 

 

隼斗と瞬樹の突入によって派手に壊されてしまった憂鬱のアジトだが、エルバは果南と共にそこで待ち続けていた。計画実行までの残り24時間と少しを。

 

 

「ねぇ、人質ってこんな自由でいいわけ?」

 

「ここで逃げるほど愚かな女を引き留めたつもりはないさ。退屈なら踊りでも歌でも好きにすればいい。そちらの方が、俺も退屈しないかもしれない」

 

「あなたのために見せるものなんて無いし」

 

「それは残念」

 

 

特に縄で縛られたりだとか見張りを付けられたりもせず、果南はほとんど自由の身でエルバの傍に置かれていた。しかし、ここで逃げれても隼斗たちに危険が及ぶだけ。果南にできることは何も無い。

 

 

「なんで36時間なの? さっさと別の世界にでも行っちゃえばいいのに」

 

「あちらの世界に帰ることなんて造作も無い。奴らは穴をずらして手を打ったつもりだろうが、こちらから穴を広げれば扉は開通する。36時間は単にディファレントの充電時間だ。先の戦いで削れてしまった分が大きい」

 

「じゃあ世界を手に入れる計画っていうのは…」

 

「質問が多いな。仲間に伝える手段があるわけでもあるまいし」

 

「暇なの。あと1日もこうしてなきゃいけないんだから!」

 

「暇…それは妙だな。暇、則ち憂鬱の種のはずだ。これだけ俺の近くに居ながら何の異常も無いということは、君は全く憂鬱に沈んでいないという事だが」

 

「当たり前。だって隼斗が助けに来てくれるから」

 

 

果南の態度と言葉に一片の偽りも無いことは自明。その胆力と、仮面ライダーソニックに対する全幅の信頼に、エルバは興味をそそられた。

 

 

「天城隼斗は君の弟なのか?」

 

「急になに? 弟…だとは思ってるし、隼斗も『姉ちゃん』って呼んでくれるけど、別に血が繋がってるわけじゃないよ。弟っていうよりは、私のヒーローって感じかも」

 

「ヒーロー…なるほど、それが憂鬱を晴らすモノの一つか。俺という『悪』には無縁な存在だな。驚いたか? これでも自分が悪だという自覚はある」

 

「別に。なんか開き直ってる感じはずっとイラついてたし。

じゃあそっちはどうなの。家族とか友達とかいないの?」

 

 

果南の質問返しにエルバが思わず目を丸くする。他人と会話してここまで驚いたのはいつぶりだっただろうか。つい真剣に考え、返答してしまう。

 

 

「…親はいたが、会っていない。俺の才能を疎んで家から追い出されて以来は一度もだ。歳の離れた弟は俺の才能に憧れたのか、家を捨てて組織にまで接触してきたな。ヤツは俺ではなく『暴食』の下につき、ついぞ会うことは無かったが…」

 

「歳の離れた弟って…あなた今いくつ? なんなら年下に見えるんだけど」

 

「軽く君の倍は生きている」

 

「えぇ…その歳で女子高生攫って世界征服って…ちょっと引く」

 

「成長なんて憂鬱の温床だ。行動原理は幼いくらいが薬というものじゃないか? 後は友達だったか…友はいない。部下は集めたが誰も彼も役に立たなかったな。本当に笑えない人生だ」

 

「…あっそう。なんでそこまで言って気付かないの?って感じなんだけど」

 

「どういうことだ…?」

 

「自分で考えれば。あと1日、隼斗にぶっ飛ばされる時までね」

 

 

エルバと話すのも飽きたのか、果南は立ち上がって適当に体操を始めた。ここまで不安が感じられないとむしろ不気味だ。天城隼斗という存在がそこまで大きいのかと思うと、あの時見せられたソニックの強さの片鱗も相まって、俄然興味が湧いて来る。

 

 

「お腹すいたー、あとお風呂とかないの!?」

 

「強かが過ぎるな君は。浴室も寝室も勝手に使えばいい。全く…」

 

 

果南の度胸と態度は余りにも過ぎて少し想定外だった。そう言葉にしようとした時、エルバは気付く。

 

 

(想定外…? この俺が…予見できなかった展開だとでも?)

 

 

その時、ほんの少しだけ体が軽くなった気がした。体の中を熱が循環する久しい感覚。味わえるほどではないにせよ、ほんの一瞬だけ確かにそれは蘇った。

 

本当に彼女をここに留めて良かった。この憂鬱を晴らす鍵は、きっと松浦果南と天城隼斗にある。

 

 

_________________

 

 

朝が来て、タイムリミット24時間が始まってしまった。

霧香博士と永斗はエルバの対策を練り、憐と隼斗は自己鍛錬。そしてアラシは最大の問題である、ダブルドライバーの捜索をしていた。

 

 

「クッソが…見つからねぇ! 折角ロイミュードがいねぇってのに…」

 

 

各区域を支配していたロイミュードだが、めっきり姿を見せなくなっていた。というのも……

 

 

「『帰って来い』…ですか。他の皆さんはもうラボに集まってるようですわ」

 

「じゃあルビィたちも早くいっしょに…」

 

「いいや待てお嬢! このメッセージには裏がある。これはつまり『お前達だけじゃ危険だから戻れ』ということだろう…しかし! 我らはその程度の弱卒ではない!」

 

「はっ…そうですわシュバルツさん! ここで我々が独自に動き、奴らの戦力を削ぐなりすれば、本部隊は格段に動きやすくなるはずです!」

 

「つまりこれは、万が一メッセージが敵に見つかった時、欺くための暗号! フッ…この竜騎士、同志の考えなど手に取るように理解る……」

 

「そんな裏、ないと思うんだけどなぁ…」

 

 

こんな感じで瞬樹たちはラボには戻らず、勝手に各地で暴れ散らかしていたらしい。その過程でロイミュード067を始めとした各地の刺客を撃破し、エルバ陣営の対応はそちらに集中。結果、アラシ達はノーマークでドライバーを探すことができた。

 

 

「こういうのなんて言うんだっけ、怪我の…明星?」

 

「怪我の功名よ」

 

 

海の上で浮かびながら、千歌の間違いを梨子が訂正。そうこうしているうちに善子と曜も浮かんできたが、どうやらドライバーは見つからないらしい。

 

アラシはAqoursメンバーと一緒に、海に潜って落としたドライバーを探している。花丸と鞠莉は海岸を探してくれているが、そちらからも連絡はない。

 

 

「それにしても凄いですね。ダイヤさんとルビィちゃん連れて、敵を纏めて相手するなんて…」

 

「本当だよねー。いくら余ったシグナルバイクを借りたからって、この短時間で内浦全部解放しちゃう勢いだし…」

 

「無駄に強いのだけがアイツの取り柄だからな。結果的にマシだったものの、あの竜騎士…次会ったら殴る」

 

「だから竜騎士ってなんなのよ」

 

「善子ちゃんと似てるよね」

 

「似てない! 堕天使の起源は天界の存在…! 竜騎士も伝説の獣にまたがっていようと、その体は所詮人間! 堕天使には遠く及ばない……そうでしょう、リトルデーモン・リリー!」

 

「そうそう…って、急に振らないで! 思わず頷いちゃった…」

 

 

実際死ぬほど似たようなものなのだが、今は黙っておくことにした。

そんなことをしているうちに時間は無くなる一方。このままではエルバの計画遂行を見ていることしか出来なくなってしまう。

 

 

「……アラシくん、先に行ってて!」

 

「はぁ!? 何言ってんだ千歌」

 

「隼斗くんも憐くんもいるし、アラシくん強いし、変身できなくても多分ちょっとは大丈夫だと思う! 見つけたらすぐ届けに行くから、今は少しでも動かないと!」

 

 

迫る時間の中で、千歌はドライバー探しを任せろと提案した。

その択は余りに危険だ。もしエルバの手下がこの様子を見つけようものなら、Aqoursに対抗する手段は無いのだから。

 

しかし、止める気も起きなかった。アラシたちの力になろうと無茶をしてきたμ'sをアラシは止められなかったように、きっと今も止めたって無駄だ。

 

 

「…無茶すんじゃねぇぞ」

 

 

ダブルドライバーはAqoursに任せ、アラシは海から上がった。

スタッグフォンで待機している永斗に連絡をする。謎の妨害電波を無効化できるように、霧香博士がスタッグフォンを改良してくれた。世界間通信までやってのけた彼女なら、この程度は容易い。

 

 

『もしもしアラシ、ドライバーは見つかんなかったでオッケー?』

 

「あぁ、アイツらに任せた。つーわけで生身で突入だ。ファングを使いたいからお前が行ってくれりゃ有難いが…」

 

『まぁ余裕で戦力外だよね。死なないにしても』

 

「つーわけで俺が行く。お前はなんか作ってるもんあんだろ? どうせ暇ならそいつ仕上げとけ」

 

 

電話を切った。いよいよ決戦の時だ。2つの世界を巻き込んだ戦いに、今度こそ正真正銘の決着がつく。

 

戦いへの覚悟を表す、屋上での隼斗への問い。Aqoursと触れ、それがμ'sの本質と同じことを知り、アラシの中ではその答えが明確になった。

 

 

「行くぞ隼斗。俺達は守り抜く…それが仮面ライダーとしての意味だ」

 

 

 




次こそ本当のラストバトルです! ソニック世界、ダブル世界の両方で史上最強の敵。ファーストの介入や謎の2本目ゴールドメモリなどなど残りの要素も回収しつつ、フィニッシュまで持っていきたいと思います!

感想、高評価、アドバイス、オリジナルドーパント案ありましたらお願いします!
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