横須賀鎮守府のとある倉庫には、別の地球からやってきた地球連合軍所属『ナガト』少尉の駆った戦闘機がある。
美しい赤と青と白のトリコロールのカラーリング。そして前方につきだしたラウンドキャノピー。
『R-9A』は、静かに眠っている。
「………ほほう。これがあの戦闘機ですか………動かないらしいですけど………改造の方法はいくらでもありますよね!ああ、転属願い出してよかったー!」
………眠って、いた。
「初めまして。あなたが提督か?」
横須賀鎮守府。執務室。執務作業をしていた提督と呼ばれる男性は部屋に突如入ってきた女性を見て固まっていた。格好が艦娘のようだが少し近代的なのだ。それにその格好をしているのは………
「そ、そうだが………長門。何をしている?」
「ん?ああ、これは私のパイロットの姿をまねただけだ。自己紹介がまだだったな?私は異層次元戦闘機『R-9A』。呼びにくかったら『アローヘッド』と呼んでくれ」
「………ああ、すまない夕張か?長門を回収した地点で回収した戦闘機の残骸があるか調べろ。そしてこの間入ってきた明石を捕らえろ。拷問だ。とにかく拷問にかけろ」
鎮守府にR-9Aが着任しました………
『面白い戦闘機を見つけたけどどう頑張っても動かなかった。むかついたので解体して建造ドックにぶち込んだら彼女ができた。反省もしないし後悔もしないしむしろ気分が高揚しています』
『き・さ・まぁ………私の命の恩人の形見に何をしてくれたぁ!絶対に許す物かぁ!!』
『ぎゃああぁぁぁぁぁ!!!』
『………というわけで。明石さんが犯人でした。その、アローさんはそっちでどうにかしてください………長門さんをなんとかして止めますので』
「おう………」
提督は落胆していた。工作艦は便利な艦と聞いて喜んで鎮守府に受け入れたものの、実際はトラブルメーカーだったのだ。そもそも彼女は格好自体がトラブルを起こしそうなんだが。
「その、すまないな。私のせいで………」
「いや、悪いのは明石なんだ。君は悪くない」
「そういってくれると助かる。まあ、そのお詫びといってはなんだが私があなたの力になろう」
「助かる。うちには戦力は少ないからな。君は確か元々戦闘機らしいな?となるとうちの正規空母の赤城に搭載させるのか?」
「戦闘機だったころならそうだが、その必要はない。艦娘とやらに近い存在になった私は自立行動が可能だ。ちなみに明石とやらに聞かされた情報によると私は駆逐艦クラスらしい。戦闘機だから装甲も薄いしな」
「あー。零戦とかと同じか。装甲を捨てて機動性で勝負する」
「その通りだ。敵の弾を食らったらバイドによる汚染を防ぐために速攻で自爆するしな」
「おいちょっと待て。なんだそのヤバい機構」
「?どんなR戦闘機にも積まれている機能だぞ?」
「自爆するのは普通あり得ないだろう。バイドか?バイドとやらがヤバいのか?」
「わりとヤバいぞ奴らは。私の後継機で高い性能を誇ったR-9Sという戦闘機があるんだが、太陽系外周警護艦隊に配備されていたR-9Sはバイドにやられて全滅した」
「戦っているエリアが地球じゃないのがおかしいと思うんだが」
「ちなみに私はR-9Aの後期型なんだが、初期型なんて戦闘後ろくに除染されなかったせいでバイドが増殖してアジアが壊滅した」
「お前一体どんな世界で戦っているんだ」
「そうだな?一言で言うと『前門のバイド、後門のTEAM R-TYPE』な世界だな」
「お前のR戦闘機という言葉からするとTEAM R-TYPEは味方だろうが。なんでバイドの横に並べる」
「いや、あいつらパイロットを脳だけにして戦闘機に入れたり、パイロットを幼女にして戦闘機に乗せたり、戦闘機にパイルバンカーを装備させたりする変態集団だぞ」
「もう訳がわからんぞ」
そういった提督の脳裏には、駆逐艦の艦娘の姿があった。
駆逐艦の艦娘は、見た目がとても幼い………が。前線で必死に戦っているのだ。
「?おい、どうして急にへこむ?」
「いや………幼い女性を戦わせることには俺も変わりないんだなぁって気づいてしまって………」
「お、おう」
もうちょっと気分が乗ったら書くかも。