鎮守府にR-9Aが着任しました   作:あおい安室

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OPENINGSTAGE:強襲

横須賀鎮守府『最後の舞』計画会議室。

そこには提督、長門、R-9、RX-10の四人がいたのだが………

 

「………遅い。明石のやつ、なにをしているんだ?」

 

会議の時間になっても腐れ工作艦こと明石は現れていなかった。

普段なら真っ先に会議室にいるか、工廠で何かを開発しているのだが。

しかし、開発をしている時は明石は事前に提督に連絡していた。

変なところで律儀な工作艦である。

 

「また誰かをとっ捕まえて改造しているんじゃないか?」

 

「あいつならやりかねないな。仕方ない、会議はいったん中断。長門、R-9、RX-10。ただちに明石を捜索してくれ。一応俺はここであいつが来るかもしれんから待つことにする」

 

「「「了解」」」

 

提督が三人に指示を出した、その時。

 

ドカァァァァン!!

 

大きな爆発音が聞こえた。工廠の方向で、煙も上がっていた。

 

「………あの野郎」

 

「探す手間が省けたな………さて、早くやつを捕まえてボコボコにするぞ」

 

そう言った長門の顔はややにやけていたが。殴るのが楽しくなってきたのだろうか。

駄目だこのビッグセブン………はやくなんとかしないと………

 

 

 

「おい、明石の奴はどこだ!?どうせあいつがやらかして工廠が爆発したんだろう!?」

 

鎮守府内の工廠付近は大騒ぎだった。

工廠の内部から入渠中だったと思われる艦娘や、工廠妖精が逃げ出しており、その中にいた艦娘の一人を捕まえて長門は明石の行方を聞いていた。

 

「そ、それどころじゃないですよ長門さん!工廠の中に化け物が!化け物が工廠を侵略しているんですよぉ!!」

 

「なんだと?化け物?まさか………R-9!バイドの反応はないか!?」

 

「それはないと信じたいが………すまない、今は装備がないから解析できん!アルバトロス、私とお前で工廠を調べに行くぞ!万が一だが、バイドがいた場合の対処は私達R戦闘機が一番慣れている!」

「そうだね。長門さんたちは艦娘の避難誘導を急いで!!」

 

「了解した!」

 

そういってR-9、RX-10の二人は生身で工廠へ侵入した………

 

 

「バカな………どういうことだ、これは?」

 

侵入した工廠は化け物………いや、バイドに侵食されつつあった。

どんどん辺りは肉壁に変わり、そして鉄の壁に変わる。

それはまるで………

 

「………かつて初代R-9が初めて投入された場所はバイドに侵食されたスペースコロニーだと記録されている。何故だろう。徐々に変化していくここには、懐かしさを感じる………っ!!」

 

先行していたR-9が何かを目にし、物陰に転がりこむ。

RX-10もそれに従い、同じように隠れる。

彼らの視線の先には一体のロボットがいた。

不恰好な長い頭を持つ灰色のボディに赤い瞳。

小型バイド、キャンサーだ。

 

『やはりか………バイドのやつら、一体どこから侵入した?』

 

R戦闘機同士で可能な通信機能は装備がなくてもできる。

それを生かして彼女たちは会話する。

 

『わからない。でもデルタの元になったあのR-9Aの残骸から繁殖した可能性は?』

 

『それはない………と、いいたいが。所詮は戦闘機のセンサーで調査しただけだ。なんともいえん』

 

『そう………私、ここで一旦引き返そうか?引き返して外にこれを伝えるべきだと思う』

 

『頼む。遠征中のイヨが帰ってきたらバイドを蹴散らすように連絡してくれ』

 

『了解………人として、帰ってきてよ?』

 

『ふふっ、当たり前だ………行ってくる』

 

キャンサーが移動したのを見て、二人は別々に別れて行動を再開した………

 

 

 

「あった、ここだな?」

 

R戦闘機用の装備倉庫を見つけたR-9は内部に侵入し、自分の装備を探す。

 

「あった、この区画に………む?」

 

『R-9A2』、と名前の書かれてある区画にあったのは、彼女の装備だった。

しかし………そこにあった装備は、R-9A2の直線を多様した洗練されたデザインではなく、流線を中心とした、R-9Aの物だった。

 

「私の装備は改造したはずなんだが………バイドにやられて姿が変わったのか?弱ったな。装備してはバイドに侵食されかねん。これでは使える装備はないぞ………」

 

R-9が装備を見て困り果てていたその時。

 

「いいえ?それはあなたの装備をバイドで改造したものではありませんわよ?」

 

倉庫に別の人物の声が響く。それを聞いたR-9は即座に声の主を探す。

 

「っ!誰だ貴様!!」

 

「ふふっ、聞かれて答えない訳にはいきませんわ………いいでしょう、教えて差し上げます!」

 

声の主がR-9の前に黒いマントを翻し、現れる。

その姿は、艦娘『熊野』にそっくりな姿をした人物だった。

ただし、装備は艦娘用ではなく、R-9とほぼ同じようで異なる黒色の装備だ。

鎖で体を締め付けており、左腕には鉤爪の付いたフォースを装備していた。

 

「ま、まさか………お前は、R-13A、ケルベロスか!?」

 

「いや、少し違いますわね!私の名はケルベロス大佐。艦娘とやらの体を乗っ取り、この世界に再び誕生した、『秘密結社ブラックバイド団』の総司令官ですわ!我らブラックバイド団は目標はたった一つ!この国の征服です!!」

 

「………」

 

気まずい沈黙が流れた後に口を開いたのはR-9。

 

「帰っていいか?くだらん」

 

「帰らないでくださいまし!というか帰られたら私なんのためにここに来たんですの!?」

 

「知るかっ!!大体なんだ、ブラックバイド団って!元はあれだろ、ブラック●●●●団だろう!………む?」

 

「あまいですわね、R-9。この世界においては下手に企業の名前を出すと、怒られるかもしれませんわ。出そうとしても隠されますわよ。そして、それで泣く泣く団名を変更した私の気持ちがわかりますの!?」

 

「わかるかっ!!というかあれだろ!?お前たちはネタ集団だろうか!しかも古い!なんでここに来た!帰れ帰れ!こっちは忙しいんだ!」

 

「いいえ、帰りません!R-9、よく今日の日付を思い出してくださいまし」

 

「今日………?四月一日だな」

 

「そう。では今日が、何の日か覚えていますの?」

 

「………それがどうかしたのか?私のログにはなにもないな」

 

「忘れていますの!?エイプリルフールですわよ、エイプリルフール!四月馬鹿!」

 

「………ああ、そうだな。それがどうかしたか?」

 

「ああああっ!エイプリルフールといえば、特別企画っ!それが当然でしょう!?」

 

いやまあ、確かにそうかもしれんが。巻き込まれるこっちは面倒くさい。

 

「と、いう訳で!今年の特別企画として、我々ブラックバイド団は手始めにこの鎮守府を世界征服の足がかりとするために、工廠を征服させていだだきますわ!」

 

「ふざけるな。早くバイドごと帰れ」

 

「バイドごとは物理的に無理ですわね。既にドプケラトプスの幼体は成体に成長しておりますから」

 

「お前何故そんなものを持ち込んだ!?A級バイドとか対処がまた面倒すぎる!!」

 

「まあまずはこてしらべということで皆さんご存知R-TYPE一面をここで再現しようということになった訳でして」

 

「ふざけるな!こちらの戦力が足りないにもほどがある!!工廠に再現と言うがここの工廠と私の縮尺から考えると全然合ってないぞ!!私が死ぬ!!」

 

「大丈夫ですわよ?殺しはしませんから」

 

殺しはしない。R-9は一瞬その言葉を疑問に思い………すぐに結論が出した。

 

「ま、まさか………貴様、また私をバイドにするつもりか!?」

 

「ご名答。安心してくださいな。優しくしますから」

 

ケルベロスの言葉と同時に、周囲の壁が肉壁に変わる。R-9を取り込もうとするかのように、肉壁は迫ってくる。

その中にはすでにR-9Aの装備は取り込まれていた。

 

「っ!!く、くそっ!!アルバトロス、聞こえるか!?」

 

『!?聞こえるよ、どうしたの!?』

 

「すまない、私は奴らに取り込まれる!簡単に要点を伝える!ケルベロスが基地内部にいるが奴は敵だ!それと最深部にはドプケラドプスがいる、奴を仕留めてくれ!………もしバイドになった私が出てきたとしても、ためらうこと無く、私を殺してく………うぁぁぁぁぁぁ!!」

 

『R-9!?返事をして、お願い!R-9!!』

 

R-9の通信は途絶えた。この数分後、工廠付近は閉鎖された。

これ以降に始まった戦闘を、かつてR戦闘機の存在する時空で起きた事件に習い、こう名付けた。

 

『エイプリル・ラプソディー』と。




続くと思った!?
残念、エイプリルフールだよ!

………本当だったらSTAGE7くらいまでやりたかったけどデータを消しちゃったんだ。すまない………すまない………
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