ルーシィとウルキオラと双子のメイド(仮)   作:終わりの昼寝

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少し文が増えました。


男の手は思ったより暖かった

 

 

 

俺は女と名乗りあった後問答を交わし幾つか有益な情報を手に入れた。

その情報を聞いた限りでは認めたくないがここが異世界であることを理解した。

 

それにしてもこれからどうするべきか?

女の話では星霊は星霊魔導士と契約することで正式に鍵を使い星霊を召喚出来る物らしいが俺の場合だとどんな形で契約を交わしたのか不明であり現在の女の力では俺を帰還させることが出来ん。星霊魔導士としての力が足りないから出来ないのか、または別の原因なのかはわからない。

そして霊力に似た物は魔力と呼称される力らしい。細かい部分まではこの女からは分からなかったが魔力とは命と密接してる物らしく魔力が無くなると死んでしまうらしい。

まだ魔力感知は上手くいかず近くにいるこの女の魔力を微かに感じるだけで他は皆無だ。

さて、そろそろこの場所にいても意味をなさなくなったな。

外の様子でも確認するか。ここ周辺に脅威なる者が存在してるか調査も必要だろう。

深査回路(ペスキス)が使えんとは厄介だな。

しかしここは換気する為か大人の頭位の穴に鉄格子が四本縦についた物しかないようだ。窓があればそこから楽に外にとも思ったのだが仕方あるまい。

俺は壁に向けて拳を放つ構えをすると女が不思議そうな顔をしながら俺に話しかけてくる。

 

 

「どうしたの?」

 

「…外に出る為に壁が邪魔だから壊すだけだが?」

 

「…………えぇぇぇぇ⁉︎ 駄目だから! 扉から出ればいいだけだから!」

 

「…ふん、お前の指図は受けんしここが最短距離だ…さてやるか…」

 

「いやいや、さてやるかじゃなくて⁉︎」

 

 

喚くな鬱陶しい。

しかし俺に対してこの態度をまだ取れるとは…ふ。

 

 

「なら、案内しろ…外までな」

 

「え、えっと実は扉のね、鍵、閉まってるの………」

 

「それがなんだ」

 

「…え?」

 

 

俺は木造の扉の前まで移動してドアノブを回さずに軽く押す。

すると扉は開くのではなく容易く扉ごと外れたのだった。

 

 

「ふえぇぇぇぇぇ⁉︎ じゃ、じゃあさっきの壁のも本気でやる気だったんだ…。」

 

「何を驚いてるのか知らんがさっさと行くぞ」

 

 

俺は扉を捨て早く案内しろと女を急かす。

………だが女は怒られる怒られるとブツブツと言いながら自分の背丈より大きい扉を必死に元の場所に戻そうとしていた。

何をしている? 壊れた物に意味など無いというのに。

だが今の女の表情は、この女と出逢ってから初めて今の俺ではわからない何かを感じた。

俺は無言で女が必死にどうにかしようとしていた扉を片手で元の位置に戻し、女を抱き上げ廊下の窓から躊躇なく外に出る。その時お姫様抱っこされてるとか色々キーキー騒いでいたが知ったことではない。

 

 

 

 

外は雲一つない青空を魅せていた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

俺は今だ騒がしい女を持ちながら空を走り思う。

 

難しい…。

大気中の霊子が少な過ぎるせいか普段は気にせず出来ていた霊子を足元に固め踏み台とすることが今では集中しないと出来ないとは…難儀だ。

………………あの辺りでいいか?

 

 

「今から地上に降りる………騒ぐな…」

 

 

緩やかに地上に降りる。

目の前に広がる光景は水が透き通っていて近くにある三角の様な山を写し出していた大きな湖があった。

この光景を見たウルキオラは何も感じることはないがルーシィは目を輝かせてこの初めて目にする神秘的な風景を見ていた。

 

一刻経つ頃、女は座り易そうな丸みのある石に座ると次第にちらちらと女は俺を見る。

………お前の口は何の為にある?話があるなら首を動かすのではなく、口を動かせ女。

………………………まだ続ける気か?面倒な女だ。

俺は女の近くまで移動し、一度だけ女と目を合わせ前を向く。

石像の如く無表情で微動だにせずそのまま一刻一刻が過ぎていく中女は意を決した様な表情をして語りだす。

 

 

 

「わ、わたしね、ママがいたの………美人で料理も上手でわたしとたくさん遊んでくれて、わたしがイタズラした時なんかはしっかり叱ってくれるんだ………自慢のママだったの…………」

 

 

 

女は言葉を発する毎に口が重くなったかの様にゆっくりとゆっくりと話していく。

 

 

 

「…でもママがいなくなってからパパ、別人になっちゃたの。ママみたいにいつも遊んでくれたわけじゃないけどね、お仕事の合間に時間を作って遊んでくれたけど今は仕事が忙しいからってあれから一度も遊んでくれないし………パパはわたしのこともう、邪魔者としか見てないんだよ…だって………今日はパパの誕生日だったからパパの似顔絵描いてわ…た…し…たら………………」

 

 

 

少しの間沈黙してから女は瞳から大粒の涙を流しながら言う。

 

 

 

「い”ら”な”い”っ”て”…うゔ…なんで?…頑張って描いたのに……いらないって………もぅやだよ」

 

 

 

それからも女は話し続けるが俺は無表情で目の前に広がる夕焼け色の湖をただただ見ていた。

 

…どうやらあの部屋にいたのは罰としてといったところか…どうやらその親は、関わることを放棄してるようだな。

 

 

 

「…わたしがいてもいなくても一緒なら…」

 

 

 

女の消え入りそうなある言葉に俺は女に目線を向けることになる。

 

 

 

「このお家から遠くの、もっと遠くのどこかに………い…き…た…いよ………」

 

 

 

…………………………………。

 

 

 

「女、手を出せ」

 

「…え?」

 

「…二度は言わんぞ女」

 

 

 

俺に差し出された手を一瞬握って壊れないか躊躇うがゆっくりと割れ物の様に握る。

 

 

 

「あ………ありがとう…ウルキオラ」

 

 

 

俺は無言のまま決して離さぬように握り返してくる女の手を見る。

 

俺と女の握られてる手にはある筈のない空間の様なところから暖かな何かが宿っている感覚がある。

 

 

 

”この感覚はあの時のものと同じだ”

 

 

 

この暖かなものを想い出させてくれた他の誰でもないお前だからこそ

 

 

 

 

 

 

”ルーシィ”

 

 

 

”その願い”

 

 

 

 

”俺が叶えてやろう”

 

 

 

 

 

 

 




次の話からは一からとなりますので土日の間には投稿したいと思います。
三話を読んでくださり感謝です!。
感想待ってます!。
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