魔法科高校の電脳少女   作:零崎妖識

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だんだん目が回って夕焼けが燦々空に散って行った


やっちゃった。やっちゃったよどうしよう。ま、いいや。

まあ、えっと、あるカゲロウが立ち昇る日に出会った二人(兄妹)一人(少女)のお話です。


電脳少女

魔法が伝説やお伽話でなくなったとしても、世界には秘密がまだまだある訳で、大概それは都市伝説だけれども、中には本当があったり、アンタッチャブルがあったりするわけだが、まあ、それは置いておいて、とある兄妹の話をしていこう。

 

 

 

「納得できません」

「まだ言っているのか……?」

魔法大学付属第一高校の入学式の日。二時間前と言う早朝にもかかわらず、一組の男女が何やら言い合っている。

「なぜお兄様が補欠なのですか?入試の成績はトップだったではありませんか!本来ならわたしではなく、お兄様が新入生総代を務めるべきですのに!」

「お前は何処から入試結果を手に入れたんだ……?」

『はいはーい、エネちゃんが調べ上げて提供して差し上げたのですよ、ご主人!』

「エネ、お前か。下手なことはするなよ?」

『わかってますって!』

訂正。もう一人分、女性の声が聞こえる。エネと呼ばれたその声の主は、男性のポケットの中から響いている。

「くれぐれも、他の生徒が見てる前では話すなよ?」

『さぁ?どうしましょうかねぇ?』

「そんなことより!お兄様なら一科生でも良いはずです!魔法が使えないと言っても、本来なら」

「深雪!」

強い口調で急に名前を呼ばれ、ハッとした顔で口を閉ざす深雪。

「分かっているだろ?それは口にしても仕方のないことなんだ」

『そうですよ。私でも家のことはむやみやたらに口にはしないんですから』

「いや、お前は俺のコンピューターのフォルダを勝手にネットに流すことがあるから信用できないんだが」

『流しても問題のないやつだけですよ。研究内容やら報告書やらは流してません』

論点がずれていく。

「はぁ……とにかく、お前が代わりに怒ってくれるから、俺はいつも救われているんだ」

「嘘です」

「嘘じゃないって」

「嘘です。お兄様はいつも、わたしのことを叱ってばかり……」

『私も叱られてばっかりですねー』

「エネは黙っててくれ。お前が俺のことを考えてくれているように、俺もお前のことを思っているんだ」

「お兄様……

 

 

……そんな、『想っている』だなんて……」

(……あれっ?)

『あっはっはー、見事なまでの勘違いですね。妹さん、漢字間違えてませんか?』

顔を赤らめる少女。不思議に思う少年に、それを笑う声。

『とりあえずですけど、妹さん。たとえ妹さんが答辞を辞退しても、ご主人が選ばれる確率は低いですよ?入試成績がトップでも、二科生ってだけで蔑まれますし。ですから、今、妹さんにできることは、ご主人のために精一杯答辞を読むことです』

「エネの言う通りだ。俺はお前の晴れ姿を楽しみにしてる。このダメ兄貴に、存分に見せてくれ」

「お兄様はダメ兄貴なんかじゃありません!……ですが、分かりました。我侭を言って、申し訳ありませんでした」

「我侭だなんて思ってないさ。お前が我侭なんて言ったら、エネはどうなるんだ?」

『あれっ?私今ディスられました?今私のことディスりましたよねご主人!』

「それでは行ってまいります。見ていてくださいね、お兄様、エネ」

「ああ、行っておいで。本番を楽しみにしてるから」

『さらっと流されましたけど、頑張ってください、妹さん!』

少女が講堂へと消える。それを見て、少年はやれやれとため息をついた。

「これからどうするか……」

『私と喋ってればいいんじゃないですか?』

とりあえず、少年はポケットからイヤホンを取り出し、近くのベンチへと向かった。




後悔なにそれ美味しいの?そんなこんなで新作です。
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