魔法科高校の電脳少女   作:零崎妖識

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募集人数無制限。無論、途中参加も歓迎。


生徒会

扉のロックが外れたのを確認し、達也は、妹を庇う様に体を傾けながら戸を開いた。

「いらっしゃい。遠慮しないで入って」

扉の正面、奥の机から声がかけられる。その声に、深雪は礼儀作法のお手本のようなお辞儀を返した。

『……妹さん、思いっきり威嚇してますけど』

と言うよりかは、相手のペースに持ち込ませないようにしたのだろう。真由美も、他二名の役員も、摩利も雰囲気に呑まれている。

真由美に促され、会議用の長机に座る。いつもは兄が上座に座っているが、今回ばかりは深雪が上座、達也が下座に腰をかけている。

「お肉とお魚と精進、どれがいいですか?」

「お兄様からどうぞ」

「では……精進をお願いします」

「私も精進でお願いいたします」

注文を聞き、書記の中条あずさが機械を操作する。

「入学式で紹介しましたけど、改めて紹介しますね。

私の隣が会計の市原鈴音、通称リンちゃん」

「……私のことをそう呼ぶのは会長だけです」

「その隣は知ってますよね?風紀委員長の渡辺摩利。

それから書記の中条あずさ、通称あーちゃん」

「会長……お願いですから下級生の前で『あーちゃん』は止めてください。わたしにも立場というものがあるんです」

「一年A組の、司波深雪です」

「一年E組の司波達也です」

「ええ、よろしくお願いしまーー」

『ちょっと待ったー!私のことを忘れないでくださいご主人!』

紹介が終わろうとしたところで、誰かの声が響く。そう、達也のケータイの中にいるエネだ。

「エネ、静かにしてろ」

『無理です!私に静かにしていろと言うのはアイデンティティの崩壊に等しいですよ?と言うわけで、どうも皆さん!エネと申します!よろしくお願いします!』

達也のケータイを唖然と見る一同。この先はこれまでも行ったやりとりなので省くとしよう。

 

 

「はぁ……世界って、広いのね……」

「凄いです!まさか、自己を持つAIだなんて!」

「どうなっているんでしょう……?動きや発言を見る限りボトムアップ型の人工知能のようですが、ボトムアップ型が開発されたと言う話は聞きませんし、それに、本物の人間みたいですね」

「君は本当に面白いな、達也くん」

一人は呆れ、一人は興奮し、一人は冷静に分析し、一人は面白がる。

配膳された料理(摩利は弁当)を食べながらの話。ここに居る人物ーー正確には、生徒会+摩利と達也+深雪ーーの間に共通の話題がなかったのだが、エネが見事に潤滑剤になった。

「ええと、そろそろ本題に入りましょうか。

当校は生徒の自治を重視しており、生徒会は学内で大きな権限を与えられています。

これは当校だけではなく、公立高校では一般的な傾向です。

当校の生徒会は伝統的に、生徒会長に権限が集められています。大統領型、一極集中型と言ってもいいかもしれません」

『会長さんが生徒会長だと、なんか心配ですね。部下に丸投げしそうで』

「そんなことはないわよ」

「……何回かサボってましたよね、会長」

「そうだな。認めろ、真由美」

「エネ、俺が思っても言わなかったことを……」

真由美が崩れ落ちた。図星だったのか、裏切りによるものか。

「……気を取り直して、生徒会長は選挙で選ばれますが、他の役員は生徒会長が選任します。解任も生徒会長の一存に委ねられています。各委員会の委員長も、一部を除いて会長に任免権があります」

「風紀委員長はその例外の一つだ。

生徒会、部活連、教職員会の三者が三名ずつ選任する風紀委員の互選で選ばれる」

「少し端折りますが、毎年の恒例として、新入生総代を務めた一年生は生徒会の役員となってもらっています。趣旨としては後継者育成ですね。そうして役員になった一年生が全員生徒会長に選ばれる、というわけではありませんが、ここ五年間はこのパターンが続いていますね」

何が言いたいのか、達也やエネにも見えてきた。エネには、深雪の返答も。

「深雪さん、私は、貴女が生徒会に入ってくださることを希望します。

引き受けていただけますか?」

深雪は達也へと振り向き、眼差しで問いかけた。

達也は小さく頷き、それを見た深雪は、思いつめた瞳をしていた。

「会長は、兄の成績をご存知ですか?」

「ーーっ?」

『あ、やっぱりこうなりますか』

達也にとっては全くの予想外、エネにはわかっていた返答。

「エネなら、言いたいことがわかりますよね?」

『ええ。つまるところ、ご主人のほうがデスクワークには向いてるから一緒に入れろ、ということですね!』

「その通りです」

達也は天を仰ぎたい気分だった。

ここまで深雪とエネに(エネは元からだった気がするが)悪影響を与えていたのか。

『でも、無理なんですよね。本当に、本っ当に、残念なことに!』

「生徒会の役員は第一科の生徒から選ばれます。これは不文律ではなく規則です」

『リンリンさん、解説ありがとうございます』

「……エネさんのネーミングセンスも、会長と同レベルでしたか……」

彼女は申し訳なさそうにしていた。生徒会には、一科生と二科生の溝をなんとかしたい人間が多いのだろう。

「……申し訳ありませんでした。分を弁えぬ差し出口、お許しください」

だから、深雪も素直に謝罪できたのだろう。

 

 

この時、エネと摩利が何か囁きあっていることに気づいた者は誰もいなかった。




アンケート途中報告。
エネ単品希望が多いですね。
でも、達也×エネになると、エネの実体がアンドロイドのしかない為、貴音奪還ルートに入るかも?
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