MRRPG 〜最強ゲーマーはゲーム嫌い?〜   作:永夜月ももん

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第11話

【メッセージ受信】

『兄さん。晃咲(みつさ)です。今日から仲間と宿屋に泊まるので、家には帰りません。晩御飯は適当に食べておいてください。追伸。2Fまで進めました。兄さんには負けませんからね。バカ』

 

中ボスを倒し、エレベーターに向かう途中、妹からメッセージが入った。

 

晃咲(みつさ)が家にいないなら、俺も宿屋に泊まるとしよう。

 

【メッセージ送信】

『疲れない程度で休むんだよ? 俺も晃咲(みつさ)に負けないように頑張るよ』

 

『アキラ。エレベーターが見えたわよ』

 

『お、着いたか』

 

4人はエレベーターまで辿り着く。

 

『よし。じゃあ手に入れたエレベーターの鍵を使おう』

 

エレベーターの中に入り、3つある鍵穴の1つに差し込む。すると、小さな機械音が聞こえ、アナウンスが流れた。

 

『第1階層の鍵を確認しました。1F〜10Fまでが開放されます』

 

『お〜! これで動くんですね〜!』

『拙者、初エレベーターです!』

 

『あんたたち、本当にエレベーター初めてなのね。私は家にあるから見飽きたわ』

 

『ん? ベルはマンション住まいなのか? いや、リアルのことは聞かない方がいいか。すまんな』

 

『そんなとこよ。気にしなくていいわ』

 

『それじゃあ、フィルン。ボタンを押してくれるか?』

 

『どのボタンを押せば良いんですか〜? いっぱいありますよ〜』

 

『10と書いてあるボタンを押してくれ。今日は10FのDタウンに泊まる予定だ』

 

『は〜い!』

 

ポチッ。

 

『わ〜! 動きました〜!』

『揺れないのですね! 快適です!』

 

チーン。

またアナウンスが流れる。

 

『10Fです』

 

 

〜 第1階層 10F 〜

 

『着きました〜! 早いです〜!』

『何と!? もう着いたのですか!?』

 

初めてエレベーター乗ったやつって、こんな反応するのか。

 

『ここが10階? 景色は特に変わらないわね』

 

『1階層(ごと)に変わるからな。11Fからは平原ではない地形になる』

 

『あ〜! あんなところに宝箱がありますよ〜!』

 

『それは罠だ。エレベーター降りたらすぐ宝箱だぞ? まず怪しいと思おうな』

 

『ごめんなさいです〜。どういう罠ですか〜?』

 

『開けてみるか?』

 

『罠だって知ってたら開けませんよ〜! そのくらい私でも分かります〜!』

 

『実は罠じゃないから開けてみな』

 

『なんだ〜! 罠じゃないんですね〜! でわでわ〜! 開けちゃいま〜す!』

 

『フィルン、待ちなさい。あんたアキラに騙されてるわよ』

 

『え〜!?』

 

何この子、本当に信じちゃった。

ベルがフォローしなかったら、マジで開けてたな。

 

『まぁ、最初の方の罠は大したことないから大丈夫だ。軽いダメージとかで済む。だが奥に進んだら気を付けろよ? 状態異常になったり、敵が潜んでいたりは普通だからな』

 

『うぅ〜。危うく騙されるところでした〜』

 

『宝箱だけじゃなく、アキラにも気を付けた方が良いってことは分かったわね』

 

『ははっ。さて宝箱は放っといて、先行くぞー』

 

『笑って誤魔化すとは。流石はアキラ様です』

 

そこ褒めるとこ?

 

 

暫く歩いていると、Dタウンを見つけた。この街はプレイヤーは全くいないが、NPCが多い気がする。

何故だ?

 

『着きました〜!』

 

『もう陽が暮れてきた時間だ。ダンジョン内は明るいけどな』

 

『お腹空きました〜。ご飯にしましょうよ〜!』

『それはいいわね』

『そうですな! アキラ様! みんなで食べに行きましょう!』

 

『そうだな。じゃあ酒場にでも行くか?』

 

『お酒はまだ飲める歳じゃないわよ。アキラもそうでしょ?』

『私は飲めませんよ〜』

『拙者も飲んだことはありませんが、アキラ様が飲むと仰るなら!』

 

『いや、飲まないからな? 酒場って言ってもレストランみたいなもんだよ。酒場って名前なのは、RPGっぽいからだ』

 

『でも、ちょっと飲んでみたいです〜』

 

『ダメだ』

 

酒場に行き、飲み物を先に注文した。

ベルはアイスティー。

フィルンはオレンジジュース。

俺が烏龍茶を頼んだら、スィナは(合わせようとしたのかは分からないが、)同じく烏龍茶を頼んだ。

料理は適当に頼み、先に乾杯をしようということになり、乾杯の音頭を任された。

今回くらいは、少し真面目にやるか。

 

『それでは、僭越(せんえつ)ながら乾杯の音頭を務めさせていただきます。新PTの結成。中ボスの撃破。このゲームで出逢えた仲間と、今日仲間と乗り越えた試練に!そしてこれからの冒険に! 乾杯!』

『『『 乾杯! 』』』

 

なぜか3人は一気に飲み干した。そんなに飲んだら、料理来る前にお腹膨れない? 大丈夫なのか?

 

『おかわり!』

『おかわりです〜!』

『おかわりお願いします!』

 

んー、ま、今日くらいはな。

 

『俺が(おご)るから、遠慮なく食えよー』

 

『どうもね』

『わ〜い♪ ありがとうです〜!』

(かたじけな)い!』

 

3人が料理に夢中になっている時、誰かが話しかけて来た。

 

『ねぇ君。プレイヤー?』

 

見たところ、パラディンの女性のようだ。

 

『そうだよ。俺はアキラ。君は?』

 

『ボクはファンミリル。仲間からはミリちゃんとか、ミリルって呼ばれてるんだ。アキラ君もそう呼んでくれて構わないよ』

 

『分かった。で、ミリル。ご用件は何かな?』

 

『アキラ君。君、強いでしょ? サービス開始2日目で、10Fまで来たってことは、相当なゲーマーか、β版のプレイヤーか。どっちなのかな?』

 

『それなら、ミリルだって同じだろ? 10Fで会ってるんだから。質問は、どっちかと言えばゲーマーの方かな』

 

『そう。ボクはちょっと、普通のプレイヤーとは違うからね。それより、フレンド登録してみないかい? あ、もちろん枠が空いてたらで構わないよ』

 

『フレンド登録は可能だぞ? 試さなくてもな』

 

『え? 試す? どうしたの?』

 

『プレイヤーとフレンド登録できるか、試したかったんだろ? 普通は「フレンド登録してみないかい?」とは言わない。「フレンド登録してくれない?」とか、「フレンドにならない?」とかなら分かるけどな』

 

『ア、アキラ君は何を言ってるんだい? ボクはフレンドになりたいだけだよ』

 

『NPC・・・だろ?』

 

『アハハ。バレてたか。でもよく気付いたね? ボクがNPCだって。もうプレイヤーには広まっているのかい?』

 

『まだ広まってないよ。で、本当にフレンドになるか?』

 

『知ってて驚かないプレイヤーに出逢えたんだ。是非、お願いするよ』

 

『分かった』

 

手早くフレンド登録をして、話を再開する。

 

『ボクはとあるギルドの幹部をやっているんだ。この街にはギルドの仲間と一緒に来ている。あ、そうだ、アキラ君は星って知ってる?』

 

『空に浮かんでる星か?』

 

『その様子だと、知らないみたいだね』

 

『すまん、知ってる。ミリルはスタープレイヤーなのか?』

 

(とぼ)けるのが上手いね。騙されちゃったよ。ボクは7つ持ってる。アキラ君は持ってるのかな?』

 

『前は持ってたが、今は持ってない』

 

『ん? 誰かに負けて星取られちゃったのかな?』

 

『ま、そんなところだな』

 

『そっか、深くは聞かないようにするよ。元は星持ちってことは、強いんだよね? どう? ボクたちのギルドに来ない? 枠はまだまだ空いてるから、そちらのお仲間さん、全員入れるよ』

 

『残念だが、遠慮しておくよ。今のギルドで十分過ぎるくらいだからな』

 

『んー。どうしてもアキラ君だけは仲間にしたいんだよなー。そうだ、決闘して、ボクが勝ったらボクたちのギルドに入ってくれないかい? アキラ君が勝ったら、レアな装備かアイテムをあげるよ。どうかな?』

 

『レアなアイテムか。レアリティは?』

 

『Yランクのアイテムか、Vランクの装備2つ。どうかな?』

 

『よし。いいぞ。場所と時間は?』

 

『今から。街を出て』

 

『あー、仲間が食べ終わるの待ってくれると嬉しいんだが』

 

『あ、ごめんね。ついつい気が急(せ)いてしまった。それくらい全然かまわないよ』

 

3人が料理を食べ終わった後、会計を済ませて街の外に出た。

 

『まったく。私たちの食事中に決闘を受けるなんて。で、負けたらギルド移動? 殴り倒されたいの?』

 

『大丈夫だよ。ちょっとどんな相手か知りたいだけだから』

 

『理由が意味分からないわよ』

『アキラさん、ファイトです〜!』

『アキラ様! ご無理はなさらずに!』

 

『ありがとな』

 

『良いお仲間さんたちだね。それじゃあ、決闘を始めようか!』

 

 

--- 決闘 ---

ギルド サザンクロスの軌跡(きせき)

幹部

ファンミリル

 

ギルド 幽邃(ゆうすい)(いえ)

ギルドマスター

A-killer

 

勝利条件

相手のHPを半分以下にする。

 

 

Battle start!

 

 

 

サザンクロスの軌跡か。知らないギルドだな。

 

『それじゃあボクからいくよ!〈鉄壁の守り〉〈間隙一閃〉』

 

武器は槍か。反撃された時ようにDEFを上昇させておき、そのまま一気に先制攻撃。なかなか良いな。

 

『なるほどな』

 

グサッ。

 

『え!? 避けないの!?』

 

『いや、どれくらいダメージくらうかなー、と。やっぱりこんな防具じゃ、少しダメージくらっちまうな』

 

『アキラ君、油断しない方がいいよ? ボクもまだ本気じゃないから』

 

『分かった。まあ、攻撃しないのは相手に失礼かな。武器変更、ダーインスレイヴ』

 

『隙あり!〈聖光一閃〉』

 

『隙を突くのは良いんだが、聖属性で攻撃したら回復するぞ?』

 

『え!?』

 

職業、一応聖騎士やってますから。

 

『んじゃ、反撃だ。〈総てを吸収せし斬撃〉』

 

『その程度!』

 

槍で剣を受け止められた。

 

『このくらいの斬撃。受け止めるのはわけないよ』

 

『受け止めない方が良かったぞ?』

 

『え?』

 

『吸収終了』

 

 

You're Winner!

 

 

『負け、た?HPが半分以下に。MPもSPも吸い取られてる?』

 

『お疲れ様。なかなか楽しかったよ。アイテムとかは構わない』

 

『え、いいのかい? それじゃあ、お言葉に甘えるとするよ。ありがとう。良かったら、またバトルしてほしいな。今度はボクが勝つからね!』

 

『分かったよ。じゃあまたな、ミリル』

 

『うん。またね、アキラ君』

 

 

決闘を終え、ミリルは去って行った。

 




日記
(続き)

ま、暗いことは置いておこう。

今日はお祝いもあった。

酒場で、PTの結成及びに、第1階層のボス討伐を祝して乾杯した。

みんな楽しんでくれたみたいで良かった。
そんな中、パラディンのボクっ娘に話しかけられ、決闘を挑まれる。

そんなに俺がギルドに欲しかったのだろうか?

名前は、ファンミリルだったと思う。

決闘で、勝てばレアアイテム。負ければギルドに強制入会。

んー、提示する条件悪くね?

普通なら、勝てば天国、負ければ地獄じゃない?
この条件なら、少し天国、わりかし地獄。
ハイリスクでローリターン。

余程の馬鹿じゃなきゃ、こんな条件飲まないだろ?
(あ、俺オッケーしたんだった。余程の馬鹿ってことか)

星が7つのスタープレイヤーだから、そんなに強くは無かった。
正直、決闘を受けた理由は、相手のギルド名を確認したかっただけだ。

サザンクロスの軌跡、か。
一応、警戒しておこう・・・
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