MRRPG 〜最強ゲーマーはゲーム嫌い?〜   作:永夜月ももん

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第21話 (明日葉 晃咲)

『うーん。(はぐ)れてしまった』

 

私、明日葉(あしたば) 晃咲(みつさ)は、迷子になってしまったようです。

 

仲間と共にダンジョンを探索していたのですが、いつの間にか1人に。

 

『ここは5階かな? それとも6階?』

 

今、自分がいる階さえ分からないのです。困りました。

 

近くにプレイヤーさんもいませんし、こんな時にモンスターに襲われでもしたら・・・

 

『お、おおかみ!?』

 

フラグを立ててしまったみたいです。

因みに私の職業は騎士です。

剣を振るって闘う前衛。

 

ただ、無茶ばかりしてしまうので、回復してもらわないとダメなのです。

 

そして、今は1人。

 

『回復役のアリサが居ない以上、ここは一旦引くのが得策』

 

街まで行けば大丈夫。

 

『って、おおかみさん! 追ってこないでくださいよ!』

 

拙いです。ピンチな予感。

 

『大丈夫かえ?』

 

『え?』

 

バサリ!

 

58(ごや)さん。可愛い女の子を見つけるたびに、直ぐ居なくなるのはやめてください』

 

た、助かったみたいです。

助けてくれたのは、最初に話しかけてくれた人ではなく、後からやって来た騎士さんでした。

 

『助けていただき、感謝です!』

 

『可憐な少女を助けるのは、当たり前ぞ?』

 

着物を着た背丈の小さな女性が、声をかけてくれました。

 

『58さん。助けたのは私ですよ』

 

『そうだったのう。フォーディア。よくやったぞよ』

 

『はっ。有り難う御座います』

 

どうやら、このカッコイイ女騎士さんよりも、着物を着た古風な女性の方が偉い方みたいです。

 

『可憐な少女よ。名を聞いてもよいかの?』

 

『み、晃咲です!』

 

『おー! なんとも愛くるしいのう!』

 

ナデナデモフモフされました。

 

『ミツサ殿。嫌なら早めに言われた方が良いかと。58さんは可愛い女の子に目がないので』

 

『フォーディアは綺麗な容姿をしておるのに、つれないからのう』

 

『58さん。もう離してあげてください。ミツサ殿が赤くなっておりますゆえ』

 

『おっと。ついつい調子に乗り過ぎたかの』

 

ごやさんと言われている方は、女性なのに女好きなのでしょうか?

分からないです。

 

『ミツサ。どうして1人でおったのじゃ? ソロプレイというやつかの?』

 

『いえ。仲間と逸れてしまって』

 

『そうか、ミツサ殿。悪いことは言わない。引き返すのだ。この階は1人では危険だ』

 

『あの、ここは何階ですか?』

 

『ここは9階じゃ。出現する敵も手強くてのう。そんな危険な場所に、主(ぬし)のようなか弱気乙女を1人にするわけにはゆかん。フォーディア、分かっておるな?』

 

『しかし、私たちには目的が』

 

『こんな可憐な少女を1人にすると()うのかえ?』

 

『分りました。ミツサ殿の仲間を探しましょうか。まずは街に戻りましょう』

 

『うむ。良き案じゃの』

 

『有り難うございます!』

 

助けていただいた2人の女性と、一緒に街に向かいました。

とても優しい方で良かったです。

 

途中、色んなお話もしました・・・

 

 

 

(わし)はギルドの(ちょう)をしていての、このフォーディアは副長(ふくちょう)じゃ』

 

『58さん、サブマスターと言ってくださいよ』

 

『あの、質問しても良いですか?』

 

『なんじゃ?』

 

『先ほどフォーディアさんが言ってらした、目的って何でしょうか? 少し気になって』

 

『そうじゃのう〜。端的に申すと、ゲームに詳しい者を探しておるのじゃ』

 

『ゲームに詳しい、ですか?』

 

『正確に云えば、このゲームの絡繰(からくり)が判る奴じゃの。問いたいことがあるのじゃ』

 

『うちの兄ならゲームが趣味の人なんで、何か知ってるかもしれません』

 

『ほう、ミツサには兄がいるのかえ? こんなに可愛い妹がいるとは、幸せ者な兄じゃのう。話をしてみたいものじゃ』

 

『今は違うダンジョンを攻略してるみたいですが、もう少ししたらこのダンジョンに来ますよ。58さんも一緒に会いますか?』

 

『それは良いの! フォーディアも()うてみるかえ?』

 

『私は結構です。いくらミツサの兄とはいえ、見ず知らずの者に会うのは危険。どんな野蛮な人かも分からないというのに』

 

あのー。私もお2人とは、今日会ったばかりなのですが・・・

 

『決まりじゃな。フォーディアも行くみたいじゃ』

 

『何故ですか!? 私はそのようなことは一言も!』

 

『どんな野蛮な人かも分からぬと言った以上、(わし)を1人では行かせまいな?』

 

『な。確かに』

 

58さんの方が、一枚上手なようです。

それより、58さんは私も一緒に行くことを忘れているのでしょうか?

 

それに兄さんは野蛮な人では無いですし。どちらかと言うと、女性は苦手なはずなんですが。

 

思い出しただけで腹が立ってきました。女性が苦手なはずの兄さんが、どうして2人の女性とゲームをしているんですか!

 

まったく。兄さんは隠し事が多過ぎるんです。もう兄さんなんて知りません。

 

『ミツサ、どうしたのじゃ? 怒った顔も可愛らしいのじゃが、気分を害してしまったかえ?』

 

『あ! いえいえ。58さんにもフォーディアさんにも、怒ってませんよ! ちょっと兄のことを思い出しちゃっただけで』

 

『なんじゃと! ミツサの兄は、妹を怒らすようなことを。仕置(しおき)が必要なようじゃのう』

 

『そうですね。下衆(げす)な男は斬り刻んであげましょう』

 

『いえ! 違うんです!』

 

この後弁解して、なんとか誤解が解けました。

 

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