MRRPG 〜最強ゲーマーはゲーム嫌い?〜 作:永夜月ももん
『うーん。
私、
仲間と共にダンジョンを探索していたのですが、いつの間にか1人に。
『ここは5階かな? それとも6階?』
今、自分がいる階さえ分からないのです。困りました。
近くにプレイヤーさんもいませんし、こんな時にモンスターに襲われでもしたら・・・
『お、おおかみ!?』
フラグを立ててしまったみたいです。
因みに私の職業は騎士です。
剣を振るって闘う前衛。
ただ、無茶ばかりしてしまうので、回復してもらわないとダメなのです。
そして、今は1人。
『回復役のアリサが居ない以上、ここは一旦引くのが得策』
街まで行けば大丈夫。
『って、おおかみさん! 追ってこないでくださいよ!』
拙いです。ピンチな予感。
『大丈夫かえ?』
『え?』
バサリ!
『
た、助かったみたいです。
助けてくれたのは、最初に話しかけてくれた人ではなく、後からやって来た騎士さんでした。
『助けていただき、感謝です!』
『可憐な少女を助けるのは、当たり前ぞ?』
着物を着た背丈の小さな女性が、声をかけてくれました。
『58さん。助けたのは私ですよ』
『そうだったのう。フォーディア。よくやったぞよ』
『はっ。有り難う御座います』
どうやら、このカッコイイ女騎士さんよりも、着物を着た古風な女性の方が偉い方みたいです。
『可憐な少女よ。名を聞いてもよいかの?』
『み、晃咲です!』
『おー! なんとも愛くるしいのう!』
ナデナデモフモフされました。
『ミツサ殿。嫌なら早めに言われた方が良いかと。58さんは可愛い女の子に目がないので』
『フォーディアは綺麗な容姿をしておるのに、つれないからのう』
『58さん。もう離してあげてください。ミツサ殿が赤くなっておりますゆえ』
『おっと。ついつい調子に乗り過ぎたかの』
ごやさんと言われている方は、女性なのに女好きなのでしょうか?
分からないです。
『ミツサ。どうして1人でおったのじゃ? ソロプレイというやつかの?』
『いえ。仲間と逸れてしまって』
『そうか、ミツサ殿。悪いことは言わない。引き返すのだ。この階は1人では危険だ』
『あの、ここは何階ですか?』
『ここは9階じゃ。出現する敵も手強くてのう。そんな危険な場所に、主(ぬし)のようなか弱気乙女を1人にするわけにはゆかん。フォーディア、分かっておるな?』
『しかし、私たちには目的が』
『こんな可憐な少女を1人にすると
『分りました。ミツサ殿の仲間を探しましょうか。まずは街に戻りましょう』
『うむ。良き案じゃの』
『有り難うございます!』
助けていただいた2人の女性と、一緒に街に向かいました。
とても優しい方で良かったです。
途中、色んなお話もしました・・・
『
『58さん、サブマスターと言ってくださいよ』
『あの、質問しても良いですか?』
『なんじゃ?』
『先ほどフォーディアさんが言ってらした、目的って何でしょうか? 少し気になって』
『そうじゃのう〜。端的に申すと、ゲームに詳しい者を探しておるのじゃ』
『ゲームに詳しい、ですか?』
『正確に云えば、このゲームの
『うちの兄ならゲームが趣味の人なんで、何か知ってるかもしれません』
『ほう、ミツサには兄がいるのかえ? こんなに可愛い妹がいるとは、幸せ者な兄じゃのう。話をしてみたいものじゃ』
『今は違うダンジョンを攻略してるみたいですが、もう少ししたらこのダンジョンに来ますよ。58さんも一緒に会いますか?』
『それは良いの! フォーディアも
『私は結構です。いくらミツサの兄とはいえ、見ず知らずの者に会うのは危険。どんな野蛮な人かも分からないというのに』
あのー。私もお2人とは、今日会ったばかりなのですが・・・
『決まりじゃな。フォーディアも行くみたいじゃ』
『何故ですか!? 私はそのようなことは一言も!』
『どんな野蛮な人かも分からぬと言った以上、
『な。確かに』
58さんの方が、一枚上手なようです。
それより、58さんは私も一緒に行くことを忘れているのでしょうか?
それに兄さんは野蛮な人では無いですし。どちらかと言うと、女性は苦手なはずなんですが。
思い出しただけで腹が立ってきました。女性が苦手なはずの兄さんが、どうして2人の女性とゲームをしているんですか!
まったく。兄さんは隠し事が多過ぎるんです。もう兄さんなんて知りません。
『ミツサ、どうしたのじゃ? 怒った顔も可愛らしいのじゃが、気分を害してしまったかえ?』
『あ! いえいえ。58さんにもフォーディアさんにも、怒ってませんよ! ちょっと兄のことを思い出しちゃっただけで』
『なんじゃと! ミツサの兄は、妹を怒らすようなことを。
『そうですね。
『いえ! 違うんです!』
この後弁解して、なんとか誤解が解けました。