MRRPG 〜最強ゲーマーはゲーム嫌い?〜 作:永夜月ももん
『で、次はさっき報酬で貰った通貨を使い、買い物をするんだ。買うアイテム覚えてるよな?』
『あれ? なんだったけ?』
『そういう時は、メインメニューを開いて、
俺は一体、何をやっているのだろう。
なんで初心者に1から教えないといけないんだよ!?
チュートリアルぐらい自分でやってくれよ! 1人で出来るはずだぞ!
その前に説明書くらいは目を通してくれよ!
『すみませ〜ん。ちょっとお聞きしてもいいですか〜?』
今度は何だよ!?
『ん? どうした? ていうか、誰だ?』
見た所、ふわふわした女の子?
多分、俺に話しかけたんだよな?
『私はフィルンです〜。ここは道具屋さんですよね? これを売りたいんですが、うまく売れないんですよ〜』
『これは大事なものだから売れない仕様だ。諦めるんだな』
『え〜。もうお金が無くてピンチなんです〜』
『何にそんな使ったんだよ?』
『モンスターに攻撃されたら痛いだろうな〜と思って、防具を強化しました〜』
『何で初期装備強化した?』
『初期装備だからですよ〜! 最初のまんまじゃ弱いじゃないですか〜!』
『強化する前に装備買えばいいじゃん!』
『なるほど〜! 勉強になりました〜』
はぁ、何だろう。どっと疲れた。
『アキラー! アイテム買ったわよ! 次は教会に届けに行くみたい!』
『分かったー。じゃあな、フィルン。頑張れよ』
『待ってくださ〜い! 私も教会にアイテムを届けないといけないんですよ〜!』
『アイテムは買ったのか?』
『お、お金が〜』
『じゃあな』
『うわ〜ん! 助けてください〜!!』
泣くフリか? 本気で泣いてるのか?
『分かったよ、200トラムダで買えるよな?』
『あの〜。ひっじょ〜に申し上げにくいんですが、宿代が無くて〜』
『ログアウトして家に帰りなさい』
『あの〜。帰る家が無くて〜』
『家出か? 仕方ないな。宿代いくらだっけ?』
『300トラムダなんです〜。合計500トラムダですが、ありますでしょうか〜?』
『ない方がおかしい。はいよ。ちゃんとモンスターを倒してお金貯めろよ』
『ありがとうございま〜す♪ あの〜、2人はPTを組んでるんです〜? それとも一緒のギルドです〜?』
『まだあいつはレベル5になってないが、ギルドの方だな。チュートリアルくらいなら、PT組む必要はない』
『なるほど〜! そのギルドって、入る条件とかあったりします〜?』
まさか、いや、まさかな。
『無いが、ギルドは全てレベル5以上からだぞ?』
『私もうすぐレベル5になりま〜す!』
『だろうな。チュートリアル終わったら全員レベル5だから、当たり前だ』
『レベル5になったら、ギルドに入れてもらえますか〜?』
やっぱりそうきたか。
『ベル、フィルンもギルドに入れていいか?』
『何言ってるの? アキラがギルドマスターなんだから、決めるのはあんたでしょ?』
『だってさ、フィルン。じゃあチュートリアル早めに終わらせろよー』
『やった〜♪ ありがとうございま〜す! あれ〜? 何を買ったら良いんでしょうか〜?』
『そういう時は、メインメニューを開いて、
あれ?デジャビュってる?
『あっ、買えました〜! ではでは! 教会にレッツゴ〜ですよ〜!』
なんか1人増えてしまった。またしても初心者だが、今日は初心者しかいないし、しょうがないか。
というより、少しはゲームが出来るやつはいないのか? 仲間を求めているわけではないが、心配になってくる。
3人で教会の前まで歩いて来た。
教会はいかにもゲームなどでみる教会って感じだ。
もちろん、これらは全部映像。外壁に触ることも可能だ。(一定の攻撃力があれば、壁を壊すことも可能だ。壊そうと思うやつなんて滅多にいないだろうが)
3人は教会に入ると、
この人は、NPCだ。
『ようこそ。ここは始まりの街の教会です。ご用件は何でしょう?』
『クエストの品よ! これでいいのかしら?』
『受け取りました。これでチュートリアルは終了です。お疲れ様でした』
『やったー! アキラ! レベル5になったわよ!』
『じゃあ次はフィルンだな。話しかけてみろ』
『すみませ〜ん』
『ようこそ。ここは始まりの街の教会です。ご用件は何でしょう?』
『お買い物してきましたよ〜! これでいいですか〜?』
『受け取りました。これでチュートリアルは終了です。お疲れ様でした』
『おんなじ反応なんですね〜。アキラさん! 私もレベル5になりましたよ〜!』
このような、役割を与えられているNPCには人工知能は搭載されていない。
(ちなみにNPCは自然に生まれてくれるらしい)
『アキラさ〜ん! アキラさ〜ん!』
『あ、すまない。考え事をしていた』
『アキラ! これでギルドに入れるのね! 勧誘してくれない?』
『私もお願いしま〜す!』
申請すれば早いのに。
やり方分からないのだろうけど。
--- メインメニュー ---
○ギルド
La-belle-luneをギルドに勧誘。
フィルンをギルドに勧誘。
La-belle-luneがギルドに加入しました!
フィルンがギルドに加入しました!
『よし、やっとひと段落ついたか。で、お前たちは上と下、どっちを攻略する予定なんだ?』
『上? 下? 何を言っているの?』
『やった〜! ギルドに入れました〜!』
1人は分かってない。1人は聞いてさえいない。このギルド大丈夫なのか?(俺のギルドだけどね)
ゲーム開始から5時間。2人がギルドに加わった。
日記
(続き)
次はふわふわした女の子が話しかけてきた。
どうやら、売れないアイテムを売ろうとしていたらしい。
アイテム名を見て、思わず吹き出しそうになってしまった。
冒険者の証
そんなに冒険者辞めたかったのか!?
証は職業変わる度に貰えるから増えて行くが、「だいじなもの」は全部、カバンに影響しない。
売ろうとか破棄しようと思うやつがいるとは、考えもしなかった。
そして売ろうとした理由にも失笑してしまいそうだった。
お金が無いから。
何故だ!?
何に使ったのかと思い、最初に予想したのは装備。
初心者でありがちだからな。
はい、案の定防具でしたー。
しかも、初期装備を強化していた。
付け加えると、鎧だけ+8 他は全部+1
こいつ、やっちまったな。
最初の5000トラムダ、全部防具に注ぎ込みよった。
この分だと、薬草とかも全部売った可能性が高いな。
どっか抜けてそうな女の子だが、ここまでだと、放って置けない。名前はフィルンとか言っていた。
容姿はなんと言うか、可愛らしい感じだ。
髪は金髪、というかミルキー? よく分からん。
目が特徴的で、オッドアイというやつだ。
片方が黄色(多分右?)片方が青っぽい色だ。(碧かもしれない、よく見ていない)
ベルは胸が小さいのに対して、フィルンは・・・肩凝らないのか?
2人とも共通しているのは、ゲームがあまり得意そうではない、ということだ。
どちらも、放って置けない、のかな。
自分でもなんでギルドに入れたのか分からない。
2人は、強くなる。
ゲームを辞めなければ、きっと・・・。
やる気があるなら、手助けはしよう。
だが俺はこのゲームが好きではない。
俺がこのゲームを・・・、それまでは。
さて、明日は早いし、妹も怒ってたみたいだし、さっさと寝よう。
Dタウンの宿屋から冒険再開だな。
日記は、また思い出した時にでも書こうかな。