第九話/俺ぁ速水隼太郎だ・下
「目がッ……目がイテェ……」
「わ…わからねぇ……俺には全くわからねぇ……!!
何か奴がラムネを取り出したかと思えば何もしてないのにラムネが弾け飛びやがった……!!
な、なに言ってんのかわからねぇと思うが俺自身もなに言ってんのかサッパリわかんねぇよぉ……
正直者狐につままれた感じだぜ………」
今起こった不思議な現象に、リーダーの青年ーー
速水隼太郎はただただ混乱していた
身体は強張り、足は今にも崩れてしまう程に
「さて……と、僕には戦う理由も君達を追っ払う理由もラムネをかける理由もないけど………
ごめん、やっぱり流石に自己防衛させてもらう事にする。
最初に言っておく、謝る」
そう申し訳なさそうに話した助丞、ただし言ってる事は『今から自己防衛に君達ボコるよ?OK?』に近い
が
「なァァァァにゴチャゴチャ言っているだねェ!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
中国と呼ばれた青年が、辛抱出来ずに助丞に襲いかかってきた
チラリ、と助丞は中国と呼ばれた青年が襲いかかってくるのを確認する
が、直ぐに隼太郎へと目を向ける
「アッ!!バカやめろォォォォォォ!!!!」
速水隼太郎が思うに今自分達が相手をしているのは只者ではない、今すぐズラかるべきた!
そう速水隼太郎のこの辺りでギャング気取りで学んできた経験を刻んでいる細胞の一つ一つが叫んでいる
だが、中国と呼ばれた青年は止まらない
普通なら素直にリーダーである速水隼太郎の言う事を聞いて止まっていたのだろうが、あろう事か助丞は襲ってくる中国と呼ばれた青年をチラリと見ただけなのだ
それは、全く相手にされていない証拠
それが彼を憤怒させていた
「中国三千年の奥義!!!」
跳ぶ
「
ギャルルルルルルルルル!!!!!!
凄まじい勢いで中国と呼ばれた青年は錐揉み回転をし始め、助丞へとドリルの様なキックを放つ
その人間離れしたキックは一寸も間違いはなく助丞へと向かっていく
助丞はやっとキック中の中国と呼ばれた青年の方を向き、身構える
「今更遅いィィィィィィィィィィィィ!!!!!貴方がこのキックを受けて倒される確立は100%ォォォォォォ!!!!」
ーーおお!アイツにあんな技があったのか!?いくらアイツが只者じゃなくてもあんなの食らえばひとたまりもねぇぜ!
そして中国と呼ばれた青年のドリルの様なキックが助丞に当たりーー
「勝ったッッ!!!第一部ギャグボゴォォォォッッッッッッッ!!!!????」
バシュシュゥゥゥゥィッゥゥンッ!!!!
中国と呼ばれた青年がぶっ飛ばされた
「…………はァ?」
隼太郎は、再び今起こった出来事に呆然としていた
ーーな、な、ななななな…!!
「ナァァァァァァァァにィィィィィィィィィィィィ!!!!???」
確かに中国と呼ばれた青年のキックは助丞を捉えていて、確実に当たった
当たった筈だ
なのに何故中国が吹き飛ぶ?物理的に可笑しいのでは?
「さて……で、君はどうする?一応二人共手加減はしたから軽傷だよ。」
そんな助丞の言葉が聞こえてくる
二人共やられた、実に圧倒的に
ならば自分がすべき事はただ一つ
「やめりゃぁ良かった………こんなヤツに喧嘩吹っかけるのはよォォ…………。
オイ中国!ナイフ!俺達にできる事はもう一つしかねぇ!アレだ!わかるよなァ!?」
「ツゥゥ……アレって…アレか?」
「ぐぅぅ…仕方ありませんね…」
そう言って三人は合流し
「逃ィィィィィィィィィィィィげるんだよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」
「やっぱりそうだったァァァァァァァァァ!!!」
「くゥゥ……この怨み、晴らさずべきか…」
全速後退、一斉に助丞から逃げ出した
そして、一人取り残された助丞はというと。
「…………やれやれ……」
足元のエコバッグを再び持ち、家路に着くのだった。
そして数日後
「お前ら……ブラッディキャッツは解散だ…」
「ウェッ!?なんでだよォ!!?」
「あんなのがいたらもうお終いですよね…」
「だが…俺達ゃ仲間だ!これはブラッディキャッツがなくなってもかわんねぇぜ!!
皆…好きに生きてくれ、今までありがとな……」
「う…うォォ……」
「……私達が…また会える確立は139%……」
とある路地裏にて、泣きあっている三人組が確認されたとか