第十話/繰り返しの始まり・上
森野高等学校の何時もの
屋上、放課後
何時ものように助丞はホームルームから6時間目まで出席以外全てサボるという偉業を成し、朝から屋上に居た。
「学校内、校長室にて校長の私物が窃盗を受けたァ?」
「ええ、なんでも昨日の深夜、警備員が見回りに行った所、既に盗まれていたとか…。
校長先生、とても焦っていたみたいだし。んー、大切な物だったんですかねぇ…」
話の内容は
昨日、警備員が見回る途中、校長室にある校長先生の私物がなくなっていたという事。
ちなみに助丞は前述通りホームルームに出ていないのでその話は担任から聞いていない
更に1時間目は緊急に学年集会になって窃盗の話となったのだが、サボっていたので何も聞いていない
この通り、きちんとホームルームから6時間目まで出席して授業を受けていた早苗から窃盗の話を聞いていた
「ふーん……。で、肝心の犯人と盗まれた物は?」
おもむろに髪をいじりながら助丞は早苗に質問し出す
「うーんと…。犯人に関しては全く目星が付いてないみたいで
盗られた物に関しては…なんでも昔の人が作った貴重なお面らしいですよー。」
最後に、早苗は「まぁ、実際見たわけじゃないのでよくわかりませんがねぇ」と付け加えた
「ふぅん………。」
まるで興味なさそうな助丞だが、内心では興味身
心だ
ーー犯行時刻は…確か校長室は職員室と近いから多分教員が帰ってから警備員が見回りをする時間まで、21〜25時辺りかな
一応校門には防犯カメラはあったしこの学校の人、もしくは関係者の線が強い
それにしても盗まれた物は貴重なお面…お金目当てかなぁ……
しかし、そんな助丞の反応を見た早苗はあまり良い気ではない
ーーあぅぅ……。良いネタだと思ったんですがやっぱりジョジョ君はあんまり良い反応してくれないです……。
最近何時もこんな感じだし….….
早苗にはあまり友達と呼べ存在がいない
非公認ファンクラブがあるからだ
考えて欲しい、貴方が好きな人、もしくは気になる人がとある人がとても好きだとしたら?
しかも、一人だけではなく大多数で
当然、良いものではないだろう
が、幸いな事に、いじめにはならない。
皆、きちんとした精神を持っているからだ。
しかし、それでも皆早苗に対して少し距離をとっている
更に、その非公認ファンクラブは非公認ファンクラブで『早苗さんにアタックするのはいいけど振られたら見守る側に回ろうぜ!いつかまたアタックし直せばいいさ!』なんていうその“いつか”が来ない掟がある。
そしてそのファンクラブのほぼ全員が早苗にアタックし、玉砕
そう、つまりそういうことだ
なので、早苗には友達と呼べる存在があまりいない
しかし、助丞は違う
早苗のファンクラブ員ではない、早苗に対して友好かどうかはわかりにくいが何時も早苗と(大抵早苗が話す側だが)この場所で会話をしてくれている
早苗としては、助丞と友達になりたい
だが、大抵『ふぅん…』とか『へぇ…』やらで返されてしまうのだ
これは助丞が圧倒的に悪い
先程言った通り、助丞はそっけない様に返事をするが、大抵の場合、結構興味を持ってくれているのだ
しかし悲しいかな、助丞は“学校嫌い”
勿論クラスメイトとなんて今まで全然話をした事がない
いわゆる『コミュ症』というヤツなのだ。ただし聞く側のみで
ーーやっぱり、ここはどどんと踏み込んじゃいましょう!!
と、早苗は何かを決意し、柵に天日干しスタイルで風景を眺めている助丞に話しかける
「ジョジョ…のご家族はどんな方なんですか?」
あだ名の…呼び捨てで
はやり早苗さんは敬語早苗さんだね!これ以外考えられないぜ…