第十話/繰り返しの始まり・中
ピタァァァァァァァァァァァ!!!
時が止まった
かに思えた
ーーな、なん……だと…
早苗が好意的に言った言葉、しかし助丞にとっては返事に恐ろしく困る言葉
「ジョジョ…のご家族はどんな方なんですか?」
助丞にはマトモな家族がいない
母はスタンド使い、しかも元犯罪者
父はスタンド使いではないがこれまたマトモではない。助丞の父、方条城介は冒険家だ。家に居る日は少なく、大抵何処かでインディよろしく冒険している
祖母はまだ普通だ。ただし祖父、空条承太郎が一番マトモではない。
時を止めるわ元不良で数多の伝説があるわ世界を救うわ、人外にも程がある
別に家族を嫌っているわけではない。
普通でない事を平然としていられるのだ…
かくいう助丞も奇人極まりないが、流石に人前ではある程度自重する。ただし喧嘩以外ではの話だが
だが、その“家族”は全く自重しないのだ
この前母である方条徐倫が地域の会で他の母親と編み物をしている時
「……めんどくさいわね」
シルシルシルシルシル………
と、自らのスタンド、ストーンフリーの能力、〔肉体を糸状にする能力〕を使いズルをする始末。
「はっはっは!」
と高々に笑いながらなんだかよくわからない骨だけのスケルトンっぽいヤツと平然と死闘を繰り広げる父
しかも場所は森野市の自然公園内のど真ん中、更に真昼に
父曰く『ちょいとこの前手に入れた(盗んだ)魔道書を試しただけさ』
せめて場所を選んで欲しい
この様に、助丞の家族は“マトモではない”
そんな事、早苗には話せない。話した所で引かれるだけだ
ーー困った…困った……ッッッ!!!
どうする…答えは三つ、次の選択肢から選ぼう。嘘はつけない…ッ!
①天才の助丞はとっさに切り抜ける方法をひらめく
②第三者が来て、なんやかんやで話を流す
③正直に話す、現実は非情である
嘘はつけない、何故なら
「(キラキラキラキラキラキラ…)」
早苗がとてもわくわくした顔で此方を見ているからだ
こんな眩しい笑顔を見せられたら、どんな人間でも嘘はつけないであろう…。助丞も例外ではない
ーー僕としては②が望ましいが此処には滅多に人が近づかない…希望は薄いぞ…
①は論外
どうせだから、僕はこの③を選ぶ事にするッ!!なぁに僕自身、悲しい事に変人だ!どうにでもなるがいいィィィィ!!!
ここまで0.5秒
だが、助丞は改めて考えた
ーーいや待て、もし東風谷がこの話を聞いて他の人に言ってしまったら?
東風谷早苗はいわゆる“押しに弱い”人物
先生の頼みやら何やらを早苗は必ずといっていい程断らない事を助丞は知っている
ーー……最悪じゃないかッ!!
もし、もし東風谷早苗が誰かにせがまれ、方条家について話してしまったら
そんな面白いネタ、広まらないわけがない
瞬く間にクラス中に広まるだろう
そうなってしまったらもうダメだ、助丞はにこの“早苗が教えてくれた穴場”を楽しめなくなる、今までもクラスメイトや他のクラスの生徒にしつこく絡まれていたが、更に絡まれる事になるだろう
ーーどうする…ッ!!
①は無理、②は可能性が低すぎるッ!③だと運任せだ…ッ!!
そしてここまでが1.1秒
「あ、あのー、ジョジョ……君?」
早苗が心配そうに助丞に話しかけた
助丞に自覚は無かったが、彼の顔は段々と奇妙なことになっている
『流石にちょっと馴れ馴れしすぎたかな?』と早苗が考えるには十分な程に
「ウェッ!?あ、いや別に話したくない訳ではなくてだけど少し話しにくい訳であって………」
「え?は、はぁ…」
と、助丞の混乱した返事に困った様な相槌を打つ早苗
ガチャァァァァァァァァァン!!!
そこに突如、闖入者が現れた。
「方条さァァァァァァァァァァァァァァァァァァんん!!!!」
やや錆び付いた屋上の扉をぶち壊さん限りで開いたのはこの前、助丞に喧嘩を売ってきた速水隼太郎だ。
そしてそのまま隼太郎はズカズカとこちらへ近づいて来るではないか。
「…………。えっと、ジョジョ君、知り合いで?」
「……まぁそんなところかな…一応。」
「方条さァァァァァァァァァァァァァァァァァァンン!!!!ニュースですよォニュース!!!」
隼太郎は息を荒げながらメモ帳を片手に助丞に話しかける。
「方条さァン!実は昨夜の深夜、校長室で盗みがあったtー
「あ、ごめんそれもう東風谷から聞いた。」
興奮しながら話し出す隼太郎と、ほぼ無表情で返す助丞。
「アエエェェェェェェェェ!!?知ってたァァァァァァァァァ!?」
またも騒ぎ出す隼太郎
「やれやれ…」
呆れた助丞は肩を竦め
「あ、アハハハハ…」
隼太郎を知らない早苗は乾いた笑いをあげるだけだった。
はやり私には国語力が足りないな…
ねーちゃん!更新っていまさ!