艦隊これくしょん 〜龍騎士提督奮闘記〜【完結】   作:無限正義頑駄無

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本日2回目の投稿です。

虎姐さんことタイガーアンデッドの人間体の名前は「(じょう) (ひかる)」ですが、本作の光莉と名前が似ていて紛らわしいので「ヒカル」と表記します。
ご了承ください。



虎と龍騎士

 

時は遡り、呉鎮守府。

嶋と別れた春十はヒカルと模擬戦をしていた。

春十は変身しておらず、武器も無い素手である。

 

「はぁっ!」

 

「ぐぅっ……!」

 

ヒカルの凄まじい蹴りが、連続で春十に襲い掛かる。

1、2発目は受け流せたが、3発目に対応できずに喰らってしまう。

痛烈な一撃に呻き声を上げてしまう春十だが、すぐに体勢を立て直して反撃の準備をする。

だがそれよりも早く、ヒカルのローリングソバットが春十の腹部に食い込む。

テコンドーだけじゃないのか、と驚く暇もなく蹴り飛ばされる春十。

 

「がはっ!くっ……」

 

なんとか立ち上がる春十だったが、下半身が少しふらついついる。

 

「……ここまでにしよう」

 

ヒカルのその言葉で模擬戦は終了。

そして反省会が行われる。

 

「ハァ〜……。俺ってばベルトとカードが無いとこんな無様な姿晒しちまうのか。スパイダーアンデッドに取り憑かれてた時の上城 睦月となんら変わらねぇじゃねぇか……」

 

「確かにお前はカテゴリーKとの戦闘でかなりの枚数のカードを使用した。だが当時の睦月のように闇雲に使ったのではなく、効率良く使えていたではないか。力に頼るのと、力を使いこなすことは同じではないぞ」

 

「ありがとう。だが俺としてはもっと厳しい評価をされるのかと思ったが……」

 

「わたしはお前をひとりの戦士と認めている。だが、それでもまだまだだ。カテゴリーA以外のカードを使わずにわたしを封印できるようになるまでは、カードとしての力は貸さないと思え」

 

「ハハハ、虎姐さんはやっぱり厳しいねぇ」

 

反省会が終わったのは、ちょうど12時頃。

春十もヒカルも、身体を動かしたこともあってお腹が空き始めた。

 

「昼か……。なんか手軽に摂れるものが食べたいな。おにぎりでも作ろうか」

 

「おにぎりか。あれは心が温まる良い食べ物だ。わたしにも作り方を教えてくれ」

 

「了解」

 

そして春十とヒカルは、食堂へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、鎮守府正面海域。

睦月や加古とは、少々離れたエリア。

赤城、加賀、光莉の3人が出撃していた。

 

ちなみに光莉はその姿を民家よりも巨大なドラゴン体へと変えており、背中に赤城と加賀を乗せて移動している。

光莉に乗っているふたりの艤装は、当然燃料を消費していない。

節約できるものは節約するのが、呉鎮守府の方針だ。

 

そして現在は戦闘中。

加賀の爆撃機が最後の1隻である駆逐ロ級を沈めたので、3人はひと息つく。

 

「赤城さん、光莉さん。今の戦闘でどうやらレベルが上がったみたいです」

 

「おめでとうございます、加賀さん」

 

「おめでとう、加賀さん」

 

「ありがとうございます。しかし、わたしも赤城さんもなかなか改装が起きませんね……」

 

3人が最初の敵艦隊に遭遇してから数時間。

2桁近い数の艦隊を沈めて、赤城と加賀もレベルが2ずつは上がったのだが、一向に改装の起きる気配が無い。

 

「舞鶴の二航戦には、もう負けたくない……!」

 

静かながらも、力を込めてそう言い放つ加賀。

舞鶴鎮守府に滞在している間、赤城と加賀は舞鶴鎮守府に所属している自分たちと同じ正規空母である二航戦の蒼龍(そうりゅう)飛龍(ひりゅう)のふたりと模擬戦を行った。

 

蒼龍と飛龍は提督改装しており、装備している艦載機が全て可変戦闘機(ヴァルキリー)となっていた。

装備が初期装備のままで、レベルも彼女達の半分くらいしかなかった赤城と加賀は、圧倒的な差を見せつけられて惨敗。

もう二度と悔しい思いはしたくないと、敗北した翌日からはより一層努力を重ねている。

 

「ねえ赤城さん。もしわたしたちが提督改装するとしたら、どんな力が欲しいですか?」

 

「わたしたちが?そうですね……」

 

考え込む赤城。

自分たちに最も必要な力はなんだろうか……?

 

例えば攻撃力。

だが、自分と加賀の艦載機搭載容量は全空母の中でもトップクラスだ。

特に加賀は1位の座に就いている。

装備とレベルが並べば、スペック上は二航戦を上回る。

努力で十分得られる力な以上、これは違うだろう。

 

では防御力。

空母という艦種は、装甲空母という例外を除いて中破以上のダメージを受けると艦載機を発艦できなくなり、完全に置き物と化す。

それを避けるために防御力を強化する?

だがいくら防御力が上がろうと、当たりどころが悪ければ砲弾1発で中破を通り越して大破することもありえるのだ。

 

防御力を高めるよりも、最初から敵の攻撃に当たらないことを考えた方が現実的だろう。

となると……。

 

「速さ、ですね。誰も追いつけないくらいの速さ。それこそ二航戦も、提督もついてこれないくらいの」

 

「そうですか……」

 

「…………」

 

そう言って静かに頷く加賀と、沈黙を保つ光莉。

今日はここまでにして帰投することにした。

そんな彼女達を、はるか上空から眺めるふたつの物体。

それは、金属でできた赤いカブトムシと青いクワガタムシだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜おまけ〜

 

「山城さん。わたしが留守の間に、旦那様と何か進展がありました?」

 

「はい。まずわたしが提督にぎゅって抱き付きました」

 

「ふむふむ」

 

「そしたら提督が、頭をナデナデしてくれたんです」

 

「それで?」

 

「とても幸せな気持ちになれました」

 

「え、それだけ?キスくらいはしてると思ったのに……」

 

「キ、キキキッキス!?そんな、わたしまだ心の準備がっ(プシュー)……」

 

「……気絶してしまいましたか、初心(うぶ)ですねぇ。わたしの生涯初の恋敵(ライバル)は前途多難です」

 

 

 

 





山城が幸せな小説があったっていいじゃない。
二次創作なんだもの。

春十はIS世界であらゆるミラーモンスターと契約し、大量の武器アドベントカードを所持していました。
なのでFateのスキル「無窮の武練」と同レベルで武器全般を使いこなせますが、その分徒手空拳の戦闘が苦手です。

今話で一航戦の提督改装先が判明。
読書の予想と一致していたでしょうか。
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