艦隊これくしょん 〜龍騎士提督奮闘記〜【完結】 作:無限正義頑駄無
着任から1ヶ月。
今日の出撃で鎮守府近海の全ての深海棲艦が駆逐される予定だ。
事前の調査で強力な個体が居ないことが十分確認できたので、着任後に建造されたメンバーだけでも攻略できると判断し、着任前から共にいる所謂『初期艦』組は編成から外している。
一度に出撃できる艦娘は6人まで。
7人目以降は鎮守府外で艤装が展開できない。
また、以前春十と山城が話していた弾着観測射撃だが、他の提督と共に検証した結果、弾着観測射撃だけでなくブラウザ版にあってアーケードに無いシステムは軒並み不可能であることがわかった。
どうやらこの世界はとことん艦これアーケードが基準となっているようだ。
提督改装というイレギュラーはあるが。
ちなみに呉鎮守府の所属艦娘は以下の通りである。
山城改 Lv.74
赤城改 Lv.60
加賀改 Lv.60
睦月改 Lv.40
加古 Lv.37
島風 Lv.35
榛名 Lv.30
天龍 Lv.27
龍田 Lv.25
秋月 Lv.19
出撃しているのは改になっていない6人だ。
今回の出撃で何人かはレベルが上がるだろう。
加古か島風あたりが改になってくれるとありがたいんだが、とソファーに座る春十はひとり思う。
「旦那様〜♪」
そんな春十の元へ光莉がやってきて、春十の膝を枕にして寝転がる。
春十は壁にある時計を見やる。
加古たちが敵のいるエリアにたどり着くまでまだ時間があるし、転生してからはふたりきりの時間をあまり作れなかったこともあって、春十は光莉を甘やかすことにした。
「〜♪」
光莉の頭を撫でる春十。
心地良さそうに声を漏らす光莉。
「提督、あとでわたしにもお願いしますね?」
山城は春十にお茶を淹れたあと、そう言って退室していく。
現在、呉鎮守府では山城➡︎春十⬅︎光莉の三角関係が出来上がっている訳だが、実際はそこまでドロドロしたものではない。
春十を奪い合う間柄である光莉と山城の関係は良好だし、嶋たちアンデッドや一航戦は彼女らを微笑ましく見守っており、睦月は赤面しつつも興味津々といった感じだ。
後から着任した艦娘も大体似たような反応をしており、呉鎮守府は今日も平和だ。
☆
春十と光莉のイチャイチャから2時間後。
作戦は無事に終了した。
『こちら旗艦 加古。作戦完了、これより帰投しま〜す』
「呉鎮守府了解。皆、ご苦労だった」
『はいっ。榛名は大丈夫です!』
『オレにかかりゃあ、ざっとこんなモンだぜ』
『そうね〜。もっと潰し甲斐のある相手が居る
『次の作戦も、この秋月にお任せください!』
『ねぇねぇ提督、わたしと加古さん今回の作戦で提督改装できたよ〜!』
「何だと!?」
『帰ったら見せるね〜(プツン)』
「…………マジか」
島風の最後の言葉に、暫し呆然とする春十だった。
☆
翌日。
提督改装した加古と島風が模擬戦を行っていた。
改になったふたりのステータスは以下の通りである。
加古改 Lv.38
艦種…重巡洋艦
装備
1…20.3cm連装砲 (×2)
2…12.7cm連装高角砲 (×2)
3…61cm四連装魚雷 (×2)
4…ジョーカーラウザー (×2)
島風改 Lv.36
艦種…駆逐艦
装備
1…10cm連装高角砲
2…61cm四連装(酸素)魚雷
3…トレーラー砲
加古はジョーカーアンデッド、島風は仮面ライダードライブ・タイプフォーミュラの力を得たようだ。
提督改装した加古は♥︎のラウズカード13枚を所持しており、現在は♥︎Aのカードを使用して仮面ライダーカリスになっているので、第4スロットの装備が『醒弓カリスアロー』に変化している。
この1ヶ月の開発で♠︎のラウズカードも全て揃ったので、ラウズカードはコンプリートしたことになる。
かつて嶋が言った『♥︎のアンデッドが現れるだろう』という言葉は、加古の提督改装のことだったのかと、ふたりの戦いを見ながら春十は思った。
島風はタイプフォーミュラの高い機動力を活かし、加古に少しずつダメージを与えている。
このままだとジリ貧になると判断した加古は、腰にあるカリスラウザーをカリスアローと合体させ、植物が描かれた♥︎7をスキャンする。
♥︎《BIO》(1600MP)
それによってカリスアローから蔓が飛び出し、動きが止まった直後の島風に巻きつく。
カリスラウザーの初期APは7000ポイントなので、残りは5400ポイントだ。
対する島風は、黄色いミニカーのようなアイテム『シフトスパーナ』をレバーに変形させて、左手の『シフトブレス』にセットする。
《タイヤコウカーン!!》
《FORMULA 03 !!》
島風の右手に、スパナのような突起が付いた黄色いタイヤが装着される。
島風が突起を蔓に押し当てると、突起から電流が発生し、蔓を通じて加古にダメージを与える。
「うあぁっ!くっ……。やるね、島風」
「加古さんこそ」
加古と島風はお互いを賞賛する。
ちなみに島風の腰にある『ドライブドライバー』には、あの『ベルトさん』こと『クリム・スタインベルト』の人格が宿っていた。
どうやら『MOVIE大戦ジェネシス』までの記憶があるようで、最初は別世界に来てしまったことに困惑していたが、この世界の人類が深海棲艦という存在に脅かされていることを知ると、人間を守るために力を貸してくれることを約束してくれた。
『島風、トレーラー砲を使うんだ』
「うん!」
《スパーナ砲!!》
クリムの指示に従い、島風がトレーラー砲を大砲モードにしてシフトスパーナをセットする。
島風がトリガーを引き、電気の力が宿った砲弾が加古に迫る。
「悪いけど、そんなの喰らわないよ」
♥︎《REFLECT》(1800MP)
『3600AP』
蛾の描かれた♥︎8の能力で、砲弾が島風に跳ね返る。
「きゃあっ!」
『なんだと!?』
まさか跳ね返されるとは思っていなかったのか、島風は砲弾をまともに喰らってしまい、クリムも驚愕する。
その隙を、加古は見逃さなかった。
♥︎《FLOAT》(1000FP)
♥︎《DRILL》(1200FP)
♥︎《TORNADO》(1400MP)
♥︎《SPINNING DANCE》
『0AP』
加古が黒い竜巻を纏いながら宙に浮かび上がり、体を回転させながら島風に向かって蹴りを放つ。
対する島風も、ドライブドライバーのイグニッションキーを捻り、スパーナに交換する際に抜いた青色のシフトカー『シフトフォーミュラ』を再びセットする。
《Drive, type FORMULA !!》
島風のタイヤコウカーンはギリギリ間に合い、加古のスピニングダンスを回避する。
攻撃が空振った加古は、体勢を立て直す前に島風のトレーラー砲を後頭部に突きつけられる。
模擬戦は島風の勝ちだ。
「あ〜あ、負けちゃった」
「確かにそうだけど、わたしもギリギリだったし。というか模擬戦なんだからあんな大技使わないでよ!」
『うむ。島風の回避が間に合わなかったら、と思うとゾッとするね』
「ごめんごめん。次からは気をつけるよ。それじゃあ提督〜、わたしお昼寝してきま〜す」
「わかった。ゆっくり休め」
「は〜い」
そう言って去っていく加古。
この場に残ったのは春十と島風のみ。
「それじゃあ提督、約束通りかけっこしよう!」
「今からか?疲れているんじゃないのか?」
「ううん、これくらい大丈夫!」
「島風がそう言うなら構わないが……」
赤城と加賀を呼んで、4人で徒競走を行った。
結果は、シフトアップした島風が他3人のクロックアップに並び立ち、全員がほぼ同着というものだった。
他にクロックアップできる者がいないため写真判定ができず、正確な順位は誰にもわからない。
「わたしが1番?」
かもしれない。
加古は図鑑No.53なので、53番目のアンデッドの力を得てもらいました。
今話でこの世界にラウズカードが全て揃いましたが、
島風はマッハにしようか悩みましたけど、最終的にタイプフォーミュラにしました。
ドライブ23話の描写を見る限り、クロックアップと同レベルの動きができるのではないでしょうか。
島風が持っているシフトカーは、フォーミュラとピットクルーの計4台です。
フォーミュラが風、マンターンが炎、ジャッキーが物理、スパーナが電気の属性を持ってます。