艦隊これくしょん 〜龍騎士提督奮闘記〜【完結】 作:無限正義頑駄無
これでタグに仮面ライダーを入れることができる……。
敵艦隊を撃退した春十と山城は、光莉の元へと戻った。
「おかえりなさい、旦那様、山城さん。キーが挿さったままの車を見つけました。これで脱出しましょう」
そこには1台の乗用車があった。
「こっちは敵を1隻逃がしてしまったが、厄介な奴は無力化した。連中が増援を呼んで来る前に出発だな」
「わかりました」
お互いの成果を報告すると、春十は山城と共に、先程の戦闘で消費した弾薬等の補充を始める。
「なあ、山城」
「なんですか、春十提督?」
「前世じゃゲームの
「いいえ。ただ、
「……そうか」
春十は、山城も自分と同じく何者かの手によって転生したのかと考えたが、山城に心当たりが無い以上、答えは出ないと判断し、この話題を終える。
「随分と仲がよろしい様ですけど、何かあったのですか?」
ここで蚊帳の外だった光莉が話に加わる。
春十は、山城が前世で自分がプレイした艦これアーケードで主に使用していた艦娘で、当時の記憶を持っていることを話した。
「むぅ。わたしよりもずっと前から旦那様と親しい女性が居たなんて……」
むくれる光莉に対して、山城はえっへんと胸を張る。
そのバストは豊満であった。
「さっきから気になってたんだが、山城はどうしてそんなに俺に好意的なんだ?」
ここに戻って来るまでの間、山城はずっと春十に抱きついていた。
艦これのゲームはアーケードしかプレイしたことの無い春十だったが、思い入れのある艦娘くらいは調べていたりする。
山城は、姉の扶桑が大好きなシスコン艦で、提督からのケッコンカッコカリの申し込みを断る『ケッコンオコトワリ』勢の艦娘のひとりだ。
なのにどうしてここまで懐かれているのだろうか。
「提督が、他の娘の誰よりもわたしを育ててくれたからです」
「いや、確かにうちの鎮守府じゃお前が最高レベルだったけどさ……」
それだけで好意に繋がるものかと春十は疑問に思う。
入渠のデイリー任務をクリアするために、敵の攻撃にわざと当たったこともあるのだ。
寧ろ嫌われて当然だと思うのだが……。
「確かに鎮守府には提督にあまり良くない感情を抱いていた艦娘も居ました。着任してから一度も出撃させてもらえずに放置された駆逐艦の娘とか。あと、日向さんは『わたしがドロップする度に落胆するのはやめて欲しい』と言っていました」
「駆逐艦の方はともかく、日向には絶対に謝らねぇぞ。文句があるならとっとと航空戦艦になりやがれってんだ」
前世の春十は、戦艦と正規空母がメインの火力重視の艦隊で戦っていたので、まともに育成していた駆逐艦は極少数だった。
「ですがわたしは誰が何と言おうと、春十提督のことが大好きです。これからは貴方の『嫁艦』として、ずっと貴方について行きますね」
「面と向かって言われると恥ずかしいんだが……」
二次元の嫁に『好き』だと言われる春十。
普通なら喜ぶところだろうが、いざ体感してみると羞恥心の方が大きい。
そして三次元の嫁である光莉はというと……。
「ふふっ。まさか転生早々ライバルが現れるとは……。燃えますね」
山城の告白と『嫁』宣言で、心に火を点けていた。
IS世界では、春十を巡る恋のライバルと呼べる存在が居なかったので、山城の登場は光莉としては大歓迎だった。
恋とは、障害が多ければ多いほど、燃え上がるのだから。
そうこうしている内に艤装への補給が終わる。
時刻は夕方で、空はすっかり赤く染まっている。
今すぐ出発するよりも、空母が艦載機を出せない夜まで待った方が良いと判断した三人は、日が暮れるまでの僅かな時間を食料調達などをして過ごす。
そして夜になり、三人は車に乗り込む。
念のため、空席やトランクには食料だけでなく燃料や弾薬も積んでいる。
春十の運転で発進した車は、海岸沿いの道路を走っていた。
町の外と繋がっている道がこの1本しか無かったのだ。
移動は順調に進んでいた……筈だった。
ヒュン、ヒュン……!
何かが風を切る音が聞こえた。
三人が周囲を見渡すと、海の上に金色に光る物体がふたつあった。
「提督!空母ヲ級flagshipです!」
「もう援軍が来たのですか!?」
昼に戦ったヌ級以上のスペックを有する正規空母、ヲ級。
更にその上位個体であるflagship。
それが2隻。
「てことは今の音は艦載機か!?何で夜なのに発艦できるんだ!?」
空母ヲ級flagshipには、夜間でも艦載機を飛ばして戦闘を行うことができる能力が備わっている。
だが前世の春十は、ヲ級flagshipを夜戦前に撃沈ないし中破させていたので、ヲ級のこの能力に気付くことは無かった。
春十の艦娘である山城も当然ながら知らないことで、三人にとって予想外な事態に、ヲ級に先手を取られてしまう。
ドカン!ドカン!
「うわっ!?くっ、このぉ……!」
ヲ級から放たれた艦爆が、春十たちの前方の道路に爆撃を仕掛ける。
春十は車をジグザグ走行させることで回避行動を行うが、それもいつまで続くか。
「提督、わたしが降りて足止めをします。先に行ってください」
「なっ……!?馬鹿を言うな!相手は違ってもこっちは艦載機を出せないんだぞ!主砲だけでどうやって戦うつもりだ!」
航空戦艦とは、戦艦の主砲の一部を取り外して、代わりに航空甲板を搭載した戦艦のことを指す。
それによって艦載機の運用が可能になったが、主砲の数が減った分、純粋な火力は戦艦よりも劣るのだ。
そして艦載機が飛ばせない夜は、火力を落として得た分のリソースが全て無駄になってしまうことを意味する。
そんな状態で、しかもたったひとりで戦うというのか。
「議論をしている余裕はありません。失礼します」
「あっ……!オイ、山城!」
山城はドアを開けて飛び出し、艤装を展開して戦闘態勢に入る。
ヲ級は攻撃対象を山城に変更したため、車への妨害が無くなり、山城の姿がみるみる遠ざかっていく。
「くそっ!」
悪態を吐く春十。
その心にあるのは無力感だ。
IS世界では、仮面ライダーとしての力を誰かを殺すことに使ってしまった経験から、自分が『力』を持ち続けることに抵抗を感じていた。
艦これの世界に転生した当初、その力を失ったことに対し、驚愕と理不尽に叫んだものの、心の半分では安堵していた。
もうIS世界の頃と同じ道を歩むことは無い、と。
だが、今の自分は『力』が無いせいで、大切な人を見捨てようとしている。
「なあ女神様よ、まだ特典は届かねぇのか!?こんな俺を慕って、世界を越えて来てくれた
そんな春十の叫びが届いたのか……。
ドンッ。
車が正面にあった『何か』を跳ね飛ばした。
春十と光莉が下車して確認すると、それは段ボール箱だった。
箱の表面に手紙が貼り付けられている。
『お待たせしました。
これが今回、貴方に授ける特典です。
三度目の人生に、幸あらんことを。
女神より』
春十が荒い手つきで箱を開封する。
中身を確認した春十は、光莉の方へ振り返る。
すると光莉は、白く淡い光に包まれていた。
数秒で光が収まり、光莉は春十に頷く。
彼女のミラーモンスターとしての力も戻ったようだ。
春十は箱の中身を手に、光莉と共に無言で再び車に乗り込むと、来た道を全速力で逆走する。
しばらくすると、山城とヲ級の姿が見えてきた。
ヲ級は2隻いる内1隻が中破しており、対する山城は小破といったところだ。
春十は車を加速させ、ちょうど山城へ行われようとしていた爆撃を車体で庇う。
天井を貫通したが、ふたりや燃料タンクには幸いにも当たらなかった。
「どうして戻って来たんですか、提督」
「お前を見捨てる訳にはいかないからな」
「提督だけでも逃がそうと思ったのに……。不幸だわ……」
「やっぱり死ぬつもりだったのか……」
下車した春十に文句を垂れる山城。
対する春十の口から
「まあ、わたしと旦那様が戻って来た以上、そうはなりませんけどね」
「でも、提督たちが戦うなんて……」
「ついさっきできる様になったんだな、これが。まったく、女神様の速達便に感謝だな」
そう言って春十は、クワガタムシが描かれたダイヤの
すると、箱型のアイテムからカードの束のベルトが飛び出し、一周して春十の腰に巻きつく。
「変身!!」
♦︎《TURN UP》
春十がゲートをくぐることで、その身体は鎧に包まれる。
赤いスーツに銀のアーマー。
頭部にはクワガタムシを模した2本の角があり、眼は緑色をしている。
仮面ライダーギャレン。
それが今の彼の名だ。
新たな力で生まれ変わった龍騎士が今、羽ばたく……。
箱の中身…仮面ライダーギャレン変身セット
・ギャレンバックル
・醒銃ギャレンラウザー(変身前でも使用可能)
・ラウズアブゾーバー
・ラウズカード ♦︎A〜♦︎Kの13枚
今日のアーケードの収穫
・名取
・由良ホロ
・望月ホロ
これでまだ一度も入手してないのは長良だけになりました。
しかし対潜レシピをいくら回しても三式爆雷投写機が出てこない!
開発可能な装備で持ってないのこれだけなのに……!