彼と結子と
その友人たちが
入学してしばらくたつと
その友人のもとに来るものが出た
「ううーん
いい天気だね
絶好の写生日和」
「うえええ・・
私、絵ダメなのに~
写真だったら自信あるのにな・・」
そんなことを愚痴る少女
「恵美?
それじゃあ
美術の授業にならないでしょ?
それにこういうのは
自分で書いてみる
のが粋なんだから」
「そういうものかな」
「そうだよ・・・
下手であったも別に
相手にうまく伝えられれば
いいのよ・・・
ピカソだって見た目は下手だけど
しっかり芸術品だって認められてるんだし・・・」
「彩奈、あれは抽象画と言って・・」
と屋上に上がってきた五人の少女
「あれ?
先客?」
屋上を見てみると
そこでは一人の少年が
ぼっと空を見ている
「あ、誠二君・・・」
その姿がはっきり見えると
つぶやくようにその少年の名前を言う
すると
「せ~いじ
一応授業中なんだから
起きなさいよ
起きないと・・・・しちゃうぞ?」
「・・・寝てないよ別に・・・
っていうかそのノリ
思春期真っ盛りの息子にせがんでくる
お母さんみたいだよ・・・」
「私が老けてるとでも言いたいのかしら?
私はね、あなたのことが
心配で心配で心配で心配で
いつも眉間にしわを寄せてね・・・」
とまたぐちぐちと言ってくる結子
「・・・・はあ・・・
まあいいわ・・
それにちょうどよかった
一緒に美術の絵をかきましょうよ
みんなも丁度いるんだし」
「みんな?」
と扉の方を見てみる
「やっほー、誠二~」
「誠二君」
うち二人は気軽に声をかけてきた
「あ、恵美ちゃんに栞ちゃんに
美穂ちゃんに・・・」
「どうも」
「・・・それから・・・」
と誠二は彩奈の方を向くと
彩奈もそれに気づきやや赤面している
「・・・彩奈ちゃんだ」
「う、うん!
お、おおおおはよう誠二君!!
そそ、その、いい天気だね」
「・・・そうだね
それにしてもほんとだ
みんな一緒だ」
と五人を見渡すように見つめている
「ねえねえ誠二
せっかくだし
ここにいるみんなのこと
描いてみない?」
「えーでも
今日の課題は風景画でしょ?」
「大丈夫よ
風景と一緒に
みんなのこと描いてみてよ
そうすれば問題ないでしょ?」
「そうかな・・・」
結子の無茶ぶりに
頭を抱える誠二
そんな様子を
じっと見つめている彩奈
「どうしたの彩奈?」
「あ、う、ううん
なんでも・・・」
「彩奈はまた誠二君のこと
見てたのよね~」
「ちょっ、美穂!?」
それを聞いて恵美はにやりと
悪い笑みを浮かべる
「おやおやぁ~
彩奈ちゃんはやっぱり
誠二のことが気になるのかな~?」
「な、恵美・・・
だから違うってば」
「でもそう簡単にはいかないわよ
詩織でしょ?、栞でしょ?
それから千鶴と野村さんもそうみたいだし
そして何より・・」
と恵美は視線を
誠二にじゃれている結子のほうにむける
「あの誠二バカ大魔王がいるからね」
「大魔王ね・・」
「・・・・・・・」
すっかり赤面して
黙り込んでしまった彩奈であった
「それで?
きっかけは?」
「き、きっかけって・・・
で、でもいいなって
思い始めたのは、その、えっと・・・」
・・・・・・・・
彩奈が結子と誠二と
知り合う少し前
私は不良グループに
連れられて旧校舎に連れられてしまった
服に手をかけられ
胸があらわにならんとした
その時
「・・・何してるの?」
そこに一人の少年が入ってきた
「・・・・ああ!?
なんだお前は!
邪魔するんじゃねええええ!!!!」
と一人の不良が少年に飛び込み
殴りかかっていくが
たやすく交わされ
それどころか鳩尾に
拳を叩き込まれた
「がは・・・・!」
「まったく・・・
大の男が三人がかりで
一人の女の子を襲おうなんて
恥ずかしくないの?」
と殴った不良をその辺に
転ばした
「てめええ!!!」
また一人
今度は近くにあった椅子を
投げ飛ばしてきたが
それも動きでかわした
「んな!?」
それを見て驚く不良
「もういいでしょ?
今日はもう帰ったら?」
「てめえ・・・・」
「ざっけんな!」
と二人がかりで向かっていく不良たち
だが
「やめろ!」
リーダー格の少年が
声を上げて言う
「れ、蓮君・・・・」
「今日はもういい
興が覚めた・・
行くぞお前ら」
と去っていこうとする
「お前確か
同じクラスにいたよな?
確か・・・」
「誠二・・・
3年3組 出席番号23番
北斗 誠二だ・・・」
「そうか・・
ようく覚えとくぜ・・
おい」
と二人を連れてその部屋を出ていく三人組
「・・・・・・・」
はだけた服を手で覆って
嗚咽を漏らす
「・・・大丈夫?
どこもケガしてない?」
と少年は声をかける
「うん・・・
ありがと・・・」
「あ、君ってひょっとして
藤沢さんだよね?
おんなじクラスの」
「え・・・?」
「僕ね、クラスの子と名前
全部覚えてるんだ
君のことも見てたから」
「え、あ、その・・・」
誠二は服を手渡して
彼女に羽織らせた
「明日返してくれればいいから
じゃ・・・」
「あ、ちょっと・・・」
と部屋を出ていくのであった・・・・・・・・
・・・・・・・・
「「「べただね~」」」
「うるさいわね!」
話の感想には全員がそうであった
「それにしても
彼ってすごい喧嘩強かったのね・・」
「誠二ってね
剣術とボクシング全般
やってたしね・・」
「あと馬術・・・」
「「へえ~・・」」
恵美と栞の説明に
美穂ほ彩奈も感心する
「それであんなに強かったのね・・・
打ち込みも鋭いって思った・・・」
「彩奈、変な感想言ってると
余計にバカって思われるわよ」
「美穂!
どっちの味方なの!?」
「さあ?」
そんなこんなで
「それからだよね
うちのクラスが
三つのグループに分かれちゃったの・・」
「なんでも今回のことを
かぎつけた結子と真莉が
二人のこと守るために
不良グループに抵抗するために
それぞれでグループ作っちゃったんだよね・・・」
「ええ!?
そうだったの!?」
「この学校において生徒のみならず
教師たちも手を焼いている学校一の問題児
常盤 蓮率いる
不良グループ
それに抵抗するために作られたのは
結城真莉を代表格とし
彼女と渋谷 真央、奥井 詩織
この三人を中心に構成された通称、真莉グループ
クラス委員である
滝嶋 結子が率いる最小ながらも
絶大な権力を誇る通称、結子グループ
この3年3組の三大グループの均衡が崩れてしまうと
クラス内の力のバランスが崩れかねないとされるほどの
絶対的な力ぁ!」
「・・・・美穂、たまに変なこと言うよね・・・」
テンションのおかしい美穂に
ツッコミを入れる彩奈であった
「でも彼って不思議だよね・・・
こんなにも多くの人の心を
動かしてるんだから・・・」
「そうだね・・・
私もであったとき
おんなじこと考えたんだよね」
と彼のほうを見る
当の彼のほうは
「いいじゃない~
描いてよ~」
「だから授業のほうをね・・・」
結子の相手をしていたのであった・・・・・・・・
「フフフフ・・」
「フフ・・・」
ほかの面々に自然に笑みが見え始めていくのであった・・・・・・・・
日常はまだ始まったばかりだ・・・・・・・・
もしも、日常が普通のものだったら・・・・・・・・