世界のどこかで・・・・・・
今、この時も・・・・・・
僕は星空を見上げ・・・・・・
星座を探している・・・・・・
その中でも僕が好きなのは
大熊座にある、七つの星によって
構成された柄杓の形の北の目印
北斗七星・・・・・・
そこから曲線を描くように
したところにあるのは
牛飼い座の一等星、アークトゥルス
さらに伸ばした先にあるのは
乙女座の一等星、スピカ
さらに伸ばした先にいあるのは
日本でも太陽の使いとされている
烏座・・・・・・・
これらによって構成されている
春の大曲線・・・・・・
彼はこれが好きだった・・・・・・
この大曲線のうち
二つの一等星に
獅子座の二等星、デネボラ
それと結ぶことによって形成されるのが
春の大三角・・・・・・
さらにそこに
猟犬座のコル・カロリ
それを結ぶことにとって
構成できる巨大なひし形
春のダイヤモンド・・・・・・
この星々が大好きだった
でも少年は
今はこの星々を見ることはできない・・・・・・・・
・・・・・・・・
ある日の夜
少年は星々を見ていた
するとそこに
「何してるの?」
声をかけてきたのは・・・・・・・・
「彩奈ちゃんか・・・
こんな夜中に
かわいらしい女の子が
一人で出歩いてていいのかな?」
「あら、私のことかわいいって
言ってくれるなんてね
心配してくれるのは
うれしいけれど、私もあいにく
そこまで弱くないのよ」
「運動音痴なのに?」
「うぐっ!」
「スポーツも散々だったのに?」
「うるさいな!
そうだったとしても
絡まれた時くらいのことは
どうとでもなるわよまったく・・・」
少し怒る彩奈
「それで?
何をしてるの?」
「うん、今日はいい天気だなって思って・・・」
「いい天気?」
と彩奈はふいに
空を見ている
「きれい・・・」
「きれいでしょ・・・
花の名前は知らずとも
花が美しいことを人は知っている・・・
星だって一緒さ」
「星か・・・
あの星々にも
名前があるの?」
「うん・・・」
すると
「ねえ、彩奈ちゃん
彩奈ちゃんはさ・・・
星座、好き?」
「え?」
「僕は好きだよ・・・
星座は僕にとって
僕の人生の原点だって
言ってもいい・・・
でも、この季節の星座は
今は嫌いだ・・・
僕の大切な人が好きだった星座だから・・・」
彩奈はそれを聞いて
芝生の上で横になった彼の横に
座り込んで、横になった
「ねえ、誠二君・・・
よかったら
星座のこと、教えてくれる?」
「うん?」
「私も星座に
興味が出てきたし・・・
星座のことが分かれば
あなたのこともわかるかも
しれないから・・・」
彩奈はそう答える
すると・・・・・・・・
「彩奈ちゃんで三人目だね・・・
星座に興味を持ってくれたのは・・・」
彼はそうつぶやいた・・・・・・・・
「え・・・?」
「ううん・・・
なんでもないよ・・・
ねえ、それよりもあそこ見て
あそこにWの文字のような
星の並びが見えるよね・・・?」
「えっと・・・
あった、あそこね」
「あれはカシオペア座
北の空に一年中見えて
昔の人の北の目印なんだ
そこの隣にほら・・・
柄杓のような形の星の並びが
見えるでしょ?
あれが北斗七星・・・
その線をこう
カーブで結んでいく先に
とても輝いてる星がある
あれは
牛飼い座のアークトゥルス・・・
さらにその先にあるのが
乙女座のスピカ・・・
さらにその先にある四角い形の星座が
烏座なんだ・・・」
「へえ・・・」
「そのうち、アークトゥルスとスピカ
その隣にある獅子座の二等星のデネボラで
作られるのが春の大三角形・・・
その大三角に・・・」
すると
彼の説明が
急に止まる
彩奈はふいに
彼のほうを見ると
彼の目から涙が流れていた・・・・・・・・
「誠二君・・・?」
「・・・ううん
なんでもないよ
それでね・・・」
と説明を続けていく誠二であった・・・・・・・・
・・・・・・・・
藤沢家
「カシオペア座・・・
北斗七星・・・
アークトゥルス・・・
スピカ・・・
烏座・・・
春の大曲線、か・・・」
彩奈は空を見上げて
彼に教えてもらったことを
復唱していく
「でも、そうしてあの時彼は・・・
泣いてたんだろう・・・」
するとふいに
彼の言葉を思い出した・・・・・・・・
ー星座は僕にとって
僕の人生の原点だって
言ってもいい・・・
でも、この季節の星座は
今は嫌いだ・・・
僕の大切な人が好きだった星座だから・・・-
「嫌い、か・・・
今度結子か恵美に
聞いてみようかな・・・」
彩奈はそう言って
眠りについたのであった・・・・・・・・
彼の過去を知るものは
今はごく少数・・・・・・・・
もしも、彩奈が彼と星座を見ていたら・・・・・・・・