タイムスリップから帰還しました。
\(^o^)/拙作の2次ものをご覧頂ければ幸いです。
貿易商のレイヨンとその2人の子供、アウラとマーシャの兄妹(10才と8才)は海へ投げ出されたが幸運にも生きてラターナの港にいた、目を覚ました3人は大勢の視線に見下ろされていた。
「お、生きていたか?」
「無事で良かったぁ」よくみると彼らには足がなく代わりに魚の尻尾が生えている。これが人魚とかいう種族か、話には聞いていたので存在は知っていたが実際目の当たりにしたのは初めてだった。家族と人魚達に14、5人が駆け寄ってきた、大半は人間だったがワーウルフやラミアも混じっている。彼らの住んでいたところにはこれ程の亜人はいなかったので子供達はすっかり怯えてしまっている。
この一家は海に落ちて沈みかけていたのを人魚達に助けられて港に上げられた、しかし助けたはいいがどうも服装からしてこのエクレア大陸の人間ではなさそうでこの後どうしたらいいか人魚達にはわからない。そこで彼らと交流のある漁師に頼み街までひとっ走りしてもらう。
連絡を受けて多くの住民がやってきた、別大陸からきたと見受けられたので彼らとも付き合いがあるラミアと子供もいるので人当たりがいい男性が選ばれて一家に近づく。
「溺れていたのはこの人達?」
「大丈夫ですか?何がありましたか?」次第に落ち着きを取り戻した3人は少しずつ自分達の身の上を話し始めた。
アズル大陸で暮らすレイヨンは去年妻を亡くしてからは子連れで商用の航海にでていたが今回は乗っていた船が嵐に遭い一家揃って海に投げ出され、気がついたらこの港にいて人魚達に囲まれていたらしい。ラミアのベポラは一家の顔を繁々と見つめるとレイヨンを指し
「この人なら商船の中でみかけた事があるわ、取り引きはしてなかったけどね」
「俺のいた大陸の民族衣装に似ている、多分そこから来たんじゃないか」こことは違う大陸出身のワーウルフが言う、一家の出自は分かったがしばらく帰れないだろう。彼らに少し遅れてこの街の領主がきた。
「できるだけ早く船を手配し故郷へ帰してやろう、マスターはすまないがしばらく面倒を見てやってはくれまいか?」
「僕は構いませんよ、それじゃこちらへ」レイヨンは子供達の手をとりマスターと呼ばれた男性の後をついていく、時間は夕方になろうとしていた。
案内されて入ったのは食堂か酒場にみえるがレイヨンの知るソレとは随分違っていた、床やテーブルは清潔だし天井には見た事のないランプが規則的に取り付けられていて、窓が開いてないのに心地よい風が漂っていて楽器も演奏する者もなく聞き覚えない音楽が鳴っている。子供達の手前、平然としているがホントはレイヨン自身も目を丸くしていた。
「ここは僕の店です、皆さんは今の内に夕食を…アレ?どうしたの、マティス」
「マスター、デミグラスソースがなくなりそう。私じゃ作れないし」レイヨンの心に衝撃が走る。
「冷蔵庫に予備があるから、直火にはかけないで湯煎して。うん、今日も忙しくなりそうだな」この日の夕食時も全席が埋まりっぱなしの越後屋、客足が落ち着いたのは(この世界的に)夜も更けた頃だった。
「夕食遅くなっちゃいましたね」申し訳なさそうにレイヨン一家の前に食事を並べる大輔、女性店員は既に帰った後で今いる店員は彼とパックスだけである。
「こちらがお世話になっているんです、お気遣いなさなず」レイヨンは恐縮するが子供達は空腹の限界がきている様子だ。
「中華丼です、熱いので口の中を火傷しないように注意して下さい」フォークを器にいれると下には米、この大陸ではオリゼと呼ばれるモノがギッシリ詰まっている、その上には薄い褐色のスープが米の中に染み込む事なく浮いている。掬ってみると少しだけ固まっている、どんな魔法が使われているのか、隣をみると子供達は無我夢中でこの料理をガッツいている。レイヨンも食べてみる。
「なるほど、半分固まっている事で米に完全に染みずにベタつかないのか、それに具材も猪肉以外見た事ないな、このしゃきっとした歯応えの野菜にゼアを縮めたようなヤツ、葉野菜はプラッカでもラトゥールでもない、スピンかな?」家族3人米粒一つ残さず平らげる。
翌日レイヨンは船の手配を断りこの街で暮らす許可をもらう為に領主の邸を訪れた、コルトン公爵は快諾した。更に商業ギルドにも出向いて仕事を探す。昨日港で会ったギルド長のヴァルガスに
「この街に居着くのか、どういう了見だ?そりゃアンタの自由だが」レイヨンはこの街が気に入ったからと返したがホントの理由は今はまだ誰にも秘密にしておくつもりだ。
「あの
今後もタイムスリップはします(笑)。
・スピン→ホウレン草
チンゲン菜がなかったので代わりに(笑)