異世界料理店越後屋   作:越後屋大輔

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最近ネタが思い付かず書くペースも落ちてます、みんなオラに元気(ネタ)を分けてくれ!
すいません、某有名作品から一言パクりました


第77話エルフ神と前菜あれこれ

 今日も1人の女神が下界に舞い降りた、先に出自を明かすと彼女は生来の神ではない。

 ある時彼女はある世界のある国の高貴な生まれの女であり、最愛の男と結ばれめでたく夫婦となるもその人生は短かった。彼女は死に際に夫である男に自分の死後は妻を娶らないでほしいと言い残し夫がそれを承諾したのを受けて死んだが約束は2年後にアッサリ破られる。

 彼女は悪霊となり元夫と後妻にありとあらゆる呪いをしかけ嫌がらせを続けたがある神の強力な法術に敗北する。そして冥府にて裁かれた結果本来生まれ育ち、死してなお留まっていたところとは別の世界に前世の記憶を有したまま転生する事になった。

 

 2度目の人生ではエルフに生まれた彼女は伴侶としてエルフの1/10程の寿命しか持たない人間を選んだ、相手の男を愛してはいたがそこには今度こそは夫より生き永らえてやろうというしたたかさもあった。やがてエルフにとってはさほどではないが人間には充分過ぎる時が経ちその夫が信じられない遺言を伝えて旅立った。

 「お前はまだ若い、俺が死んだら新しい伴侶でも恋人でも見つけて幸せになってくれ」彼女は前世を含めた人生で初めて己の身勝手さを痛感し、我が儘を恥じた。その後自分がどんな生き方をしたかはもう忘れた。ただ2度目の死を向かえた時何者かに

 「新しい世界がまた1つ完成した、そこの神となるがよい」と命ぜられたのだけは数億年経った今でもはっきり憶えている。

 

 時々同僚達から話を聞かされていた彼らがこのところ足しげく通うこの料理店の主はどうやら3人の女に狙われているらしい。それに気付くと急に過去に思いを馳せた。

 とはいえ彼女は食事と酒を楽しむ為にやってきた、出歯亀行為なぞ神になって以降興味がわかない。

 「酒精の強いお酒と軽めの肴を何品か頂けるかしら?内容はお任せで」同僚達と比べるとあまり健啖でない彼女はウェートレスに伝える。

 

 「せっかくだから和洋中の前菜を1つずつ出してみるか」大輔が冷蔵庫を開けるとその日仕入れて柔らかくなるよう仕込んだ蛸、パックスと手作りしたマカロニ、ガーリンから買い取った木耳がある、それらを手際よく調理してロティスにテーブルまで運んでもらう。

 

 「お待たせしました、赤ラーケンとグルミスの酢の物、マカロニツナサラダ、キクラゲのタカノツメ炒めです。お酒はジントニックをご用意しました」筒の形にした小麦を練ったモノと解した魚の身に絡む濃厚な味を持つ白いソースが強めの酒によく合う、口直しにキクラゲとかいうのに手を出す。

 「全体的には少し甘めに味付けしてあるのね、この赤くてピリッとしたのがタカノツメとやらかしら?鳥の部位には見えないけど」

その謎は店主と常連と見た水棲の亜人の会話で明らかになった。

 「こいつは猛禽の鍵爪に似てやすね」

 「粉末にしないで使いますからね」聞き流す振りをして酢の物に手をつけるとそれまでとは違う強い酸味に驚くがこれも強い酒と相性がいい、最終的に肴3品でグラス10杯もの酒を空けて酔い潰れてしまった。

 「ああここにおりんした、ちーと呑みすぎおすえ。皆さんわっちの友達が堪忍やわ」以前この店にきた花魁風の女神は店内にいたお客と従業員全員に詫びると泥酔したこのパッと見はエルフの肩を担いで店をでていき、大分離れた場所まで歩いてから天界に戻っていった。

 

 「うう、頭痛~い」翌日エルフ女神は激しい宿酔(ふつかよい)に悩まされる。

 「自業自得でありんす、神の威厳というのも考えなんし!」

 「大っきな声出さないで、脳に響くぅ~。それに私あそこの神じゃないし」それでも神の任務は全うしなければならない、痛む頭を押さえつつこのエルフ神は今日も自分が担当する世界を監視する。




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※神々のフルコース
・前 菜→和洋中の盛り合わせ3品
・スープ→豚汁
・魚料理→鰹のたたき
・肉料理→未定
・ソルベ→未定
・メイン→未定
・サラダ→未定
・デザート→大学芋
・ドリンク →未定

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