※第21話「薬師師弟と行く年来る年」で『牛』の異世界語をだしましたがカットして一部修正しました。
大輔との仲が全然進展しないロティスは彼が
同じく大輔に思いをよせる獄卒の白夜は仕事場近くの冒険者ギルドに赴き、おそらくは世界最強の冒険者で大輔の親友でもあるルカの動向を探っていた。彼への恋が実るよう、天にも通じるあの男に神様へ口添えしてもらおうと。これぞホントの神頼みという訳だ、だがようやくコンタクトをとれたルカからは断られた。それどころか神様に自分勝手な願い事などとんでもない、と叱責されてしまった。
「ルカちゃんのいうのは尤もね」
「可哀
「女神様、このところ下界に降臨なさる日がやけに多くございませんか?」ドキッ!慌てる幼女神様。
「ワタチ1人じゃないでちゅ、この…ア!」オカマ神様は隙を見て逃げていた。
「最高神様に咎められたらどうなさるおつもりですか?」タラ~リ、冷や汗が止まらない。
「お、お願いちまちゅ!あのお方には黙ってて下ちゃい」
「そうですねぇ」天使はちょっと意地悪な微笑みを浮かべると
「私も例のお店に連れてって下さいな、それで手を打ちましょう」
かくして2名は下界に降り立ち越後屋の客となった、時間は15時を回った位である。
「予想より混みあってないようですが?」
「今はご飯の時間じゃないでちゅから。後
「お待たせしました、トレベシャーベットとコーチャです。ごゆっくりどうぞ」大胆にも丸ごと凍らせてから細かく砕いたトレベの上に果肉を混ぜてほんのり花の色に染まった白い氷の固まりが乗っている。
「まずは上の方からいきまちゅ」こちらではあまり見ない金属製のスプーンを手に食べ始める2名。
(これはアイスクリームですよね、真っ白じゃありませんが)たまに下界に降りた女神様がお土産に買ってきてくれる為、天使も白いアイスクリームなら食べた事はあるが色付きのは初めてである。女神様も同様らしく
「色が可愛いでちゅ、それに甘
「あ、甘い!何ですかこれは?」ただ凍らせただけではありえない甘さが口だけでなく全身に染み渡っていくような衝撃が走る。だいいち残暑も厳しいこの下界でどうやって果物を凍らせているのか、天使には見当もつかない。
「あの
「お茶の類いでしょうか?何だかホッとしますね」この世界でお茶というのは茶葉ではなく野草を煮立てたモノでよほど薄くしないと苦くて臭くて非常に飲みづらいのだ(同じようなモノが地球ではハーブとして使われるのだが)しかしこれは多少の渋味はあるものの嫌な味も匂いもなくスッキリした香りで砂糖もなしに僅かに甘さも感じられた。
支払いを済ませて客と店員の自分達に関する記憶を操作した女神様は天使と共に天界へ帰っていった、その途中で女神様はボヤく。
「ちょれにちてもワタチを置いてチュッとぼけようとはあの
「神様同士、仲良くなさいまし。そんな顔なさってるとおブスになりますわよ」
「え~、おブチュは嫌でちゅ~!」天使は分かりやすいお方、と妹のように愛おしく思う上官へ気付かれないように優しい瞳を向けた。
余談だがブツダンが実は神様より祖先の霊を祀るモノと知りロティスはしばらく落ち込んだらしい。
※神々のフルコース
・前 菜→和洋中の盛り合わせ3品
・スープ→豚汁
・魚料理→鰹のたたき
・肉料理→牛タンねぎ塩焼き
・ソルベ→苺シャーベット
・メイン→未定
・サラダ→健康ネバネバサラダ
・デザート→大学芋
・ドリンク →未定