「んん……。」
深夜、黒崎一護は机に向かっている。高校三年生、受験勉強だ。虚退治ばかりしていて大学に落ちてしまったらたまったものではない。その為、時間の合間を縫い夜通しペンをはしらせなければならない。しかし、疲れは出るものである。頭はコクリコクリと上下に揺れ、今にも意識が飛んでしまいそうだ。
「……コンビニ行くか。このままじゃ寝ちまう。」
そう呟き、重い頭を上げた。
☆
冬の夜は一段と冷える。着ているジャンパーのポケットに手を突っ込み、右ポケットに入っている代行証と左ポケットに入っている携帯をグーパーグーパーと何度も握り込む。深夜の道はとても静かで、自分の足音しか聞こえない。一護は最近の出来事を思い返してみることにした。藍染との戦いで死神の力を失ったこと。自分が何もできない無力さを感じ悔しい思いをしたこと。完現術との出会い。そして、死神の力を取り戻し、銀城空吾と戦い勝利したこと。
「こうして考えてみると内容濃すぎだろ!」
眉間のシワがより一層深くなる。しかし、すぐに表情は柔らかくなった。
「やっとまた、みんなを護れるんだ……」
そんなことを考えながら歩いていると、淡い光を放っているコンビニの看板が見えてきた。
「あったけぇ……」
コンビニの自動ドアを抜けた途端肌に感じる暖かい空気。それと同時にふんわりと香るおでんの匂い。寒さでやられた手足の末端の痛みが引いていくのを感じる。いま流行りの曲だろうか、店内のスピーカーから流れている曲に耳を傾けてみる。
「しらねぇ曲だな。まぁいいや、選ぶか。」
買い物カゴを右手に持ちながら、店内にあるたくさんの商品を見て回る。
「眠いからコーヒーっと。」
「小腹も空いたな…。」
そう言って手にしたものは、缶コーヒー、カップラーメン、スナック菓子。品定めも完了しレジへ向かった。
「ありやっとごぜやしたー」
コンビニ店員特有の「ありがとうございました」を背に自動ドアへ向かう。一歩、二歩、三歩、開いた。
「さっむ!」
再び外へ出ると、寒さで身体を丸め込んでしまう。痛みが引いた手足がまたチクチクと痛み出してきた。早く家に帰ろう、と丸め込んだ身体を戻し歩を進めようとした時
ポケットにしまっていた代行証がけたたましく吠える。
すぐに代行証を胸に当て死神化する。力なく倒れこむ身体。その目の前には、黒い着物、『死覇装』を身にまとい出刃包丁のような巨大な斬魄刀『斬月』を手に握った一護。既に臨戦体制だ。空気が張り詰める。
「どこにいるんだ⁉︎霊圧が感じられねぇ!」
「なんだ?光?……上かッ!」
すぐに上を向く。しかし、遅かった。目の前は眩い光に包まれてしまい敵の姿はおろか、前すらまともに見えず目も開けられない。
「クッソォ!!卑怯な手使いやがって!」
どこから攻撃がきてもいいように身構える。がしかし、何秒、いや、何分経っても何もしてこない。さすがにおかしい。奇妙に思いゆっくりと目を開けてみるとそこにはーー
「なん……だと……。」
ーー見たこともない景色が広がっていた。
初ssですが、頑張りますね。
ちょっと始まりがベッタベタのベターですかね。