黒崎一護は絶望していた。死神の力を取り戻し仲間を護れる、そう心から安堵していた。いや、躍起になりすぎていたのかもしれない。
「何も…何もできなかった…」
「敵を見る事すら出来ず、俺は……ありえねぇ……」
そう、彼は何もできなかったのである。不意打ちだったにしろ、数々の強敵と刀を合わせ、自らを磨いてきた彼にとっては、あの一瞬で勝負をつけられたことで戸惑いが隠せない。
「ダメだッ!こんな顔してたらまたルキアに怒られちまう。」
「まだ近くに敵がいるかもしれねぇし、気を抜いていられねぇな。」
両頬を強くパチンとはたく。完現術を奪われた際に泣いていた一護を叱責したルキアを頭に思い浮かべる。そうすることで絶望に満ちていた彼の顔は希望に満ちたものへと変わっていく。この状況を打破しなければならない、過去に合った色々な出来事を解決してきたことが自信へと繋がる。磨いてきたことは無駄じゃない、生かす時が来た、と。
「ここは本当にどこなんだ?見たところ中世ヨーロッパって感じだが。」
一護もテレビや本などで見たことのあるような街並みだ。
突然だが、彼、黒崎一護の髪色はオレンジ色である。これは生まれ持ったものであり染めたものではない。学校でも入学当初はその目立つ髪色から学校の不良からよく目を付けられ、街中でも人とすれ違うと目線を頭に感じることもある。しかしここではどうだろうか。色とりどりの髪色を持つものが多く、日本では目立つ一護もここでは違和感はない。それはおろか、犬、トカゲのような動物?人?が大勢いる。
「すげぇな、ここだったら駒村さんがいても違和感ないな。」
「てか、家を出たときの恰好に戻ってんな…なんでだ?」
一護は死覇装を着ていなかった。家を出たときのTシャツにジャンパー、デニム、スニーカーを履いている姿に戻っている。
「いや、待てよ……っつーことは!!」
急いで身体のいたるところをまさぐる。
「焦ったァ!あったあった…」
「これが無かったら初っ端から詰んでた所だったぜ…」
そう言ってジャンパーの右ポケットから代行証を出してしっかりと握りしめる。今は生身の身体から死神化する為の『義魂丸』はライオンのぬいぐるみの口に突っ込んだままで手元にない。現在、死神化する手段はこの代行証しかないのだ。いつ的に襲われるかわからない状況、落としたりしないように気を付けなければならない。
「まぁとりあえず街を回ってみるか。」
一護をこの状況に至らしめた犯人がまだ近くにいるのかもしれない。一護は歩き出す。
それにしても、聞けば聞くほど、見れば見るほど奇妙だ。人たちの話声、出店の呼び込みの声はしっかりと言っている意味が理解できる。日本語だ。しかし、文字はどうだろうか。見たこともないミミズの這ったような文字。全く読む事が出来ない。
「参った、情報が一切な「キャーッ!!」…ん?」
叫び声が聞こえた。聞こえた場所に目を向けると人々が皆一点を見つめている。そこには、猛スピードの荷馬車。その進行方向には転んでしまい恐怖で腰が抜けている小さな少年。このままだと完全に轢かれてしまう。
「このままじゃ間に合わねぇッ!一か八かだッ!」
代行証を胸に当てた。死神化して勢いよく飛び出す一護。瞬歩で少年のところまで移動し肩に担ぎ上げる。そして再び瞬歩で荷馬車の進行方向から逸れ、少年をそっと地面に座らせた。
「助かって良かったんだが…触れた…よな…?」
ここに来て少ししか経っていないのに驚かされるばかりだ。死神化した状態で普通に人間に触り助ける事が出来た。すると
「お兄ちゃん!ありがとう!」
と少年が言う
そして周りの観衆も
「やるじゃねぇか坊主!」
「すごい!」
「素敵よお兄さん!」
などと次々と口にする。
一護はまたも驚愕した。
「コイツら……俺の事見えてるのか……?」
沢山驚く。
書くのって難しいですね。
全然話が進まない。今回は死神を見えるようにこじつける話って感じです。
死に戻り設定有った方がいいんでしょうか。死なない方法で進んだ方がいいんでしょうか。