プロローグ: 転生はいかが?
「あれ?ここどこだ?」
目を開けたら、そこは真っ白な空間だった。
周りには何も無い....いや、一つだけあった。
地面に自分の頭を付けている白い服を着た人の頭があった。
見事な土下座だった。未だかつてこんな綺麗な土下座を俺は見た事があっただろうか?いや、無いと断言出来る。
「すまんかった!」
それがその人の第一声だった。声的に老人だろうか?
「え〜と、とりあえず頭を上げてくれないですかね?」
俺がそう言うとゆっくりと老人が顔を上げてくれた。とても長い髭が特徴的な優しそうな老人だった。
「で、俺はどうなったんですかね?」
確かトラックにひかれそうになっていた女の子を助けようとしたらこんな所にいたわけなんだが....
そんなことを考えていると老人は申し訳なさそうに話し始めた。
「実はお前さんは儂の手違いで死んでしまったんじゃ」
「え?死んじゃったの?俺?」
俺は自分のことを指さしながら言った。老人はうんうんと激しく頷いた。いや、頷かれても....
ん?待てよ。俺確か女の子を助けようとして死んだよな?
「あの、女の子は?無事なのか?」
「あぁ、それなら心配はいらんよ。彼女は無事じゃよ。お主が命を救ったのじゃ」
「そっか、ならいいか」
なんというか、安心した。これで女の子まで死んでしまったら元も子もない。
「随分と軽いの。お主は死んだのじゃじょ?」
「それでも、女の子は助かった。だったらいいよ。俺は」
本気でそう思う。俺なんかの命で人を助けて死んだなら本望だ。
「そうか....変わっておるのだな。お主は」
変わってるか....確かにそうかもしれない。昔から人より感性がおかしかったっていう自覚はあったが、この老人までに言われてしまうとは
「さて、お主は儂の手違いで死んでしまった。よってこれから別の世界に転生してもらい新たな人生を送ってもらう」
「え?いいのか?そんなことしても」
「まぁ、今回の場合は特別じゃ。さて、転生先はお主が最後に遊んだゲームから取るかの」
最後に遊んだゲーム?何だったかな?あ、友達に勧められて買った。真剣で私に恋しなさい!だったかな?たしかそれのA5をやった記憶があるな。最上旭が可愛かったことしか覚えていない。
「ふむ、真剣で私に恋しなさい!か」
俺は老人に自分が最後に遊んだゲームを教えた。まさか、あんな強い人達がいっぱいいる世界に行くとは俺大丈夫かな?
「さて、転生先も決まったし、特典選びに移るかの」
「特典って?」
「お主には三つまで特典をやろう。このまま、お主を転生させるほど儂は鬼ではない」
「特典ってなんでもいいのか?」
「基本なんでも大丈夫じゃが。悪用はしてくれるなよ。あくまでお主の人柄を信用しての提案じゃ」
俺の人柄って俺とあんたは会ってそんなに経ってないんだが。まぁ、いいか
「でもな、俺あんまりそういうの分からなしな」
「前いた世界で見たアニメでも漫画でもいいから強かった奴の能力とかでも大丈夫じゃ」
強かった?俺が見た漫画で強かった奴....。あっ!
「じゃあ、う〇はマ〇ラの能力とかは?俺それくらいしか漫画読んだことないんだ」
自慢じゃないが俺はもといた世界では、漫画やアニメは某忍者漫画しか読んだことない。その中でも俺が一番好きなキャラだ。
「なるほど、それは六道の力までということでよいか?」
「あぁ、それで頼みたい」
「ふ〜む、随分ぶっ飛んでいるが、お主なら悪用はせんじゃろ。うむ、了解した。それであと二つはどうする?」
そこが問題だ。特に無いんだがせっかく、くれると言う特典を無下にもできないらな〜
「爺さんは何がいいと思う?」
気付いたら俺は老人にそんな質問をしていた。まぁ、これでいい回答がきたらそれを参考にしよう。
「う〜む、そうじゃな。やはり金かの」
身もふたも無かった....
「金、か?」
予想外過ぎる返答に若干驚いた。
「どんな、世界にも金はあった方がいいじゃろ。お主専用の口座を作りそこにある程度の資金を送ろう」
「分かった、それでいいや」
「さて、最後の一つ何にする?」
そうして、また老人が俺に質問する。最後の一個何がいいだろうか?やっぱり、何も浮かばない。そう考えていると、ふと自分の名前が変わるのか疑問に思った。
「なぁ、爺さん。次の世界での俺の名前を指定したいんだが、いいかな?」
「それは特典でいいかの?」
「あぁ、構わない。オレの名前は明人で頼む。前の世界で親に貰った大切な名前だから変えたくないんだ」
「そうか、明人。良い名じゃな」
そう言って老人は優しく微笑んだ。
「では、明人よ。二度目の人生じゃ。思う存分楽しんでくるとよい!」
「あぁ、行ってきます」
俺も老人に優しく微笑み返した。そして、俺の足元に穴が空いた。
「え?」
そのまま、急降下。
「うそおぉぉぉぉん!!」
「たっしゃでの〜〜」
そして、俺は無事に真剣で私に恋しなさい!の世界に転生したのだった....
小説を書くのはなかなかに難しいんですね。改めて痛感しました。