「クリス、ちょっといいか?」
クリスとまゆっちを風間ファミリーに勧誘して数日が経ち、学園がある日に俺はクリスに声を掛けた。
「なんだ、明人?」
「今日の放課後空いてるか?」
その言葉を口にした瞬間にクラスの男子の目線が俺に向かってきた。
「おい、聞いた?」「立花の奴めっ!」「まじか....立花のやつもクリス狙ってるのか」
など、聞こえてきたが気にしない。
「大丈夫だが....なにか用事か?」
「あぁ、すこし付き合って欲しい場所があってな」
付き合って欲しい場所とは秘密基地だ。クリスには先にあそこに行ってもらい感想を言ってもらおうと思うそうすれば今週の金曜集会には問題が起きない。
「了解した。じゃあ、正門で待ち合わせで」
「あぁ、じゃあまた放課後」
と言って俺は席に着いた。
親不孝通り・再奥にある音楽ホール
「薬の配布はどうなっている?」
片目の空いている仮面をかけた男が誰かと話している。
「いたって、順調ですぜ。この調子なら一週間ぐらいで撒き終わりますよ」
「よし、薬の配布が終わり次第、次のステップに移行する」
「にしても、あんたもエグいことを考えるな仮面さんよ」
男は笑い混じりの声で仮面の男に言った。
「それを協力しているお前には言われたくないな。なぁ、釈迦堂....刑部」
男は静かに笑った。その後ろには四人の影があった....
川神学園・放課後・正門前
「よし、クリス行くか」
「分かった、出発しよう。で、どこに行くんだ明人?」
「ん〜秘密基地かな?」
クリスに聞かれ、軽く答える。別に嘘は言っていない。事実俺達はみんなあのビルのことを秘密基地って呼んでるし
「なんだか、面白そうなところだな」
「あぁ、楽しみにしときな」
そんな話をして、しばらく歩くと秘密基地の廃ビルが見えてきた。クリスは最初に「ここか?」などと戸惑っていたがとりあえず中を案内し、俺達がいつもいる部屋に行く。
「ここが秘密基地?」
「そうだ、俺達風間ファミリーの拠り所みたいなもんだ。この本棚には漫画があって....」
俺はクリスに大まかな秘密基地の説明をした。どこに何があるか、飾ってある写真はどこで取りどんなエピソードがあったなど....
それを聞き終え、クリスは話始めた。
「ふ〜ん、で?ここに何の意味があるんだ?集まるなら他でもいいだろ?」
やめろ、それ以上....
「こんな廃ビルは」
言わないでくれクリス!
「さっさと、取り壊すべきだな」
分かっていた。こいつがこの言葉を口にするのは分かっていたのにとても、とても辛かった。
俺は思わず額に手をやった。
「俺がお前をここに連れてきたのは、今の発言が問題だからだ」
「なぜだ?自分は正しいこと言ったはずだ」
「クリス頼むから京の前でそんなことを言わないでくれ。下手したら殺されかねん」
京は誰よりもファミリーを大事にしている。それなのに今クリスが言った言葉を聞いたら激昴するに違いない。
「だから、なぜだ?自分は─」
「それはお前の価値観....だろ?」
クリスの言葉を遮って俺が言葉を重ねる。思いのほか俺自身も怒っているようだ。
「確かに世間一般的に見たらここはただの廃ビルだ。取り壊せと言うやつもいるだろう。だけどなクリス、俺達にとっては何よりも大切な所なんだ。例えば、お前にも大切な物があるだろ?」
「あぁ、両親から貰ったぬいぐるみなどが自分にとってはそうだ」
「じゃあ、もし俺がそのぬいぐるみのことを邪魔だと言ったらお前は怒るだろ?」
「当たり前だ!そんなことを言ったら許さない!」
クリスがグイッと距離を詰めてくる。
「今のお前が俺にとってはそうだ」
「っ!」
クリスはやっとここで気付いた。自分が過ちを犯したことに
「人にそれぞれ大事な物がある。それは当たり前なことだ俺達ファミリーにとってはここがそうだ。だから、ここを悪く言わないでくれ」
俺はクリスに微笑みかける。クリスは少しうつむき、声音を弱くして言った。
「すまなかった。そんな場所とは知らずに....」
「いや、分かってくれたならもういい」
「まさか、明人は自分にこのことを言うために?」
「あぁ、お前は真っ直ぐすぎるからな。大和ともよく喧嘩してたし」
クリスの性格的には策を練る大和は気に入らなかったのだろう。
「クリス、お前のその性格はお前の長所であり、短所でもある。それを自覚しろ。今回は俺が相手で良かったが、これが京やモロならシャレにならない」
「あぁ、今後から気おつける。ありがとう明人自分のために」
クリスがこっちを真っ直ぐと見つめる。照れくさいので俺は少し、視線を逸らしながら。
「気にするな、それが俺の役目だからな。それと、大和とも仲良くしてくれ。お前の性格的にあいつは気に入らないのかもしれないが、あいつは誰よりもファミリーを大事にしてる。今度ゆっくり話してみろ」
そう言って、俺はクリスの髪を撫でる。クリスもまんざらじゃなさそうだった。
「よし、今日はこれで帰るか〜。腹も減ったし」
「そうだな、そういえば明人は寮には住んでいないがここの近くなのか?」
「あぁ、一軒家で暮らしてる。両親はいるが共働きだから基本的に家の事は全部俺がやってる。なんなら、今度遊びに来い。飯でも作ってやる」
「分かった。その時はお邪魔させてもらう」
これで一つ問題は消えた。
そうして、俺とクリスは秘密基地を後にした。
☆
俺とクリスが河川敷を歩いて帰っていると前からふらふらと足元がおぼつかない。若い人がこっちに歩いてきた。
「なぁ、明人。あの人変じゃないか?」
「ん?確かになんかふらふらしてるな」
そんな話をしている合間にその人は倒れ込んでしまった。クリスがすぐさま駆け寄り声を掛ける。
「大丈夫か?どこか痛むのか?」
クリスは若者の元に駆け寄ってしゃがみ話しかける。
「いてぇ、いてぇよ!!」
少年は苦痛のあまりかその場でのたうち回った。
「どこがだ?」
「目がぁ、目がぁ!」
「うぁ!」
クリスは男が振り払った手にあたり後に飛ばされたが俺がすかさず受け止める。
「おい、あんた!人が優しくしてるのにその態度は....」
俺は言葉を失った。
「目がぁ!いてぇんだよ!どうなってるんだよ!俺の目はぁぁ!!」
男が手を目から離し、その目を俺に向けてくる。目からは血が流れ瞳は赤く染まっており、なにより
「なんで....なんでお前がその目を....」
勾玉の紋様がその男の目にはあった....。紛れもない写輪眼がそこにはあった。
「がぁ!」
男はそのまま、俺に襲いかかってきた。
「明人!てぇやぁ!」
男の攻撃が当たる前にクリスのキックが男の腹に直撃した。
「明人!どうしたんだ」
クリスの言葉で我に返る。今はこの男をなんとかしないと
「クリス下がってろ。あの目はやばい!」
「いてぇよ!たすけてくれよおぉぉ!」
男は俺に向かって突進してきた。俺はそれをかわし、男の腹にパンチを入れる。男はそれで気を失った。
「明人、この男は」
「とりあえず、病院に連れていこう」
そう言って、男を抱えた時に男のズボンのポケットから何か落ちた。それをクリスが拾い上げて俺に見せてきた。
赤い液体が入った、ビンみたいな物。これは一体?とりあえずクリスには俺のポケットに入れるように言い、男を連れて病院に向かった。
....とても、嫌な予感がする
親不孝通り・再奥・音楽ホール
「なんなんだよ!この薬は目がいてぇ!」
仮面の男の前で目から血を流し、跪いている若者がいた。仮面の男は嘲笑うかのように言った。
「ほう....最後に俺の元までくるとは褒めてやろう。褒美だ....お前は俺の中で眠れ」
そう言って、仮面の男はうずくまる男の顔を掴み自分の目を見させた。
「な、にをしやが...が、あぁぁぁ!」
男は直後、仮面の男の瞳の中に吸い込まれて行った。仮面の男は立ち上がり高らかに宣言した。
「もうすぐだ....もうすぐ川神は地獄に変わる」
ホールには仮面の男の笑い声がひたすら響いていた。
何が川神で始まろうとしていた....
クリスの喋り方ってこんな感じでしたっけ?
はい、トロンボーンと呼ばれた男です。
もうすぐペルソナ5の発売日です!本当にウキウキしております!
どうでもいいですね。はい。えっと、今回はクリスの説得と何が動きだすという所まで進められました。次回も頑張って参ります!
ちなみに仮面の男(CV内田直哉)と思いながら音声を再生してくださいな。
....地の文が少ないと言われているのに改善しされてないし、やっぱり小説書くのは難しいです(><)
では、また次回!さようなら〜(^_^)/~~