真剣で忍界最強なんだか....   作:柚ちょこ

13 / 24
第十一話 : 明日なる希望

二人の力は互角だった。

 

「おぉぉ!」

 

「はぁぁ!」

 

二人の須佐能乎が激しくぶつかり、辺りには衝撃が走りそれは川神の町にも被害が出ていた。

 

「何故俺の邪魔する!立花明人!貴様も思ったことぐらいあるだろう?この世界に希望は無いと」

 

明人にその質問をした男の目は怪しく光っており、仮面の下から赤い光が漏れていた。

 

「ふざけるな!お前は自分の苦しみを他人に押し付けて苦しみから逃げてるだけだ!」

 

「黙れぇぇ!」

 

男の須佐能乎は明人の須佐能乎に拳を振りかざす。明人はそれを受け止め自分の拳を男の腹部に直撃させる。男は数歩後ろによろめいた。そして、嘆息をして次の攻撃に移る。

 

「このままではラチが開かないな。どうだ?そろそろ次に進まないか?」

 

「俺には次もねぇよ。やるならさっさとやりな」

 

「ふっ、そうか。ならば!」

 

男の須佐能乎はその言葉と同時に変化し始めた。筋肉が付き、皮が付き、最終的には金剛力士の様なものに姿を変えた。

 

「それがお前の須佐能乎か....随分とごついな」

 

その須佐能乎のは明人との二面四腕の須佐能乎の大きさを上回り腕の太さは倍以上あった。

 

『あの腕で殴られたらさすがにヤバイ』

 

明人がそう思っていると男はすぐに攻撃の体制に入った。

 

「いくぞ!」

 

男は大きく踏み込み明人に急接近した。

 

「速い!」

 

明人は須佐能乎が持つ四本の刀を重ねガードした。

 

「剛破拳!!」

 

だが、男の須佐能乎の攻撃は容易に刀を全て砕き、明人の須佐能乎に拳を直撃させた。明人はその反動で後ろに大きく吹き飛ばされる。その様子を男はその場で見ていた。

 

「馬鹿力かよ....」

 

「ほう、あれをくらって生きているとは感服の至だな」

 

明人の須佐能乎は原形を留めていなかった。腕も顔も無くなり明人の周りをボロボロの骨があるだけだった。

 

「だが、次で終わりだ」

 

と言い、男はまた大きく踏み込んだ。

 

「木遁秘術・樹界降誕!」

 

だが、先に動いたのは明人だった。数多の木が現れ男の須佐能乎を捕縛する。

 

「時間稼ぎか?くだらん!」

 

男の須佐能乎は軽々と木々をへし折り捕縛を易々と突破し、明人の方へと向き直るがそこには明人の姿は無かった。

 

「こっちだ!」

 

男は後ろに振り向くそこには

 

「木遁・木分身!」

 

木で作られた分身が本体含め五人おり、一人を残し男の須佐能乎を囲んだ。

 

「これは強烈だぜ!」

 

五人の明人がそれぞれ違い印を結びそして、術の発動に移る。

 

「「「「「五遁・大連弾の術!」」」」」

 

火・水・土・雷・風の五つの属性の力を同時に須佐能乎に迫り来る。

男はそのまま、五属性の猛攻を須佐能乎で受けた。幾ら同時に受けた所で須佐能乎には効かないがそれが互いの威力を高め合えば話は別だ。風は火を、水は雷を高め、破壊力は想像を絶するものとなった。

 

「ぬおぉぉぉ!!」

 

火の熱は須佐能乎の中にいる男にも伝わり体を焼き、水によって威力が上がった雷は男の体を蝕んでいた。そして、それぞれ属性の威力は最大値になり、大爆発を起こす。

 

辺りには煙が立ち上り、明人と男の姿を眩ませていた。

 

「はぁはぁ」

 

大量の気を使い明人の顔に疲れが見え始める。明人はこの前の戦いで板垣辰子に大きな攻撃をくらっていた。応急処置はしたが別に完治した訳ではない。それがじわじわと明人に鈍い痛みを与えていた。

 

「やってくれたな!小僧ォォ!!」

 

煙をかき分け、仮面の右上を剥がれた男が明人の前に現れる。その剥がれた場所からは写輪眼が顔を覗かしていた。

 

「はぁはぁ、うっ!ごほごほ!」

 

男はその場でうずくまり苦しそうにする。仮面の下からは赤い液体が滴っていた。だが、これは明人の攻撃によるものではない。

 

「須佐能乎のリスクだ。尋常ではない痛みのはずだ。」

 

須佐能乎は使えば使うほど使用者に多大なダメージを与える。それを知っていて男は須佐能乎を使っていた。

 

「細胞の一つ一つが痛む。これが須佐能乎のリスクか....。だがな!」

 

男は立ち上げり、須佐能乎を展開するがその須佐能乎とは比べ物にならないほどボロボロのものだった。顔は無く、骨の腕と周りを覆うあばら骨があるだけだった。

 

「これが限界か....」

 

「終わりにしよう。トビ」

 

そう言って、明人は左手に黒い球体を作る。

 

「あぁ、これで最後だ!」

 

男は須佐能乎に刀を持たせ、明人に接近する。

 

「消えろ!立花明人!!」

 

男は巨大な刀を明人に振り下ろした。だが、それを明人は避け黒い球体を須佐能乎を当てる。すると須佐能乎は上空に打ち上げられる。まるで何かに吸い寄せられるかのように。

 

「なんだ?!」

 

「それは重力の塊だ。これで最後だ....」

 

そう言った。明人の周りから地面が地上から剥がれ黒い球体に吸い寄せらて行く。やがて、丘全ての土が黒い球体の元へ吸い寄せられる。

 

「くそ!」

 

その言葉を言った男の体は土に埋もれ姿を消した。そして、川神市の上空に巨大な惑星が出来上がった。

 

「地爆天星。これが六道の力だ」

 

明人は須佐能乎を作り出し、最後の攻撃の準備をする。骨だけの手に勾玉のような物を作り出した。

 

「八坂ノ勾玉。けど、これじゃダメだ」

 

そう言い、明人は作った勾玉に力を込める。

 

「これに全ての力を!」

 

火・水・雷・土・風全五属性に陽と陰の力を合わせる。紛れもなく明人が出せる最大の技だった。全て力を乗せた勾玉は凄まじいエネルギーを放っていた。それは目で見ても今までの物とは異質だと分かる。

そして、須佐能乎はその勾玉を投げる体制へと移動した。

 

「うおぉぉぉ!!」

 

勾玉は凄まじい速度で上空にできた惑星に飛んで行き、やがて惑星に接触し、込めた力が爆発する。その威力は町一つを容易に消してしまう惑星を覆い尽くす威力だった。

 

「六道・神羅界叫!!」

 

上空で大爆発を起こし、夜空を明るくしている様子を見て明人はそう言った。

 

「すまない....俺にはこの方法しか思い付かなった。守るために俺はお前を倒す。恨むなら俺を恨んでくれ俺はそれを背負って生きていく」

 

それは明人の決意だった。仲間を自分を居場所を守る為に....

 

やがて、爆発が収まり空から一人の男が落ちてくるところを明人は瞬きをしないで見ていた。

 

 

 

明人と送り出し、百代達は釈迦堂達と戦っていた。最初は劣勢だったが最後には皆の力が逆転し優位に立ち回っていた。

 

「くそっ!こいつらいきなり強くなりやがった」

 

赤い色の髪を左右で結んでいる少女板垣天使はそう言った。彼女は一子と戦い優勢に戦えていたが一子の力が飛躍的に強くなっているのを彼女自身も感じていた。

 

やがて、釈迦堂達は一箇所に集められ風間ファミリーに前方に固められる。

 

「ヤバイよ師匠。どうする?」

 

板垣家長女の板垣亜巳が釈迦堂にそう聞いた瞬間。丘の上空から轟音と共にその場に目に入って来たのは大爆発だった。その光は遠くにあるこの場所おも明るく照らしていた。

 

「潮時だ!ヅラかるぞ!」

 

釈迦堂の言葉を聞き、板垣一家はその場を去って行った。

 

「あれは明人?」

 

百代はそう言い、気を探り明人の気を掴んだ。だが、今まで感じてきた明人の気とは全く異質なものだと百代は直感した。

 

「こっちは終わったぞ明人」

 

そう言って百代は爆発の方向を見ていた。風間ファミリーを爆発の衝撃で生まれた風がユラユラと揺らしていた。

 

 

 

明人は倒れた男の前に立っていた。男の仮面は全て剥がれ素顔があらわになる。

 

青年だった。歳も明人と二三歳しか違わない。若い男だったのだ。

 

「なんで、お前みたいな奴が」

 

明人は膝を付き、男に近づき抱き上げる。その顔には涙が流れていた。

 

「せめて、安らかに....」

 

明人はそのまま、男を抱え自分の居場所へと向かった。自分が守った居場所へと....

 

 

 

 

数日後....

 

 

明人は川神院に来ていた。鉄心に事情をはなし男を弔ってもらおうと思っていた。客間に案内され鉄心と話しているとテレビで流れているニュースが目に入る。

 

『先日起きた川神市での上空の大爆発については未だに解明されておらず以前と調査が進んでおります。なお、この爆発による被害は....』

 

ニュースは流れ続け鉄心が明人に話す。

 

「随分と派手にやったもんじゃの。まぁ、お前さんがやったとはバレまい」

 

「そう信じたいですね。一応九鬼が情報をストップしてくれているみたいで」

 

明人は少し微笑みながら言った。それを聞き、鉄心は髭をなでながらか続ける。

 

「そうか、男のことは任せて良いぞい。こちらで手厚く弔おう」

 

「ありがとうございます」

 

明人はテーブルに頭を付け言った。

 

「よいよい、今回の件はお主達だけの問題でもないからの。釈迦堂が関わっている以上儂ら川神院も出張らなくてわの」

 

「はい、それについては鉄心さんにお任せします」

 

「ところで明人よ。そろそろ時間じゃぞ」

 

そう言うと鉄心が襖の方を見つめその奥からは

 

「おーい!明人行くぞ〜」

 

キャップの声が聞こえる。

 

「行ってきなさい。お主が守った場所じゃ」

 

「はい」

 

明人はそっと立ち上がり襖を開ける。そこには明人の大切な仲間と居場所があった。

 

「おーし、今日はみんなで野球だぜ!」

 

キャップが今日やることをみんなに告げる。

 

「よし!自分に任せておけ!」

 

それを聞き、クリスがグッと拳を作る。

 

「負けないわよ!クリ!」

 

それに対抗して、一子も拳を作る。

 

「俺様のスイング見せてやるぜ」

 

「僕も頑張るよ」

 

岳人、モロ。

 

「私も精一杯頑張ります」

 

『ファイトだぜ。まゆっち!どでかいホームランを打つんや』

 

由紀江に松風。

 

「俺も全力で行こう」

 

「一生懸命な大和も好き。結婚して?」

 

「お友達で」

 

大和に京。

 

「おい明人。なにボーっとしてるんだ?」

明人の肩を組みながら百代が言う。

 

「いや、なんでもない。行こうか!」

 

明人は一歩を踏み出す。自分が守った者達の元へ。

 

人はいくつもの感情を持っている。嬉しいこと、悲しいこと、時には人を憎むこともあるかもしれない。たけどそれと上手く付き合って人は生きている。

 

誰しも『明日なる希望』を持って....

 

 

 

 

第二章・完




終わった....

と思っているそこのあなた!すいません。まだまだ続きますのでお付き合いください。

どうもトロンボーンと呼ばれた男です。

さて、とりあえず二章は終わりです。最後まで見て下さった方には感謝しかございません!

次回からは第三章と言うことですので首を長くしてお待ちください!

それでは今回はこの辺りで感想やご意見などありましたらご自由にお書きください。

さよなら〜ヾ(*´罒`*)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。