「おぉ〜これは凄いぞ明人」
「本当だな」
明人とクリスは日本展に来ていた。日本の文化に興味があるクリスに日本の歴史をもっと知ってもらおうと思っていた。日本展の内容は『日本を支えた武士達』というもので元々城だったものを改装し、見た目は城だが中は展示会場にするという大胆なものだった。現在は武士達が腰にしていた刀をクリスと明人は一緒にみていた。
「なぁ、明人」
明人が刀の説明欄を読んでいると隣にいたクリスが明人に声を掛ける。
「ん?なんだ?」
「大和丸の刀はないのか?」
大和丸とはクリスが日本の勉強に使っている。時代劇のドラマである。もちろんそれはフィクションなので大和丸もいなければそんな歴史などは存在しない。
「あれは架空の話だからな?大和丸に出てくる人物に似ている人物はいるかもしれないがあれはあくまでもフィクションの話だからな」
「そうか....」
明人がそう言うとクリスの先程までのテンションが急に下がってしまった。明人はその様子を見て頭をかきながら
「まぁ、絶対にいないとは言い切れないし探してみるか?」
「....あぁ!」
その言葉を聞いてクリスのテンションはすぐに元に戻った。それから、二人は展示会場を見て回った。展示されているものは武士達が使ったとされる茶器や書いた手紙など色々な物があった。その中でも二人が揃って見入っていたのは刀だった。展示会場には二十本近くの刀が展示してあり、クリスと明人はそれらの全てを見て回った。
☆
「ん〜甘い物はなんでこんなに美味しいんだ」
展示会場を一通り見て回った二人は展示会場の近くでやっている甘味処に来ていた。明人は和紅茶をクリスはクリームあんみつを頼みそれぞれ展示の余韻に浸っていた。
「それは良かった。誘ったかいがあったよ」
「誘ってくれてありがとう明人」
「前々から日本の文化に興味があるって言っていたからな喜ぶんじゃないかと思ったが思った以上の反応で嬉しいよ」
「あぁ、日本の文化にも触れられたし甘い物も食べれた自分は満足だ」
クリスの笑顔は無邪気な子供がはしゃいでいるものだった。それを見て明人も和んでいた。
「でも、ここまでしてもらったからには自分も何か明人にしてあげたいのだが」
「気持ちだけでいいよ。最初に俺が誘ったわけだしさ」
「いや、そういうわけにはいかない。何かないだろうか....。う〜ん」
クリスはしばらく考えて「はっ!」と何か気付いた顔をして明人に言った。
「明人こんなものでお礼にならないと思うが....」
と言ってクリスはスプーンで自分が食べていたあんみつを取り、少し頬を赤らめ明人に向ける。
「ほら、明人。あ、あ〜ん」
「え、いや。えっと....」
「すまない!自分が口をつけたやつなどは嫌か」
「いや、それはぜんぜん大丈夫なんだがクリスは嫌じゃないのか?」
こういうことは女性の方が嫌がるものだと明人は思っていたがクリスは恥ずかしそうに言った。
「自分は明人なら構わない」
「そうか、ならいただきます」
「で、ではあ〜ん」
クリスがスプーンを再び明人に向ける。明人はそのスプーンを自分の口に入れた。
「うん、うまい」
「そうか!それなら良かった」
「クリス。何も俺にこんなことしなくてもいいんだぞ?」
「いや、させてくれ。自分は明人に返し切れない恩があるからな」
そう言ってクリスは先程の雰囲気から一転し、真剣な面持ちをした。
「明人が自分に気付かせてくれた。人の心を思いやるということ。自分に足りなかった物を明人はくれたんだ」
そう言ってクリスは明人の顔を見つめる一瞬もそらさずにただ明人を見ていた。
「大げさだ。俺がいくら言ったところで変えるかどうかクリス次第だったんだ。だから変えたのはクリスお前自身だ」
「たとえそうだとしても変えるきっかけをくれたのは明人だ。それは変わらないだろ?」
「はぁ〜。その頑固さは変わらないんだな」
明人は呆れながら少しだけ微笑んでクリスを見た。クリスはそれに答えるように言う。
「あぁ、事実だからな。これからは自分もお前の手助けをしたい。ドーンと自分を頼ってくれ!騎士クリスは全力で協力するぞ!」
そう言い、クリスは胸を張った。
「あぁ、そうさせてもらうよ。これからもよろしくなクリス」
明人はクリスに手を差し出す。
「あぁ!」
その手をクリスはガッチリと握り返した。二人の絆をより深いものとなったのだった。
短いですね....すいません。
次回はまゆっちのお話です首を長くしてお待ちください!
では、また次回さよなら〜ヾ(*´罒`*)