真剣で忍界最強なんだか....   作:柚ちょこ

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かなりお待たせしました。申し訳ないです。


第十三話 : 誘いとお誘い

明人が最上旭に出会った翌日、明人は学園の屋上で寝ていた。

 

「ふぁ〜〜あ。やっぱりここは風が心地いいな」

 

屋上に出るドアについているハシゴを上がり屋上が一望できる所に明人は寝そべり、風を感じていた。

 

静かに寝息をたてている明人の顔を覗き込む人物がいた。明人自身もその人物の存在に気付き、目を開ける。そこには明人がよく知る人物がいた。

 

「ありゃ、起きちゃた?」

 

腰まである黒い髪に川神学園の夏服に腰には道具をしまうショルダーのような物を付けていた。明人はうっすり目を開けながら聞いた。

 

「え〜と、どなたですか?」

 

明人はこの女性を知っているが向こうは明人のことを知らないので明人も知らないふりをする。

 

「あぁ、ごめんね。お昼寝の邪魔をするつもりは無かったんだよん」

 

「いえ、それは構いませんけど」

 

「私は松永燕。明日からここに三年生で編入するの。よろしくね」

 

松永燕。西のほうで活動している納豆小町と呼ばれている女性だ。彼女の家で作っている納豆は味は美味しくそして、何より彼女自身の美貌目当てに納豆を買う客も多いとか

 

「立花明人です。二年のFに所属してます」

 

明人はそう言って座りながら礼をした。

 

「そっか、明人クンね。よろしくねん」

 

そう言って燕は明人に笑顔を向けた。

 

(それにしても間近で見ると美人だな....)

 

そう思っていた明人だが、すぐに我に返る。

 

「ところで先輩は何故学園に?登校は明日からですよね?」

 

「うん、でもね楽しみで先に学園を探索しにね。最後に屋上に行こうと思って来たら明人クンがいたわけだよ」

 

「なるほど、ここは風が心地いいんで昼寝に最適なんですよ。先輩も良かったら使って下さい。俺のイチオシですから」

 

「うん、ありがと。じゃあ、私は行くね。ばいばい明人クン」

 

そう言って燕は屋上から去って行った。その後ろ姿を明人はぼんやりと眺めながら少し不安を抱いていた。

 

松永燕は九鬼の人物からある依頼を受けている。

 

武神の討伐という大きな仕事を....

 

「ん〜〜。さて、松永先輩は今の百代にどう立ち向かうのかな」

 

明人と昔から戦い敗北を知っている百代は自身の力を理解し、基礎から応用からの修行をおこない日に日に強くなっている。川神院の師範代であり学園の体育教師でもあるルー先生は百代は進化の途中だとのこと。明人も百代と手合わせするたびにその成長に驚かされるのだ。

 

「ま、いっか」

 

そう言って明人はまた寝そべる。すると、明人の携帯がなった。

 

「ん?誰だ?」

 

メールの送り主は同じ風間ファミリーの島津岳人だった。

 

『今日の放課後にナンパにくり出すから明人も来てくれ』

 

と言う内容だった。

 

「はぁ、岳人のやつ....。まぁ、たまには付きやってやるか」

 

そう言って明人はOKと岳人にメールを返し、浅い眠りについた。

 

 

 

放課後になり明人とは岳人ともにショッピングモールに来ていた。ここには放課後に遊んでいる女子高生がいるからここを狙うと岳人が言い、明人ともに来たのだ。

 

「さて、これからどうするんだ岳人?」

 

「決まってるだろナンパだよ。俺様今日は行けそうな気がするんだよな」

 

と言って岳人は早速辺りを見回し、最初のターゲットを発見した。一人で買い物をしている女性のようだ。

 

「よし、最初はあの人から行ってくるぞ明人」

 

「あ、そう。じゃあ俺はそこの喫茶店でお茶してるわ」

 

「おい!まてまて」

 

喫茶店に向かう明人のシャツを掴む岳人。シャツを引っ張られマンガのように後ろに戻る明人。

 

「なんだよ。まさか俺に来いっていうのか?」

 

「そのまさかだよ。明人がいれば明人に釣られて来るだろ?そこを俺様が華麗にゲットする算段よ」

 

「はぁ〜、あのな岳人。ナンパなんだから一人でやれよな。それに俺なんかに女性が釣られるとは到底思えない。俺はそんなにカッコよくない」

 

明人は自身の評価は下の下あたりだと思っている。ここまで来ると自己嫌悪に近い。だが、岳人は力説し始めた。

 

「お前それまじで言ってるのか?お前は男の俺様からも見ても相当なイケメンだぞ。それに加えて性格も良いとか優良物件すぎる」

 

「誰が家だ。バカタレが」

 

「ものの例えだよ!とにかく一緒に来てくれ。行くぞ!」

 

そう言って岳人は明人の首根っこを掴み最初のターゲットの女性に向かって行った。

 

一時間後....

 

「お茶すらしてくれないとは....」

 

明人と岳人は先程の喫茶店で休息を取っていた。

 

明人を連れてナンパを開始した岳人だったが、一時間経過しても結果は悲惨なものだった。最初は明人に釣られて手応えのある女性もいたがその都度岳人の方が鼻息が荒くなったり目が血走ったりして女性を引かせてしまっていたのだ。

 

「まぁ、肝心なお前があれじゃあな」

 

ケーキセットを注文していた明人が運ばれてきたチーズケーキを食べながら岳人に言った。

 

「俺様なんかしてたか?」

 

「自覚なしかよ....」

 

明人は小さく嘆息した。

 

「岳人さ、もう少し女性と話す時に冷静になったほうがいいぞ?お前だって話してる時に目が血走ってたり、鼻息が荒かったり、ましてやアソコが勃っている奴なんていやだろ?」

 

「そんなにひどいのかよ」

 

「あぁ、かなり」

 

その言葉で岳人はテーブルに突っ伏してしまった。

 

「俺様どうすればいいんだ明人?これじゃあ、大和がセッティングしてくれた合コンとかも全部ダメにしちまう」

 

「そうだな、俺はさっき言った点を除けば岳人はけっこうイケてると思うんだ。だから、相手を男だと思って話せばいいんじゃないか?」

 

「男?」

 

明人の言葉にテーブルに伏せていた岳人は顔を上げ、明人の方を見る。明人は頷いて続ける。

 

「岳人が色々とダメなのは相手を女性として意識しているからだと思うんだ。だから相手を男性として見て徐々に女性に置き換えていけばいいんじゃないか?」

 

「なるほど」

 

明人のアドバイスを岳人は聞き入っていた。そして、よし!と言って立ち上がった。

 

「明人のアドバイスをもとにもう少し頑張ってみるわ」

 

「あぁ、頑張ってくれ。すまないな。これくらいしかできなくて」

 

「何言ってんだよ。充分過ぎるぐらいだぜ」

 

「そうか?ならよかった。じゃあ、俺は今日の買い出しがあるからこれで帰るな」

 

「おう!ありがとな」

 

そう言って明人と岳人はお互いに別々の方向へと歩き出した。

 

 

 

明人は今日作る夕食の材料を買いに商店街に来ていた。とは言っても作る明人が何を作るかノープランなので明人は献立を考えながら商店街を歩いていた。

 

「さて、今日は何を作るかな」

 

明人が商店街を歩いていると道行く人達やお店の人達にも声を掛けられる。ここの人達とは小学生からの付き合いで肉屋のおばちゃんからコロッケを貰ったり魚屋のおじちゃんから魚のアラなどをタダでもらったりもしている。

 

「明人ちゃん、今日は豚が安いよ!どうだい?」

 

道を歩く明人に肉屋のおばちゃんから声を掛けられる。

 

「そうですね。少し回ってからまた来ます」

 

「はいよ!」

 

そう言って明人はまた商店街を歩きだす。夕方になればここは人々の声で賑わう。近くのスーパーに人を取られているが、それでもこちらに来る人は大勢いる。店の人の呼び込みや話声。明人はそれを耳で聞き、肌で感じていた。

 

「あら、明人じゃない」

 

そんなことを考えている明人に思わぬ人から声が掛かる。

 

「あ、最上先輩」

 

黒い髪が腰まで伸びている美しい女性最上旭。学園の三年生にして評議会議長の肩書きを持ち、さらに学園トップの成績をほこる人物なのだが何故か学園では目立たない。

 

「明人も買い物?」

 

旭は片手に買い物袋を持っていた。明人は自然とその袋に手が伸び、それを持つ。

 

「ありがとう。明人」

 

「いえ、これくらいは全然。先輩も買い物ですか?」

 

「ええ、そうなの。今日はお父様が仕事でいないから私一人だから軽くね」

 

「先輩もここに来るんですね。スーパーとかに行くものかと」

 

「私こういう雰囲気が好きなのよね。だれもが活気に満ちているいいことだわ」

 

「実は俺もです。」

 

「あら、そうなの?奇遇ね」

 

明人の言葉に旭は小さく微笑む、明人もそれにつられるように口元を緩める。

 

「それはそうと実は俺も買い出しに来たんですが、なにせ献立が決まらなくて困ってるんですよね」

 

「そうなの?」

 

「はい」

 

その言葉を聞いて旭は少し考えて明人に言った。

 

「だったら、うちに来てご飯食べていく?」

 

「え?いや、そんな悪いですよ」

 

旭の突然の提案に明人は戸惑った。旭はそんな明人を気にせずに話を続ける。

 

「さっきも言ったけどお父様いないの明人さえよければどうかしら?」

 

明人は少し考えこんだ後にこう続けた。

 

「じゃあ、お言葉に甘えてもいいですかね?」

 

「ええ、じゃあ今日は腕によりをかけないとね」

 

そう言って旭は嬉しそうに笑った。

 

「じゃあ、行きましょう」

 

そう言って旭は明人の空いている手を握り、引っ張った。そのことに明人は少しドキッとした。

 

「分かりましたから、引っ張らないでください」

 

そう言って明人は旭に引かれて最上家にお邪魔することになったのだ。

 




お久しぶりです。

長らくお待たせしました。ただ、執筆をする時間を作れず今にいたります。本当にお気に入りをしている方には申し訳ないです。

また、遅くなるかもしれませんが首を長くしてお待ちください。
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