「川神流・三連突き!!」
鉄心さんの合図と共に百代がいきなり技をキメてきた。鋭い拳が三連続俺めがけて飛んできた。俺はそれを身をよじってなんとか回避する。
「あぶねっ!」
「おっ、避けたな!いいぞ明人!もっと私を楽しませてくれ!」
この戦闘狂がっ!こっちはまだ写輪眼になってもいないってのにいきなりエンジン全開!フルスロットル!みたいな感じで来やがって。俺は目を閉じ、気を集中する。まだ、すぐに写輪眼になるっていうことはできない少しの間時間が必要となる。といってもものの数秒だが....
「よし!来い!」
自分の目を写輪眼に変え百代と向き合う。
俺の目を見た百代は少し、驚いた表情を取ったがすぐに表情を元に戻す。
「さっきと雰囲気が変わったな。それになんだその目は?」
「これが俺の臨戦態勢みたいなもんだ。こっから本番だぜ!」
「望むところだっ!!」
百代は俺に近づき拳の雨を俺に浴びせるが、俺はそれを全て見切り捌いていく。
凄い!これほど相手の動きが読めるなんて。この目だけでもかなりの強さだ。
「はぁっ!!」
百代は右パンチを俺の顔目掛けて放った。俺はそれを紙一重で回避し、百代を一本背負いで投げとばしたが、綺麗な受身を取られた。
だが、これで俺と百代の間に距離が生まれた。一つここらで仕掛けてみるか....!
印を結び、大きく息を吸い込み。そして!
「火遁・鳳仙花の術!」
火の玉を口から吐き出し、百代目掛けて飛ばす。
「なんだ、そんなこともできたのか!ならばこっちも」
百代も気を練り、技を放つ。
「川神流・致死蛍!」
こちらも小さな気弾を出し、俺の鳳仙花とぶつかった。その瞬時、鳳仙花が爆発し、あたりに煙を撒き散らした。
「なに?!」
百代は驚きの声を上げていた。
この写輪眼なら、煙の中でもはっきりと百代の位置が掴める。俺は百代目掛けて走り出した。
「煙に紛れて攻撃する気か!だが、甘い!私にこんなもは効かない!」
百代は俺に目掛けて拳を飛ばした。
「予測済みだ!」
その拳を俺は回避し、百代の肩を掴み。百代の目を見た。
「な、に....」
すると、百代は糸が切れた人形の様に力なく倒れた。
写輪眼特有の幻術、これが決まらなかったらどうしようかと思ったが、なんとかなったな。
やがて、煙が消え。その場に立っているのは俺だけ。ということはおのずと
「そこまで!勝者 立花明人!!」
鉄心さんが勝利の宣告をした。周りにいた修行僧達もすごい歓声をくれた。
「みごとだ!」
「まかさ、百代を!?」
などの声もちらほら聞こえてきた。
「明人よ、お主モモにいったい何を....」
「幻術にかけました。今は夢の中です。おおかた自分が勝った夢でもみてますよ」
「うむ、そうか。今日は疲れたじゃろ。本格的な鍛錬は明日からするから今日はもう帰りなさい。モモには儂から伝えてく」
「はい、今日はありがとうございました!」
一時はどうなるかと思ったが、なんとかなったな。これで俺も正式な鍛錬を受けられる!
これから自分がどんなに強くなるのか楽しみだっ!そんなことを思いながら俺は駆け足で家に帰った。
――後の川神院では....
「総代」
「ん、ルーか」
「まさか、百代が負けるとハ。思いもしませんでしたネ」
川神院のルーと釈迦堂が川神鉄心と話をしていた。
「まさか、あれ程とはね。立花明人あいつの息子ってだけはあるんだなジジイ」
釈迦堂が鉄心にそう言う。あいつとは立花明人の父、立花鬼平。
「うむ、儂も最初は驚いたはわい。久しぶりに顔を見せたと思ったら自分の息子を鍛えて欲しいと言ってきおった」
「でも、総代が驚いているのはそれだけではありませよネ?」
「うむ、あの鬼神と呼ばれた奴があんなに優しい顔をするようになるとはやはり恋とは素晴らしいものじゃの。あ〜儂も若きの炎を取り戻したいわい」
そう言って、鉄心は川神院の奥へと歩いって行った。
「まったく、総代は真面目な話をしてるのですヨ!」
「まぁ、ジジイらしな」
その後に続いてルーと釈迦堂も歩き出した。
場所は変わって、百代の部屋。
百代は明人の幻術にかけられ夢を見ていた。自分が明人に勝つ夢を。
「はっ!!」
だが、夢は覚めるもの。百代は勢い良く布団から飛び起きた。
「あれ?わたしはたしか勝ったのか?」
イマイチと釈然としない記憶。そこに鉄心がやって来た。
「ようやく起きたか、モモ」
「ジジイ!わたしは勝ったのか?負けたのか?」
「負けたよ。言い訳できんほどにの。お前は幻術に掛かられたのじゃ」
「幻....術?」
「まぁ、一種の催眠術みたいなものじゃが。立花明人のはそんじょそこらの催眠術とはわけ違う。相手を完全に眠らせ戦闘不能にさせる。これが本当の試合であったならモモお主はとうの昔に死んでおるわ」
百代は初めて負けた。しかも、自分より年下にそれが何より悔しくてならなかった。
「くそぉ!次は絶対に勝つ!ジジイ早速走ってくる!」
百代は勢い良く、部屋を飛び出した。
「うむ、モモに必要だったのは敗北じゃ。それをこの歳で味わったのは良かったのか、悪かったのか。さてさて、モモはまだまだ強くなるじゃろうな。まったく困ったものじゃの」
そう言いつつも川神鉄心は百代を見つめていた。美しく落ちていく夕日を見ながら。
戦闘描写はとても難しいものですね....。
なかなか骨が折れます。
今回は少し長めにしてみましたがどうだったでしょう。感想等でご意見お聞かせくださいm(*_ _)m
それではまた次回でお会いしましょう!