キャップがクリスとまゆっちをファミリーに勧誘すると言った次の日。
俺達はファミリーと休日を過ごしていたクリスとまゆっちを誘い野球をしていた。
「とまぁ、こんな風にみんなで遊んだりしてるんだ。どうだ?クリス、まゆっち。風間ファミリーに入ってみないか?」
みんなが野球をしている様子を見ながらクリスとまゆっちに風間ファミリーの説明をする。
「確かに面白そうだ。自分で良ければ入れてくれないか?明人」
「私も是非お願いします!明人さん」
クリスとまゆっちはお互いに元気の良い返答をくれた。
「あぁ、これからよろしくな。さて、じゃあ下でみんなと野球するか!」
「はい!」
「分かった」
説明を終え俺達もみんなのもとへ向かう。クリスは普段からファミリーに関わっているから簡単な挨拶をして終わったが、まゆっちは俺以外のファミリーとはあまり、関わっていないから....
「ま、黛由紀江と申します!改めて宜しくお願いします!」
案の定、顔がこわばってしまって怖い顔になってしまった。
「まゆっち落ち着いて。はい!深呼吸!」
「は、はい!スーハースーハー」
まゆっちは島津寮で暮らしているから大丈夫だと思ったが....
「改めてよろしくお願いします」
「オラもよろしくな」
まゆっち、松風の順で挨拶をした。ファミリーのみんなは松風の存在も受け入れてくた。良かった。
挨拶が終わると各々が自分のポジションに付き始めた。
「行くわよクリ!私の剛速球!」
「こい!犬!騎士はどんな球も打ち返す」
ワン子とクリスはまた張り合っている。あの二人は本当に仲がいい。
俺はそんな風景を少し離れた所から座って見ていた。
....別にファミリーのみんなから距離を置こうって訳じゃない。でも、たまに思う。俺はここにいていいのか?と俺は転生者だから、これから先のファミリーになにが起こるか分かるだから、それをあらかじめその問題を解決してしまおうと思っている。
でも、俺はワン子を一度泣かせてしまった....俺のせいで。俺が余計なことを言わなければワン子はあんなに苦しまずにすんだのかもすれない。こんな俺がファミリーにいる資格はあるのだろうか?そんなことをここ最近頻繁に考えるようになった。我ながら滑稽な話だな。普段から人には後悔するなと言っているくせに自分が後悔していたら世話がない。
「....」
「あ〜きと」
そんな事を考えていると俺を呼ぶ声が
「ワン子か....どうした?」
ワン子がピッチャーをガクトに変わってもらいこっちに来ていたみたいだ
「明人もやりましょう。明人もファミリーなんだから」
「いや、俺はいいよ。見ていた方が楽しい」
「嘘よ。だって、明人凄く悲しそうだわ」
....気づかなかった。俺はそんな顔をしていたのだろうか?分からない。
「悲しそうか....なぁ、ワン子。少し話さないか?」
「うん!」
ワン子は嬉しそうに俺の隣に腰を下ろした。そういえば、昔からワン子はオレの隣にいてくれたっけ。安心する。
「なぁ、ワン子。お前は今幸せか?」
「いきなり難しい質問ね。う〜ん」
ワン子は少し、考えて笑顔で答えた。
「幸せよ。ファミリーのみんながいて、友達がいてなにより明人がいてくれる」
その言葉が意外だった。俺がいるから。
「俺はお前の夢を潰したんだ。普通なら俺を恨んでもおかしくないんだぞ?」
「そんなことしないわ。だって、明人を鍛えてくれているじゃない。それにアタシに後悔しない道を行けって言ってくれた。アタシ後悔してないわ。今、凄く幸せ」
笑顔だった。ワン子は太陽の様な笑顔を向けてくれた。こんな俺に夢を潰した俺なんかに....
「そうか....」
「もしかして、明人。後悔してるの?」
「分からない。でも、俺なんかがファミリーにいていいのかとたまに思うんだ」
「明人がいないとファミリーは誰がまとめるの?キャップはいるけどみんなのことをきっちりと見ていつも守ってくれるのは明人よ」
それはとても優しさに満ちた言葉だった。今までの考えを解きほぐすようなそんな言葉。
「だから、明人。そんなこと言わないで」
「そっか、ありがとなワン子。一つ吹っ切れたよ」
「そう、なら良かった。さぁ!明人も野球やりましょう!」
「あぁ!」
ワン子に手を引かれ俺もみんなのもとへ向かう。
ワン子が俺に言ってくれた、言葉。俺はファミリーみんなのこれからを守りたい。苦しんでいるなら助けたい、みんなに災害が起きるなら俺が全て防いでやる。そうだ、俺がなんとすると昔に決めた事だ。
爺さんから貰った力をみんなのために使う。
明人は未来を知っている....
それは明人が転生者だからである。だが、この時に徐々に未来は変わり歯車は狂い初めているのを明人はまだ知らない。
....川神市・親不孝通り。
とある廃墟となった音楽ホールがある。会場は広く、パイプオルガンまで完備している本格的なホールだ。
そこで片目だけ穴が空き、まわりには螺旋の様な紋様が入った仮面をかけた男と若者が取引をしていた。
「へ〜、これが新しい薬か...」
男は細長い銀色の容器に入っている液体と仮面の男を交互に見ながら言った。
「しかし、驚いたぜ。売人が変わったと思ったら薬まで変わるとな」
男が今まで売人から買っていたのは粉の薬物だったが、今日貰ったのは赤い液体が入った容器。
「効果は前回まで貰っていた薬とさほど変わりわない。しいて言えばそうだな目が良くなったりとかだな」
「へぇー、それは試しがいがありそうだな。じゃあな」
男はそのホールを後にしようとすると
「まて」
「ん、なんだよ」
「その薬の名前ぐらい知っといた方がいいだろ?」
「まぁ、そうだな。なんていうんだ?」
「その薬の名は....」
男の声は冷たく、冷えきっていた。この世に絶望したそんな声で男は言った。
「月の目」
その言葉を口にした男の仮面の穴から赤く、勾玉の紋様が浮かんでいた....
どうも、トロンボーンと呼ばれた男です。
今回はそんなに話が進んでないんですが、申し訳ないです。
最後に出てきた仮面の男はトビのグルグルお面をしてると思ってください!
次回はどこまで進められるか....今から構想を練らねば!
では、また次回さようなら〜(^_^)/~~