いろんなところの整備士さん   作:ターボー001

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久しぶりの更新すみません。今後、こんなペースで更新するかもしれません。


あと文中の東北訛りはわからないので適当です。









正反対の告白

 

 

 

 

 

「風邪ひいて休みですって!?」

 

 

 

カチューシャの声が戦車倉庫内に響く。

 

 

 

「え、ええ。今朝、具合が悪いから休むってメールが来まして。」

 

 

カチューシャの威圧的な言い方に少し怯えながら整備班の1人が答える。

 

 

 

「まったく、タクマにも困ったものね。自分の体調管理もできないなんて。」

 

 

やれやれと言った感じで答えるカチューシャ。だが

 

 

「そったこと言ったってカチューシャ様が連日連戦で無理なスケジュールで練習試合組むから整備班の班長のタクマさんが毎晩徹夜するしかねぐなったんじゃねだば。

 

 

「そうだべぇ。体調崩すのも無理はね。管理がちゃんとできてねのはどっちだか。」

 

 

 

アリーナ、ニーナから非難される。

 

 

 

「う、うるさいわね!! 悪かったとは少し思ってるわよ!! そ、それにあんた達整備班もいつまでもタクマに頼ってんじゃないわよ!! ちょうどいい機会よ!! しばらくはタクマなしで整備しなさい。」

 

 

痛いところを突かれても何とか威厳を保とうとするカチューシャだが、そもそも誰も威厳があるとは思ってないので、いつものわがまま発言が出てきた、としか皆思っていない。

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

カチューシャが騒ぐ後ろでノンナはただ黙って何かを深く考えている様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やべえ、悪寒がやばすぎて布団から出れねぇ。)

 

 

体の異変に気付いたのは朝だった。3徹くらいした深夜に倉庫で何も掛けずに寝てしまい、起きた時にはすでに体の震えが止まらずガタガタしながらどうにか学生寮の自分の部屋まで戻った。

 

 

整備班の後輩に休む旨をメールで伝え、布団に入ったがそれ以降、布団から出れないでいる。

 

 

 

そしてここからが大問題・・・腹が減った、のどが渇いた。だが動けん。

 

 

 

腹が減る。

 ↓

だが布団から出れないので料理もできない。

 ↓

食べないから栄養が取れず治らない。

 ↓

この世からダスビダーニャ。

 

 

 

早くも人生のフローチャートが見えてきた俺。

 

携帯で助けを呼ぼうにも布団から離れたテーブルに置いてしまった。大声も喉が痛くて出せない、詰んだ。

 

 

 

熱もあるせいか、短い人生だったなと早くも諦めモードに入ってしまった俺だが

 

コンコン と部屋の扉を叩く音が聞こえてきた。

 

 

(!!!!)

 

 

「同志タクマ、いますか?」

 

 

ノンナの声だった。

 

 

 

(ノンナ、来てくれたのか!!いるよ!!超いるよ!!)

 

 

「・・・ッ・・・・」

 

 

声を出そうにも上手く出せない。喉が渇きすぎて何かへばりついているような感覚がする。

 

 

そもそも扉に鍵をかけてしまったので俺が布団を出ないと開けられない。詰んだ。

 

 

もう達観してしまって無表情のまま天井を眺め、このままお迎えが来るのを待とうと思い目を閉じた。その瞬間

 

 

 

カチャリ、とサムターンが動き扉から光が差し込む。

 

 

 

「大丈夫ですか?同志タクマ。」

 

 

 

女神が降臨した。何か手にピッキング用の針金らしきものが見えたがそんなことはどうだっていい、彼女は紛うことなき俺の女神だ。

 

 

 

目線だけを彼女の方に向ける。するとノンナが近くに寄り、白く細い手が俺の額に置かれた。

 

 

「かなり熱いですね。」

 

 

彼女の手は冷たく、気持ちよかった。あと女の子の手って柔らかくてすべすべしてるのね。

 

 

「お水持ってきましたが飲みますか?」

 

 

ペットボトルを差し出してくるノンナだが、それを受け取ることが出来ない。寒すぎて布団から手すら出したくないのだ。

 

 

「・・・もしかして布団から出れないほど具合が悪いのですか?」

 

 

彼女の問いに対して返答が出来ないので、口を開けたまま待つことで肯定とした。

 

察してくれたノンナがペットボトルを開け、ゆっくりと水を口に注いでくれる。

渇ききった体全体に水が浸透していくのを感じる。

 

 

「おかゆもつくってきましたよ。」

 

 

 

そう言っておかゆの入ったタッパーを見せて軽く笑うノンナ。

 

 

 

(聖母だ。ああ、もうマジでノンナ)

 

 

「結婚して欲しい。」

 

 

水分を取ったおかげだろうか。

声が出た。いや、出してしまった。

 

 

しまった!と思いながらノンナの方を見た・・・が

 

 

 

「フフッ、はいはい。」

 

 

 

軽く受け流されてしまった。まるで心の声も聞こえていたかのように。

 

 

安心半分、残念半分と複雑な気持ちでいると目の前に蓮華に乗ったおかゆが運ばれてきた。

 

 

「あーんしてください。」

 

 

素直に口を開けると少し熱くドロっとしたおかゆが入ってくる。すごく食べやすい。そしておいしい。

 

 

 

俺がおかゆを飲み込んだのを確認するとまた蓮華で運んできてくれるノンナ。5、6回これを繰り返した後だろうか、俺は涙を流してしまった。

 

 

 

「・・・何故、泣いているんですか。」

 

 

少し驚きつつも、いつもの声色で聞いてくるノンナ。

 

 

 

「嬉しくて・・・俺の為に・・・ご飯作ってくれて・・・食べさせてくれて・・・誰もこなくて・・・このまま・・・死ぬのかなって・・・思ってたから。」

 

 

 

泣きながらかすれた声で答える。

女の子の前で泣くのは情けないとは思ったが、どうしてもこぼれる液体は止められなかった。

 

 

 

 

目を閉じ隙間からいくつか雫がこぼれた頃、突然、唇に柔らかな感触が襲う。

見開くと眼前に広がる目を閉じたノンナの顔。

 

数秒、触れていただろうか。長い髪からシャンプーの香りを残しつつ、離れてノンナは言う。

 

 

「あなたが愛しすぎるのがいけないんです。・・・我慢できませんでした。」

 

 

 

(普通それは男のセリフじゃないだろうか。)

 

 

 

「・・・・風邪、移るぞ。」

 

 

 

「ふふ。その時は責任、取ってくれますか?」

 

 

 

「ああ。全力で取らして貰うよ。」

 

 

 

そう言いながらじーっとノンナ見つめていたら、顔を赤くしながらそっぽを向いてしまった。・・・あなたも充分、愛おしすぎないでしょうか。

 

 

 

「そ、それにしても少し部屋が汚いですよ、同志タクマ。掃除しますね。」

 

 

何かごまかすように無理やり話題を変え、掃除をはじめたノンナ。

床に散らばっている衣服や雑誌等を整理してくれる。

 

 

寮とはいえ男の一人暮らしとほぼ変わらないので部屋はどうしてもだらしなくなる。

 

 

「・・・同志タクマ。」

 

 

片づけをしているノンナの動きが急に止まり、名前を呼ばれる。声色も少し低い。

 

 

 

「このDVDはなんでしょうか?」

 

 

 

ノンナの手には様々なルートを駆使して手に入れたアダルティーなDVDが数本。

 

 

 

(し、しまったーー!!!むき出しで置いたままだった!!)

 

 

 

そう、男の一人暮らしとほぼ変わらない。故にこういうものはある。

そして誰も来ないだろうと思っていたからこそ隠していなかった。

 

 

 

「巨乳JKとピ―――――、清楚系お姉さんとピ―――――、黒髪ロングな子とピ―――――・・・何故、このようなものを買ったんですか?」

 

 

 

(男にそういうこと聞いてくるぅ!? というかタイトル読まないで!!!)

 

 

 

目にハイライトが無いまま、近づいてくるノンナ。誰がどう見たって怒っているよ。

 

 

「正直に答えなさい。」

 

 

さっきまでの愛おしさはどこへやら。

風邪とはまったく違う意味の悪寒を感じながら、観念して答えることにした。

 

 

 

「その・・・ノンナに・・・似てるなって思って・・・買った。」

 

 

 

先程とは真逆の、なんて最低で遠回しな告白だろうと自分で思った。完全に嫌われた。

心配してわざわざご飯まで作ってくれた好きな女の子に対して何を言っているんだろう。ああ、情けない。

 

 

自分自身に腹が立っているとカチャーンと何かが落ちる音が聞こえた。

見ると先ほどのDVDが床に散らばっている。

 

 

 

「・・・・・。」

 

 

顔を真っ赤にさせながら微動だにしないノンナがいる。真っ赤だが、怒っているという雰囲気は感じられない。そう思った直後、俺の耳元まで近づき囁く。

 

 

 

「言ってくだされば・・・私がお相手するのに。」

 

 

 

 

(・・・・・は? 今、なんて言った? 私がお相手する・・・・お相手するぅぅぅぅ!?)

 

 

 

「ですから早く治してくださいね。あと、このDVDはもう不要ですよね? 私が処分しておきます。いいですね?」

 

 

 

「・・・はい。」

 

 

 

「よろしい。では、ご飯も食べ終わったことですし寝ましょう。」

 

 

 

 

そう言ってノンナはいつもカチューシャに歌っている子守唄を歌ってくれた。俺の胸に手を置き、赤子をあやすように一定のリズムでトントンと叩いてくれるおまけつきで。

 

 

彼女の聖母のような笑みを見れなくなるのを惜しみつつ目を閉じ、五感を耳だけに集中させ、俺は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

 

 

「あっ。」

 

 

風邪の治った俺が登校している姿を見つけたカチューシャが声をあげる。

 

 

 

「タ、タクマ。わ、悪かったわね、無茶なスケジュール組んだりして。」

 

 

珍しいこともあるものだ。あのカチューシャが謝ってきた。数日いなかったのが堪えたか?

 

 

 

「あー、俺も悪かったよ。無理なら無理ってちゃんと言わなくてよ。次からはきちんと意見するわ。」

 

 

 

「でしょー!!まったく、あんたのせいで私が悪者扱いされたんだから!!」

 

 

 

そう言ってプンスカと歩いて行ってしまった。まったく、調子に乗るとすぐこれだ。

 

 

 

 

「同志タクマ。」

 

 

 

後ろから声をかけられる。

 

 

「ああ、ノンナか。おはよう。あの時は本当に助かった、ありがとう。」

 

 

 

礼を言い、頭を下げる。

 

 

 

 

「もう少し自身の体を大切にしてください。」

 

 

「善処するよ。・・・それでな、ノンナ。」

 

 

「はい。」

 

 

「その・・・今日、戦車道終わったら俺の部屋に来てもらえないかな~、なんて。」

 

 

「わかりました。」

 

 

(即答かよ!!)

 

 

 

言い終えると俺の肩に手をかけて耳元で囁く。

 

 

 

 

 

「今夜はたっぷり可愛がってくださいね。」

 

 

 

その脳みそも溶けそうな甘い声にまた違った意味で震える俺だった。













ソシャゲの大洗制服ノンナ、手に入れられなかった。orz





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