こんな時間なので2人まとめてということで!!
(はぁ~とんでもないことになっちゃったな。まあ、でも女子の写真もらえるのはいいよな・・・・あの会長に頼めば西住のもくれるのかな? ・・・・はっ?何考えてんだ俺!! しっかりしろ!!元はと言えば俺のせいで他の皆さんに迷惑かけたんじゃないか!!)
大洗女子学園の廊下を歩きながら一考していたツヴァイは首を振り我に返る。両頬を叩き気合を入れ直してグランドに向かおうとした時、
「あっ、西住。」
エントランスまでさしかかった時、先程まで妄想をした相手、西住みほがグランドを歩いているのが見えた。
(どうする? 声をかけるか? いやでも・・・ええい!どうせ後で会うんだから今声をかけちまえ。)
「にし・・・」
「やあ、みほちゃん。」
「えっ? ヒロアキさん!? どうしてここに?」
一足早くグランドに出ていたヒロアキがみほに声をかけた。驚くみほに対してヒロアキは自分がここにいる経緯を説明するそして・・・
「そうだったんですか。」
「そうそう。あっ、あとコレお土産、ウチの地域限定のボコ人形。」
「えっ? いいんですか!? ありがとうございます!!」
(あいつあんなにテンション高い時あるんだな。)
みほとヒロアキのやり取りを少し遠くから見ていたツヴァイ。自分もそこへ近づこうと歩みを進めると・・・
「ヒロアキ・・・突然大洗女子に行くと思ったらみほさんと会ってる。」
「うわっっ!!!」
声のする方へ目を向けると校庭の垣根に隠れている少女を発見しその姿に驚くツヴァイ。
「あー、えーっと確か島田愛里寿ちゃんだよね? どうしたのこんなところで。」
しかしそこは黒森峰の生徒。すぐに落ち着きを取り戻し事情を聴くことにする。どうやら彼女はヒロアキが突然大洗に行くことを前日に告げたので不審に思い、こっそりついてきたそうだ。彼の名誉の為、ツヴァイは理由を教えることにした。
「なるほど。理由はわかった。ありがとう。」
そう事務的に言うとすぐにボコ談義をしているヒロアキとみほの方へ向いて二人を見つめる愛里寿。ツヴァイも何となく仲良く話す二人を見つめ、
「しかしあのクマ何なんだ?」
と独り言のようにつぶやくと
「あれはボコられグマのボコ。私とヒロアキとみほさんが好きなキャラクター。」
「へぇ~」
「ほう。それはいいことを聞いた。」
「ってリーダー!! いつの間に後ろに!?」
「お願い愛里寿ちゃん!ボコについて教えてくれないかな?」
「何頼んでんですかリーダー!!」
「バカ野郎!!いずれ義妹になるんだ!好みは把握しときたいだろ!!ツヴァイ、お前も知っておけば今後みほちゃんに話しかけやすくなるんだぞ!!」
「・・・お願いします。島田愛里寿さん、いやボコ師匠。俺達にボコのなんたるかを教えてください。」
「・・・ボコ師匠・・・なにか良い響き。わかった、教える。」
「「おお~。」」
愛里寿にボコについて教わるリーダーとツヴァイ。しかしその二人を見つめる影が二つ。
「リーダー、大洗女子に行くと言うからてっきりみほに会ってるのかと思ったら何故島田流の子と会っている。」
「た、隊長!! しっかりしてください。足元がふらついてますよ!!」
愛里寿と同じ理由でついてきたエリカとまほだが大洗女子の地でライバル流派の島田愛里寿と話している彼氏を見て西住流の跡取りとしては信じられないものを目にして足がおぼつかなくなる。
状況を整理すると現在、以下のような状態である。
ボコ談義をするみほ&ヒロアキ ← それを見つめボコ講座を始める愛里寿&ツヴァイ&リーダー ← さらにそれを見つめるまほ&エリカ
「ふうー。」
ボコ談義に一段落ついたようで一息つく愛里寿。
「あっ、ごめんね。俺飲み物買ってくるわ。ジュースでいいかな?」
「うん。ありがとう。」
メモ片手に熱心に聞いていたリーダーだが愛里寿を気遣って校舎へ飲み物を買いに行ったリーダー。
「リーダーが離れたな。直接問いただしてくる。エリカ、ここは頼んだぞ!」
「えっ? 隊長? 隊長ーー!!」
リーダーの後を追って校舎へ消えるまほ。取り残されたエリカはしかたないので愛里寿とツヴァイを見つめる。
「ボコミュージアムってのもあってそこでボコショーがあるの。」
「そうなのか。それはどんな感じでやってるんだ?」
「じゃあ私がボコの役をやるから・・・・」
愛里寿指導によるボコショーの再現が始まった。しかし遠くにいるエリカにはその会話は聞こえない。故に悲劇は起きた。
「なっ!? 何やってんのよアイツ!!」
突然ツヴァイが愛里寿を蹴りはじめた。正確には愛里寿指導によるフリなのだが。
「オラッ、弱いくせに生意気だなー(棒読み)」
「うわっ、やめろー!!」
愛里寿を蹴るフリをしながら罵倒し続けるツヴァイ。しかしそれに気づいたみほとヒロアキが駆けつける。
「あっ、良かった。二人が助けに入ったわ・・・・って全員蹴られてるー!?」
すぐにボコショーごっこをやっていると気づいた二人は愛里寿やツヴァイがここにいる理由なんかそっちのけで「一緒にやりたい」と言い始め、三人がボコ役をやりたいと言ったためツヴァイ一人が蹴る役に。
「オラッオラッ!!!どこに目をつけてやがる。」
「ぐわー。何をする―。」
「みんなーオイラに力をー。」
「おまえなんかこのパンチで・・・うわーダメだ―。」
ツヴァイの蹴り(フリ)によって全員地に倒れ、微動だにしない。これで一通り終わりらしい。
「ふうー。喉乾いたー。俺も飲み物買ってこようかな?」
一種の満足感を覚え、汗を拭いながら校舎へ向かっていく。するとエントランス付近で後ろから声をかけられた。
「ちょっと!!!」
「ん?えっ?なんでおまえここに・・・」
「あんな小さい子にまで暴力振るってどういうことよこのへっぽこ整備士野郎!!!!!」
「ゴパッッッ!!!!!」
ボクササイズで鍛えたエリカの右ストレートがツヴァイのみぞおちにヒット。ツヴァイは倒れた。ツヴァイはめのまえがまっくらになった。そこへ
「「「やってやるやってやる♪」」」
「えっ?」
先程までグランドに沈んでいた三人が陽気にボコのテーマを仲良く歌っている。さらに
「そうかみほの為に島田愛里寿と話をしていたのか。」
「そうだよまほさん。みほちゃんが好きなボコを学ぶためにね。」
「うむ。みほの為ならしかたないな。」
数分前まで死にそうな顔でふらついていたまほがリーダーとラブラブでボコの話をしている。
歌う三人、ラブラブな二人、倒れる整備士をそれぞれ見てエリカはこぼした。
「・・・何これ?」
大洗女子学園はあっちこっちボコ(ボコ)だった。
おまけ
「はぁ、いって~。アイツおもいっきり腹に入れやがって。」
「あはは、ごめんね。まさかエリカさんが勘違いしちゃうとは。」
「もう二度とやんねぇ。」
「えっ?・・・・やってくれないの?」
「・・・・今度来たときこっそりな。」
「うん!!」
みぽりん出番少なかった。ごめんなさい。