いろんなところの整備士さん   作:ターボー001

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とある絵師さんたちのミカの競泳水着を拝見して衝動的に書いたものです。

※前半部分、ミカと絡みがありません。


継続高校
ミカさんの嫉妬話


 季節は夏。けたたましく蝉が鳴く継続高校。

とあるクラスでは体育の授業中らしく学校のプールから喧噪が聞こえてくる。

どうやら授業も終わりが近く、今は自由時間のようだ。

各々ベンチで休んだり、プールの中で涼んだりと好きなように時間をつぶしている。

その中で一人の青年はプールであおむけで浮かんでおり連なっている雲を一点見つめていた。

 

 

(平和だ。今日はもうずっとこのまま何もしたくない。水の中の静寂に居たい。)

 

「おい!タクマ!!」

 

(はい、さっそく俺の願い 叶いませんでした。)

 

同級生かつ友人に自分の名前を呼ばれたので状態を渋々とあおむけからプールの底に足をつける形に変える。

 

「何?」

 

「あれ、見てみろよ!!」

 

やや不機嫌気味に答える俺を気にせず友人は興奮した様子で親指をあげながら後ろを指した。

 

視線を移すと同級生のアキ、ミカ、ミッコの3人が青を基調とした、うちの高校指定の競泳水着姿でベンチで休んでいた。

まあプールの授業だから水着姿なのは当たり前か。

ちなみにスクール水着じゃないのはうちの高校の予算の関係だそうだ。

いや、どういう理由だよ!!って聞きたくなるが俺も詳しくは知らない。

 

 話がそれたな。

 

 3人は普通に談笑してるだけのようだが・・・

 

「・・・で?」

 

「で?っておまえ、あの体をを見て何も感じないわけ!? よく見ろよ!!」

 

友人に両手で頭をガシッっと掴まれ強制的に目線を移され足を組んでいるミカが映る。

さすがにいつものチューリップハットはしておらず、心地よさそうに弾いてるカンテレもない。

だが表情はいつも通りの余裕があるような感じでアキ、ミッコの問いかけに対して答えている。

まあ、控えめに言っても美人の部類であり、授業で濡れた長い髪がそれを助長させる。

そしてなにより・・・

 

 

「あの顔であのプロポーションだぞ。胸とかもう・・・グフフ」

 

俺の真後ろでグフフと言うな気持ち悪い。吐息が当たってるのが余計に。

 

「ああ、そうか。整備士様はいつでもあの体を拝めるからもう見慣れてるってか?

 はぁ~、良いですね。俺も整備士になろうかな?」

 

 

一人で勝手な見解をはじめる友人を無視して俺はミカたちがいる方とは反対側へ泳ぎはじめた。

 

先ほどの友人の発言の通り、俺は継続高校の戦車道の整備士をしている。

担当はBT―42 ミカたちが乗る戦車だ。当然ミカたちとはよく話す。

なんならカンテレで俺の好きな邦楽を演奏してくれるくらい仲がいい。

まあ1年の頃にはあの独特の受け答えに多少イラついたりしたが3年生になるころには

もう俺が受け入れる形に自然となってしまった。慣れって恐ろしいね。

 

 

しかし慣れないこともある。先ほどの友人の発言をもう一度見てほしい。

そう、ミカのあのプロポーションだ。全然、見慣れねぇ!!

あの体を見て何も感じない? バリバリ感じるわ!!

さっきも見たけど何?あの胸? なにか果物入れてません?

そんで足も組んで・・・色々と食い込んでますけど?

 

失礼、取り乱した。

 

ミカを見た時間は約2秒弱だが、健全な男子を悶々とさせるには充分すぎる女体を

持っているというのがおわかり頂ければ幸いである。

さらに戦車道で整備士をやっているとそんな機会が多々ある。

ミカは特にその辺も無頓着で、今の季節なんか・・その・・汗で透けてたりや

スカートの中の空気の入れ替えなのか、バッサバッサとスカートをつまんで揺らす。

 

眼福と言えば眼福なのだが他の女子たちの目線が痛い。戦車道はほぼ女子しかいないからな。

 

まあそんな理由で眼福な場面に出くわしてもガン見したりはしないし、

興味がないふりをする。 ・・・ムッツリとか言うなよ?

 

 

 

 

そうこうしてるうちにプールの端まで泳いでしまった。心地よいダルさが体に伝わってくる。

 

(・・・・そろそろあがるか)

 

 

両手を地面につけ、体を水の中から引き上げると同時に女子数名からキャーという悲鳴が聞こえた。

 

 

(えっ?何?俺?まさか海パンが脱げ・・・いや脱げてないな。じゃあなんだ?)

 

 

どこかに異常があるのかと思いキョロキョロと自分の体を見ていると

同級生の女子数名が俺に近づいてきた。

 

 

「あの・・タクマくん・・・」

 

 思いつめたような顔でこちらを見てくる。

 

 

(何?何?死の宣告でもされんのかな、俺。)

 

 

「お腹触らせてもらってもいい?」

 

 

「・・・・えっ?」

 

 

思考停止5秒。そして再起動。予想外の事態に脳内シャットダウンが行われました。

ああー、俺の腹筋見て触りたいと、そうゆうことですか、まあ嬉しいですけど。

ずいぶんと大胆ですね。

 

「・・・どうぞ」

 

 

しばらく黙っていたので不安な顔になっていた女子たちが俺の了解を得たことで

途端に明るくなり。

 

 

「じゃあ失礼しまーす。」

 

そう言って小さな手がペタペタと腹を触り始める。手は濡れているがじんわりと温かさが伝わってくる。

 

「すごーい!!固い!!」

 

 

字面だけ見ると非常に怪しいが触っているのは腹である。

元々何かスポーツをしてたわけではなく自転車で通学してて自然と鍛えられたのだ。

つまりそれほどまでに家が遠い。

 

 

他の女子2名も、どれどれと俺の腹を触り始めたころ

 

 

(あっ、これ他の男子に嫉妬されるパターンじゃね?)

 

と思って周りの男子たちを見まわしたがほぼ全員、ベンチで休憩中のミカに釘付けのようだ。

 

 

よかったーと思った矢先にとてつもない殺気を本能的に感じた。

油切れをおこした機械のようにゆっくりとその方向へ向くと・・・

ミカがいた。

いつもよりほんのわずかだが目を細めてこちらを見ていらっしゃる。

そして目に光がない。機嫌が悪い時のミカだ!

 

付き合いが長いからわかる。あれは怒ってらっしゃる。

原因はおそらく俺が今女子たちに腹を触らせていることだろう。

でも理由は?皆目見当もつきません!!

ああヤバい、ミカの目線に本当に鳥肌が立ってきた。

 

 

「あっ、すごい鳥肌が立ってる。ごめんねちょっと触りすぎたね。」

 

 

そう言って女子たちが手を放すと同時に体育教師の授業終了の声が聞こえた。

ぞろぞろと各更衣室に戻る同級生たち。ミカは早歩きで姿を消してしまった。

首筋に嫌な汗をかきながらやや遅れて俺は更衣室へ歩きだした。

 

 

 

 

 

 

~放課後~

 

 

 

 

戦車道の練習が終わり、倉庫に戦車が戻ってくる。

 

ここから整備士としての仕事がはじまる。

 

戦車からミカたちが降りてくるのが見えたので一応声をかけてみる。

 

 

「ミカ、メンテナンスはいつも通りでいいk「君の好きにすればいいんじゃないかな?」

 

言葉を遮ってきた。怒ってらっしゃる。いつもなら「ああ、頼むよ」と言ってくれるのに。

 

 

そのままミカはどこかへ行ってしまった。

 

 

ミカの行動にガックリしているとアキが話しかけてくれた。

 

 

「タクマ、ミカが怒っている原因わかる?」

 

 

聞き方のニュアンスからしてアキは原因をわかっているらしい。

 

 

「・・・プールのあれ?」

 

 

「へぇ~、そこはわかってるんだ。」

 

上の方から声が聞こえたので見上げると車体に乗ったミッコがいた。

まるで感心するような言い方だ。

まったく失礼な、俺はそこまで鈍感じゃあない。

 

 

よっ、と言って戦車からジャンプし着地するとそのままミッコは言葉を続けた。

 

 

「じゃあミカが怒っている理由はわかる?」

 

 

「・・・皆目見当もつきません。」

 

 

そう言うと二人は顔を見合わせて大きくため息をついた。

 

 

何か無性に腹立つな。

 

 

「もうこの際だからハッキリ言うけどミカはあんたのことがす「何してるんだい?」

 

 

今度はミッコの声を遮るミカ。声色は先ほどよりも強く、いつものやわらかなものではない。

 

 

「練習はもう終わったんだ。さっさと帰るよ。整備はそこの人に任せればいい。」

 

 

だいぶご立腹のようでアキもミッコももう何も言えなくなってしまった。

今日は大人しく帰ったほうがよさそうと悟ったのだろう。ミカの方へゆっくりと歩きだし、ミカと一緒に倉庫を後にした。

 

かくいう俺はミカが怖くて直視できず、戦車の整備に取り掛かることで逃げた。

情けない話である。

 

 

 

 

 

 

1時間くらい作業をしていると汗が滝のように流れてくる。さすがにツナギのままだと

暑すぎるのでツナギの上半分を脱いでタンクトップで作業をしている状態だ。

 

 

(あと少しで休憩にしようかな?)

 

 

首に巻いたタオルで汗を拭きながら考えているとポロローンという聞きなれた音が倉庫に響いた。

 

 

まさかと思って振り返るとミカがいた。椅子に座って目を瞑ってカンテレを弾いてる。

 

 

(えっ?なんで?怒って帰ったじゃん!激おこぷんぷんだったじゃん!!)

 

 

突然のミカの出現でだいぶパニックになった俺だが、さわらぬ神にたたりなし

と思い下手に声をかけるのはやめておいた。

 

 

10分程カンテレと作業の音が響くだけの状態となり、このまま整備が終わるまで

続くのかなと思っていたら突然カンテレの音が止まった。

 

 

気になったので再度振り返ろうとしたとき、背中に何かやわらかいものが押し付けられ細く小さな腕が俺の腰を交差し強く引き寄せられた。

ミカが抱きしめてきたのだ。

 

 

「本当に固いんだな、君のお腹は」

 

そう言うと片手で俺のタンクトップを捲り、もう片方で直に俺の腹を触ってきた。

 

「あのー、ミカさん?いったい何を?」

 

 突然の行動、そしてミカのやわらかい双丘を押し付けられていることで声が裏返る。

 

「君が他の女子にさせていた事をしているまでだよ」

 

拗ねたような声でそう答えてくる。しかし段々とまさぐっている手が胸の方へあがってくる。 

 

(いや、他の女子にはそこまでさせてませんけど!?)

 

 

「君がいけないんだ。ずっと近くで君を見ていたのは私なのに。君は全然私を見てくれないし。君に触れたいと思っても我慢してきたのに。あんなに簡単に他の女に触らせるなんて。我慢してた私がバカみたいじゃないか。」

 

 

抱きしめる力がさら強くなる。

 

 

「フフッ、胸板は厚いんだね。」

 

 

・・・・この言動、そしてミッコが俺に言いかけた言葉。

 

前言撤回、俺は超鈍感男だ。本当に情けない。女の子にここまで言わせてしまうなんて。

 

 

ここで俺がとるべき行動はひとつ。

 

俺はミカの手を外し、ミカの正面に向いた。

 

 

 「ミカ」

 

名前を呼び、しばらく目を見つめ、思いっきりミカを抱きしめた。

 

 

「フフッ、少し苦しいかな。でも君のにおいがする。いいにおいだ。」

 

俺が汗臭いだろ?と言うとそんなことはないよ、とかえってきた。

 

その返答に愛おしくなりチューリップハットを外し、髪をなでてやる。

 

 

サラサラとした髪が俺の指と指の間をすり抜ける。

 

「んっ・・・はぁ」

 

2~3回なでただろうか。どうやらくすぐったいらしい。

なでる度にミカの甘い吐息が漏れてくる。

 

 

その吐息に俺はもう我慢できなくなった。

 

 

ミカの頬に手をそえる。

 

「ミカ」

 

 

名前を呼ぶと、とろんとした目がこちらを見つめてきた。

その目を見つめながらゆっくりと唇を重ね、目を閉じた。触れ合うだけのキス。

 

 

「好きだよ。」

 

「じゃあもう一回してくれるかな?」

 

 

いたずらっぽく笑うミカの唇と自分の唇を重ねようとしたら

ミカが俺の頭をおさえて自分からキスをしてきた。

 

今度は舌を入れて長く長く。何度互いに舌を転がしただろうか。

 

キスの感覚がなくなるまで求めた続けた二人。

 

最後には名残惜しく二人の唇の間を銀の糸が結んでいた。

 

 

 

 

整備を終え、帰宅途中。

 

俺は自転車の後ろにミカを乗せて漕いでいた。

この付近なら警察もあまりいないだろう。

 

 

「ごめんな俺、鈍感でさ」

 

 

「君の鈍感っぷりは今に始まったことじゃないさ。薄着で過ごしてみたり、スカートをつまんであげてみたりしたけど全然効果がなかったことなんか気にしていないよ。」

 

 

「・・・・ごめんなさい」

 

 

 

(あれ、アプローチだったんだ。)

 

 

「フフッ」

 

笑いながら俺の背中に頭を預けてくる。

 

「?」

 

 

「でもそんな君だからこそ私は惹かれてしまったんだろうね。」

 

 

 

顔が熱くなるのをいやでも感じる。たぶん後ろではミカがすまし顔でいるのだろう。

 

 

なんか悔しい。

 

 

「こんな美人に嫉妬されて好かれるなんて俺は幸せ者だなぁー。」

 

 

「・・・・バカ//」

 

チューリップハットを深くかぶり俺の腰に回しているミカの手が強くなった。

 

 

してやったりだ。

 

 

自転車を漕いでいると緩やかな下り坂にさしかかった。

 

夜とはいえ夏なのでまだまだ暑いこんな日にはちょうど良い風の通り道だ。

 

 

徐々にスピードを上げると横切っていく風が気持ちいい。

 

「タクマ」

 

ミカがこの日はじめて名前で呼んでくれた。

 

 

「んー?」

 

俺は振り向かないで答える。

 

 

「ずっとわたしの整備士でいてくれるかな?」

 

その問いの答えはもうすでに決まっている。

 

俺は横切ってく風に負けないくらいの大きな声で答えた。

 

なんて答えたかだって?

 

それは風が知っているんじゃないか?

 

なんてな。

 

 




初投稿作品です。

至らぬ点ばかりだと思いますがよろしくお願いします。
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