咲-Saki- episode of side S   作:Sirone

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ネタがない。

後、前回の答え合わせは読み飛ばすことをオススメします。


閑話 咲日和 side S

 

 

 

《答え合わせ》

 

 

「――――そういえば、朔上君」

 

 

帰りの電車内、外をぼーっと眺めていた俺の前に座る部長が、何かを思い出したように手を叩いた。

県予選決勝の余韻も今はすっかり消え、俺と部長を除いた全員が眠りに落ちていた。ついさっきまで起きていたと記憶している須賀も、いつの間にか寝落ちしている。

 

 

「さっきの裸単騎って、{四}が切られるって分かってやったわよね?」

 

「え? あぁ、あれですか。……まぁ、一応」

 

「じゃあ、なんで{四}が出るって分かったの?」

 

「あー……別に構いませんけど、正直かなりこじつけですよ? 後々、自分でも何言ってんだこいつって思ったレベルなんで」

 

「それでいいわ、聞かせて頂戴?」

 

 

じゃあ……と前置きを入れ、解説を始める。

 

 

「つっても、簡単な話ですよ。俺が連槓する前に、天江に聞いた事って覚えてますか?」

 

「えーっと確か……『逃げ切ったと思うのは少し早計だな』だったかしら?」

 

「はい。あの言葉で天江を煽った時、天江は目に見えて動揺していました。本人が気が付かなくとも、俺にはバレバレです。だから、あの時の手には現物はないと踏んだ」

 

 

もしあったのなら、俺の煽りは戯言と一蹴されていたはず。それは想像に難くない。

故に、俺の捨て牌を天江は一つも持っていなかったはずなのだ。なら、何を切るかはある程度まで予測出来る。

 

 

「まず最初に筒子と字牌ですが、終盤に俺が筒子と字牌を手出し連打していたせいで切れません。次に」

 

「ちょっとストップ! 何で終盤に筒子と字牌を連打してたからって、それが切れないのよ?」

 

「そっからですか……えっとですね。あの時、俺はただ和了ればよかったでしょ? 役は何でもよかったわけだ。なら、終盤に筒子と字牌を手出し連打したってのは、俺が途中まで筒子の染め手を狙ってた可能性を示唆してるんです」

 

「……なるほど。朔上君がこっそり一つ残してる可能性があるわけね」

 

「その通りです。次に、二、三の数牌も切れません。俺が槓する前の暗子と組み合わせると、嵌張、辺張待ちがありうるからです。もうこの時点で切れるのは」

 

 

{四 五 六 4 5 6}

 

 

「の、六種のみ。この内の{4 6}は俺の現物だから消え、{5}は前巡に天江が捨てているから消える」

 

 

俺は最後の嶺上牌である{發}をツモ切りしている。それは、前巡から待ちが変わっていない事を意味している。

ならば、もし天江が{5}を持っていたらほぼ安牌。つまり、天江の手に{5}はない。

 

 

「結局、何とか天江が切れそうなのは{四 五 六}の三種のみ。…………実は、ここまでしか分かんなかったんですよね」

 

「え?」

 

「ここからどれだけ頭を振り絞っても、どれを切ってくるかは分からなかった。捨て牌から見るに染め手ではなかったし、萬子だけ端の方が多く切られてたから、多分持ってるとは思ったけれど、それは他の二牌も同じ。だから……」

 

 

強いて言うならば、俺が早くに{二}をツモ切っていたから、その順子に含まれる{四}はなさそうに見える…………そのくらい。

後はもう、天江がどれに揺れるか。

 

 

「後は、賭けでした」

 

 

タハハ……と笑いながら、説明を終える。

すると部長は、何かを決心したような表情でこちらへ詰め寄るって近い近い! すこやんとこーこくらいしか女子との友好関係がない俺にはこの距離は辛いんで! 自重してください!

いや、すこやんとこーこが女子って呼べる年齢なのかどうかは分かんねぇけどさ。

 

 

「――――朔上君、御教授お願いします!」

 

「…………はい?」

 

「ほら、私の悪待ちに朔上君の読みを合わせたら最強でしょ? だから、教えて?」

 

 

部長の悪戯めいた笑顔とウインクに、思わずドキッとしてしまったが、すこやんの残念さを思い出す事により女性の裏の面と向き合い、何とか誘惑に打ち勝った。

危ねぇ……あの悲劇がなければ即死だった。

 

 

「つーか、そのスタイルっていつもの俺と大差ないんじゃ……まぁいいや。教えるって程のもんでもないですけど、部長がそう言うなら」

 

 

部長の「ありがと」という短い返事を聞いた途端、無性に眠気が襲ってきた。

これ以上部長と会話する事もないし、もう眠ってもいいよね……? …………すぅ。

 

 

 

《世話焼きのどっちと朔上君》

 

 

「――――朔上君?」

 

俺が進学先に清澄高校を選んだ理由の一つである、無駄に広い庭の片隅。一人川に石を投げ入れて空腹を紛らわせていると、何故か原村が現れた。それはもう、ドラクエ並に唐突に。

なんなら無視してどこかへ消えてくれてもよかったのに……むしろそうしてくれ。今の俺、かなり死んだ魚のような目してるから。

 

 

「あぁ、原村か……何か用か?」

 

「いえ……どこで食事をしようか悩んでいたところです。というか、朔上君はもう食べ終わったんですか? まだ昼休みが始まってから数分しか経ってませんよ?」

 

「…………聞かないでくれ」

 

 

食べてないどころか持ってきてすらいない、だなんてみっともなくて言えるはずがない。それを隠すために、わざわざこんな端の方まで歩いてくると言うのに。

自分で言ったら意味がないじゃないか。

……あ、でも原村をはじめとする麻雀部員は全員俺の境遇知ってるか。じゃあ隠しても無駄じゃん。

 

しばらくきょとんとしていた原村だが、どうやら理解したらしく、一つ大きなため息を吐いて俺の横に座った。……っておい。

 

 

「お前飯食う場所悩んでたんじゃないの? さっき宮永とか須賀とかがあっちで飯食ってたぞ」

 

「知ってます。でも今日は、久しぶりに一人で静かに食べたかったんです」

 

「じゃあ条件満たせてないよ? 俺の存在忘れてない?」

 

「忘れてませんよ……で、何で私をそこまでして遠ざけようとするんですか?」

 

 

原村の糾弾するようなジト目に圧され、つい目を逸らしてしまう。が、それでも原村からの圧力はなくならない。

……仕方ない、ここは俺が折れるとするか。

 

 

「ほら、何か……原村に心配されるとむず痒いって言うか……アレだよ、アレ」

 

「…………意味が分かりません」

 

「慣れてないんだよ。人に心配されたり、善意で何かしてもらうの」

 

 

※すこやんとこーこは除く。

という一文が文末につくが。

 

 

「はぁ……そんな事ですか。なら、その分いつか朔上君には恩返しをしてもらいますので、気にする必要はないですよ。はい」

 

「それを聞いてこのパンを受け取る奴っているのかな……てかこれ原村のだよね?」

 

「私にはお弁当もありますから大丈夫です。父がいつも多く持たせてくれるので」

 

 

そう言われては、もう断る術などない。

どんな恩返しを強要されるんだろう……恩返しって恩を受けた側が感謝の意を示すためにする事であって、決して恩を与えた側が命じる物ではないと思います。これ、俺の、持論。

……あ、このパン美味しい。

 

基本的に米派の俺だが、どうにも空腹にだけは勝てそうもない。ものの数分で食べ終わってしまった。まだまだ食べ足りないが、少しは腹の足しになっただろう。感謝感激雨嵐。

そもそも今日は夜以外食べないつもりだったので、一食増えただけでも儲け物だ。

 

俺も原村も、自分から何かを話し出すタイプではないため、場には沈黙が漂う。

仕方なく携帯を弄っていると、つい数日前に行われたとある地獄を思い出した。

 

 

「…………テスト、か」

 

 

そう、皆の天敵ことテストだ。

俺はテスト週間だろうが何だろうが、生活費のためやむを得ずバイトを入れているため、勉強をする時間が全くと言っていいほどにない。

ちなみに、俺の点数は平均60点前後。

それだけ聞くと悪くなく思えるが、この内部明細が恐ろしい事になっているのだ。

はぁ…………憂鬱。

 

 

――――放課後。

 

 

「赤点?」

 

 

俺と原村が食事をしたところからもう少し校舎に近づいたあたりにて。

現在、赤点者弾圧の会が執り行われていた。

司会はもちろん原村和。傍聴人として、須賀、宮永、大星、そして俺。

被告人は、数学出来ないでお馴染みの片岡。

 

本来、俺も被告人側にいるべき存在だが、そんな事は知ったこっちゃない。

故事来歴を読み解くに、「バレなきゃ犯罪じゃない」らしい。つまり今、俺が何食わぬ顔でこちらにいるのは全く問題ないはずだ。

 

 

「そういえば、朔上って赤点あったよな?」

 

 

須賀ァァァァァァァァァァァァァァ!

お前どうしてこのタイミングでそれを口にするんだ! 言え! ここを切り抜けさえすれば、後は再テストの時に「あれ? 言ってなかったっけ?」って誤魔化せたのに!

何て夢も儚く散り、代わりに手に入れたのは証言席への片道切符。……潔く認めたら罪軽くなったりしないかな。

 

 

「…………朔上君?」

 

 

あ、だめだこれ。

だが、俺は謝らない…………!

俺が鉄の意志で黙りを決め込んでいると、しばらくして原村のため息が聞こえた。どうやら俺と片岡は生き残れるらしい。

 

喜びのあまり、脳内で「勝訴」と記された紙をかざしていると、原村が何かを思いついたように短く声を上げる。

……何だか嫌な予感しかしないんだけど。

 

 

「では、今日から勉強会をしましょう」

 

「俺今日バイトあったわそれじゃあ帰るから後はご自由に」

 

「逃がしませんよ?」

 

 

踵を返し、すたこらさっさと校門に向かおうとするも、腕を原村に掴まれる。

確かに今日は休みだけどさ、もし本当に今日バイトあったらどうするつもりなんだよ……責任取れんの?

 

 

「勉強会とか止めようぜ。つーか何もしなくても多分大丈夫だから、ね?」

 

「ね? じゃありません! 今回は大丈夫でも、また次に赤点を取ったら意味がないでしょう!」

 

「次のテストまでには大会終わってるだろ? ならその時に勉強すればいい、今は大会に向けて練習すればいい。ほら完璧!」

 

「何が完璧なんですか……? というか、今回の再テストで合格出来なかったら補習ですよ? そうなったら、合宿に行けません」

 

「……え? ちょっと待って。俺、合宿なんて一言も聞いてないんだけど?」

 

 

あ、これはあれか。元々俺はお呼びじゃないって事か。大丈夫、慣れてるから悲しくない。断じて悲しくないよ!

しかし、どうやら違ったらしく、単純に部長が伝えるのを忘れていただけのようだ。

…………しょうがない、覚悟を決めるか。

 

 

「はぁ……分かったよ。流石に合宿となると行かないわけにはいかないわ。でも、俺の赤点科目って英語だよ? 誰か分かる人いるの?」

 

「私は全教科分かるので大丈夫です」

 

「じゃあ問題なさそうだ。英語以外はほぼ完璧だからな……どうして英語だけああなった」

 

「……参考程度に聞きますけど、英語の点数は?」

 

 

俺はその問いに対して、指を二本立てる。

原村の、どことなく安心したような表情を見るに、この二本の指を二十点として解釈したらしい。が、そんなに甘くない。

やだ…………私の点数、低すぎ!

 

 

「二点だ」

 

「……今日から勉強会ですね。もちろん、優希もですよ? 部室なら空いてるでしょうし、早く行きましょう」

 

 

あー……これは地雷踏んだパターンか。

何が面白いのかは全く以て疑問だが、俺達の前を歩く原村の歩調は、妙に軽かった。

 

 

「あ、朔上君」

 

「どした?」

 

 

フワッと風に乗ったかのように振り向いた原村は、どうにも楽しそうで。

 

 

「明日はお弁当を作ってきますので、そのつもりでいてくださいね?」

 

 

…………世話焼きたがり、とでも言うべきか。

 

 

 

《すこやん家》

 

 

「ただいまー……ってまた増えてるし」

 

 

ここ最近、本格的にすこやんの私物が増え始めた。勿論、俺に何の断りもなく。一応ここの家賃を払ってるのは俺のはずなんだけど……。

いや、俺もちょっとなら何も言わない。

しかし……これはひどいでしょ。

 

どうやって運び込んだのかは知らないが、部屋の隅には見覚えのない箪笥がドン! と。その横には漫画がズラッと並ぶ本棚が二つ程。

極めつけに、無駄に真新しいテレビと、それに接続された最新ゲーム機――――PS4。

 

その元凶であるところのすこやんは、朝からこーことどっかに遊びに行っている。夜頃には家にまた来るらしいので、取り敢えず飯は作っておいた方がよさそうだ。

そう結論づけ、俺は鞄からワークを取り出す。

原村からやっておけと渡された問題用紙、B4紙に換算すると約五枚半。ちなみに、提出期限は明後日。…………あっれれー?

 

 

「…………終わる気がしない」

 

「何が?」

 

「課題。赤点取っちゃたから原村に無理矢理押し付けられたんだよ。いや、勉強になるからありがたいけどね? …………ぴゃっ!?」

 

 

いつの間にか後ろにいたすこやんに驚き、変な声が漏れる。くすくすと笑うすこやんを見ていると妙に気恥ずかしくなり、そういえばと気になっていた事を聞いてみた。

すこやんを相手にするなら、話題を逸らす技能は基本スキルだ。無論、俺は習得済み。

 

 

「つーかこの荷物って何? 永住でもするん?」

 

「…………実はね」

 

 

すこやんの表情は至って真面目で、ゴクリと唾を飲み込む。

そして、すこやんの口から出た言葉は。

 

 

「――――家出しちゃった」

 

「帰れ」

 

「即答!? 経緯ぐらい聞いてよ!」

 

 

そう言って、聞いてもいない経緯を勝手に話し始めるすこやん。

要約すると、母親に婚期について煽られてキレた、という事らしい。……アホくさ。

 

 

「何下らない事で争ってんだよ……。で? だから俺の部屋を拠点にした、と?」

 

「いや、ここらへんの荷物は普通に持ってきただけだよ。家出については、ちょっと頼みたい事があるんだけど……いいかな?」

 

「…………まぁ、酷い内容じゃなければ」

 

 

ここであっさり引き受けてしまうあたり、俺も大分甘い気がしないでもない。それより、普通は人の家に勝手に箪笥運び込んだりしないからね? 本棚は百本譲って許すとしても、箪笥すげぇ邪魔。マジ邪魔。別にいいけど。

 

 

「えっと、ね……」

 

 

何故か顔を赤らめるすこやん。

 

 

「家に……来てくれないかな……?」

 

「…………は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

茨城県某所、すこやん家の前にて。

 

 

「……やっぱり帰りたい」

 

 

こーこの事前情報によると、すこやんの父親はとても強面かつ恐ろしい存在らしい。すこやんは否定しているが、傍から見た情報の方がより正確さは高いだろう。

別にすこやんと付き合っているわけではないが、定期的に家に泊まりに来ている時点でそう疑われても文句は言えない。それについて言い訳をしている内にぶん殴られるまでの、一連の流れが容易に想像出来る。

 

 

「両親を見返すために俺を彼氏として紹介するとか、そんな事したって意味ねぇだろ……」

 

「だ、大丈夫だよ! 常々『たまには男友達も連れてきてね?』とか言ってるから!」

 

 

……だからって高校生連れてくか普通?

 

 

(…………バレてないよね?)

 

 

――――――数日前。

 

 

『お母さん、ちょっと相談したい事があるんだけど……今度友達呼んでもいい? 男子の』

 

『すこや、そこに座りなさい』

 

『え、は、はい』

 

『あなた、今年で何歳?』

 

『27歳…………って何言わせるの!?』

 

『今まで男友達を連れてきた回数は?』

 

『…………ゼロです』

 

『いい? その子絶対に捕まえなさいよ? 今度逃がしたらチャンスはないと思いなさい』

 

 

という事があり――――――

 

 

(家出云々も実は全部嘘で、ただの口実でしかないんだよね……。しかも、お母さんのアイデアだし)

 

 

「……行かないなら帰るよ?」

 

「ご、ごめん! …………じゃあ、ただいまー」

 

 

すこやんがドアを開けると、奥からパタパタとスリッパの音が聞こえてくる。

……せめて母親で頼みますん。

その願いが通じたのか、姿を見せたのはすこやんの母親だった。写真で見た事あるから間違いない。優しそうなオーラの人だな……。

 

 

「おっと忘れてた。お初にお目にかかります、朔上知生です。これ、粗品ですが……」

 

 

そう言って差し出したのは、そこら辺の店で適当に見繕ったチョコレートの詰め合わせ。人との縁は金払っても買えないって言うし、このくらいの出費は大丈夫だよね!

財布の中身からは目を背けつつ、すこやん母の様子を伺う。と、何故かチョコレートを受け取ろうとしない。……やっぱり桃ゼリーの方がよかったかな?

 

俺がそんな事を思っていると。

 

 

「――――――娘を宜しくお願い致します」

 

 

………………ん?

 

 

「ちょ、ちょっとお母さん! 何言ってるの!?」

 

 

………………うん。

 

 

「何言ってるのじゃないわよ。礼儀正しくて、容姿も可愛くて、こんな人なかなかいないわよ? 家に連れてきたって事は、すこやだって満更じゃないんでしょ?」

 

 

………………いやいや。

 

 

「そ……それはそうだけど……じゃなくて!」

 

 

………………おい。

 

 

「もう焦れったいわね! いいから私の言う通りにしておきなさいって、ね?」

 

「う、うん…………」

 

 

未だ心は置いてけぼりの俺と、すこやん母に言いくるめられてしまったすこやん。つーか途中で聞き捨てならない事言ってた気がするけど俺の気のせい?

まぁ気のせいって事にしておこう。そうしないと精神的にやばい。色々とやばい。

 

 

「……あ、ごめん。私の部屋、行こっか」

 

 

この流れで行っちゃうかーそっかー。

…………え? マジで行くの?

 

 

 

 

 

 

 

 

…………気まずい。

今まですこやんと一緒にいてこんな空気になった事は一度もない。原因はやはり、先程のすこやん母の煽りだろう。っていうかマジで帰りたい。眠い。

それが顔に出ていたのか。

 

 

「…………眠いの?」

 

「眠い。今日何時に起きたと思ってるのん?」

 

 

三時就寝の七時起き。

長野から茨城ってそこそこ遠いから早く起きるのは仕方ないけど、この就寝時間はいくらなんでも酷くないですかね?

原因はこーこ。

いつもは「こっちにも非がないわけじゃないし、こーこ一人のせいにするのも良くないよなぁ……」なんて気持ちも少しはある。が、今回は擁護のしようがないくらいあいつが悪い。

 

ま、その話はまた今度。

 

 

「そっか…………じゃあ、ここで寝る?」

 

「いいのか? …………じゃあ、寝る」

 

 

ふらふらと、すこやんが指差すベッドの上へと倒れ込む。……あれ?

このベッド、すこやんのじゃないの?

あ、でも、意外と気持ちいい……くぅ。

 

 

「ど、どうしよう……よくよく考えたらすごい状況だよね……? …………えいっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「すこやー? ご飯どう…………あらあら」

 

 

優しげな視線の先には、心地よさそうに眠る二人の姿があった。

その数時間後、同時に目覚めた二人がどうなったのかは言うまでもない。




さて、次回から新編入ります。
今まで以上に私の個人的趣味が入りますです。
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