エレノア「ただ今より緊急会議を行います」
アイゼン「急にどうした?」
ロクロウ「飲んでた途中だったんだが」
マギルゥ「わし眠いんじゃが」
エレノア「いいから黙って聞いてください。私達はかつてないほどの危機を迎えようとしています」
エレノア「この危機を乗り越えるために一致団結しなくてはならないのです」
マギルゥ「前にも言ったがわしらがそんなことできると思うか?」
エレノア「しなくてはならないんです!」
ロクロウ「そ、そうか。一体どうしたんだエレノア?」
マギルゥ「ベルベットは呼ばなくていいのかえ?」
エレノア「いいんです。危機と言うのはライフィセットのことです」
アイゼン「そういえばさっきから黙っているな。何かあったのか?」
ライフィセット「うん。僕、ベルベットと一緒にお風呂に入りたいんだ」
一同「…………」
ロクロウ「なんだって?」
ライフィセット「ベルベットと一緒にお風呂に入りたい」
マギルゥ「坊よ。お主そんなキャラじゃったか?」
エレノア「というより急にどうしたのですか?」
ライフィセット「前にメイルキオで誘われた時は断っちゃったけど、やっぱり一緒に入っておけばよかったなって」
アイゼン「お前はベルベットに子ども扱いされたくないから一緒に入らなかったんじゃないのか?」
ロクロウ「そう言っていたな。子ども扱いされてもいいのか?」
ライフィセット「ううん。子供扱いはされたくない。だけどね二人とも。それはそれ、これはこれでやっぱり一緒に入りたい」
マギルゥ「まぁ坊も男の子じゃからのう」
アイゼン「好きな女の裸を見たいというのはごく自然な事か」
ロクロウ「おう、じゃあ誘ってみたらどうだ。以前誘われたのなら問題ないだろう」
ライフィセット「うん。じゃあさっそくベルベットのところに行って来るね!」
エレノア「待ちなさい!」
エレノアがライフィセットの首根っこをつかんで止める
アイゼン「なぜ止める?」
エレノア「止めるに決まっているでしょう! 男女がそんな……と、とにかく駄目です!」
エレノア「そもそもいきなりライフィセットがこんな事を言い出すなんておかしいとは思わないのですか?」
ロクロウ「いや、全然」
アイゼン「男なら誰にでもそういう時期はある」
マギルゥ「むしろ男として正しく成長している証拠ではないのか?」
エレノア「あーっ、もう! あなた達に聞いた私が馬鹿でした!」
ロクロウ「まぁここには手本になるようないい大人は一人もいないな」
エレノア「私まであなた達と一緒にしないでください!」
ライフィセット「エレノア、そろそろ離してよ」
エレノア「あのですねライフィセット。その……興味を持つのは自然な事ですが――」
ライフィセット「僕はベルベットと一緒にお風呂に入っちゃ駄目なの?」
エレノア「いえ、その。本人が良いと言えばそんなことはありません」
ライフィセット「じゃあ触るのは?」
エレノア「駄目です!」
アイゼン「確かにここまで言うやつじゃなかった気はするな」
ロクロウ「そうかぁ? 以前香木の話になった時も香木よりも女の香りが好きだと言っていたし、あんがいスケベだったんじゃないか?」
アイゼン「それもそうか」
マギルゥ「エレノア、いい加減にせい。そもそもお主には止める権利などないじゃろう」
マギルゥ「ほれ坊。なんならわしも一緒に入ってやろうか?」
ライフィセット「マギルゥはいいよ」
マギルゥ「……真顔で即答するのやめてくれんかの」
エレノア「いったいどこで教育を間違えたんでしょう。いえ、そもそもここには悪いお手本を見せる大人ばかり」
エレノア「だけどそれを反面教師にして真っ直ぐに育ってくれていると思っていたのに」
ロクロウ「散々な言われようだな」
アイゼン「否定はできん。死神に夜叉に災禍の顕主。挙句の果てに魔女だ」
マギルゥ「コラーっ! わしが一番やばいみたいな言いかたはやめんかい!」
ライフィセット「とにかく僕はもう決めたんだ。自分の舵は自分で取るんだ」
エレノア「今その言葉を使わないでください……」
マギルゥ「まぁよいではないか。坊よ。ベルベットと一緒に風呂に入りたいかーっ!」
ライフィセット「おーっ!」
マギルゥ「ベルベットの裸が見たいかーっ!」
ライフィセット「おーっ!」
マギルゥ「あの大きな胸にさわりたいかーっ!」
ライフィセット「おーっ!」
マギルゥ「わしのナイスバディを拝みたいかーっ!」
ライフィセット「それはいいよ」
マギルゥ「真顔で即答はやめろといったであろう!」
マギルゥ「わしだって傷つく事はあるんじゃぞ……」
ロクロウ「なぁアイゼン。さすがに俺も今日のあいつはおかしいんじゃないかと思えてきたぞ」
アイゼン「テンションが妙に高いと言うか……」
エレノア「遅すぎますよ。もしかしたら風邪でもひいているのかもしれません。もしそうなら安静にしているべきです」
アイゼン「確かめてみるか。おいライフィセット――」
ライフィセット「僕は風邪なんてひいてない! 邪魔するならアイゼンだって倒していく!」
アイゼン「……なんだこの複雑な心境は」
ライフィセット「霊子開放!」
エレノア「え?」
周囲に魔法陣が出現する
ライフィセット「天光満つる処我は在り。黄泉の門開く処汝在り。」
ロクロウ「なっ!」
エレノア「冗談ではすみませんよ!」
アイゼン「マギルゥ。スペルアブソーバーだ!」
マギルゥ「馬鹿言うでないわ! 吸収し切れんわい!」
ロクロウ「俺は因果応報があるから平気か」
エレノア「貴方以外は全滅です!」
アイゼン「ライフィセットを殺す気か!」
マギルゥ「そもそもそれで防ぎきれるレベルではないわ! L1押しても全滅じゃわい!」
ライフィセット「出でよ、神の雷。これで最後だ!」
一同目を閉じる
エレノア「……あれ?」
アイゼン「霊力が消えた?」
目を開けるとライフィセットが仰向けに倒れている
エレノア「ライフィセット! ロクロウまさか……」
マギルゥ「殺ってしまったのかや?」
ロクロウ「待て待て俺じゃない。一体どうしたんだ」
アイゼン「コイツはまさか」
ベルベット「あんた達、なに騒いでるの?」
ベルベットがやってくる
エレノア「あ、ベルベット」
マギルゥ「お主今まで何をしておったんじゃ……」
ベルベット「部屋の掃除よ。あんた達散らかしたのならちゃんと片付けなさい。心水の瓶とか投げっぱなしだったわよ」
ロクロウ「おお、すまんすまん。って心水?」
ベルベット「それで、なんでフィーはこんなところで寝てるわけ?」
エレノア「突然倒れてしまったんです」
ベルベット「はぁ、しょうがないわね。あたしが運んでおくわ」
ベルベットがフィーを抱えていく
ロクロウ「アイゼン。俺が飲んでいたのはこれだが、部屋で心水を飲んだか?」
アイゼン「いや俺でもない」
エレノア「ということは……」
マギルゥ「坊が飲んでしまったと考えるのが妥当じゃな」
エレノア「それが原因でおかしくなっていたのですね」
アイゼン「人騒がせな……」
ロクロウ「あいつに心水は勧めないほうがいいな。うん」
マギルゥ「じゃのう。本当にインディグネイションを撃たれたらたまらんわい。さて、解散かいさ――」
エレノア「まだです。ライフィセットが心水を飲むなんて何かあったのかもしれません」
ロクロウ「俺やアイゼンが飲んでるのを見て飲んでみたくなっただけじゃないのか?」
アイゼン「時々興味深そうに見ていたしそんなところだろう」
エレノア「この際言わせて貰いますがあなた達三人はライフィセットの教育上悪い見本となるところが多すぎます。この機会に徹底的に治してしまいましょう」
マギルゥ「エレノア。わしらが今更治せるとでも――」
エレノア「治していただきます。まず心水を飲むなとは言いませんが量をわきまえてください。酔っ払ってみっともない姿をライフィセットに見せてはいけません。それから――」
ロクロウ「いつまで続くんだこれ……」
アイゼン「覚悟を決めろ。こうなったらエレノアは止められん」
マギルゥ「はぁ……坊にはこのバカがつくほどの真面目さは似ないといいのう」
エレノア「三人とも、しっかりと聞いてください!」